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第一章 入所編
第10話 クラゲはクスシの体表で泳ぐ
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「ちょちょちょ、この状況で何でそんな挑発するんだ!? やめてホントッ!」
ニコチンの自殺幇助にも思える程の挑発にフリーデンが慌てる。名前からして口癖からして平和主義者な彼が焦るのもわかる。
しかしこのままでは話は平行線な上、彼らに危害が及んでしまう。どうしたものかとモーズは頭を悩ませた。
「撃つ気満々な奴に撃たせて何が悪いンだよ。元よりバイオテロ組織、そうやって野蛮な面曝け出しゃいいんだ」
「き、貴様っ!」
聞き捨てならなかったのか、今まで黙っていた黒服の一人が声を荒げる。
「そもそも何で《ペガサス》だなんて神聖そ~な名前を名乗ってんだが。いや教団設立経緯なんざクソどうでもいいけどよ、どっちかつぅとペガサスの兄弟怪物の父のがお似合いじゃねぇか? 毎日怪物生み出している組織なんだからな」
ニコチンは今まで沈黙していたのが嘘のように容赦なく、捲し立てるように喋り続ける。
「そんでその怪物の尻拭いを誰がしてると思ってんだ。自分のケツも拭けねぇガキかよ。それともマジでママのおっぱいが恋しい年頃なのか? あ゙ぁ゙? 全く、ガキならガキらしく大人しくベビーベッドに転がってりゃこっちも世話ね」
パンッ!!
銃声が、狭い室内に響き渡る。挑発に耐えきれなくなった黒服の一人が発砲したのだ。放たれた弾丸は狙い通り、ニコチンの眉間を貫いた。
かに見えた。
「……ウミヘビは、教団相手といえど民間人にゃ手出し出来ねぇが」
射撃されたというのにニコチンは倒れる事もよろける事さえなく、笑ったまま突っ立っている。大きく開いた口の中、舌の上のピアスが鈍く光っているのが見えた。
「向こうから攻撃してきた分にはお咎めねぇからなァ。これは、あくまで、不可抗力ってヤツだ」
ぼたぼたぼた。
額に当たった銃弾と共に、傷口から流れ落ちる爽やかな青色をした――恐らく血液が、部屋の床に血溜まりを作っていく。
その青い血液を目にして「ひっ」と息を飲んだのは、教団の者ではなくフリーデンであった。
「馬ッッッ鹿!! おいおいマジかよこんな所でぇっ! 管理不十分で怒られるの俺なんだぞ!?」
マスクの下で顔面蒼白になっているだろう彼は、ずっと上げていた手を下ろすと白衣ごと腕の袖を捲り上げる。
「起きろ、《アイギス》!!」
そしてその掛け声をかけた直後、皮膚は風船のように膨らんでいき、やがて腕から分離し触手らしき肢が生えた黄緑色の球体が宙に現れた。
(クラゲ……!?)
空中を漂うその姿は海中に生きるミズクラゲそのもので、モーズは驚愕する。サイズはみるみる大きくなり、最終的に人間と並ぶ程に巨大化した。
「えーっと飛散物の回収と、ニコチンとモーズと荷物の回収っ!」
「うわっ!?」
「あ゙ぁ゙?」
フリーデンの切羽詰まった声による命令を聞き、ミズクラゲの触手はモーズとニコチンを絡み取り宙に浮かせる。荷物も忘れずに。
床に落ちた青い血液もまた、触手の先を付けると瞬く間に吸い取り体内へ回収していた。
「後は撤収っ!!」
「待ちなさい! まだ話は」
「セレン、足止め頼む!」
「はぁい」
開けっ放しだった窓から外へ向かうフリーデンらを追おうとしたルチルの前に、セレンが立ち塞がる。彼は武装する黒服達を前にして、ただ右手を差し出した。
それと同時に、ルチルらに激しい吐き気が襲う。
「皆さん、口を塞いでっ!」
その吐き気が意味する事を察したルチルは直ぐに手で口を覆い、黒服達にも命じるが時既に遅し。彼らは灰色の体液を口から吐き出していた。ルチル自身も少し口の端から溢してしまう。
灰色の体液はセレンの手中へと集い、三日月状に固まる。
「ではルチルさん、失礼しますね」
三日月を手にしたままセレンは軽く会釈をすると、フリーデンらに続き颯爽とホテルの窓から外へ飛び出す。
ちなみにここは五階。生身の人間が落ちれば無事では済まない高さだが、窓に駆け寄ったルチルが下を確認してみると、下で待機していたクラゲをクッション代わりに彼は平然と着地をしていた。役目を終えたクラゲは手の平サイズに縮み再びフリーデンの腕へ融合してゆく。
その間に全自動運転で呼び出した車へと乗り込み、さっさとホテルを出てしまう。
「逃げられてしまいましたか。残念」
肩をすくめ、踵を返すルチル。部屋の床には黒服の三人が無様に転がっている。
「ル、ルチルさんっ。痛みで動けません……っ!」
「でしょうね。まさか彼があのような芸当が出来るなんて、ワタクシも知りませんでした。ウミヘビは毒を与えるだけでなく奪う事も可能……。新しい知見です」
「我々はこ、こ、このまま死ぬので……!?」
「いえいえ。この痛みの感じは、単に筋肉痛が起きているだけです」
過度に怯える黒服達にルチルは苦笑してしまう。
「『セレン欠乏症』。人体必須の元素セレンが不足した際に起きる症状。具体的には爪の白色化、筋力の低下、筋肉痛の発生、重症ならば心不全」
「ひぃっ!?」
「軽症ですのでご安心ください。ただ、しばらく動けなさそうなのが面倒ですね。手っ取り早く回復するには……」
ピンポーン。
インターホンが鳴る。「はいはい」とルチルが対応しに部屋のドアを開けると、ルームサービスを受けたスタッフが料理を乗せたワゴンを運んでくれた事を知った。銃声は部屋の高い防音性から気付いていないようだ。
「ナイスタイミング。皆さん、食事といたしましょう。セレンは経口摂取で補給できますから」
◇
「ニコチンの所為で飯食いっぱぐれた……!」
「俺の所為にすんなよ。逃げなきゃよかったじゃねぇか」
「あんな惨事起きた場所に残ってたら、責任追及されるの俺じゃん!? つか煽ったのわざとだろぉ!? 銃弾を利用して毒素撒き散らすなっ! 後処理大変だろうが!!」
「あの短慮野郎が下手打っただけだ。俺は知らん」
「白々しっ!!」
一方その頃、急発進した車の中ではフリーデンがニコチンに延々と文句を言っていた。
聞けば奮発してちょっと豪華な食事を頼んでいたのだという。その楽しみを結果的に奪われたのだ、文句を言いたくなるのもわかる。
「その、フリーデン。ニコチンは額に穴が空いて大丈夫なのか?」
「こいつら頑丈で、あのぐらいの銃撃は骨で止まっちまうんだよ。それからウミヘビの血は猛毒。だからちょっとでも飛散したら回収するのもクスシの仕事なんだ」
「説明ありがとう。それから先程のクラゲ? は一体?」
「あー、あれな。クスシがラボで受ける『改造』ってやつ? 面接でもちょっと話出てたけど、予想外に早いお披露目になっちゃったなぁ」
フリーデンは袖を大きく捲って腕を見せてくれた。腕の体表にはオリーブの蔦に似たミミズ腫れと、オリーブの果実に似た吹き出物がある。
そしてそれは体表の中で泳ぐように優雅に動いている。
「自己防衛機能《アイギス》。ラボに入所したらモーズもいずれ受ける事になる、寄生型生命体だよ」
ニコチンの自殺幇助にも思える程の挑発にフリーデンが慌てる。名前からして口癖からして平和主義者な彼が焦るのもわかる。
しかしこのままでは話は平行線な上、彼らに危害が及んでしまう。どうしたものかとモーズは頭を悩ませた。
「撃つ気満々な奴に撃たせて何が悪いンだよ。元よりバイオテロ組織、そうやって野蛮な面曝け出しゃいいんだ」
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聞き捨てならなかったのか、今まで黙っていた黒服の一人が声を荒げる。
「そもそも何で《ペガサス》だなんて神聖そ~な名前を名乗ってんだが。いや教団設立経緯なんざクソどうでもいいけどよ、どっちかつぅとペガサスの兄弟怪物の父のがお似合いじゃねぇか? 毎日怪物生み出している組織なんだからな」
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「そんでその怪物の尻拭いを誰がしてると思ってんだ。自分のケツも拭けねぇガキかよ。それともマジでママのおっぱいが恋しい年頃なのか? あ゙ぁ゙? 全く、ガキならガキらしく大人しくベビーベッドに転がってりゃこっちも世話ね」
パンッ!!
銃声が、狭い室内に響き渡る。挑発に耐えきれなくなった黒服の一人が発砲したのだ。放たれた弾丸は狙い通り、ニコチンの眉間を貫いた。
かに見えた。
「……ウミヘビは、教団相手といえど民間人にゃ手出し出来ねぇが」
射撃されたというのにニコチンは倒れる事もよろける事さえなく、笑ったまま突っ立っている。大きく開いた口の中、舌の上のピアスが鈍く光っているのが見えた。
「向こうから攻撃してきた分にはお咎めねぇからなァ。これは、あくまで、不可抗力ってヤツだ」
ぼたぼたぼた。
額に当たった銃弾と共に、傷口から流れ落ちる爽やかな青色をした――恐らく血液が、部屋の床に血溜まりを作っていく。
その青い血液を目にして「ひっ」と息を飲んだのは、教団の者ではなくフリーデンであった。
「馬ッッッ鹿!! おいおいマジかよこんな所でぇっ! 管理不十分で怒られるの俺なんだぞ!?」
マスクの下で顔面蒼白になっているだろう彼は、ずっと上げていた手を下ろすと白衣ごと腕の袖を捲り上げる。
「起きろ、《アイギス》!!」
そしてその掛け声をかけた直後、皮膚は風船のように膨らんでいき、やがて腕から分離し触手らしき肢が生えた黄緑色の球体が宙に現れた。
(クラゲ……!?)
空中を漂うその姿は海中に生きるミズクラゲそのもので、モーズは驚愕する。サイズはみるみる大きくなり、最終的に人間と並ぶ程に巨大化した。
「えーっと飛散物の回収と、ニコチンとモーズと荷物の回収っ!」
「うわっ!?」
「あ゙ぁ゙?」
フリーデンの切羽詰まった声による命令を聞き、ミズクラゲの触手はモーズとニコチンを絡み取り宙に浮かせる。荷物も忘れずに。
床に落ちた青い血液もまた、触手の先を付けると瞬く間に吸い取り体内へ回収していた。
「後は撤収っ!!」
「待ちなさい! まだ話は」
「セレン、足止め頼む!」
「はぁい」
開けっ放しだった窓から外へ向かうフリーデンらを追おうとしたルチルの前に、セレンが立ち塞がる。彼は武装する黒服達を前にして、ただ右手を差し出した。
それと同時に、ルチルらに激しい吐き気が襲う。
「皆さん、口を塞いでっ!」
その吐き気が意味する事を察したルチルは直ぐに手で口を覆い、黒服達にも命じるが時既に遅し。彼らは灰色の体液を口から吐き出していた。ルチル自身も少し口の端から溢してしまう。
灰色の体液はセレンの手中へと集い、三日月状に固まる。
「ではルチルさん、失礼しますね」
三日月を手にしたままセレンは軽く会釈をすると、フリーデンらに続き颯爽とホテルの窓から外へ飛び出す。
ちなみにここは五階。生身の人間が落ちれば無事では済まない高さだが、窓に駆け寄ったルチルが下を確認してみると、下で待機していたクラゲをクッション代わりに彼は平然と着地をしていた。役目を終えたクラゲは手の平サイズに縮み再びフリーデンの腕へ融合してゆく。
その間に全自動運転で呼び出した車へと乗り込み、さっさとホテルを出てしまう。
「逃げられてしまいましたか。残念」
肩をすくめ、踵を返すルチル。部屋の床には黒服の三人が無様に転がっている。
「ル、ルチルさんっ。痛みで動けません……っ!」
「でしょうね。まさか彼があのような芸当が出来るなんて、ワタクシも知りませんでした。ウミヘビは毒を与えるだけでなく奪う事も可能……。新しい知見です」
「我々はこ、こ、このまま死ぬので……!?」
「いえいえ。この痛みの感じは、単に筋肉痛が起きているだけです」
過度に怯える黒服達にルチルは苦笑してしまう。
「『セレン欠乏症』。人体必須の元素セレンが不足した際に起きる症状。具体的には爪の白色化、筋力の低下、筋肉痛の発生、重症ならば心不全」
「ひぃっ!?」
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