婚約破棄され家を出た傷心令嬢は辺境伯に拾われ溺愛されるそうです 〜今更謝っても、もう遅いですよ?〜

八代奏多

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142. 大臣side 原因

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 魔法技術によってグレイヴに引けを取らない我が国がイストリア帝国相手に敗走した。

 幸いにも、我が家の領地ーーグレイル領はアストリア領に近く、いざという時は支援を受けられるからそこだけは安心できる。
 ……のだが、この国の大臣としては全く安心できない状況にある。


 この事態を打開するための策を頭を抱えて必死に考えているのだが、アストリア家を戦争に参加させる方法は全く思い浮かばない。


「困ったものだ……」

「閣下、髪のことを気にしても生えてきませんよ?」

「やかましいわ! 今はそれどころではない!」


 ……ましてや、部下から揶揄われる始末である。
 年々頭髪が少なくなっているのは真面目な悩みなのだ。こういう時でなくても止めてほしいものだ。


「分かってますよ。どうやって兵を集めるかですよね?」

「そうだ」

「簡単なことですよ。アストリア侯爵に協力を頼めば」

「本気で怒っている彼が動くわけがない。アストリア家に頼らない方法を考えないといけないのだぞ」

「あ、それなら諦めてください」


 無常にもそう言い放つ部下。
 結局、私は再び頭を抱えることになった。

 そんな時、目の前に今一番見たくない人物が現れた。


「陛下……どういった御用件でしょうか?」

「何を悩んでいる。頭を抱えていたら大事な毛根が余計に減ってしまうぞ?」


 誰のせいだと!
 髪が減ってしまった原因、もといストレスの原因は十中八九目の前にいる陛下なのだ。

 怒鳴りつけたくなるのを必死に抑え、なんとか適当にあしらうことに成功した。



 ……のだが、解決策が見つからないまま翌日を迎えてしまった。
 第二防衛戦が突破されるのも時間の問題だから、このままでは戦わずして敗戦国となってしまう。

 そのために、私はアストリア邸へ協力を請いに向かった。


 だが……


「どうなっている」


 ……王都にあるアストリア邸は門が閉ざされており、護衛の姿すら見えず、完全にもぬけの殻だった。

 私はすぐにアストリア領へと早馬を出し、陛下にはアストリア侯爵を説得するように伝えた。


 その結果、アストリア侯爵から解決策が提示された。
 それは……


「王城の完全包囲だと⁉︎」


 ……にわかに信じられないものだった。
 王城が包囲されるということは、王族最大の危機を意味する。
 それは即ち、ローザニア王国が降伏する条件をほぼ満たすということだ。

 ちなみに、王都の民達は戦況を知り、守りが硬い北東方向へと避難を始めている。
 王都が機能しなくなるのは時間の問題だ。


 今分かっているのは、この事態の原因が王家にあるということのみ。
 王家がアストリア侯爵の逆鱗に触れた、それだけは確かだった。


****************


更新遅れて申し訳ありませんでした。
次回は28日18時に更新しますので、よろしくお願いします。
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