12 / 597
第一章 入所編
第12話 《タリウム(Tl)》
しおりを挟む
転移装置の操作が終わり、後は指定した対象物が訪れるのを待つばかりとなったフリーデンは「よっこら」とその場から立ち上がった。
「あ、モーズは車で休んでいていいぞ。疲れているだろ」
「いいや。差し支えなければ見学させて欲しい。ラボに入所すればこの先、直面する事なのだから」
「やっぱ意識高いねぇ。そんじゃセレン、護衛頼むわ」
「お任せくださいっ!」
話している間も転移装置はガガガとノイズを流しながら動いているようだが、対象物はなかなか来ない。
痺れを切らしたニコチンは腰のガンホルダーから銃を取り出すと、一人先に廃棄場へと歩き始めてしまった。
「相変わらずその装置ノロマだな。先に片した方が早くねぇか? 俺はもう行くぞ」
「あっ、ちょっと! 単独行動しないっ!」
ニコチンの後を慌てて追いかけるフリーデン。彼もあらかじめ腕から《アイギス》を分離してから現場へ走った。
「ではモーズ先生、巻き込まれないよう物陰から見学いたしましょう」
モーズはセレンと共に見晴らしのいい、しかし直ぐに身を潜められる近場のゴミ山の一つ、その頂上から廃棄場を見下ろす。
鼠型と呼ばれる『珊瑚』五人はニコチンの接近に気付き、獣のように姿勢を低くして威嚇している。しかしニコチンはその威嚇など歯牙にもかけず銃を構える。
「いいかニコチン! 出力は最低限じゃなきゃ駄目だぞ! 膿疱が破裂したら胞子が撒き散らされるからな!」
「チッ、わかっているが面倒臭ぇな」
ドンッ! ドンッ! ドンッ!
ニコチンの抽射器から発砲された白い発光体が、『珊瑚』の一人に当たる。だが発光体のサイズは昨晩の物よりも遥かに小さく、一般的な拳銃の銃弾と変わらない。その小さな発光体で足を損傷した程度では動きは止まらないようで、『珊瑚』はすばしっこく廃棄場を動き回っている。
ただし廃棄場の外には出ないよう、遠くに逃げようとした『珊瑚』はフリーデンの《アイギス》の触手に尾部分を掴まれ、廃棄場の中央へポイと投げるように連れ戻されていた。
「……あのニコチンの銃、出力が小さくとも威力が高いな。その分、反動を受けている筈なのに、体幹が一切ブレていない。ホテル滞在時も発砲を真正面から受けていながら微動だにしていなかった。彼はどれほど高い身体能力を持っているのだろうか」
「ウミヘビは基本的に皆んな戦闘力が高いですね。そういう風に作られているんで」
「作られて……?」
「しかし先輩が尤も得意とする相手は虫型と呼ばれる『珊瑚』です。先輩の持つ抽射器もそれに合わせた作りになっているんですよ。縦横無尽に動く虫を撃ち抜けるよう、自身の毒素を弾に変換しているんです」
気になる事を呟いたセレンだったが、彼はモーズに口を挟む間を与えないまま『珊瑚』についての話を続けた。
「ステージ5の『珊瑚』は大まかに三種類の形態に発展します。一つは昨晩処分した虫型、もう一つは現在先輩が相手をしている鼠型、もう一つは植物型。特徴は各々違いますが、どの種類だろうと致死毒を与えて寄生菌ごと死滅させるのが有効な処分方法、とされていますね」
「そうなのか。ステージ5の患者は滅多に見れないから、知らなかった」
「お医者さんよりも、軍の方がこの辺は詳しいかもしれませんね」
世界で猛威を奮う『珊瑚』は基本的に各国の軍が処分をしている。ただしコンクリートを砕くほど硬質な『珊瑚』を無力化するには大掛かりな戦力が必要で、爆弾や銃、時には戦車を用いてようやく処分を可能とする。当然、近隣の被害は大きいものとなり復興が必要になる事さえある。
対してウミヘビは抽射器と呼ばれる武器一つで対処が出来てしまう。なので今回のように数の多い『珊瑚』など、災害規模が大きいと判断された際に派遣されるらしい。
「そういえば、セレンは処分向きの能力はないとの話だが、それはつまり抽射器を所持していないという事だろうか?」
「一応ありますよ~。使う機会ほぼないですけど」
そんな話をしていると、片腕と前頭部を破損した『珊瑚』の個体がフリーデンの触手を潜り抜け、栄養源たる人間モーズに向かって真っ直ぐ走ってきた――!
「おや。下がってください、先生。私がいなしますから」
「あ、あぁ。すまない」
バチバチバチッ!
セレンがモーズの前に立ったその時、背後にあった転移装置から激しい電子音が鳴り響く。一体何が、とモーズが後ろを振り返ってみれば、転移装置の電子画面から黒い光が発せられていた。丁度、人一人分の大きさの黒い光。
その黒い光は、瞬く間に生身の人型へと変換されてゆく。
黒い髪を首の後ろで一つにまとめた、色黒の肌を持つ青年へ。その青年はセレン達と同じく裏地が蛇柄をした衣を身に纏っていた。ただし白衣ではなく、黒衣。動き易さ重視なのか裾の長さはジャケット程と異質。そして羽織っている黒衣だけに留まらずインナーもズボンも靴も、顔の下半分を隠すマスクも黒い。
左耳にぶら下がる新緑の葉をモチーフにしたピアス以外、色がない。まるで影法師のような青年。
「……」
故にゆっくりと開いた銀白色の瞳が、異様に目に付いた。
ダンッ!
黒い青年は転移装置に着地したと同時に力強く地面を蹴り上げ、モーズとセレンの前を一瞬で走り抜けると一直線に鼠型の『珊瑚』へ距離を詰めた。
そして腰のホルダーから真っ白いダガーナイフを抜いて、斬り付ける。刃先はさほど長くない。何なら“刃”も付いていない、一見すると玩具のようなナイフ。
しかしそのナイフはあっさりと鼠型の『珊瑚』の首、爆弾でも使わなければ傷を付けられないほど硬化した菌糸を、斬り落とした。
「ギーッ! ギーッ!!」
首を落とされ動かなくなった個体を見て、けたたましい声を発する『珊瑚』たち。寄生菌に仲間意識があるのか、それとも人としての意識と連動しているのか。
(あの黒い青年が処分した個体、小柄だった。幼い子供だったのかもしれない)
『珊瑚』によって異形となった姿では想像しか出来ないが、五人家族という情報から推測するとその可能性はある。モーズは心の中で静かに鎮魂を祈った。
「うるさい」
しかし黒い青年はただ一言、吐き捨てるようにそう呟くと、ダガーナイフを高く掲げる。
そして次の瞬間、ナイフの刃先が伸びた。
真っ黒な靄を纏い天に向かって伸びていく刃先。刀の大太刀並みに長くなったそれを、黒い青年は軽々と振り回し、自身に向かって一斉に襲いかかってくる『珊瑚』複数体を横一文字に両断した。
後に残ったのは、ゴミ山に転がる首と胴が離れた異形のみ。
「おーおー。仕事が早くて何よりだ、《タリウム》」
ぱちぱちと、一瞬で片をつけてくれた黒い青年《タリウム(Tl)》に、ニコチンは乾いた拍手を送るのだった。
▼△▼
補足
タリウム。殺鼠剤によく使われていた劇物。なお現在、農薬としての使用は失効されている。
ミステリー小説でもよく登場するやつ。無味無臭かつ使用された形跡が残り難いので暗殺に利用されていました。
外見について
個体のタリウムは銀白色の金属(瞳の色)ですが、日本の法律では含有率0.3%以下の普通物だった場合、黒色に着色が義務付けられているのもあって、アサシンイメージと合わせて全身黒です。あと唐辛子味にされている。
新緑の葉ピアスはギリシャ語の『緑の小枝』という名前の由来から。タリウムは炎色反応で緑色になるのです。
「あ、モーズは車で休んでいていいぞ。疲れているだろ」
「いいや。差し支えなければ見学させて欲しい。ラボに入所すればこの先、直面する事なのだから」
「やっぱ意識高いねぇ。そんじゃセレン、護衛頼むわ」
「お任せくださいっ!」
話している間も転移装置はガガガとノイズを流しながら動いているようだが、対象物はなかなか来ない。
痺れを切らしたニコチンは腰のガンホルダーから銃を取り出すと、一人先に廃棄場へと歩き始めてしまった。
「相変わらずその装置ノロマだな。先に片した方が早くねぇか? 俺はもう行くぞ」
「あっ、ちょっと! 単独行動しないっ!」
ニコチンの後を慌てて追いかけるフリーデン。彼もあらかじめ腕から《アイギス》を分離してから現場へ走った。
「ではモーズ先生、巻き込まれないよう物陰から見学いたしましょう」
モーズはセレンと共に見晴らしのいい、しかし直ぐに身を潜められる近場のゴミ山の一つ、その頂上から廃棄場を見下ろす。
鼠型と呼ばれる『珊瑚』五人はニコチンの接近に気付き、獣のように姿勢を低くして威嚇している。しかしニコチンはその威嚇など歯牙にもかけず銃を構える。
「いいかニコチン! 出力は最低限じゃなきゃ駄目だぞ! 膿疱が破裂したら胞子が撒き散らされるからな!」
「チッ、わかっているが面倒臭ぇな」
ドンッ! ドンッ! ドンッ!
ニコチンの抽射器から発砲された白い発光体が、『珊瑚』の一人に当たる。だが発光体のサイズは昨晩の物よりも遥かに小さく、一般的な拳銃の銃弾と変わらない。その小さな発光体で足を損傷した程度では動きは止まらないようで、『珊瑚』はすばしっこく廃棄場を動き回っている。
ただし廃棄場の外には出ないよう、遠くに逃げようとした『珊瑚』はフリーデンの《アイギス》の触手に尾部分を掴まれ、廃棄場の中央へポイと投げるように連れ戻されていた。
「……あのニコチンの銃、出力が小さくとも威力が高いな。その分、反動を受けている筈なのに、体幹が一切ブレていない。ホテル滞在時も発砲を真正面から受けていながら微動だにしていなかった。彼はどれほど高い身体能力を持っているのだろうか」
「ウミヘビは基本的に皆んな戦闘力が高いですね。そういう風に作られているんで」
「作られて……?」
「しかし先輩が尤も得意とする相手は虫型と呼ばれる『珊瑚』です。先輩の持つ抽射器もそれに合わせた作りになっているんですよ。縦横無尽に動く虫を撃ち抜けるよう、自身の毒素を弾に変換しているんです」
気になる事を呟いたセレンだったが、彼はモーズに口を挟む間を与えないまま『珊瑚』についての話を続けた。
「ステージ5の『珊瑚』は大まかに三種類の形態に発展します。一つは昨晩処分した虫型、もう一つは現在先輩が相手をしている鼠型、もう一つは植物型。特徴は各々違いますが、どの種類だろうと致死毒を与えて寄生菌ごと死滅させるのが有効な処分方法、とされていますね」
「そうなのか。ステージ5の患者は滅多に見れないから、知らなかった」
「お医者さんよりも、軍の方がこの辺は詳しいかもしれませんね」
世界で猛威を奮う『珊瑚』は基本的に各国の軍が処分をしている。ただしコンクリートを砕くほど硬質な『珊瑚』を無力化するには大掛かりな戦力が必要で、爆弾や銃、時には戦車を用いてようやく処分を可能とする。当然、近隣の被害は大きいものとなり復興が必要になる事さえある。
対してウミヘビは抽射器と呼ばれる武器一つで対処が出来てしまう。なので今回のように数の多い『珊瑚』など、災害規模が大きいと判断された際に派遣されるらしい。
「そういえば、セレンは処分向きの能力はないとの話だが、それはつまり抽射器を所持していないという事だろうか?」
「一応ありますよ~。使う機会ほぼないですけど」
そんな話をしていると、片腕と前頭部を破損した『珊瑚』の個体がフリーデンの触手を潜り抜け、栄養源たる人間モーズに向かって真っ直ぐ走ってきた――!
「おや。下がってください、先生。私がいなしますから」
「あ、あぁ。すまない」
バチバチバチッ!
セレンがモーズの前に立ったその時、背後にあった転移装置から激しい電子音が鳴り響く。一体何が、とモーズが後ろを振り返ってみれば、転移装置の電子画面から黒い光が発せられていた。丁度、人一人分の大きさの黒い光。
その黒い光は、瞬く間に生身の人型へと変換されてゆく。
黒い髪を首の後ろで一つにまとめた、色黒の肌を持つ青年へ。その青年はセレン達と同じく裏地が蛇柄をした衣を身に纏っていた。ただし白衣ではなく、黒衣。動き易さ重視なのか裾の長さはジャケット程と異質。そして羽織っている黒衣だけに留まらずインナーもズボンも靴も、顔の下半分を隠すマスクも黒い。
左耳にぶら下がる新緑の葉をモチーフにしたピアス以外、色がない。まるで影法師のような青年。
「……」
故にゆっくりと開いた銀白色の瞳が、異様に目に付いた。
ダンッ!
黒い青年は転移装置に着地したと同時に力強く地面を蹴り上げ、モーズとセレンの前を一瞬で走り抜けると一直線に鼠型の『珊瑚』へ距離を詰めた。
そして腰のホルダーから真っ白いダガーナイフを抜いて、斬り付ける。刃先はさほど長くない。何なら“刃”も付いていない、一見すると玩具のようなナイフ。
しかしそのナイフはあっさりと鼠型の『珊瑚』の首、爆弾でも使わなければ傷を付けられないほど硬化した菌糸を、斬り落とした。
「ギーッ! ギーッ!!」
首を落とされ動かなくなった個体を見て、けたたましい声を発する『珊瑚』たち。寄生菌に仲間意識があるのか、それとも人としての意識と連動しているのか。
(あの黒い青年が処分した個体、小柄だった。幼い子供だったのかもしれない)
『珊瑚』によって異形となった姿では想像しか出来ないが、五人家族という情報から推測するとその可能性はある。モーズは心の中で静かに鎮魂を祈った。
「うるさい」
しかし黒い青年はただ一言、吐き捨てるようにそう呟くと、ダガーナイフを高く掲げる。
そして次の瞬間、ナイフの刃先が伸びた。
真っ黒な靄を纏い天に向かって伸びていく刃先。刀の大太刀並みに長くなったそれを、黒い青年は軽々と振り回し、自身に向かって一斉に襲いかかってくる『珊瑚』複数体を横一文字に両断した。
後に残ったのは、ゴミ山に転がる首と胴が離れた異形のみ。
「おーおー。仕事が早くて何よりだ、《タリウム》」
ぱちぱちと、一瞬で片をつけてくれた黒い青年《タリウム(Tl)》に、ニコチンは乾いた拍手を送るのだった。
▼△▼
補足
タリウム。殺鼠剤によく使われていた劇物。なお現在、農薬としての使用は失効されている。
ミステリー小説でもよく登場するやつ。無味無臭かつ使用された形跡が残り難いので暗殺に利用されていました。
外見について
個体のタリウムは銀白色の金属(瞳の色)ですが、日本の法律では含有率0.3%以下の普通物だった場合、黒色に着色が義務付けられているのもあって、アサシンイメージと合わせて全身黒です。あと唐辛子味にされている。
新緑の葉ピアスはギリシャ語の『緑の小枝』という名前の由来から。タリウムは炎色反応で緑色になるのです。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本国 召喚獣管理省 関東庁 召喚獣総合事案即応科。
wakaba1890
ファンタジー
召喚獣。
それは向こう側とされる所から、10歳を迎えた日本人の子供の下に召喚されるモンスターのことである。
初代天皇・神武天皇が日本を建国した際に書かれた絵画には彼は金鵄と呼ばれる金色に輝く鵄(とび)と契約したのが原初となっている。
そして、縄文、弥生、古墳、飛鳥、平安、戦国時代から近代から今に至るまで、時代を動かしてきた人物の側には確かに召喚獣は介在していた。
また、奇妙な事に、日本国に限り、齢10歳を迎えた日本在住の日本人にのみ体のどこかから多種多様な紋章が発現し、当人が念じると任意の場所から召喚陣が現れ、人ならざるモンスターを召喚される。
そして、彼らモンスターは主人である当人や心を許した者に対して忠実であった。
そのため、古来の日本から、彼ら召喚獣は農耕、治水、土木、科学技術、エネルギー、政治、経済、金融、戦争など国家の基盤となる柱から、ありとあらゆる分野において、今日に至るまで日本国とアジアの繁栄に寄与してきた。
そして、建国から今まで、国益の基盤たる彼ら数万種類以上をも及ぶ召喚獣を取り締まり管理し、2600年以上と脈々と受け継がれてきた名誉ある国家職がーーーーー国家召喚獣管理官である。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
大和型重装甲空母
ypaaaaaaa
歴史・時代
1937年10月にアメリカ海軍は日本海軍が”60000トンを超す巨大戦艦”を”4隻”建造しているという情報を掴んだ。海軍はすぐに対抗策を講じてサウスダコタ級戦艦に続いてアイオワ級戦艦を4隻建造することとした。そして1941年12月。日米は戦端を開いたが戦列に加わっていたのは巨大戦艦ではなく、”巨大空母”であった。
『王都の神童』と呼ばれた俺、職業選定でまさかの【遊び人】三連発で追放される。……が、実は「全職業のスキル」を合算して重ねがけできる唯一のバグ
よっしぃ
ファンタジー
王都で「神童」の名をほしいままにしていた少年、ディラン・アークライト(17歳)。
剣を握れば騎士団長を唸らせ、魔法を学べば賢者を凌駕する。誰もが彼を「次代の勇者」と信じて疑わなかった。
しかし、運命の職業選定で彼が得たのは――【遊び人】。
それも、三つの職業スロットすべてが【遊び人】で埋まるという、前代未聞の怪現象だった。
「期待外れだ」
「国の恥晒しめ」
掌を返した周囲によって、ディランは着の身着のままで街を追放される。 だが、かつて神童と呼ばれた彼の「分析力」は死んでいなかった。
『……Lv1なのに、ステータスが異常に高い? それに経験値が分散せず、すべて加算されている……?』
彼だけが気づいた真実。
それは【遊び人】という名に偽装された、この世界の管理者権限(Free-Hander)であり、全職業のスキルを制限なく使用・強化できるバグ技(デバッグモード)への入り口だったのだ。
これは、理不尽に捨てられた元・神童が、その頭脳とバグ能力で世界を「攻略」し、同じく不遇な扱いを受けていた美少女騎士(中身は脳筋)と共に、誰よりも自由に成り上がる物語。
【著者プロフィール】アルファポリスより『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』を出版、オリコンライトノベル部門18位を記録。本作は2月に2巻刊行予定。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~
日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!
斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。
偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。
「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」
選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる