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103. パーティー準備②
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次の日のお昼前、招待状の残りが3枚になったところで私の身体に異変が起きてしまった。
「あっ……」
インクを補充するためにインクが入ってる入れ物の蓋を開けようと思って力を入れたのだけど……その瞬間に突然右手を痛みが襲って思わず悲鳴に近い声を上げる私。
「どうした⁉︎」
「手が……つったの……」
勢いよく立ち上がったジーク様の問いかけに左手で右手をおさえながら答える私。
「大丈夫か……?」
「うん……多分すぐ治るから……」
それから数分で痛みはおさまったのだけど、今日は書かないように言われてしまった。
右手を使う作業もダメって……私右利きだから何も出来ないじゃない!
そう思っていると……
「無理はさせなくないからな。何も言わなかったら何かやるだろ?」
……ジーク様にそんなことを言われてしまった。
「流石に今日はやらないわ」
「明日も無理しないでくれよ」
「うん……」
そんなわけで、パーティーの準備を全力で手伝うことは許されなくなってしまった。
それから1週間、私達は王都に移動する準備をしていた。
というのも、パーティーを開くのは王都だから、準備をするのにもそこの方がいいから。
今回もキーファス様達は領主の仕事があるから来れないらしく、私とジーク様と一部の使用人さんで行くことになった。
「そうそう、言い忘れてたけど……しばらくこっちには戻らないと思うから引越し感覚で準備していいよ」
「えっ、そんなに長くいるの?」
「もしかしたら、そのまま住むことになるかも」
「どういうこと……? 詳しく説明して?」
「分かった」
ジーク様の説明はこうだった。
領地を持つ貴族は基本的に領地にある屋敷で暮らしているけど、それではパーティー等に参加する時に長距離を移動することになる。
だから、移動の時間と費用を減らすために前当主が領地の屋敷で領主の仕事をして、パーティー等に出る必要がある若い当主夫妻が王都の屋敷で暮らしているらしい。
もちろん、国境沿いに領地を持つアトランタ家も例外ではない。もしも領地に戻る前に結婚することになったら帰省の時くらいしか戻らないからジーク様は「そのまま住むかも」と言ったらしい。
「そういうことだったのね……。私の家はお父様が王都から統治してたから気付けなかったわ」
「そもそも国の大きさが違うから仕方ないよ」
他にも色々なことをジーク様と話しながら、ここに来てから増えてた私の荷物の整理を進めた。
そして、気がついたら日が沈んでいて、少し遅れ気味に夕食に向かったら料理長さんに怒られてしまった。
ただでさえ強面なのに、大きい声で「冷めたら不味くなるだろ!」って怒鳴られた時は怖くて謝罪の言葉しか言えなかったわ……。
これからはご飯に遅れないようにしないといけないわね!
「あっ……」
インクを補充するためにインクが入ってる入れ物の蓋を開けようと思って力を入れたのだけど……その瞬間に突然右手を痛みが襲って思わず悲鳴に近い声を上げる私。
「どうした⁉︎」
「手が……つったの……」
勢いよく立ち上がったジーク様の問いかけに左手で右手をおさえながら答える私。
「大丈夫か……?」
「うん……多分すぐ治るから……」
それから数分で痛みはおさまったのだけど、今日は書かないように言われてしまった。
右手を使う作業もダメって……私右利きだから何も出来ないじゃない!
そう思っていると……
「無理はさせなくないからな。何も言わなかったら何かやるだろ?」
……ジーク様にそんなことを言われてしまった。
「流石に今日はやらないわ」
「明日も無理しないでくれよ」
「うん……」
そんなわけで、パーティーの準備を全力で手伝うことは許されなくなってしまった。
それから1週間、私達は王都に移動する準備をしていた。
というのも、パーティーを開くのは王都だから、準備をするのにもそこの方がいいから。
今回もキーファス様達は領主の仕事があるから来れないらしく、私とジーク様と一部の使用人さんで行くことになった。
「そうそう、言い忘れてたけど……しばらくこっちには戻らないと思うから引越し感覚で準備していいよ」
「えっ、そんなに長くいるの?」
「もしかしたら、そのまま住むことになるかも」
「どういうこと……? 詳しく説明して?」
「分かった」
ジーク様の説明はこうだった。
領地を持つ貴族は基本的に領地にある屋敷で暮らしているけど、それではパーティー等に参加する時に長距離を移動することになる。
だから、移動の時間と費用を減らすために前当主が領地の屋敷で領主の仕事をして、パーティー等に出る必要がある若い当主夫妻が王都の屋敷で暮らしているらしい。
もちろん、国境沿いに領地を持つアトランタ家も例外ではない。もしも領地に戻る前に結婚することになったら帰省の時くらいしか戻らないからジーク様は「そのまま住むかも」と言ったらしい。
「そういうことだったのね……。私の家はお父様が王都から統治してたから気付けなかったわ」
「そもそも国の大きさが違うから仕方ないよ」
他にも色々なことをジーク様と話しながら、ここに来てから増えてた私の荷物の整理を進めた。
そして、気がついたら日が沈んでいて、少し遅れ気味に夕食に向かったら料理長さんに怒られてしまった。
ただでさえ強面なのに、大きい声で「冷めたら不味くなるだろ!」って怒鳴られた時は怖くて謝罪の言葉しか言えなかったわ……。
これからはご飯に遅れないようにしないといけないわね!
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