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食われる
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その翌日、つまり今日だ。昨日のことは忘れようと、大学での作業に没頭していたが、デカ男に殴られた顔の左側がまだ熱を持っていて、嫌でも昨日の事を思い出してしまう。
案の定、昨日のあの女の子は死んだマグ族の男の娘だった。ニヤ族の通訳との別れ際に、彼女が何て言ってたのか聞いたら「父さんを返せ」ということだったらしい。父親の遺体を取り返そうと追ってきたのだ。族長とは話がついていなかったのだろうか。大人の力でねじ伏せられ、それでも必死に抵抗した挙句の行動だったのだろうか。考えれば考えるほど陰々滅々としてくる。
そんな風なので、いつもより精神的にも肉体的にもダメージが取れない状態で車を運転していた帰り道のことだった。
突然フロントガラスが砕けた。
物凄い衝撃が助手席を襲う。隕石か? 一瞬そう思った。俺は咄嗟にブレーキを踏んだ。その衝撃で車は四、五回転くらい横に滑り、ガードレールに激突してようやく止まった。恐怖で体が強張り、ハンドルを握った態勢のまましばらく動けなかった。時間が経ち、ようやく落ち着いてきた。
どうやら生きてる。そして緊張で強張っていた感覚が徐々に戻って来て、右肘の痛みに気付いた。ものすごく痛かったが、動かしてみるとちゃんと動く。折れてはいないらしい。打撲ではあるようだが、大した怪我はしていないようだ。
辺りを見回してみると、幸い周りに車は走っていなかったようで、俺がしたたか右肘をぶつけた以外は特に事故もなく、怪我人もなく、俺の車がボコボコになっただけで済んだ。
いや済んでない。俺の車がボコボコだ。
父親からもらった大事な車だ。別に遺品でも餞別でもない。大学院への進学祝いに使わなくなった中古を譲り受けた、というより押し付けられた。それでも自分で買うとなると車は高いし、大事な足なのでありがたく頂戴した。だからこうボコボコになると正直辛い。修理代は高くつくだろうなぁ……。
それより一体、何が突っ込んで来たんだ?と思って助手席を見た俺は、恐怖で頭の中が真っ白になった。白髪も増えたかもしれない。
俺たちを怒りの形相で追いかけてきたあのマグ族の女の子が横たわっていた。
紛うことはない。流れるような銀色の髪、透き通るような白い肌、気絶していて閉じられているが、瞼の向こうにはグレイの瞳があるはずだ。こんなとこまで俺たちを、というよりは父の遺体を追いかけて来たのだろうか。いやそれ以外考えられない。
おそらく、マグ族の集落の時と同じように車に向かって飛びかかったのだろう。あの時はマグ族の男連中が止めてくれたが、今回は彼らはいない。飛び込んだはいいものの、走っている車にカウンターでぶつかったわけだから、彼女にもそれ相応の衝撃があったのだろう。今は意識を失って、助手席に倒れている。
現状すぐに食われる心配はなさそうなので、俺は少し冷静さを取り戻した。そして改めて見てみると、あれ?俺たちを追いかけ回したあの子はこの子だっけ?と疑ってしまう。いやそりゃもうこの子があの子なのは間違いないのだが(すごい怖かったからよく覚えている)、鬼神のように俺たちを追いかけたあの子と同一人物とはとても思えない。
閉じられた銀色の睫毛は長く、通った鼻筋は高い。少しだけ開いている口は小さめだがふっくらと厚みがあり、真っ白い肌が牡丹のような赤さを際立たせている。体は小さいが、手足は長く、全体的に華奢な印象だが、胸の膨らみは子供とは思えない。
それにしても、全然起きない。微動だにしない。本当に気絶してるのか? まさか、と思い顔を近づけて息を確認しようとしたら、唐突に目の前で目を開けた。文字通り「目の前」だった。俺はもちろん驚いたが、女の子の方でもそれは同様だったようで、魚が水面を跳ねるように体を後ろへ反らせた。だが俺の顔を見ると一転、俺の懐に飛び込み、両肩を掴んできた。
食われる。
そう思った。しかし何事かものすごい勢いでまくしたててきた。掴まれた肩が痛い。やはり力は強い。しかし何を言ってるのかはわからない。俺は恐怖で体が硬直して息すら忘れ、ただ女の子の目を見つめるだけだった。
すると突然女の子は何かに気付いたようで、俺を乱暴に放し、車を降り(砕け散ったフロントガラスの間から出て行った)、後方へ移動したかと思うと、トランクの蓋をこじ開けた。鍵はかかっていたかと思うのだが、恐ろしいパワーだ。しかし、当然のことながら彼女の探している父親の遺体はない。探しものが見つからなかった女の子はまた車に乗り込み、俺に向かってまくし立てた。
相変わらず何を言ってるか判別できないが、さっきから聞いていると、「タタタ」という音がよく出てくる。これは単語と解釈して良いかもしれない。トランクをこじ開けている時も、この言葉をしきりに叫んでいた。
これがもし単語だとすると、偶然にもニヤ族の言葉で「父」を意味するものと同じだ。そういえば昨日もこの言葉を叫んでいたような気がするが、恐怖であまり覚えていない。
試しに彼女に向かって「タタタ?」と疑問っぽく言ってみた。そうすると「タタタ!」と強い調子で返ってきた。ほぼ間違いないとみていいだろう。近隣に住む民族なので、ある程度言葉は似ているのかもしれない。やはり彼女は父の遺体を取り戻そうとしているのだ。
俺はとりあえず彼女の父親の遺体があるであろう大学まで彼女を連れて行こうと思った。ニヤ族の言葉が通じるかもしれないので、君の父親のところまで連れて行く旨を言ってみたが、残念ながら通じなかった。
落胆しつつ、仕方がないので先程の「タタタ」という単語とジェスチャーを交えて伝えると、どうやら理解してくれたようだった。俺自身、マグ族を騙して遺体を持ってきてしまったことに後悔と自己嫌悪があったし、俺には関係ないと言ってこの子の怒りを買い、食い殺されるのが嫌だというのもあった。
◇ ◇ ◇
というわけで俺は今、人食い人種の女の子とドライヴの真っ最中だ。しかしドライヴを開始して早々、女の子のお腹が鳴った。俺の背筋が凍った。嫌な汗をかいてる上にフロントガラスがないので風が直撃して非常に寒い。色々な理由で体の震えが止まらない。おまけに女の子の腹の虫はおさまらない。その度に心臓が縮み上がる。このままでは本当に事故を起こしかねん。
女の子を横目で見ると、膝を抱えてうずくまっている。空腹じゃなくて、お腹が痛いのかな、と思っているとまた腹が鳴った。その瞬間、女の子はこっちを見た。目が合った。俺は息を飲んだ。いよいよ食われるか、そう思った
が、女の子は膝の間に顔を埋め、更に小さくなってしまった。そして真っ白い耳たぶが徐々に赤味を増していく。何だどうした?
ひょっとして、ひょっとしてだが、まさか腹の虫が鳴くのを聞かれて恥ずかしいのか?
そんな疑念が浮かんでる間も女の子の腹の虫はおさまらない。むしろ活発になっていく。俺は一計を案じた。何か食わせてみてはどうか。腹を満たせば俺が食われる危険性も減る。
一旦道端に車を止め、食べるものを用意するからここで待っててくれ、とジェスチャーで伝え、食料を調達してくることにした。
マグ族がどういう食事作法なのかはわからないので、手で掴んで食える肉饅頭を買うことにした。そういえば俺も今日は疲れからか昼飯がなかなか喉を通らず、あんまり食ってなかったので今更腹が減ってることに気が付いた。俺の分と合わせて五個買った。
車に戻って紙袋を開けると、甘辛い香りが車内に広がった。肉饅頭を差し出すと、女の子はあっという間にひとつ平らげてしまった。非常に快活な、見事な食いっぷりだった。
よくよく考えたらマグ族の集落からこの街まではかなりの距離がある。身体能力の高いマグ族とはいえ、子供がここまで走って、あるいは徒歩で来たのだから、そりゃ腹も減るし疲れもするだろう。二つ目の肉饅頭も瞬く間に平らげた。
見ていて気持ちがいいくらいだが、俺は全部食われる前に一つ確保した。俺だって腹は減っているのだ。全部やるわけにはいかん。
案の定、昨日のあの女の子は死んだマグ族の男の娘だった。ニヤ族の通訳との別れ際に、彼女が何て言ってたのか聞いたら「父さんを返せ」ということだったらしい。父親の遺体を取り返そうと追ってきたのだ。族長とは話がついていなかったのだろうか。大人の力でねじ伏せられ、それでも必死に抵抗した挙句の行動だったのだろうか。考えれば考えるほど陰々滅々としてくる。
そんな風なので、いつもより精神的にも肉体的にもダメージが取れない状態で車を運転していた帰り道のことだった。
突然フロントガラスが砕けた。
物凄い衝撃が助手席を襲う。隕石か? 一瞬そう思った。俺は咄嗟にブレーキを踏んだ。その衝撃で車は四、五回転くらい横に滑り、ガードレールに激突してようやく止まった。恐怖で体が強張り、ハンドルを握った態勢のまましばらく動けなかった。時間が経ち、ようやく落ち着いてきた。
どうやら生きてる。そして緊張で強張っていた感覚が徐々に戻って来て、右肘の痛みに気付いた。ものすごく痛かったが、動かしてみるとちゃんと動く。折れてはいないらしい。打撲ではあるようだが、大した怪我はしていないようだ。
辺りを見回してみると、幸い周りに車は走っていなかったようで、俺がしたたか右肘をぶつけた以外は特に事故もなく、怪我人もなく、俺の車がボコボコになっただけで済んだ。
いや済んでない。俺の車がボコボコだ。
父親からもらった大事な車だ。別に遺品でも餞別でもない。大学院への進学祝いに使わなくなった中古を譲り受けた、というより押し付けられた。それでも自分で買うとなると車は高いし、大事な足なのでありがたく頂戴した。だからこうボコボコになると正直辛い。修理代は高くつくだろうなぁ……。
それより一体、何が突っ込んで来たんだ?と思って助手席を見た俺は、恐怖で頭の中が真っ白になった。白髪も増えたかもしれない。
俺たちを怒りの形相で追いかけてきたあのマグ族の女の子が横たわっていた。
紛うことはない。流れるような銀色の髪、透き通るような白い肌、気絶していて閉じられているが、瞼の向こうにはグレイの瞳があるはずだ。こんなとこまで俺たちを、というよりは父の遺体を追いかけて来たのだろうか。いやそれ以外考えられない。
おそらく、マグ族の集落の時と同じように車に向かって飛びかかったのだろう。あの時はマグ族の男連中が止めてくれたが、今回は彼らはいない。飛び込んだはいいものの、走っている車にカウンターでぶつかったわけだから、彼女にもそれ相応の衝撃があったのだろう。今は意識を失って、助手席に倒れている。
現状すぐに食われる心配はなさそうなので、俺は少し冷静さを取り戻した。そして改めて見てみると、あれ?俺たちを追いかけ回したあの子はこの子だっけ?と疑ってしまう。いやそりゃもうこの子があの子なのは間違いないのだが(すごい怖かったからよく覚えている)、鬼神のように俺たちを追いかけたあの子と同一人物とはとても思えない。
閉じられた銀色の睫毛は長く、通った鼻筋は高い。少しだけ開いている口は小さめだがふっくらと厚みがあり、真っ白い肌が牡丹のような赤さを際立たせている。体は小さいが、手足は長く、全体的に華奢な印象だが、胸の膨らみは子供とは思えない。
それにしても、全然起きない。微動だにしない。本当に気絶してるのか? まさか、と思い顔を近づけて息を確認しようとしたら、唐突に目の前で目を開けた。文字通り「目の前」だった。俺はもちろん驚いたが、女の子の方でもそれは同様だったようで、魚が水面を跳ねるように体を後ろへ反らせた。だが俺の顔を見ると一転、俺の懐に飛び込み、両肩を掴んできた。
食われる。
そう思った。しかし何事かものすごい勢いでまくしたててきた。掴まれた肩が痛い。やはり力は強い。しかし何を言ってるのかはわからない。俺は恐怖で体が硬直して息すら忘れ、ただ女の子の目を見つめるだけだった。
すると突然女の子は何かに気付いたようで、俺を乱暴に放し、車を降り(砕け散ったフロントガラスの間から出て行った)、後方へ移動したかと思うと、トランクの蓋をこじ開けた。鍵はかかっていたかと思うのだが、恐ろしいパワーだ。しかし、当然のことながら彼女の探している父親の遺体はない。探しものが見つからなかった女の子はまた車に乗り込み、俺に向かってまくし立てた。
相変わらず何を言ってるか判別できないが、さっきから聞いていると、「タタタ」という音がよく出てくる。これは単語と解釈して良いかもしれない。トランクをこじ開けている時も、この言葉をしきりに叫んでいた。
これがもし単語だとすると、偶然にもニヤ族の言葉で「父」を意味するものと同じだ。そういえば昨日もこの言葉を叫んでいたような気がするが、恐怖であまり覚えていない。
試しに彼女に向かって「タタタ?」と疑問っぽく言ってみた。そうすると「タタタ!」と強い調子で返ってきた。ほぼ間違いないとみていいだろう。近隣に住む民族なので、ある程度言葉は似ているのかもしれない。やはり彼女は父の遺体を取り戻そうとしているのだ。
俺はとりあえず彼女の父親の遺体があるであろう大学まで彼女を連れて行こうと思った。ニヤ族の言葉が通じるかもしれないので、君の父親のところまで連れて行く旨を言ってみたが、残念ながら通じなかった。
落胆しつつ、仕方がないので先程の「タタタ」という単語とジェスチャーを交えて伝えると、どうやら理解してくれたようだった。俺自身、マグ族を騙して遺体を持ってきてしまったことに後悔と自己嫌悪があったし、俺には関係ないと言ってこの子の怒りを買い、食い殺されるのが嫌だというのもあった。
◇ ◇ ◇
というわけで俺は今、人食い人種の女の子とドライヴの真っ最中だ。しかしドライヴを開始して早々、女の子のお腹が鳴った。俺の背筋が凍った。嫌な汗をかいてる上にフロントガラスがないので風が直撃して非常に寒い。色々な理由で体の震えが止まらない。おまけに女の子の腹の虫はおさまらない。その度に心臓が縮み上がる。このままでは本当に事故を起こしかねん。
女の子を横目で見ると、膝を抱えてうずくまっている。空腹じゃなくて、お腹が痛いのかな、と思っているとまた腹が鳴った。その瞬間、女の子はこっちを見た。目が合った。俺は息を飲んだ。いよいよ食われるか、そう思った
が、女の子は膝の間に顔を埋め、更に小さくなってしまった。そして真っ白い耳たぶが徐々に赤味を増していく。何だどうした?
ひょっとして、ひょっとしてだが、まさか腹の虫が鳴くのを聞かれて恥ずかしいのか?
そんな疑念が浮かんでる間も女の子の腹の虫はおさまらない。むしろ活発になっていく。俺は一計を案じた。何か食わせてみてはどうか。腹を満たせば俺が食われる危険性も減る。
一旦道端に車を止め、食べるものを用意するからここで待っててくれ、とジェスチャーで伝え、食料を調達してくることにした。
マグ族がどういう食事作法なのかはわからないので、手で掴んで食える肉饅頭を買うことにした。そういえば俺も今日は疲れからか昼飯がなかなか喉を通らず、あんまり食ってなかったので今更腹が減ってることに気が付いた。俺の分と合わせて五個買った。
車に戻って紙袋を開けると、甘辛い香りが車内に広がった。肉饅頭を差し出すと、女の子はあっという間にひとつ平らげてしまった。非常に快活な、見事な食いっぷりだった。
よくよく考えたらマグ族の集落からこの街まではかなりの距離がある。身体能力の高いマグ族とはいえ、子供がここまで走って、あるいは徒歩で来たのだから、そりゃ腹も減るし疲れもするだろう。二つ目の肉饅頭も瞬く間に平らげた。
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