最強のチー

クロクマ

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転移は森から

第十五話 旅立ちは共に

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「ねぇアキ?」

 俺はアスカに恋愛的感情を抱いている。

「な、なんだ?」

「なんでアキが倒したレジェンドオーガを私と倒したことにしたの?正直そんなことしてもらっても嬉しくないし逆に腹が立つんだけど」

 アスカは相当怒っているようだ、しかし俺が二人で倒したと嘘を通したのには理由がある。

「だって俺が倒した事にするとこの祭りでの主役が俺だけになって、アスカと離れて祭りを過ごすことになるだろ?それが嫌だったんだ…」

「えっ!‥‥べ、別に嬉しくなんてないんだからね!」

 よかった、案外喜んでくれてるみたいだ。

 そして俺は言葉が自然と出ていた。

「一週間後、俺はカルナの森を出て旅をする、その時に一緒に来ないか?」

「・・・・・・」

 あ、やべ!?思ってた事が声に出てた!?
これもう告白してんのと一緒じゃん!しかもアスカ完全に黙って俯いてんじゃん!何やってんだ俺ーーーー!!

「嫌ならいいから!断っていいから!むしろ無かったことにしていいから!!」

「行きたい、アキと…」

「ぴぇっ?!」

 変な声出た、恥ずかしい…ってぴぇっ!?

「いいのか?!」

「別にたまたま森の外に行きたいと思っただけだし、アキと居たいとかじゃないんだからね!」

 やばいやばい!可愛さと感動で涙出てきた。ありがとうアスカ

「うゎ!アキ汚い!どうして泣いての?!」

「嬉し泣きです」

「と、取り敢えず出発は一週間後だからね」

 アスカはそう言うと俺に顔を見られないように後ろを向いた。あ、耳真っ赤だ。



==一週間後==


 祭りの最後に俺はアスカと旅に出ることを村のみんなに伝えた。一部同年代の男達が猛反対をしていたがノイルのおっさんが黙らせていた。多分アスカをずっと好きだった奴らだろう、申し訳ないことをした。だが俺も好きだ!
 そんな事をより、アスカの両親が賛成してくれたことによりアスカと旅をする事を許された、暑苦しいがいい人だった。

 そんなこんなで一週間はあっという間に過ぎて俺達は旅立つ為に村を出ようとしていた。村の人達からは一ヶ月分の食料をもらった。
 村の人達に感謝し見送られながら村を後にした。だが最後の最後にノイルのおっさんがこう言った。

「子供ができたら戻って来るんだぞ~!」

 何故か俺がアスカに殴られた。


====


「なぁアスカ」

「なに?」

「俺スライム欲しいんだけど」

「でもアキ『使役』のスキル持ってるの?持ってるならアキはドラゴンでも従えられるんじゃない?」

「いや、スライムがいいんだ」

「じゃー戦闘では役に立ちそうにないわね」

「そんな事ない、俺が育てたら……あそこに何かいる?」

 そこには魔物がいた。
 ここはまだ村からそんなに離れておらず遠くらか見るに小動物のようだがカルナの森で小型の魔物にあったことは無い、ホーンラビットでも柴犬くらいはあった。

「魔物よね?殺ってくるわ」

「待て待て!『看破』かけるから!」


####


《ステータス》

 種族:スライム?

 ランク:C

 Lv:1

 状態:健康

HP:150
MP:150

PA:100
PD:100
WA:100
WD:100
C:100
S:100

【ユニークスキル】
 ・メタモルフォーゼ

【マジックスキル】
 ・火魔法* Lv:1
 ・水魔法* Lv:1
 ・風魔法* Lv:1
 ・土魔法* Lv:1
 ・光魔法* Lv:1
 ・闇魔法* Lv:1

【ノーマルスキル】

称号
 『巻き込まれた者』
 『自由な者』


####


「スライム発見!!」

「はしゃぎ過ぎよ、キモイ」

「中身がすごいからな!」

「『看破』で何を見たの?」

「こんなの、」

 俺は地面にあのスライムのステータスを書いていった。

「レベル1のスライムでランクCはありえないわ!」

「そこ!?」

 敵意は無さそうなので早速近ずいてアスカと共に屈みスライムを観察した、その魔物は青黒い猫だった。

「猫だ!」

「こんな形状本当にスライムなの?と言うかネコってなに?」

 この世界には動物の概念が存在しないらしく。家畜などは魔物を使用している。
 獣人とかいるらしいがここは魔法のあるファンタジーな世界なので深く考えない事にする。

「こっちの話だ、では早速『スキルクリエーター』スキル『使役』を作製!」

 『はい、マスター』

「なに!何か声が聞こえた!アキのスキル?!」

「そう、街に着いてゆっくりしながら話す、『使役』発動!」

 『ピィピィーー!』

「感覚的にできたんだけどこんなに簡単なの?」

「魔物を『使役』しようとするんだから戦って勝ったらいいんだけど…」

「できたな」

「できたね…」

「あれこの猫型スライム、よく見たら一緒に車に轢かれた奴か?確か神様も猫が~とか言ってたしお前のことか!」

 『ピィ!』

「鳴き方はスライムなのね」

「そうらしいな」

 『ピィ…』

「落ち込むな、名前はそうだな…ナデシコなんてどうだ!」

 『ピィ~ピィ!』

「よし、じゃー俺のスライムなんだからあのスキルもなきゃな」

 『ピィ~?』


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