追放されたネクロマンサーですが、幼女魔王(中身は大人)を相棒にして、美少女だらけの魔法学院でひっちゃかめっちゃかな日々を送ることになりました

ねここねこ

文字の大きさ
2 / 5

第2話  追放されたら妹と一緒に風呂に入ることになった 2/4

しおりを挟む
     2

 追放を言い渡された俺は、父の前から去り自室に戻った。
 物がほとんどない、閑散とした部屋。
 壁には格子がついた小さな窓が一つついているだけ。
 子供の部屋、というよりは空の倉庫に近い内装だ。

 俺はそこで、自分の置かれた状況について思いをはせる。
 ついにこの日が来た。
 俺はアンダーウッドの名を失い、ただのネクとなってしまった。
 もう、このアンダーウッドの家紋が入った服を着る資格はない。

 俺は着ていた服を脱いだ。
 そして、丸めてからベッドの上に放り出す。
 もはや、この家紋に用はない。
 だから――。

~~~~~!!」

 俺は
 そう、俺はアンダーウッド家からされた。
 それと同時に、アンダーウッド家からされたのだ。

「ようやくこの日が来た! 何が魔法学院だよ、所詮は学び舎だろ。ぬくぬく育った貴族のお嬢様がたが通うお上品な学校で、この俺が死ぬわけがないだろ! ふはははははは! この時をどれ程待ちわびていたか!」

 ついテンションが高くなってしまった。
 テンションアゲアゲで叫んでしまっていた。
 だって、仕方がないだろ。
 

 前からこうなるとは思っていた。
 でも、中々決定が下りなくて内心焦っていた。
 このまま当主になってしまうのではないかと危惧していた。

 そして今日、決定が下りたのだ。
 俺は、自由だ!
 両手を高く掲げ、天を仰ぎ見る。
 傍から見たらおかしな光景だったかも知れない。
 だが、姿姿

「やっぱり、そういうことだったのですね」

 全身で自由を噛みしめていると、背後から声がした。
 それは、無感情で事務的な声。
 俺は後ろをゆっくりと振り向く。

 そこにいたのは、美しい顔立ちの少女。
 俺の妹であり、つい先ほど次期当主の座をイヴだった。

「イヴ、いたのか」
「ええ、いましたよ。それよりも、お兄様は何か勘違いをされていませんか?」
「勘違い?」
「随分とライプニッツ高等魔法学院を甘く見ていらっしゃるようですが、卒業までに多くの生徒が命を落とすというのは、冗談でも何でもありません。お嬢様がたが多く通っているというのは事実でしょうが、彼女たちはそれぞれ訓練を受けて卒業できると見込みをたててから入学してきています」
「そ、そうか。まぁ、その辺は何とかするさ! この俺の持ち前のセンスで!」
「それがないから今回追放されることになったのでは?」

 情け容赦ない指摘だった。
 それに反論できずにいると、イヴは軽くため息をつく。

「でも、ネクお兄様がそれをお望みなら、それで構いません。次期当主の座は私が確かに受け取りました」
「何か、悪いな。面倒なことを押し付けて」
「いえ、これについては問題ありません。私もアンダーウッド家の名を使ってやりたいことが色々とありますから」
「そうか。お前なら、きっと出来るんだろうな」
「ええ、どこまでうまくできるかは分かりませんが」

 そう言って、イヴは微笑んだ。
 おそらく、彼女ならなんでも上手くやってしまうだろう。
 アンダーウッド家随一の天才。
 齢十三歳にして、あらゆる魔法を使いこなす傑物。
 姿

 それが、イヴ・アンダーウッドという天才なのだ。
 そんなイヴは、愛想のよい笑顔を浮かべながら俺に言う。

「ですが、お兄様にお願いがあります」
「断る。なんだか、面倒くさそうな感じがする」
?」
「おいおい、俺が妹の頼みを断るような人間だとでも思うのか? さっきのは冗談だよ。イヴの頼みなら、何を捨て置いてでも受け入れるに決まっているだろ。さぁ、何でも言ってくれ!」

 俺は即答した。
 イヴなら、本当にやりかねない。
 彼女にかかれば、父の決定を覆すことも出来るだろう。

「正直ですね……。さすがの私も、お兄様に対する敬意を失いそうです」
「それは残念だ」
「嘘ですよ。そもそも、ネクお兄様に対する敬意など最初から持ち合わせていませんから」
「辛辣だな!? だけど、お前はまだ甘い! 俺はすでにアンダーウッド家を放逐された身! 今更お前からの尊敬を失ったところで、痛くもかゆくもない!」
「清々しいほどに性格がねじ曲がってしまいましたね」

 イヴは俺の妄言に動揺することなく、淡々と受け答えをした。
 考えてみれば、この妹が焦ったりしている姿を見たことがない。

「それで、お願いというのは?」
「一つ目は、。……嫌な顔をしないでください。何も役割を押し付けようとしているのではありません。ただ、ネクお兄様に戻ってきていただきたいだけです」
「物理的に!?」
「はい。時期に関しては、後日指定させていただきます。ただ、生きてもう一度私の下に帰ってきてください。私はそれを心待ちにしています」
「……ありがとう」

 正直、イヴがここまで言ってくれるとは思わなかった。
 てっきり、兄どころか人としてみなされていないとさえ思っていた。
 面倒ごとを押し付けてしまったのに、嫌な顔一つしていない。
 まったく、出来た妹だ。

「二つ目は、。これは魔法学院でしか出来ないことです。入学当初に行われるはずなので、必ず参加してください」
「ああ、分かった」
「それで、最後のお願いなんですが」
「ああ、うん。なんでも遠慮することなく言ってみろ。是が非でも、万難を排して、あらゆる倫理を無視して叶えてやろうじゃないか」
「ああ、はい。こちらは大したものではないのですが――」
「うん」

「……うん?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件

暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!

幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに

家紋武範
恋愛
 となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。  ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。

【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。

エース皇命
青春
 高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。  そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。  最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。  陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。  以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。 ※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。 ※表紙にはAI生成画像を使用しています。

静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について

おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。 なんと、彼女は学園のマドンナだった……! こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。 彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。 そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。 そして助けられた少女もまた……。 二人の青春、そして成長物語をご覧ください。 ※中盤から甘々にご注意を。 ※性描写ありは保険です。 他サイトにも掲載しております。

幼馴染に告白したら、交際契約書にサインを求められた件。クーリングオフは可能らしいけど、そんなつもりはない。

久野真一
青春
 羽多野幸久(はたのゆきひさ)は成績そこそこだけど、運動などそれ以外全般が優秀な高校二年生。  そんな彼が最近考えるのは想い人の、湯川雅(ゆかわみやび)。異常な頭の良さで「博士」のあだ名で呼ばれる才媛。  彼はある日、勇気を出して雅に告白したのだが―  「交際してくれるなら、この契約書にサインして欲しいの」とずれた返事がかえってきたのだった。  幸久は呆れつつも契約書を読むのだが、そこに書かれていたのは予想と少し違った、想いの籠もった、  ある意味ラブレターのような代物で―  彼女を想い続けた男の子と頭がいいけどどこかずれた思考を持つ彼女の、ちょっと変な、でもほっとする恋模様をお届けします。  全三話構成です。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...