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入学前編
6. 魔力測定
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今、私たちは光沢のある長い筒が立っている装置の周りにいる。
この装置は台の部分に手を当てて魔力を込めると、魔力量に応じて筒が下の方から淡い光を出す。
魔力が多いと筒が全体的に光るけど、少ないと下の方しか光らない。
ちなみに、この筒は魔力を通すと光る魔光石で出来ている。
魔光石は貴族の屋敷の照明に使われているから、私達には馴染みの深い素材なのよね。
こんなに大きいと実感が湧かないけど……。
「では、わたくしからやりますわね」
そう言って装置に触れるリーシェ様。
すると、筒の部分が全部紫色に光った。
「流石はリーシェ様、すごいですわ」
「そんな事ありませんわ。次はミリア様ですわよ」
こんな風に順番に魔力を測っていき、あっという間に私以外が測り終えた。
1番魔力量が多かったのは筒を全部光らせたアラン殿下とレオン様とミリア様だった。
平均は4分の3くらいで、全員半分以下の人はいなかった。
次は私の番なのだけど、最後なんて目立つから出来れば真ん中が良かったわ……。
「次のリリアーナ様で最後ですわね?」
「はい」
「お願いしますわ」
そう言われ、私は装置に魔力を流した。
出来る限り流す魔力を少なくしたのだけど、装置の目は誤魔化せなかった。
「リリアーナ様すごいですわ!」
「私よりも魔力が多いなんて……」
筒の部分が全部光ってしまった装置を前に私を睨みつけるアエリア様。
懸念していた事が現実になってしいそうな恐怖で胸が苦しくなってきた。
「アエリア様、悔しいからってリリアーナ様を睨まないでくださいまし。リリアーナ様が怯えておりますわよ」
「つい感情に動かされてしまいましたわ。ごめんなさい」
「クライシス家の魔力は僕たち王族を超えるくらいだからね。みんな知ってると思うけど、数百年前に大聖女って呼ばれてた王女が降嫁したからと言われてるよ」
殿下がそう説明してくれた。
皆さん納得したようで……
「王家の血を引いてるのなら納得ですわ」
「リリアーナ様とお知り合いで良かったですわ」
……などと反応していた。
これでますます目立たないように行動出来なくなってしまったわ……。
「私の我儘に付き合わせてしまってごめんなさい。残りの時間は楽しんで下さいまし」
リーシェ様がそう口にした後は、魔力測定をやる前のお茶会に戻った。
☆ ☆ ☆
「ただいまー」
「お帰りなさいませ、お嬢様。明後日に出発の予定ですので、今日から準備をされた方が良いかと思います」
玄関に入ると、侍女長さんが出迎えてくれた。
「分かったわ。ありがとう」
「では、失礼いたします」
そんな会話をしてから部屋に戻った私は早速領地に行く準備に取りかかった。
この装置は台の部分に手を当てて魔力を込めると、魔力量に応じて筒が下の方から淡い光を出す。
魔力が多いと筒が全体的に光るけど、少ないと下の方しか光らない。
ちなみに、この筒は魔力を通すと光る魔光石で出来ている。
魔光石は貴族の屋敷の照明に使われているから、私達には馴染みの深い素材なのよね。
こんなに大きいと実感が湧かないけど……。
「では、わたくしからやりますわね」
そう言って装置に触れるリーシェ様。
すると、筒の部分が全部紫色に光った。
「流石はリーシェ様、すごいですわ」
「そんな事ありませんわ。次はミリア様ですわよ」
こんな風に順番に魔力を測っていき、あっという間に私以外が測り終えた。
1番魔力量が多かったのは筒を全部光らせたアラン殿下とレオン様とミリア様だった。
平均は4分の3くらいで、全員半分以下の人はいなかった。
次は私の番なのだけど、最後なんて目立つから出来れば真ん中が良かったわ……。
「次のリリアーナ様で最後ですわね?」
「はい」
「お願いしますわ」
そう言われ、私は装置に魔力を流した。
出来る限り流す魔力を少なくしたのだけど、装置の目は誤魔化せなかった。
「リリアーナ様すごいですわ!」
「私よりも魔力が多いなんて……」
筒の部分が全部光ってしまった装置を前に私を睨みつけるアエリア様。
懸念していた事が現実になってしいそうな恐怖で胸が苦しくなってきた。
「アエリア様、悔しいからってリリアーナ様を睨まないでくださいまし。リリアーナ様が怯えておりますわよ」
「つい感情に動かされてしまいましたわ。ごめんなさい」
「クライシス家の魔力は僕たち王族を超えるくらいだからね。みんな知ってると思うけど、数百年前に大聖女って呼ばれてた王女が降嫁したからと言われてるよ」
殿下がそう説明してくれた。
皆さん納得したようで……
「王家の血を引いてるのなら納得ですわ」
「リリアーナ様とお知り合いで良かったですわ」
……などと反応していた。
これでますます目立たないように行動出来なくなってしまったわ……。
「私の我儘に付き合わせてしまってごめんなさい。残りの時間は楽しんで下さいまし」
リーシェ様がそう口にした後は、魔力測定をやる前のお茶会に戻った。
☆ ☆ ☆
「ただいまー」
「お帰りなさいませ、お嬢様。明後日に出発の予定ですので、今日から準備をされた方が良いかと思います」
玄関に入ると、侍女長さんが出迎えてくれた。
「分かったわ。ありがとう」
「では、失礼いたします」
そんな会話をしてから部屋に戻った私は早速領地に行く準備に取りかかった。
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