最強のチー

クロクマ

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転移は森から

第十二話 嫌なお誘い

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   俺のステータスは確かにおかしい、着実に人外の道を歩んでいると思う。だか、簡単に命が無くなる異世界では強くて困る事はない。

「俺のステータスや称号は考えても仕方ないです、諦めてください」

「まぁー確かにそうだけども、あぁもう!これは気にしたら負けだな!」

「そうそう、気を取り直し村の案内を……」


「おとーさーんー!」


   ん?赤髪ツインテールの女の子が遠くから叫んでいるな、でも俺お父さんになった覚えないんだけど、あ、走って来た。

「アスカ!!」

   えっ!あっ!ノイルのおっさんは称号に『屈強な父親』ってのがあったな!だとしたらこの娘はおっさんの子供か!
   よく見たら俺と歳が近いかもしれない、しかも可愛い!

「アスカ!ごめんな、心配かけて」

「べ、別に私は心配してないんだから、母さんや村の人が心配してたから…その…ね、あれよ…」

「ハッハッ!アスカは相変わらず素直じゃないな!」

「もう笑わないで、って?!あんた誰!」

   まさかのツンデレ属性だったのに驚きだがよく見たらツンデレっぽい顔してるな。
 てか、ノイルのおっさん!説明してくれ!

「?」

   ダメだ、俺の必死のアイコンタクトが通じてない。はぁ面倒臭いけど俺が説明するか。

「あ、あのな俺は空腹で倒れているノイルさんを助けたんだ」

「ねぇほんとなの?」

「おう!あの時は神様って思ったぜ!」

「そうなのね、あ、ありがとう・・・」

「ちなみにアキは俺より強いぜ!」

「えっ!」

   ノイルのおっさんのこの一言が爆弾発言だった。

   「っ! あいつががお父さんより強いわけないでしょ!だって100はいってるみたいだけど、200はいってないじゃない、そんなの嘘よ!」

「いやいや、アスカ確かにアキはレベルは100ちょいだがステータスはエグいぜ?」

「レベル100がレベル200越えのお父さんに勝てるわけないでしょ!私でも勝てるわ!」

   怒っちゃってるよ。綺麗な赤髪が燃え上がってるよ。しかも今俺のレベルバレてね?『鑑定』持ち?それともレベル100の称号もってんの?

「ガッハッハ!アスカ、それは止めとけ。負けるぞ」

「私だってレベル200なんだからあんな奴瞬殺よ!あんた、私と勝負しなさい!!」

   うわぁー嫌なお誘いだ。しかも100じゃなくて200だったのか。強すぎね?!でもあれだけボロクソに言われたら黙ってられないな。

「良いよ、勝負しよう」

「その度胸だけは認めてあげるわ。ついでに賭けもしましょう」

「どんな賭けを?」

「1週間、勝者の言うことを聞く。」

「乗った」

「村に訓練場があるからそこで試合よ」


==村の訓練場==


   今は3時くらいでまだ明るく、訓練場に行く間に村の人達に歓迎された。でもこの村は男はガチムチ、女は美人と凄い村だった。ちなみにおっさんは先に家に帰った。嫁さんが恋しいんだとよ。ペッ、リア充め!

「あんた装備は?」

「あんたじゃない、俺はアキだ。それに装備と武器は要らない、あんたは?」

「私はアスカよ、真剣を使おうとしたけど装備と武器がないなら木剣にしてあげる」

「気を使わなくていいのに」

「ムッ、いちいち腹立つわね」

「まぁ始めよう。先行は譲る、レディーファーストだ、あれ?分かるかな?」

「何となく知ってる、じゃ行くわよ、おりゃ!……えっ…」

「ホイ、終わり」

   試合開始2秒くらい、試合は終わりました。
   簡単に説明すると、アスカが横薙ぎに首元を狙って来たので後ろにで躱してからすぐに間合いを詰めて首に手刀を添える。これだけだが俺のステータスの俊敏性をフルに使ってやった。

「うそ…私が武器のない奴に瞬殺されるなんて…」

「さっ、賭けは俺の勝ちだな」

「ん!なんでも好きにしなさい。負けたのは私だから」

   なんでも好きにしなさいだって、やばい理性が…紳士になれ、俺!

「いっ、1週間ほどアスカの家に止めてくれ」

「え、アキあんた私の家に泊まるの?」

「1週間ほどな」

「わ、分かったわ」

「じゃー行こう」

「うん・・・(初めてお父さん以外の男に負けた…)」


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