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第二章 落陽の聖国
白日夢(2)
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リューシャの声が遠ざかる。
ハリーファはまぶたの裏に、別の光景を見た気がした。
それは――ある男の記憶か、それとも白日夢か……。
・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*:.。..。:*・゜゜・*:.
『――昔むかし、聖地オス・ローには【エブラの民】が住んでいました――』
石と砂の国、聖地オス・ローはトリアナ海沿岸にある都市であった。
海岸に面したその南端に通称「ドーム」と呼ばれる城砦ある。丘の上にある城砦を中心に、内陸側へ扇状に民家や市場や病院などが広がっている。
城砦と、その城下はオス・ローと呼ばれていた。
城砦内部には、神が降臨するといわれる大きな岩があるという。その神の姿を隠すため、外界から隔絶するように高い城壁で囲まれており、外から中の様子を窺い知ることはできない。
そして、そのドームの中で、天使の末裔、神に最も近いと言われる人種、【エブラの民】は暮らしていた。
ドームの入り口、通称【天国の扉】と呼ばれる石造りの門の前には、毎日のように巡礼者が訪れる。
門の前の広場に集まるのは、白人、黒人、褐色の肌、髪の色、瞳の色も違う多種多様の巡礼者達だった。あるものは両手を合わせ、あるものは跪き、あるものは地に口付けする。各宗派それぞれの形で、門の向こうに降臨するという神に祈りを捧げていた。
ユースフが、天使の末裔と呼ばれている【エブラの民】を初めて見たのは、七歳の時だった。
中心の地の南端にある聖地オス・ローには、東のフロリスや、西のモリスと呼ばれる大陸から沢山の巡礼者が訪れる。
その聖地を管理しているのは、オス・ロー北部にある小国シュケムであった。
七歳のユースフは、シュケムの将軍であった伯父に連れられ、初めて聖地のドームを訪れた。
その時、偶然、ドームの門の外に出てきた【エブラの民】を見ることが出来たのだ。母親が弟を出産した年だったので、はっきりと覚えている。
【エブラの民】はほとんど門の外に出てくることはない。その姿を見た者は、死後天国へ行くことが出来るとの迷信が囁かれている。
彼らのその異様ながらも美しい不思議なオーラに、まだ幼かったユースフも一瞬で魅了されてしまった。
神に最も近い存在と云われる彼らと、彼らの住む聖地オス・ローを維持するため、ユースフはシュケム王国の要人であった父の後を継ごうとはせず、伯父と同じオス・ローを守護する軍人の道を選んだのだった。
伯父の権力もあったが、持ち前の才能で、ユースフは十七歳の時にはすでに軍務長官の座に就いていた。
ユースフも天使信仰者なので、城砦に来たときは礼拝を欠かさない。
だが、【天国の扉】の前で祈っても、ユースフの心が救われることはない。周りにはたくさんの巡礼者が祈りを捧げ、多様な宗派の祈りの詞が飛び交う中ではとにかく心が落ち着かない。自分の部下も門前で警備についていることもあり、常に緊張状態を強いられる。
【天国の扉】の前が静寂に包まれるのは、【エブラの民】が扉を開くときだけだ。
そんなユースフが、本当に自分自身と向き合える場所は、海を見下ろせる岸壁だった。左手の城壁沿いをずっと進むと、切り立った岸壁にたどり着く。そこはトリアナ海から打ちつける荒波の音しか聞こえてこない。
その波を眺めるのが好きだった。岸壁から海を臨むと、風景が薄茶色から一転してブルーに変わる。
壁の向こう側の【エブラの民】が見ている光景と同じかと思うと、それだけでも心が満たされる。他人は全くやってこない場所であり、ユースフにとっては、自分の内面をさらけ出せる癒しの場所だった。
中央の地は、日中は気温も四十度近くまで上がるが、夕方になると急激に気温が下がり深夜には吐く息が白くなる。一日の中に四季が存在する。
ユースフが二十五歳の頃。
夕暮れ近く、ユースフはトリアナ海の見下ろせる岸壁へ向かった。
ドームの正面から左手に回る。右手には高さ五十パース(約十五メートル)ほどの石垣の城壁がそそり立つ、その下を一人歩いて行った。
手前の数十パースまでは石畳で舗装されていた地面も、奥に行くとやがて砂地がむき出しになってくる。すっかり傾いた太陽の光は城壁にぶつかって、ユースフの歩む方角は既に薄暗い影が帳となって下りていた。
昼間は日光を避ける為の外套が、今の時間は冷え始めた空気を遮る役目に変わりつつあった。
外套の中で、長い剣が歩みに合わせて揺れると、それを留めるベルトの金具がカチャカチャと音を立てる。砂の地面の上をサッサッと鳴る靴音と重なって、規則的な音を奏でている。
しばらく歩き続けていると、その砂地の上に何かが倒れていた。
(……動物? いや、人か?)
ユースフは最初はそれが人であるのか目を疑った。いまだかつて、この場所で人に出会ったことはなかった。
薄暗がりの中、生きているのか死んでいるのか、うつ伏せに倒れた身体は微動だにしない。
――それは少女だった。
黒い肌に白い髪、 それに砂に塗れて汚れてはいるが白い独特の衣服を身に着けている。
「おい! 大丈夫か?」
傍らに跪き、軽く肩を叩きながら声をかけても少女の反応はなかった。
ユースフが呼吸を確認すると、息はしているようだが意識がなかった。少女の顔や腕や足のあちこちにすり傷があり、にじんだ血に砂が張り付いていた。落ちてから誰にも見つけられず、だがそれほど時間が経ったわけでもなさそうだ。
ユースフが城壁を見上げると、壁の上部に滑落痕が見えた。
(まさか!? あそこから落ちたのか?!)
高さは五十パースくらいだろうか? あんな高さから落ちて、生きていることのほうが奇跡だ。過って滑り落ちたのだとしたら、この城壁の上には人が通れる通路でもあるのだろう。
「誰か居ないのか! 人が落ちたぞ!」
ユースフが壁の向こうに向かって叫んでみるが、そこに人の気配は全くない。自分の声が壁に当たって微かに木霊しただけだった。
仕方がないので、ユースフは少女をそっと抱き上げると、もと来た道を引き返した。
ユースフが少女を連れてドームの門前まで戻った時には、門の前の広場もすっかり暗くなっていた。日没と供に巡礼者もほとんど姿を消し、門はいつものとおり固く閉ざされたままだ。
普段ならドーム前に数人残っているはずの自分の部下達も、今日に限っていなくなっている。茜色の西の空も、どんどん群青色から勝色へと変わっていこうとしていた。
ユースフは迷いながらも、少女を自分の外套で包むと、抱きかかえて城下の程近い自分の住居へ連れて行った。
ハリーファはまぶたの裏に、別の光景を見た気がした。
それは――ある男の記憶か、それとも白日夢か……。
・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*:.。..。:*・゜゜・*:.
『――昔むかし、聖地オス・ローには【エブラの民】が住んでいました――』
石と砂の国、聖地オス・ローはトリアナ海沿岸にある都市であった。
海岸に面したその南端に通称「ドーム」と呼ばれる城砦ある。丘の上にある城砦を中心に、内陸側へ扇状に民家や市場や病院などが広がっている。
城砦と、その城下はオス・ローと呼ばれていた。
城砦内部には、神が降臨するといわれる大きな岩があるという。その神の姿を隠すため、外界から隔絶するように高い城壁で囲まれており、外から中の様子を窺い知ることはできない。
そして、そのドームの中で、天使の末裔、神に最も近いと言われる人種、【エブラの民】は暮らしていた。
ドームの入り口、通称【天国の扉】と呼ばれる石造りの門の前には、毎日のように巡礼者が訪れる。
門の前の広場に集まるのは、白人、黒人、褐色の肌、髪の色、瞳の色も違う多種多様の巡礼者達だった。あるものは両手を合わせ、あるものは跪き、あるものは地に口付けする。各宗派それぞれの形で、門の向こうに降臨するという神に祈りを捧げていた。
ユースフが、天使の末裔と呼ばれている【エブラの民】を初めて見たのは、七歳の時だった。
中心の地の南端にある聖地オス・ローには、東のフロリスや、西のモリスと呼ばれる大陸から沢山の巡礼者が訪れる。
その聖地を管理しているのは、オス・ロー北部にある小国シュケムであった。
七歳のユースフは、シュケムの将軍であった伯父に連れられ、初めて聖地のドームを訪れた。
その時、偶然、ドームの門の外に出てきた【エブラの民】を見ることが出来たのだ。母親が弟を出産した年だったので、はっきりと覚えている。
【エブラの民】はほとんど門の外に出てくることはない。その姿を見た者は、死後天国へ行くことが出来るとの迷信が囁かれている。
彼らのその異様ながらも美しい不思議なオーラに、まだ幼かったユースフも一瞬で魅了されてしまった。
神に最も近い存在と云われる彼らと、彼らの住む聖地オス・ローを維持するため、ユースフはシュケム王国の要人であった父の後を継ごうとはせず、伯父と同じオス・ローを守護する軍人の道を選んだのだった。
伯父の権力もあったが、持ち前の才能で、ユースフは十七歳の時にはすでに軍務長官の座に就いていた。
ユースフも天使信仰者なので、城砦に来たときは礼拝を欠かさない。
だが、【天国の扉】の前で祈っても、ユースフの心が救われることはない。周りにはたくさんの巡礼者が祈りを捧げ、多様な宗派の祈りの詞が飛び交う中ではとにかく心が落ち着かない。自分の部下も門前で警備についていることもあり、常に緊張状態を強いられる。
【天国の扉】の前が静寂に包まれるのは、【エブラの民】が扉を開くときだけだ。
そんなユースフが、本当に自分自身と向き合える場所は、海を見下ろせる岸壁だった。左手の城壁沿いをずっと進むと、切り立った岸壁にたどり着く。そこはトリアナ海から打ちつける荒波の音しか聞こえてこない。
その波を眺めるのが好きだった。岸壁から海を臨むと、風景が薄茶色から一転してブルーに変わる。
壁の向こう側の【エブラの民】が見ている光景と同じかと思うと、それだけでも心が満たされる。他人は全くやってこない場所であり、ユースフにとっては、自分の内面をさらけ出せる癒しの場所だった。
中央の地は、日中は気温も四十度近くまで上がるが、夕方になると急激に気温が下がり深夜には吐く息が白くなる。一日の中に四季が存在する。
ユースフが二十五歳の頃。
夕暮れ近く、ユースフはトリアナ海の見下ろせる岸壁へ向かった。
ドームの正面から左手に回る。右手には高さ五十パース(約十五メートル)ほどの石垣の城壁がそそり立つ、その下を一人歩いて行った。
手前の数十パースまでは石畳で舗装されていた地面も、奥に行くとやがて砂地がむき出しになってくる。すっかり傾いた太陽の光は城壁にぶつかって、ユースフの歩む方角は既に薄暗い影が帳となって下りていた。
昼間は日光を避ける為の外套が、今の時間は冷え始めた空気を遮る役目に変わりつつあった。
外套の中で、長い剣が歩みに合わせて揺れると、それを留めるベルトの金具がカチャカチャと音を立てる。砂の地面の上をサッサッと鳴る靴音と重なって、規則的な音を奏でている。
しばらく歩き続けていると、その砂地の上に何かが倒れていた。
(……動物? いや、人か?)
ユースフは最初はそれが人であるのか目を疑った。いまだかつて、この場所で人に出会ったことはなかった。
薄暗がりの中、生きているのか死んでいるのか、うつ伏せに倒れた身体は微動だにしない。
――それは少女だった。
黒い肌に白い髪、 それに砂に塗れて汚れてはいるが白い独特の衣服を身に着けている。
「おい! 大丈夫か?」
傍らに跪き、軽く肩を叩きながら声をかけても少女の反応はなかった。
ユースフが呼吸を確認すると、息はしているようだが意識がなかった。少女の顔や腕や足のあちこちにすり傷があり、にじんだ血に砂が張り付いていた。落ちてから誰にも見つけられず、だがそれほど時間が経ったわけでもなさそうだ。
ユースフが城壁を見上げると、壁の上部に滑落痕が見えた。
(まさか!? あそこから落ちたのか?!)
高さは五十パースくらいだろうか? あんな高さから落ちて、生きていることのほうが奇跡だ。過って滑り落ちたのだとしたら、この城壁の上には人が通れる通路でもあるのだろう。
「誰か居ないのか! 人が落ちたぞ!」
ユースフが壁の向こうに向かって叫んでみるが、そこに人の気配は全くない。自分の声が壁に当たって微かに木霊しただけだった。
仕方がないので、ユースフは少女をそっと抱き上げると、もと来た道を引き返した。
ユースフが少女を連れてドームの門前まで戻った時には、門の前の広場もすっかり暗くなっていた。日没と供に巡礼者もほとんど姿を消し、門はいつものとおり固く閉ざされたままだ。
普段ならドーム前に数人残っているはずの自分の部下達も、今日に限っていなくなっている。茜色の西の空も、どんどん群青色から勝色へと変わっていこうとしていた。
ユースフは迷いながらも、少女を自分の外套で包むと、抱きかかえて城下の程近い自分の住居へ連れて行った。
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