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83. ティアナside 突然の来訪者
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ジーク様とフィーナ様が出立ちされた日の夕方のことでした。
「さっきローザニアの屑王子からここに来ると連絡があった。腐っても王子だから断りきれなくてな、すまないが客室に向かい入れる準備をしてくれないか?」
私達使用人がよく集まっている部屋にやって来た旦那様がそう口にしました。
「ローザニアの王子殿下って、フィーナ様に婚約破棄を突きつけた挙句不敬罪までかけたって噂の……」
「今はフィーナ様に振り向いてもらおうとしているって噂があるみたいよ?」
旦那様の目の前だというのに、ざわざわと騒がしくなっていきます。今ここにいる使用人は私を含めて5人だけですが。
「皆もそう思うか。ジークに帰ってこないよう伝えるとしよう。
王子にフィーナがどこにいるか聞かれたら知らないと答えるように」
「「畏まりました!」」
「では失礼する」
旦那様は貴族の頂点に立つお方なのに、色々なことに寛容なお方なのです。
だから私達は気を詰めずに仕事をこなせています。
他所様のところでは、ミスをしただけで鞭を打たれたり……ということもあるようですが、ここでは悪くて反省文を書かされるくらいです。
先月、後輩の子が躓いて奥様に旦那様の目の前で熱々のお茶をかけてしまった時は皆青くなりましたが、酷い罰になることはありませんでした。
その代わり、お客様の前でしてしまわないようにとお説教はあったみたいですけどね。
そんなわけで、アトランタ家は基本平和なのです!
それなのに、この王子のせいで侍女達は怯えながら仕事をする羽目になりました。
「熱すぎる! もしやけどしたらどうする気だ⁉︎」
熱いお茶が入ったカップを後輩の侍女に投げつける王子。
至近距離だったために避けられずに彼女にお茶がかかってしまいました。
お茶をかけられた彼女は表情こそ変えていませんが、痛みに耐えている様子。
火傷してしまったのは確実なので急いで彼女を下がらせて私が対応することにしました。
先週フィーナ様から教えてもらった方法で防御魔法を使いながらーー。
「申し訳ありませんでした。すぐに代わりをお持ちします」
私はそう口にして急いでお茶を入れに向かいました。
フィーナ様からこの王子が使用人に厳しくしていると聞いていたので覚悟はしていましたが、まさかここまで酷いとは思っていませんでした。
これが終わったら旦那様に相談して追い出していただかないと私達の身が持ちそうにないですね……。
急いでお茶を持って客室に戻り、テーブルの上に置くと今度は拳が飛んできました。
「いつまで待たせたら気が済む? お前はもう出てくるな!」
防御魔法のお陰で痛くも痒くもありませんが、殴られた頬を押さえて赤くなってないのを隠しました。
「申し訳ありませんでした」
私は頭を下げて部屋を後にしました。そして、部屋に入ろうとしていた他の侍女を呼び止めて防御魔法のことを教えました。
ある程度魔法を使えれば初めてでも成功するほど簡単だったので、きっと役に立つはずです。
簡単でほとんど魔力を使ってないのに全く痛くないこの防御魔法……流石フィーナ様です。
帰ってきたら沢山お礼をしないといけませんね!
「さっきローザニアの屑王子からここに来ると連絡があった。腐っても王子だから断りきれなくてな、すまないが客室に向かい入れる準備をしてくれないか?」
私達使用人がよく集まっている部屋にやって来た旦那様がそう口にしました。
「ローザニアの王子殿下って、フィーナ様に婚約破棄を突きつけた挙句不敬罪までかけたって噂の……」
「今はフィーナ様に振り向いてもらおうとしているって噂があるみたいよ?」
旦那様の目の前だというのに、ざわざわと騒がしくなっていきます。今ここにいる使用人は私を含めて5人だけですが。
「皆もそう思うか。ジークに帰ってこないよう伝えるとしよう。
王子にフィーナがどこにいるか聞かれたら知らないと答えるように」
「「畏まりました!」」
「では失礼する」
旦那様は貴族の頂点に立つお方なのに、色々なことに寛容なお方なのです。
だから私達は気を詰めずに仕事をこなせています。
他所様のところでは、ミスをしただけで鞭を打たれたり……ということもあるようですが、ここでは悪くて反省文を書かされるくらいです。
先月、後輩の子が躓いて奥様に旦那様の目の前で熱々のお茶をかけてしまった時は皆青くなりましたが、酷い罰になることはありませんでした。
その代わり、お客様の前でしてしまわないようにとお説教はあったみたいですけどね。
そんなわけで、アトランタ家は基本平和なのです!
それなのに、この王子のせいで侍女達は怯えながら仕事をする羽目になりました。
「熱すぎる! もしやけどしたらどうする気だ⁉︎」
熱いお茶が入ったカップを後輩の侍女に投げつける王子。
至近距離だったために避けられずに彼女にお茶がかかってしまいました。
お茶をかけられた彼女は表情こそ変えていませんが、痛みに耐えている様子。
火傷してしまったのは確実なので急いで彼女を下がらせて私が対応することにしました。
先週フィーナ様から教えてもらった方法で防御魔法を使いながらーー。
「申し訳ありませんでした。すぐに代わりをお持ちします」
私はそう口にして急いでお茶を入れに向かいました。
フィーナ様からこの王子が使用人に厳しくしていると聞いていたので覚悟はしていましたが、まさかここまで酷いとは思っていませんでした。
これが終わったら旦那様に相談して追い出していただかないと私達の身が持ちそうにないですね……。
急いでお茶を持って客室に戻り、テーブルの上に置くと今度は拳が飛んできました。
「いつまで待たせたら気が済む? お前はもう出てくるな!」
防御魔法のお陰で痛くも痒くもありませんが、殴られた頬を押さえて赤くなってないのを隠しました。
「申し訳ありませんでした」
私は頭を下げて部屋を後にしました。そして、部屋に入ろうとしていた他の侍女を呼び止めて防御魔法のことを教えました。
ある程度魔法を使えれば初めてでも成功するほど簡単だったので、きっと役に立つはずです。
簡単でほとんど魔力を使ってないのに全く痛くないこの防御魔法……流石フィーナ様です。
帰ってきたら沢山お礼をしないといけませんね!
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