24 / 48
天才
しおりを挟む
そして、なんだか痴話喧嘩のようになってきた。
「好きだよ! これからも、付き合っていきたいと思ってるよ……」
ん? 付き合っていきたい、とは? そこへ流介が耳打ちした。
「二人、付き合ってるんだって」
何ィ! そうだったのか! つーか、何でお前がそんなこと知ってんだ? そんなことまで話す間柄だったのかお前ら? つーか、付き合ってて、同棲してたってことは、中学生でそんな感じであんなことしてたよなあ、絶対! ちょっとそれは早すぎるだろお前たち! 平たく言えば羨ましい。
「ホントに?」
しかし、氷堂の「好きだよ」の一言でお姫様の怒りは完全に和らいだようだ。つーか、ホントに痴話喧嘩だったんだな。
「うん」
「わかった……。じゃあ、何で私のとこ出てったの?」
「僕は……一人になりたいんだ」
「今、付き合ってくって言ったじゃない! どういうこと?」
どういうことだ?
「そうじゃなくて、僕はソロにも出場したいんだ」
「え!」
「僕は今まで華蓮の後を追って、華蓮に引っ張られてここまできた。華蓮のおかげでジュニアで世界一にもなれた。でも……、そろそろ自分一人の力でどこまでできるのか、確認したくなったんだ」
氷堂勇騎、まさかのソロ転向! 二人の会話の流れからすると、これはまだ誰にも知られていない話の可能性もある。実は今俺はとんでもない現場にいるのかもしれない。
「じゃあ、わたしとのペアはどうなるのよ」
「続ける」
「無理よ! ペアを続けながらソロもやるなんて、聞いたことない」
「でも僕はやるんだ。僕の最終的な目標は、グランプリファイナルでペアとソロの二冠を獲ることなんだ」
これまたとんでもない野望をぶちかました。前例がないどころか、日程的な面でも体力的な面でも、おそらく不可能事ではあるだろう。しかし、氷堂は本気のようだ。さっきまでのペアパートナーに怒鳴られ、青ざめていた氷堂勇騎はもういない。今、自らの野望を語る顔は迷いなく、堂々としている。
「華蓮もやらないか?」
「え?」
「そうだ、華蓮も目指そうよ、ペアとソロの二冠を! ジュニアとはいえ、日本で初めてペアで世界を制した僕らならできるよ! 華蓮ならできるよ!」
「バ、バカ言わないでよ! そんなことできるわけない。それに……わたしは勇騎とは違う」
「そう、華蓮は僕とは違う。僕と違って才能に溢れた華蓮なら……」
「あんた、それ本気で言ってる?」
橘華蓮が押し殺した低い声でそう言った。今までとは違うトーンだった。しかし氷堂はそれには気付かないようだ。続けて話しかける。
「もちろん。だって、お母さんがあれだけすごいバレリーナなんだから……」
「そんなの関係ない!」
「え?」
ちなみに橘華蓮の母親は橘カオル(本名は橘華織)という有名なバレエダンサーである……らしい。俺はバレエには詳しくはないが、橘華蓮関連のテレビ番組でそう紹介されていた。蛙の子は蛙、といったところか。
「あんた、何もわかっていないようね。才能は遺伝しない。才能があるのは……あんた。勇騎なのよ」
「そんなことないよ。だって僕はいつも華蓮の後についていってただけだし、ジュニアを制したのも……」
「そうじゃないの、逆なの! 確かに子供の頃、勇騎をスケートに誘ったのはわたしだし、ペアを組もうって言ったのもわたし。選曲や衣装を決めるのや、演技の構成なんかも私が中心にはなってる」
それ、氷堂が言ってるようにほとん橘華蓮がやってるよなぁ。と言うか、全部だ。
「だけど……ここまで来れたのは、あなたのおかげなの。全部勇騎ありきで回ってきたことなの。勇騎がいなかったら優勝はできなかった。勇騎は軽々と次のステージに行っちゃう。そんな勇騎にわたしは必死でついていったの。それは今でもそう。勇騎がいなければ、わたしは大したスケーターじゃない。悔しいけど、勇騎がいなければ、わたしは輝かない。それに、私はソロなんかやりたくない。わたしは、勇騎と一緒に踊りたい」
「そんなの……華蓮の謙遜だよ。僕は君の後をついていくので精一杯で……」
氷堂も橘華蓮の、本音かどうかはわからないが、この思いを知ったのは初めてだったようだ。というより、自分に対してそんな風に思っていたなんて、考えもしなかったのだろう。素人目ながら、傍目に見てもこのペアは橘華蓮が氷堂勇騎を引っ張っていたように思えた。
「天才に追いつくためには、こっちが引っ張るくらいじゃないとダメなのよ」
想像するに、おそらく二人はお互いにコンプレックスを抱いていたのではないか。
パートナーの後をついていくばかりの自分に嫌気がさした氷堂。
相手の才能に追いつくために必死で自分の場所を作ろうとしていた橘華蓮。
お互いの思いも知らず、二人は突っ走っていたのだが、お互いがお互いに追いつこうとしたエネルギーが強烈な推進力になっていたのかもしれない。だから二人は世界一になれたのかもしれない。
橘華蓮は氷堂を見つめている。しかし、氷堂は困惑してるのか、目を合わせられない。
「でも、もう決めたんだ」
「やだ! 勇騎、私を一人にしないで!」
「ペアもやるよ。でも、今はソロのことも考えたい。それはペアにも生きると思うんだ」
「勇騎……」
橘華蓮のそんなつぶやきから、息苦しい沈黙が始まった。二人の心がお互いにすくんでしまって動けないようだった。しかし、そんな沈黙がしばらく続くのかと思われた矢先だった。
「そういうことならさ、」
流れを度外視したように、流介が二人に声をかけた。
「今夜は二人で話し合いなよ。俺ら席を外すからさ。じゃ、行こうぜ、太一」
「え? あ、お、おう……」
唐突な言葉に二人は虚を突かれたように何も言えず、出て行く流介を見つめたままだった。俺も当然何も言えずに、流介の言葉に従うだけだった。
「好きだよ! これからも、付き合っていきたいと思ってるよ……」
ん? 付き合っていきたい、とは? そこへ流介が耳打ちした。
「二人、付き合ってるんだって」
何ィ! そうだったのか! つーか、何でお前がそんなこと知ってんだ? そんなことまで話す間柄だったのかお前ら? つーか、付き合ってて、同棲してたってことは、中学生でそんな感じであんなことしてたよなあ、絶対! ちょっとそれは早すぎるだろお前たち! 平たく言えば羨ましい。
「ホントに?」
しかし、氷堂の「好きだよ」の一言でお姫様の怒りは完全に和らいだようだ。つーか、ホントに痴話喧嘩だったんだな。
「うん」
「わかった……。じゃあ、何で私のとこ出てったの?」
「僕は……一人になりたいんだ」
「今、付き合ってくって言ったじゃない! どういうこと?」
どういうことだ?
「そうじゃなくて、僕はソロにも出場したいんだ」
「え!」
「僕は今まで華蓮の後を追って、華蓮に引っ張られてここまできた。華蓮のおかげでジュニアで世界一にもなれた。でも……、そろそろ自分一人の力でどこまでできるのか、確認したくなったんだ」
氷堂勇騎、まさかのソロ転向! 二人の会話の流れからすると、これはまだ誰にも知られていない話の可能性もある。実は今俺はとんでもない現場にいるのかもしれない。
「じゃあ、わたしとのペアはどうなるのよ」
「続ける」
「無理よ! ペアを続けながらソロもやるなんて、聞いたことない」
「でも僕はやるんだ。僕の最終的な目標は、グランプリファイナルでペアとソロの二冠を獲ることなんだ」
これまたとんでもない野望をぶちかました。前例がないどころか、日程的な面でも体力的な面でも、おそらく不可能事ではあるだろう。しかし、氷堂は本気のようだ。さっきまでのペアパートナーに怒鳴られ、青ざめていた氷堂勇騎はもういない。今、自らの野望を語る顔は迷いなく、堂々としている。
「華蓮もやらないか?」
「え?」
「そうだ、華蓮も目指そうよ、ペアとソロの二冠を! ジュニアとはいえ、日本で初めてペアで世界を制した僕らならできるよ! 華蓮ならできるよ!」
「バ、バカ言わないでよ! そんなことできるわけない。それに……わたしは勇騎とは違う」
「そう、華蓮は僕とは違う。僕と違って才能に溢れた華蓮なら……」
「あんた、それ本気で言ってる?」
橘華蓮が押し殺した低い声でそう言った。今までとは違うトーンだった。しかし氷堂はそれには気付かないようだ。続けて話しかける。
「もちろん。だって、お母さんがあれだけすごいバレリーナなんだから……」
「そんなの関係ない!」
「え?」
ちなみに橘華蓮の母親は橘カオル(本名は橘華織)という有名なバレエダンサーである……らしい。俺はバレエには詳しくはないが、橘華蓮関連のテレビ番組でそう紹介されていた。蛙の子は蛙、といったところか。
「あんた、何もわかっていないようね。才能は遺伝しない。才能があるのは……あんた。勇騎なのよ」
「そんなことないよ。だって僕はいつも華蓮の後についていってただけだし、ジュニアを制したのも……」
「そうじゃないの、逆なの! 確かに子供の頃、勇騎をスケートに誘ったのはわたしだし、ペアを組もうって言ったのもわたし。選曲や衣装を決めるのや、演技の構成なんかも私が中心にはなってる」
それ、氷堂が言ってるようにほとん橘華蓮がやってるよなぁ。と言うか、全部だ。
「だけど……ここまで来れたのは、あなたのおかげなの。全部勇騎ありきで回ってきたことなの。勇騎がいなかったら優勝はできなかった。勇騎は軽々と次のステージに行っちゃう。そんな勇騎にわたしは必死でついていったの。それは今でもそう。勇騎がいなければ、わたしは大したスケーターじゃない。悔しいけど、勇騎がいなければ、わたしは輝かない。それに、私はソロなんかやりたくない。わたしは、勇騎と一緒に踊りたい」
「そんなの……華蓮の謙遜だよ。僕は君の後をついていくので精一杯で……」
氷堂も橘華蓮の、本音かどうかはわからないが、この思いを知ったのは初めてだったようだ。というより、自分に対してそんな風に思っていたなんて、考えもしなかったのだろう。素人目ながら、傍目に見てもこのペアは橘華蓮が氷堂勇騎を引っ張っていたように思えた。
「天才に追いつくためには、こっちが引っ張るくらいじゃないとダメなのよ」
想像するに、おそらく二人はお互いにコンプレックスを抱いていたのではないか。
パートナーの後をついていくばかりの自分に嫌気がさした氷堂。
相手の才能に追いつくために必死で自分の場所を作ろうとしていた橘華蓮。
お互いの思いも知らず、二人は突っ走っていたのだが、お互いがお互いに追いつこうとしたエネルギーが強烈な推進力になっていたのかもしれない。だから二人は世界一になれたのかもしれない。
橘華蓮は氷堂を見つめている。しかし、氷堂は困惑してるのか、目を合わせられない。
「でも、もう決めたんだ」
「やだ! 勇騎、私を一人にしないで!」
「ペアもやるよ。でも、今はソロのことも考えたい。それはペアにも生きると思うんだ」
「勇騎……」
橘華蓮のそんなつぶやきから、息苦しい沈黙が始まった。二人の心がお互いにすくんでしまって動けないようだった。しかし、そんな沈黙がしばらく続くのかと思われた矢先だった。
「そういうことならさ、」
流れを度外視したように、流介が二人に声をかけた。
「今夜は二人で話し合いなよ。俺ら席を外すからさ。じゃ、行こうぜ、太一」
「え? あ、お、おう……」
唐突な言葉に二人は虚を突かれたように何も言えず、出て行く流介を見つめたままだった。俺も当然何も言えずに、流介の言葉に従うだけだった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
美人生徒会長は、俺の料理の虜です!~二人きりで過ごす美味しい時間~
root-M
青春
高校一年生の三ツ瀬豪は、入学早々ぼっちになってしまい、昼休みは空き教室で一人寂しく弁当を食べる日々を過ごしていた。
そんなある日、豪の前に目を見張るほどの美人生徒が現れる。彼女は、生徒会長の巴あきら。豪のぼっちを察したあきらは、「一緒に昼食を食べよう」と豪を生徒会室へ誘う。
すると、あきらは豪の手作り弁当に強い興味を示し、卵焼きを食べたことで豪の料理にハマってしまう。一方の豪も、自分の料理を絶賛してもらえたことが嬉しくて仕方ない。
それから二人は、毎日生徒会室でお昼ご飯を食べながら、互いのことを語り合い、ゆっくり親交を深めていく。家庭の味に飢えているあきらは、豪の作るおかずを実に幸せそうに食べてくれるのだった。
やがて、あきらの要求はどんどん過激(?)になっていく。「わたしにもお弁当を作って欲しい」「お弁当以外の料理も食べてみたい」「ゴウくんのおうちに行ってもいい?」
美人生徒会長の頼み、断れるわけがない!
でも、この生徒会、なにかちょっとおかしいような……。
※時代設定は2018年頃。お米も卵も今よりずっと安価です。
※他のサイトにも投稿しています。
イラスト:siroma様
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ぼっち陰キャはモテ属性らしいぞ
みずがめ
ライト文芸
俺、室井和也。高校二年生。ぼっちで陰キャだけど、自由な一人暮らしで高校生活を穏やかに過ごしていた。
そんなある日、何気なく訪れた深夜のコンビニでクラスの美少女二人に目をつけられてしまう。
渡会アスカ。金髪にピアスというギャル系美少女。そして巨乳。
桐生紗良。黒髪に色白の清楚系美少女。こちらも巨乳。
俺が一人暮らしをしていると知った二人は、ちょっと甘えれば家を自由に使えるとでも考えたのだろう。過激なアプローチをしてくるが、紳士な俺は美少女の誘惑に屈しなかった。
……でも、アスカさんも紗良さんも、ただ遊び場所が欲しいだけで俺を頼ってくるわけではなかった。
これは問題を抱えた俺達三人が、互いを支えたくてしょうがなくなった関係の話。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる