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転移は森から
第十六話 二人と一匹
しおりを挟む「ナデシコ、お前に必要なスキルは三つあるぞ」
『ピィ!』
「まず二つは『取得経験値増加』と『取得ステータス増加』、これは安定だな」
「ねぇさっきからスキルが簡単に手に入る前提で話してるけど、そんなに甘くないわよ?」
「大丈夫だ、俺はそう言うスキルを持ってるからな」
「そんなスキルあるの?」
「はぁ~街に着いたらゆっくり話すつもりだったけど信用してないなら今話すよ」
俺はステータスを他人にも見えるようにし、異世界から来たことやこれまでの事さらに『スキルクリエーター』について話をした。
「異世界ってそんな事ってあるの?!」
「現に起きてるしな」
「アキは規格外ね…もうこれからちょっとやそっとでは驚けないわね」
「話がそれたなナデシコ、三つ目のスキルはな『アブソープション』だ!」
スライムと言ったらこれだろ!
「なにそれ?」
『ピィ?』
「簡単に説明するとナデシコが捕食した相手のスキルを吸収するんだ」
「反則級のスキルね…」
『ピィピィ!!』
「ナデシコは喜んでるみたいから大丈夫だろ、あとアスカにもさっきの取得系二種類と武器を使うと補正がかかるスキルも作るから」
「そんなのなくても私は強いわ!」
「もしもの時に死んで欲しくないんだ」
「むぅぅ、そ、そんなに言うなら貰っとくわ」
「よし、『スキルクリエーター』、スキルを譲渡するものと武器に補正にかかるもの、『アブソープション』、それに取得系の二種類を二つずつ頼む、あと、武器補正の奴は俺のも!」
『………マスター、注文が多いです』
「そこをなんとか、頑張ってくれ…」
『……はい、マスター…』
どうしたんだろ、心做しかナビゲーションのテンションが低い、注文が多いだけでここまで不機嫌になるものなのか?それとも何か別の理由があるのか?分からん。
『マスター、『スキルパス』、『ウェポンマスター』×2、『アブソープション』、『取得経験値増加』×2、『取得ステータス増加』×2を作製しました。なお、おなじ効果のスキルを持っている場合は一つ分しか効果を発揮しませんのでご注意ください。』
「ありがとうナビゲーション、助かった」
『いえ、命令ですので…』
「?そうか、じゃ始めるぞ二人共、『スキルパス』を発動、『ウェポンマスター』と『取得経験値増加』と『取得ステータス増加』をアスカへ、『アブソープション』と『取得経験値増加』と『取得ステータス増加』をナデシコへ譲渡」
「何ともないけど本当にスキル貰ったの?」
「ステータス見たら?」
「うん、あ…本当にある…凄いわねこれ」
「新しい仲間も増えたし、あとはカルナの森を抜けるだけだな!」
『ピィピィ~!』
「大きい村や街に行きたいなら北の大陸の帝国を目指した方がいいんじゃない?」
「そうだな~ここがアマゾンだから北は北アメリカ大陸か、それもいいな」
「アマゾン?キタアメリカ?アキの世界では変な名前なのね、でも興味あるから旅の途中聞かせてね」
『ピィ~』
「おう!任せろ」
そうして俺達二人と一匹は帝国のある北アメリカ大陸へ歩き出した。
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