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後宮入りについていこうかな
しおりを挟むガルダシャーン帝国の時期皇帝候補の皇太子様の後宮入りを熱く希望しているれいかちゃんに圧倒されている間に、れいかちゃんとアイラちゃんは「じゃあ、部屋に戻って服にストーンつける続きしよー」と言いながらテンション高く仲良く戻っていった。
あ……。
私も安全な帝都行目的で後宮入りをちょっと考えてるって言うの忘れた……
後から言ったら気を悪くされないかなぁ。
でも、帝都に行きたいだけで、後宮にはいって皇太子をねらってるとかは絶対ないので、ライバルにならないし、大丈夫かな。
あとでうまく説明しよう。
ちょっと疲れた気持ちで部屋に戻るとエルザさんがお茶を入れなおしてくれていた。
「アンナ様、なんだかお疲れのようですので、新しいお茶をどうぞ」
エルザさんのおいしいお茶でほぅと一息ついてから、二人で先ほどの件について話をする。
「エルザさん、後宮って率直なところ、どうなんですか?
希望しなければ1年後には解放されるということなんですけど……」
「私も、聞いたことがなかったので先ほど他の女官たちにも確認したんですが……
後宮の中のことはその皇帝や皇太子ごとに決まりが異なるようで、確実なことはわかりませんでした。
ただ、女官の一人に帝都に親族がいるものがおりまして、その者が言うには皇太子様は26歳におなりなんですが、女性とまったく噂がなく、心配をした皇帝がとにかく女性を集めろと指示をして今回のお話になったそうです。
そういう方ですので、解放されるというのも本当のことでは……、という話でした」
なるほど~~。
女性に興味がなさそうな跡取り息子を心配したお父さんが動いたわけね!
「でも、なんで水の精霊の力をもつ女性ばかりなんでしょうね?」
「それも確認しました。
皇帝が皇太子様にどのような女性なら興味をひかれるのか以前きいたところ、水の精霊の力をもつ女性がよい、と答えたことがあるそうで、そのために皇帝は基準として水の精霊の力をもつ女性を集めているそうです
ガルダシャーン帝国は火の精霊の力が強い国ですから、自分たちにはない水の精霊の力に興味をもたれたのかもしれないですね。
特に、今の皇太子様は歴代でも特に強い火の精霊の力をつかえるとのうわさですので」
まぁ、自分にないものをもつ人に惹かれるのは自然なことかもしれないかな。
ガルダシャーンは火の精霊が強いのか~~。
どんなところなんだろう。
このアクアナ神殿の外も砂漠のオアシスって感じでどちらかといえば、火の精霊、土の精霊が強いって感じがしたけれど、そんな雰囲気なのかな。
「アンナ様は今回のお話に興味をお持ちなのですか?」
エルザさんが心配そうな顔でこちらをみてくる。
「そうですね……。
後宮入りは興味はないのですが、個人的にガルダシャーン帝国の帝都に用事があるといいますか……。
行きたいので、今回のお話をうければ、帝都まで安全に連れて行ってもらえるかな、と……」
神殿にきてから毎日お世話になっているエルザさんにこんなことをいうのは非常に申し訳なくて口ごもりながらも、言わなくてはいけないことなのでしっかり自分の気持ちを伝える。
「アンナ様……」
「気を悪くしないでくださいね。
アクアナ神殿がいやとかじゃないんです。むしろ居心地いいんです。
ただ、帝都に用事がありまして、それをしないと落ち着かないというか……」
もごもご言い訳のようなことを言っている私の手をエルザさんはぎゅっと両手でにぎってきた。
「アンナ様、大丈夫です。
もしかして何か使命をお持ちなのではないですか」
「え?」
使命……?
あの女神様のお願いも使命といえば、使命になるのかな??
「まれに、異世界からお越しの巫女様の中には女神様からの使命をもってこちらへ来られる方がいらっしゃるそうです。
アンナ様はその使命のためにガルダシャーン帝国の帝都へいかなくてはいけないのですね」
私が何か言う前に、エルザさんはうんうん、と頷いて納得している。
「わかりました!
アンナ様、私は家族がこちらにおりますので、ご一緒することはかないませんので本当に残念ですが……
かわりに誰か女官をつけるよう、神殿長にかけあってきますので、少々おまちください」
そういって、飛び出しそうになるエルザさんを押しとどめて、とにかく落ち着いて話そうと隣に座ってもらった。
エルザさん、「女神様さまからの使命」って急に熱くなってびっくりした~。
あのお願い事ってそんなに重要なことだったのか……。
でも、もともと一人で生活できるし、わざわざ私のために30日もかかる帝都までつきあってもらってさらにそのあと、1年間の後宮生活?にまで女官さんをつきあってもらうことなんてできないよ……
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