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第五章 呪われた兄弟
皇宮の扉を超えて(1)
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一月の半ば、皇宮を取り囲む海沿いの城壁の上に、二人の少年の姿があった。
金の髪のハリーファと、黒髪に黒い肌のソルの姿はとても対称的だ。
ジェードが餌付けをしたせいで、白い大きな海鳥たちは、人の姿を見つけると、キューキューと鳴きながら上空を飛びまわる。
久しぶりの黒人少年は、少しやつれて見えた。いつもなら他人の変化に興味なかったが、ハリーファは珍しく口にした。
「お前、少し痩せたか?」
「ここんとこ忙しかったからな」
ソルは今でも心のうちを隠し続けていて、ソルの考えていることは何も伝わってはこない。
今日ソルをここへ呼び出したのは、ハリーファが年末年始に考え抜いて出した答えを伝えるためだ。
「アーランから聞いていると思うが、ラシードに会わせてくれ。俺がラシードの所に行く」
皇宮を出る覚悟を決めたハリーファの言葉に、ソルは視線を落としてため息をもらした。
「……遅ぇんだよ」
予想外のソルの返事に、ハリーファの顔には失意の色が浮かんだ。
「オレは忠告したはずだ。ラシードの気が変わらないうちにってな」
「……ラシードは、もう俺に会う気はないと言うことか?」
「あぁ」
ソルの返事にひどく落ち込むハリーファを見て、ソルも残念そうに口を開いた。
「だけどよ、ラシードに会わせることは出来ねぇけど、あんた、ここから出る気になったんだな。なら、【エブラの民】に会わせてやれるぜ」
「【エブラの民】に!?」
ハリーファの翠の目が大きく見開いた。
「あぁ。ただし、あそこに行くには行程三日は必要だ。最低でも二日、ここから出られるか?」
二日と聞いて、ハリーファの眉間にシワが寄る。ラシードに会うだけなら数時間で済んだが、二日間も皇宮を抜け出すことは難しい。
「今は、シナーンの女奴隷に昼夜監視されているんだ……」
「どうにかならねぇのか?」
「あいつが俺の傍を離れるのは、今くらいの、昼の数時間だけだ」
それでは話にならないと、ソルはため息をこぼす。
「お前に頼めばどうにか出来るだろう? 報酬なら出す」
ハリーファの無茶に、ソルはあ然とした。しばらく黙って考えた後、何かひらめいたように話し出す。
「……出来ないことはねぇけどよ。高くつくぜ? 報酬は……『ヴァロニアの女奴隷』をもらえるなら受けてやるよ」
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ジェードが餌付けをしたせいで、白い大きな海鳥たちは、人の姿を見つけると、キューキューと鳴きながら上空を飛びまわる。
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「お前、少し痩せたか?」
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「……遅ぇんだよ」
予想外のソルの返事に、ハリーファの顔には失意の色が浮かんだ。
「オレは忠告したはずだ。ラシードの気が変わらないうちにってな」
「……ラシードは、もう俺に会う気はないと言うことか?」
「あぁ」
ソルの返事にひどく落ち込むハリーファを見て、ソルも残念そうに口を開いた。
「だけどよ、ラシードに会わせることは出来ねぇけど、あんた、ここから出る気になったんだな。なら、【エブラの民】に会わせてやれるぜ」
「【エブラの民】に!?」
ハリーファの翠の目が大きく見開いた。
「あぁ。ただし、あそこに行くには行程三日は必要だ。最低でも二日、ここから出られるか?」
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「どうにかならねぇのか?」
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「お前に頼めばどうにか出来るだろう? 報酬なら出す」
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