水巫女はハレムで溺れる

愛月なみ

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れいかちゃんのお買い物

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「じゃあ、この石は買っても大丈夫?」

 れいかちゃんが小さなキラキラした石をつまんでエルザさんに聞いている。

「はい、大丈夫です。アイラも一緒に選んでさしあげて」

 エルザさんに言われたアイラちゃんは「はい!」といい返事をして真剣な顔で石を選別しはじめた。

「こうね、いい感じにキラキラさせたいのよ!動いたらキラキラする感じ!
皆と一緒じゃないやだからさ~
 あ!他のワンピースにもつけたいから多めに買おうね!」
 
 れいかちゃんは石をつけてこの水色の水巫女ワンピースに個性をだしたいみたい。
 うん、れいかちゃんらしい!
 
「アンナ様はよろしかったのですか?」

 エルザさんが確認してくれたけど、私も欲しいとはいえない……
 ちょっとキラキラには心惹かれるけど。
れいかちゃんと一緒になっちゃったら嫌がるだろうしなぁ。

 ここは、年上の私が我慢。
 
 それから、れいかちゃんとアイラちゃんが石を選んでいるあいだ、私は通貨について教えてもらった。
とはいってもすごく簡単で、「円」のかわりに「ゴルト」という単位で数えるだけ。

 物価もおおむね日本に近い感じだった。
 
 れいかちゃんたちが選んでいる石もくず石と言われる、宝石として使えるほとではないものなので10個で100ゴルトとかそれぐらい。
 ちなみに、私たちがいただけるお給金は1か月10万ゴルト。
 
 衣食住とは別に10万円とは!!
 なんだか、もらいすぎな気がして申し訳ない!!
 
 そうこうするうちに、れいかちゃんの石選びは終わったようで、午前とはうってかわってニコニコ笑顔のれいかちゃんが満足そうに私たちのほうへ戻ってきた。
 
「お待たせしました~!」
 
「いいの選べた?」
 
「も~ぅ、バッチリですよ!!これで私のキラキラ度アップです!!
帰ったら早速つけようね!!」

 声をかけられたアイラちゃんもふん!と気合をいれながら頷いている。
 
 一体いくつ付けるつもりなんだろう……
 
 それから、ゆっくり立ち並ぶお店や宿屋などを眺めながら河沿いに歩いていく。
 
 エルザさんやアイラちゃんは茶髪だけど、道すがら見かける人は金髪もいれば黒髪もいて、様々な姿の人が歩いていた。
 
 黒髪の人をみるたびにドキリとしたのは内緒です。
 だって、この世界に彼がいるかもしれないし!!
そしたら、どこで会うのかわからないし!!

 活気はあるけれど、それなりに落ち着いた街を歩いていると前方に砂煙があがるのが見えた。

「あれは?」

 指さす私に気づいて、エルザさんも茶色くけぶるほうを見ながら教えてくれた。
 
「多分、それなりの数の商隊が来たんじゃないでしょうか。
馬や馬車があげる砂煙だと思います」

 おお!旅人さん!!
 なんだか、ロマンだよねぇ。
 
 シルクロードとかも響きだけでなんだかロマンを感じた私なので、砂漠をきた旅人ってだけでわくわくする!
 
「なんか、おもしろそう! 行ってみよう!!」

 テンションあがりっぱなしのれいかちゃんが少し小走りで砂煙のほうへむかっていった。
 あわててアイラちゃんも追いかける。
 
 私とエルザさんは顔を見合わせて急いで後を追いかけた。
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