虐げられるのは嫌なので、モブ令嬢を目指します!

八代奏多

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学院編

35. エピローグ

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 学院の2年生になってから2ヵ月、私とレオン様の婚約が正式に発表された。

 学院の人達には私達が付き合っていることがバレていたみたいで、驚かれはしなかったけどお祝いの品をたくさん頂いた。
 嫉妬した人に何かされるかと思ったけど、この頃になるとほとんどの令嬢は婚約者がいるから、祝われても嫌がらせをされることはなかった。

 殿方達の間では、私の婚約が遅くなった理由が「色気が無いから」とか「枯れてるから」だとか言われていたみたい。
 色気が無いのは認めるけど、枯れてるってなによ! 失礼ね!

 その話を聞いた時は流石の私も怒った。


 ちなみに、リーシェ様は半年前にアラン王子と婚約している。
 私への嫌がらせが分かった時はリーシェ様に「二度と関わるな」なんて言ったみたいだけど、事情を知って守りたくなったらしい。

 なんでも、別れを告げたときに泣かれて結局仲直りしたとか。


 アエリア様もクラウス様と婚約している。
 こちらは前から仲が良かったから、きっと幸せになれると思う。


 ミリア様はルード侯爵家のクラウス様と婚約している。
 こちらはよく喧嘩しているけど、仲はいいと思う。

 喧嘩するほどなんとやらって言うもの。


 私はというと、学院ではあまりレオン様とお話し出来ていない。
 レオン様に寄り添っているところをクラスの人に見られるのが恥ずかしいから……。

 でも、学院から帰るときは基本的にレオン様に送ってもらっている。


 今は学院から帰る途中で、レオン様の隣に座っている。
 最初の頃は恥ずかしくて頬を染めてしまっていたけど、今はもう慣れた。



「リリー、次の休みだけど……どこに行くか決めた?」

 私の左手に触れてるレオン様がそう尋ねてくる。
 休日のお出かけは交互に決めることにしていて、次は私の番なのだけど……まだ決められていないのよね。

「ごめんなさい、まだ決められていなくて……。明日までには決めますわ」
「分かった。焦らなくていいからね」
「うん……」

 そう言いながら左手に嵌めている婚約指輪を撫でるレオン様。
 私の指も撫でられてしまっていて少しくすぐったい。

「気になっていたのですけど、領地経営のお勉強はどんな感じですの?」
「前から父上の仕事を見たりしていたから、そんなに大変ではないよ。それよりも、屋敷の采配が分からなくて困ってるよ」

 私の問いかけにそう返すレオン様。

「お屋敷のことって私の仕事になるんですよね? なぜレオン様が勉強されるのですか?」
「リリーにあまり負担かけたくないからね」
「それくらい大丈夫よ……。レオン様は心配しすぎです! 少しは自分を労ってください」
「リリーには敵わないな。屋敷のことはリリーに任せることにするよ」
「そうしてください」

 私がそう口にしてから少しして、うちの前に着いた。

 先に馬車を降りて手を貸してくれるレオン様。

「では、また明日」

 馬車を降りてからそう言うと、レオン様に抱きしめられた。
 そして唇に口付けされた。

 いつもは手なのに……。

「じゃあ、また明日」
「はい……」

 玄関に向かいながら、顔が熱くなってくるのを感じる私。

 玄関に入る前に振り返って手を振ると、太陽の光を浴びて薬指の婚約指輪の宝石が煌めいた。
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みんなの感想(6件)

kyou
2021.11.12 kyou
ネタバレ含む
解除
れんにゅう
2021.11.02 れんにゅう

面白くて一気に読んでしまいました笑 投稿再開してくださると嬉しいです

解除
ちびたん
2020.06.02 ちびたん
ネタバレ含む
2020.06.03 八代奏多

コメントありがとうございます!

目立ちたくなくても周りが……(以下略)

幸いにも、告白されたのが放課後の遅い時間で人がほとんどいなかったので、まだなんとかなる……はずです!

リリーは「本当にどうすればいいの⁉︎」状態ですw
どうなるかはネタバレになってしまうので伏せておきますね。

解除

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