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第4章
第183話 次なる試練は
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合流を果たしたアイナと清志は、通路を進み寄り遺跡の深い部分へと向かう。
2人は移動距離から、相当地下深い地点まで遺跡が続いている事に感心している。
どれだけ進んでも酸素が薄まる事は無く、室内の温度も20度と少しぐらいで保たれている。
「凄い技術よね本当に」
「本当にね。古代魔術もそうだけど、この建築技術は一体どうやって?」
進みながら清志は、壁や柱に触れて材質などを調べている。彼でも知らない魔術で強化された建材は、自動修復が常に働いていると思われる。
これだけの施設を維持出来るという事は、龍脈と繋がっているのではないか。それが2人の見解である。
そうでもなければ、これだけの規模の遺跡を維持管理する魔術が、現在でも生きている筈がないからだ。
「こんな大掛かりの遺跡が、良く今まで見つからなかったわよね」
アイナもまた、壁に触れながら歩いている。彼女は自身の錬金術しか使えない為、触れたとて何かが探れるわけではない。
ただ劣化する事無く当時のままと思われる手触りは、指先から十分感じ取る事が出来る。
ここまで見て来た遺跡の内部は、どこを見ても劣化らしい劣化がどこにも無かった。
それだけで現在の魔術と、何ら遜色がないどころか、下手をすれば上回っている。
数千年、もしくは数万年単位で劣化しない建物を作れる企業がどれだけあるか。しかも今回まで発見される事がなかった、隠蔽能力の高さまで併せ持つ。
「とんでもない機能だよなぁ」
「軍事施設に欲しい技術が沢山あるわ」
応用すれば基地などの軍事施設で有効活用出来そうな、数々の技術が詰まっている。
今回の発見を、アイナは同行出来て感謝している。遺跡自体は日本のものだが、発見者に自分も含まれている。
日本だけが単独で発見したのではなく、アメリカ人の自分も一緒に居る。共同研究という形が取れるので、アメリカでも技術を使用する権利を主張出来るからだ。
「いやまあ、そうだけど……」
軍人ではない清志としては、平和的な利用を優先したい気持ちがある。病院や耐震補強、災害救助など。
だが防衛力が重要なのも理解出来るので、完全に否定する事も出来ない。
「共同研究にしましょうね?」
「……はぁ、分かったよ」
ニッコリと微笑みながら念押しするアイナに、頷くしかない清志。どのみち清志1人の判断で、日本だけの発見と主張する事は出来ない。
最終的には魔導協会と、日本政府の判断が肝となる。清志もそれなりに権力を持っているが、闇雲に振り翳すつもりはない。
肩を竦めながら、軍人としてのジャッジを下すアイナを受け入れる。事実として日本は米軍との協力は重要だ。
美味しいところだけ、持って行く事は出来ない。そんな会話を繰り広げている間に、次の試練が行われると思われる扉が遠くに見えた。
心なしか、これまでの扉よりも大きく見える。近付くにつれて、その巨大さが実感出来た。明らかに高さだけで、4メートルはありそうだ。
「……清志はどう思う?」
「予想通り、と言うにはデカいかな」
次は最上位の悪魔との戦いではないか。そう思っていた2人は、警戒心を強める。これは相当な相手との戦いになるのではないか。
だからこそ、その分部屋が大きい可能性は十分あり得る。巨大な扉の前に辿り着いた2人は、思わず見上げてしまう。扉に描かれた絵は、今回も悪魔と思われる存在が含まれている。
「さて、それじゃあ行こうか」
「ええ」
2人は扉へと掌を当て、少しだけ魔力を流す。扉の模様に沿って、2人の魔力が流れて行く。
暫くすると、これまでで一番大きな音を立てて、石造りの扉が開いて行く。今度の部屋は、今までと随分と違う。
太陽のように明るい光が天井から降り注ぎ、目の前に広がる広大な空間を照らしている。
「これは……古代のコロシアムかしら?」
「随分と広いな」
これまでは精々、スポーツ施設の大きな体育館程度の広さまでだった。しかし今度は、ドームレベルのだだっ広い空間が広がっている。
本来なら観客が観戦出来る仕様なのだろう。客席らしき設備が備わっている様子だ。アイナが感じた通り、コロシアムと言われても違和感は無かった。
2人はこれだけ広い場所でないと、スペースの足りない相手が出て来るのかと警戒している。
「行きましょう、清志」
「ああ」
2人は武器を手に、中央へと進んで行く。最上位の悪魔が出て来るとの予想は、同やら間違いでは無さそうだと2人は感じている。
丁度部屋の真ん中に当たる位置まで、2人が到着する。すると2人は空中を見上げる。何らかの気配を感じたからだ。
「……大きいわね」
「気を付けてくれよ」
空から舞い降りて来るのは、3メートル程の全高を持つ筋骨隆々な悪魔だ。山羊に似た頭蓋骨を頭に被り、4対の漆黒の翼を持っている。
指先から伸びた爪は鋭く分厚い。人間の肉体など、容易に切り裂く事が出来るだろう。頭部に被った頭蓋骨の隙間から、鋭い牙が見えている。
ニヤリと笑いながら、悪魔は空中で停止した。雄たけびを上げる悪魔から闘志が迸り、戦いの始まりを告げた。
2人は移動距離から、相当地下深い地点まで遺跡が続いている事に感心している。
どれだけ進んでも酸素が薄まる事は無く、室内の温度も20度と少しぐらいで保たれている。
「凄い技術よね本当に」
「本当にね。古代魔術もそうだけど、この建築技術は一体どうやって?」
進みながら清志は、壁や柱に触れて材質などを調べている。彼でも知らない魔術で強化された建材は、自動修復が常に働いていると思われる。
これだけの施設を維持出来るという事は、龍脈と繋がっているのではないか。それが2人の見解である。
そうでもなければ、これだけの規模の遺跡を維持管理する魔術が、現在でも生きている筈がないからだ。
「こんな大掛かりの遺跡が、良く今まで見つからなかったわよね」
アイナもまた、壁に触れながら歩いている。彼女は自身の錬金術しか使えない為、触れたとて何かが探れるわけではない。
ただ劣化する事無く当時のままと思われる手触りは、指先から十分感じ取る事が出来る。
ここまで見て来た遺跡の内部は、どこを見ても劣化らしい劣化がどこにも無かった。
それだけで現在の魔術と、何ら遜色がないどころか、下手をすれば上回っている。
数千年、もしくは数万年単位で劣化しない建物を作れる企業がどれだけあるか。しかも今回まで発見される事がなかった、隠蔽能力の高さまで併せ持つ。
「とんでもない機能だよなぁ」
「軍事施設に欲しい技術が沢山あるわ」
応用すれば基地などの軍事施設で有効活用出来そうな、数々の技術が詰まっている。
今回の発見を、アイナは同行出来て感謝している。遺跡自体は日本のものだが、発見者に自分も含まれている。
日本だけが単独で発見したのではなく、アメリカ人の自分も一緒に居る。共同研究という形が取れるので、アメリカでも技術を使用する権利を主張出来るからだ。
「いやまあ、そうだけど……」
軍人ではない清志としては、平和的な利用を優先したい気持ちがある。病院や耐震補強、災害救助など。
だが防衛力が重要なのも理解出来るので、完全に否定する事も出来ない。
「共同研究にしましょうね?」
「……はぁ、分かったよ」
ニッコリと微笑みながら念押しするアイナに、頷くしかない清志。どのみち清志1人の判断で、日本だけの発見と主張する事は出来ない。
最終的には魔導協会と、日本政府の判断が肝となる。清志もそれなりに権力を持っているが、闇雲に振り翳すつもりはない。
肩を竦めながら、軍人としてのジャッジを下すアイナを受け入れる。事実として日本は米軍との協力は重要だ。
美味しいところだけ、持って行く事は出来ない。そんな会話を繰り広げている間に、次の試練が行われると思われる扉が遠くに見えた。
心なしか、これまでの扉よりも大きく見える。近付くにつれて、その巨大さが実感出来た。明らかに高さだけで、4メートルはありそうだ。
「……清志はどう思う?」
「予想通り、と言うにはデカいかな」
次は最上位の悪魔との戦いではないか。そう思っていた2人は、警戒心を強める。これは相当な相手との戦いになるのではないか。
だからこそ、その分部屋が大きい可能性は十分あり得る。巨大な扉の前に辿り着いた2人は、思わず見上げてしまう。扉に描かれた絵は、今回も悪魔と思われる存在が含まれている。
「さて、それじゃあ行こうか」
「ええ」
2人は扉へと掌を当て、少しだけ魔力を流す。扉の模様に沿って、2人の魔力が流れて行く。
暫くすると、これまでで一番大きな音を立てて、石造りの扉が開いて行く。今度の部屋は、今までと随分と違う。
太陽のように明るい光が天井から降り注ぎ、目の前に広がる広大な空間を照らしている。
「これは……古代のコロシアムかしら?」
「随分と広いな」
これまでは精々、スポーツ施設の大きな体育館程度の広さまでだった。しかし今度は、ドームレベルのだだっ広い空間が広がっている。
本来なら観客が観戦出来る仕様なのだろう。客席らしき設備が備わっている様子だ。アイナが感じた通り、コロシアムと言われても違和感は無かった。
2人はこれだけ広い場所でないと、スペースの足りない相手が出て来るのかと警戒している。
「行きましょう、清志」
「ああ」
2人は武器を手に、中央へと進んで行く。最上位の悪魔が出て来るとの予想は、同やら間違いでは無さそうだと2人は感じている。
丁度部屋の真ん中に当たる位置まで、2人が到着する。すると2人は空中を見上げる。何らかの気配を感じたからだ。
「……大きいわね」
「気を付けてくれよ」
空から舞い降りて来るのは、3メートル程の全高を持つ筋骨隆々な悪魔だ。山羊に似た頭蓋骨を頭に被り、4対の漆黒の翼を持っている。
指先から伸びた爪は鋭く分厚い。人間の肉体など、容易に切り裂く事が出来るだろう。頭部に被った頭蓋骨の隙間から、鋭い牙が見えている。
ニヤリと笑いながら、悪魔は空中で停止した。雄たけびを上げる悪魔から闘志が迸り、戦いの始まりを告げた。
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