虐げられるのは嫌なので、モブ令嬢を目指します!

八代奏多

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学院編

34. 戻った日常

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 翌々日の放課後、私は誰もいない空き教室でリーシェ様から事の顛末を聞いていた。

「お母様、お父様に怒られて泣いていましたわ。離縁だけはやめてって」
「それで、どうなりましたの?」
「すぐにお母様が謝って終わりましたわ。お母様に成績は気にしなくていいから試験頑張りなさいって言われた時は幻聴を聞いているのかと思いましたわ」

 どうやら、リーシェ様の方は無事に解決したみたい。

 でも、私に対する嫌がらせはなくならなかった。
 リーシェ様は嫌がらせも止めるように指示してくれたみたいだけど、私の存在を快く思っていない人たちが今日も嫌がらせを続けているみたい。

 だから、リーシェ様達にも協力をお願いして私が地位の高い方々との関わりを失ったように見せることにした。


 今年の終わり頃にレオン様との婚約を発表する予定だったけど、延期するようにお願いしないといけないわ……。




 リーシェ様と話し終えた私は先に生徒会室に行った。

 距離があるように見せているとは言っても、生徒会の仕事をサボることは出来ないから。
 それに、生徒会の時間がリーシェ様達と会話をする貴重な時間になるから、行かない選択肢はそもそもない。


「リリアーナ様、今日は大丈夫でしたの?」

 私が生徒会室に入ると、ミリア様がそう尋ねてきた。

「ええ。ペンを盗られただけなので大丈夫ですわ」
「大変ですわね……。私、思ったのですけど……リリアーナ様が距離をとるのではなくて、嫌がらせをしている方に私達が関わりを切ると脅す方が良いと思いますの」
「ですが、それでは皆さんに迷惑をかけてしまいますわ。お気持ちだけで十分すぎますわ」

 私のせいで関係を切らせるなんて絶対にしたくないから、私はミリア様の申し出を断った。

「脅すだけですから、問題ありませんわ」

 そんなことを口にするミリア様。

 結局、私の断りは無意味だったみたいで、ミリア様が私に嫌がらせをしている人に脅しをすることになってしまった。


   ☆ ☆ ☆


 あれから2ヵ月が経ち、私達は無事に試験を終えて生徒会室に集まっている。
 ちなみに、今日は結果が発表された日だった。

 リーシェ様は今回の試験の結果が良かったいで、いつもよりも楽しそうにしていた。
 気にしなくていいと言われても、プレッシャーがあったみたい。

「リーシェ様、アラン様よりも点数いいのですね」
「悔しいけど、そうみたいだね」
「アラン様は1位を取らなきゃいけないとかないのですか?」
「僕はそういうのはないから、大丈夫だよ。平均8割を超えていないと怒られてしまうけどね」
「そうなのですね」

 嫌がらせを受けていたけど、今回の成績が前回よりも高かった私。
 この後アエリア様に点数を見せたときに悔しがられた。
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