土魔法を最強と信じて疑わないお爺ちゃん賢者が土魔法最弱の世界へとログインしました ~それでも儂は土魔法が大好きじゃ!~

パンダヒーロー

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一章 村編

おじいちゃん賢者は村人を帰還させました。

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 あの二人は、とりま放置することにした。

 「ふがふがふが!(それはないでしょう!?)」

 「ふが……(すまん弟よ……)」

 知らん知らん。

 放置放置。

 ……ということで、先にかつての魔王軍主力達の処遇を決めないと。

 「あーそうじゃな。死にたい奴、手挙げて。」

 『はい!』

 「よし。【対物大弾銃:展開】」

 『ちょっと待って冗談よ冗談!?本気にしないでくれる!?』

 「チッ殺すチャンスじゃったのに」

 『私への対応……』


 さめざめと泣きだすスキュラ。

 お前の扱いなんてこんなもんだ。

 一回は死闘を繰り広げた関係じゃからな。

 『うんまあそれはその通りだけど。ところで、私たちを従魔として使ってみる気はない?』

 「ない」

 『即答ッ!?』

 「嘘」

 『死ねっ!』

 スキュラが弱体化した状態で殴り掛かってきたので、片手で受け止めてやる。

 こいつらはどういった行動をするのか分からなかったため、一応土属性の縛り魔法で弱体化させておいた。

 つまり今の奴らと儂では勝負にすらならんという事じゃ。

 「別にお前らを従魔として使う気が無いかと言われたら、無いことは無い」

 『ォォッ!なら』

 「問題はコイツじゃな」

 『私かッ!』

 基本的に五月蠅いんじゃよ、お前は。




       ****



 ……結局、魔王含む五体を従魔として起用することになった。

 面倒臭いし五月蠅いし、何より一応強いからな。

 かつての世界では、儂に匹敵する最強戦力と言われていた五名じゃ。

 それなりに役には立つじゃろう。

 あと、壊された街並みじゃが土魔法で適当に錬成してある程度直しておいた。

 じゃが、適当なだけあってまだ完璧な街並みとは言えない。

 今後、工作隊を作って直す必要があるじゃろうな。

 コンクリとかも使いたいしの。



 「【帰還】」



 そして儂は、転移させていた村人を呼び戻した。





       ****


  バシュッツという音ともに二百人近くの人影が現れる。

 「うおっ今度は何だ!?」

 「どうしたどうした?」

 とかいう声が結構聞こえるので、困惑しているようだ。

 無理もない。

 いきなり鎖で雁字搦めにして村の郊外に飛ばしたうえ、今度はいきなり村に呼び戻したからのう。




 「あー……皆、聞いてくれるか」

 しばらくして、混乱もだいぶ収まったようじゃ。

 すかさず、呼びかけの声をかける

 ガバッという擬音が聞こえてきそうな速度で振り返った村人たち。

 疑問を孕んだ凄まじい視線が突き刺さる。

 「此度の反乱は……」

 村人の疑問を解消させるために状況を全て説明した。

 別に隠すことでもなかろう、と思ってすべてを洗いざらい丁寧に話す。

 それを聞いて泣いて喜ぶものもいたし、どうして奴らは来たんだと憤るものもいた。

 ただ、全員儂に感謝してくれたことはなんとなく分かった。

 目線からそう感じただけの話だが、単純に嬉しかった。



      ****




 「ところで、だ。そいつらはどうするんだ?」

 盛り上げの雰囲気が一時的に冷えたところで、父の村長が厳しい発言をする。

 場の空気は一気に冷え込み、厳しい蔑みの目線で囚われた二人を見る。

 にも関わらず、父親はずっと儂を見ていた。

 これからどうするのか、と試すような視線じゃ。

 「はぁ~……」

 一言、溜息を吐いてから声を絞り出す。

 絶対反感買うじゃろこれ。

 親なんだからあんた(父親)が言えよ、と儂は思う。



 「皆聞いて欲しいのじゃ。この二人は、罪については不問とすることにする」



 儂は大変なことを言った。

 許されざる事じゃろう。

 「はぁ!?」

 「意図は!」

 「何故だ!?」

 不満の声が多数上がる。

 それもそうじゃろう。村を裏切ったものたちなのじゃから。

 しかし―――

 「おぬしらは、家族同然の意識で今まで過ごしてきたのじゃろう?村とは所詮少数集団でしかない。誰かを糾弾して仲間意識を失っているようじゃ、周りの国に舐められるんじゃよ」

 ……と、ここで言葉を切る。

 若干の嘲りを交えて言ったこの言葉だが、ある意味自戒も込めている。

 こうならないようにしなければならない、という自戒だ。

 周囲は一気に静まり返り、黙々と、次の儂の言葉を待っている。

 「それに、じゃ。この二人は大きな組織に脅迫されてこの行動を起こしたらしい。じゃろう?二人とも」

 儂は淡々と事実を述べ、二人に問いかける。

 村人全員が猜疑的な目線で、二人を見据える。

 二人はビクッと震え、カムが驚いた目線でこちらを見る。

 そんな情報とっくに盗聴済みじゃぞ。

 「だから……」

 「この二人を許してやってはくれぬか?」

 出来るだけ、優しい笑みを心がけて、問いかける。

 果たして効果は、抜群だった。




 「ええ勿論許しまっせクレイ様ァ!」




 誰かがそういったのをきっかけに、許すムードが流れ始めた。

 儂が二人に巻き付けたロープは既に解かれ、互いに仲が良かったものと抱き合っている。

 おそらく誰かが解いてやったのじゃろう。

 嬉しいことじゃ。

 「「「「クレイ!クレイ!クレイ!」」」

 謎のコールが沸き起こっているが、気にすることは無い。

 幸せな時間は、いつまでも続くと思われた。


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