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62.シャルルのお茶会②
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「はい!リーリア様とお友達になりたいのです!……駄目でしょうか?」
可愛らしい顔で祈るように可愛くお願いされる。
そういったことを言われると、私は断れない。
「私なんかで良いのか心配だけど……よろしくね?サリー」
そう声を掛けたら可憐な笑みを浮かべたサリーが「ありがとうございます……」と小さな声で、嬉しそうに言ってくれた。
「サリー様!」
そんなやり取りをしていると、花見の時にシャルルとサリーと一緒に居た取り巻きの令嬢たちに名前を呼ばれたサリーは、彼女たちに手を振ると言った。
「それでは、私はこれにて失礼します!リーリア様、また後でお話しましょうね!」
「……あの子ったら、調子がいいんだから。リーリアと仲よくなりたがっていたのは本当だから、それだけは信じてあげて欲しいわ」
シャルルも困った顔をしつつ、まだサリーから仲良くなりたいと言われた言葉を信じられない私に言ってくれた。
「……ええ。最近、皆さん良くしてくれるから、ちょっと恐くなってしまったのかもしれないわね。信じられるように努力してみるわ」
「今の貴女だから人に好かれやすくなった……ということはあるけれど、自分にもっと自信を持ちなさいな」
シャルルの優しい言葉が胸に暖かく溶け出してくるような気がした。
シャルルはこのお茶会の主催者なので、まだこれから来る人々に挨拶をしなければならず、私たちとは一旦別れることになった。
ジェニットと並べられているお菓子を眺めつつ、「時間があったら、あれもあれも食べたいわね!」と話していると上級生に話しかけられた。
「あら、サルバトレー公爵令嬢ではありませんこと!」
振り返れば、シルバーブロンドの髪を綺麗なカールにして、髪を下ろしている生徒会長のマリアンヌ・ディーゼル公爵令嬢が居た。
彼女のドレスは、赤い瞳同様に全体的に真っ赤で、レース部分が黒という正に『悪役令嬢』みたいな格好であった。
「マリアンヌ生徒会長、ごきげんよう」
「生徒会長、ごきげんよう」
私とジェニットが頭を下げると彼女は『生徒会長』と呼ばれたのが心地よかったのか、手を斜めにして口元に持ってくると「おほほっ!サルバトレー公爵令嬢、オルガノフ侯爵令嬢もごきげんよう」と悪役令嬢笑いをしている。
「……そういえば、貴女がクリスの婚約者になってからお話するのは初めてだけど――随分と雰囲気が変わりましたのね」
マリアンヌは私をジロジロと遠慮無く眺めてくる。
「そうですか?」
元のリーリアの性格を知っている人間の一人である彼女に警戒しつつも、愛想笑いを浮かべた。
リーリアの『記憶喪失』という嘘が通用するのはサルバトレー公爵夫妻と、宮廷に住む皇帝と皇后、クリスに第二皇子と限られている。
逆に私がベネットだと知っているのは、リチャード、キャロライン皇女、ジャックの3人だけだ。
「……まぁ、皇族になる覚悟がようやく出来たようでよかったわ。クリスを"好き"なだけでは皇族なんてやってられませんもの。特に、以前の貴女のままではね」
マリアンヌは私に興味を失ったように視線を逸らししつつ言えば、くるりと背を向けた。
「張合いが無くなったのは寂しいけれど、今の貴女であればクリスの婚約者として認めてあげなくもないわ……それでは、ごきげんよう」
こちらが挨拶を返すのも待たず、そのまま何処かへと歩いて行った彼女の後ろ姿は少し、寂しそうだった。
「認めるも何も、今の素敵なリーリアに皇太子殿下は不釣り合いなのに……」
ジェニットが頬を膨らませてそんなことを言ってくれるものだから、私は笑った。
笑うと元気が出てきた気がする。
「ジェニット、ありがとうね」
「私、変なこと言った?――でも、リーリアが笑顔になってくれたのなら、いいわっ!」
向日葵のようなジェニットの笑顔に癒される。
私たちが笑いあっていると入口から何やら、令嬢同士が言い争う声が聞こえてきた。
「ーーの婚約者にちょっかいかけて、あなた一応前は元男爵令嬢だったのよね?今時――だって、教えたら言わなくても――わ!」
「ひどい!私は――とはただの友達なんですっ!あなたが――の婚約者だっていうのはわかったけど――なんて酷すぎるぅ!――が可哀想!だから――に愛想を尽かされるのよっ!」
「何かしら?」
「……」
ジェニットの疑問に一緒になって声がする方を見れば、そこにはこのゲームのヒロインであるジェシカとピンクの髪をツインテールにした、ゲームでよく見たことのある令嬢の後ろ姿があった。
そこに主催者のシャルルが慌てて止めに入っていく。
しかし、更にヒートアップしているようでツインテールの令嬢がジェシカの髪を掴んでいた。
(……このままでは彼女が悪役令嬢になってしまうわ)
「ジェニット、止めに行きましょう」
「……ええ、そうね」
私たちはお互いの目を見て頷くと、急いで彼女たちが居る場所へと向かった。
可愛らしい顔で祈るように可愛くお願いされる。
そういったことを言われると、私は断れない。
「私なんかで良いのか心配だけど……よろしくね?サリー」
そう声を掛けたら可憐な笑みを浮かべたサリーが「ありがとうございます……」と小さな声で、嬉しそうに言ってくれた。
「サリー様!」
そんなやり取りをしていると、花見の時にシャルルとサリーと一緒に居た取り巻きの令嬢たちに名前を呼ばれたサリーは、彼女たちに手を振ると言った。
「それでは、私はこれにて失礼します!リーリア様、また後でお話しましょうね!」
「……あの子ったら、調子がいいんだから。リーリアと仲よくなりたがっていたのは本当だから、それだけは信じてあげて欲しいわ」
シャルルも困った顔をしつつ、まだサリーから仲良くなりたいと言われた言葉を信じられない私に言ってくれた。
「……ええ。最近、皆さん良くしてくれるから、ちょっと恐くなってしまったのかもしれないわね。信じられるように努力してみるわ」
「今の貴女だから人に好かれやすくなった……ということはあるけれど、自分にもっと自信を持ちなさいな」
シャルルの優しい言葉が胸に暖かく溶け出してくるような気がした。
シャルルはこのお茶会の主催者なので、まだこれから来る人々に挨拶をしなければならず、私たちとは一旦別れることになった。
ジェニットと並べられているお菓子を眺めつつ、「時間があったら、あれもあれも食べたいわね!」と話していると上級生に話しかけられた。
「あら、サルバトレー公爵令嬢ではありませんこと!」
振り返れば、シルバーブロンドの髪を綺麗なカールにして、髪を下ろしている生徒会長のマリアンヌ・ディーゼル公爵令嬢が居た。
彼女のドレスは、赤い瞳同様に全体的に真っ赤で、レース部分が黒という正に『悪役令嬢』みたいな格好であった。
「マリアンヌ生徒会長、ごきげんよう」
「生徒会長、ごきげんよう」
私とジェニットが頭を下げると彼女は『生徒会長』と呼ばれたのが心地よかったのか、手を斜めにして口元に持ってくると「おほほっ!サルバトレー公爵令嬢、オルガノフ侯爵令嬢もごきげんよう」と悪役令嬢笑いをしている。
「……そういえば、貴女がクリスの婚約者になってからお話するのは初めてだけど――随分と雰囲気が変わりましたのね」
マリアンヌは私をジロジロと遠慮無く眺めてくる。
「そうですか?」
元のリーリアの性格を知っている人間の一人である彼女に警戒しつつも、愛想笑いを浮かべた。
リーリアの『記憶喪失』という嘘が通用するのはサルバトレー公爵夫妻と、宮廷に住む皇帝と皇后、クリスに第二皇子と限られている。
逆に私がベネットだと知っているのは、リチャード、キャロライン皇女、ジャックの3人だけだ。
「……まぁ、皇族になる覚悟がようやく出来たようでよかったわ。クリスを"好き"なだけでは皇族なんてやってられませんもの。特に、以前の貴女のままではね」
マリアンヌは私に興味を失ったように視線を逸らししつつ言えば、くるりと背を向けた。
「張合いが無くなったのは寂しいけれど、今の貴女であればクリスの婚約者として認めてあげなくもないわ……それでは、ごきげんよう」
こちらが挨拶を返すのも待たず、そのまま何処かへと歩いて行った彼女の後ろ姿は少し、寂しそうだった。
「認めるも何も、今の素敵なリーリアに皇太子殿下は不釣り合いなのに……」
ジェニットが頬を膨らませてそんなことを言ってくれるものだから、私は笑った。
笑うと元気が出てきた気がする。
「ジェニット、ありがとうね」
「私、変なこと言った?――でも、リーリアが笑顔になってくれたのなら、いいわっ!」
向日葵のようなジェニットの笑顔に癒される。
私たちが笑いあっていると入口から何やら、令嬢同士が言い争う声が聞こえてきた。
「ーーの婚約者にちょっかいかけて、あなた一応前は元男爵令嬢だったのよね?今時――だって、教えたら言わなくても――わ!」
「ひどい!私は――とはただの友達なんですっ!あなたが――の婚約者だっていうのはわかったけど――なんて酷すぎるぅ!――が可哀想!だから――に愛想を尽かされるのよっ!」
「何かしら?」
「……」
ジェニットの疑問に一緒になって声がする方を見れば、そこにはこのゲームのヒロインであるジェシカとピンクの髪をツインテールにした、ゲームでよく見たことのある令嬢の後ろ姿があった。
そこに主催者のシャルルが慌てて止めに入っていく。
しかし、更にヒートアップしているようでツインテールの令嬢がジェシカの髪を掴んでいた。
(……このままでは彼女が悪役令嬢になってしまうわ)
「ジェニット、止めに行きましょう」
「……ええ、そうね」
私たちはお互いの目を見て頷くと、急いで彼女たちが居る場所へと向かった。
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