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第1章
第11話 ヘンリー
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「はぁ、まあ分かったよ。君の特異さは」
「変人扱いは嫌だなー個性的と言って欲しいね!」
「もう良いよ、それで……」
随分と変わった錬金術師とコンビを組む事になってしまった。女の子だからどうしようとか、もう良いやどうでも。
確かに可愛い女の子だけど、何か疲れるな。もっとこう、気を遣わないといけない相手かと思っていたのに。この子が軍人で特殊部隊所属?
見えない見えない。アニメグッズを買いに来た米軍のオタクみたいな、そう言うタイプの人だよ。まあ、フレンドリーなのは助かったけど。クソ真面目な女将校みたいな人を想像してたよ。
「あ、清志の事は大体知ってるから説明不要だよ」
「え、何で知られてるの? 怖いんだけど」
「いや、貴方は有名でしょう。知らない人の方が珍しいぐらい」
「…………え? そうなの?」
他人からの自分への認識とか興味がないから、全然知らない。ていうか逆に嫌でしょ、自分の事をエゴサしてるSランク魔術師とか。ちょっと気持ち悪いってそんな奴。
学園内にクラスメイトや友人達が居ればそれで十分だ。それ以上の人々に好かれようとか、そう言った事は特に考えた事がない。
魔術師としての責任感はあるけど、知名度なんて知った事ではない。最高位の魔術師として、恥ずかしくない様にしていればそれで十分だろう。
実際、一部のSランク魔術師には顔も性別も不明と言う人だって居る。偏屈で有名な人も居るし、奇人変人も珍しくはない。
「貴方も結構個性的だね! お似合いじゃん私達」
「えぇ……同類判定なのそこ……」
「もっと喜びなよ!」
「痛い痛い、バシバシしないで」
テンション高いなぁ~この子。絶対シャーロットと同類だよ。付き合うと疲れるタイプだ。欧米人って皆こうなの? もう少し暗くても全然大丈夫ですよ日本人的には。
「あ、そうそう。相棒も紹介しておくね」
「相棒?」
「ヘンリーだよ」
「……古い銃?」
何だろうこれ。彼女が懐から取り出したのは、古めかしい昔の銃。火縄銃を凄く小さくしたみたいな形をしている。
大部分が木製で、部分的に金属が使われている。それなりの経年劣化は見られるものの、十分美品と言って差し支えない。オークションとかでそれなりの値段が付きそうだ。
「自分の作った銃に、死後魂が宿った精霊銃なんだ」
「ヘンリー・デリンジャーじゃよ。宜しく若き魔術師」
「うわ喋った!? ……人の意思が宿った代物は初めてだな」
八百万の神が居る日本では、何らかの魂が物に宿って精霊化や神格化するパターンがある。話には聞いていたし、動物の魂が宿った物品なら何度か目にした。
あとは妖刀の類か。あれは人と言うより呪詛が宿っているから、こんな風に会話なんて成立しない。もっとこう、ただ怨念を撒き散らし続けるだけだ。狂った悪霊が、もっと斬れと訴え続けるだけ。
だからこのパターンは意外と珍しい。作り手の魂が宿るなんて言うけど、そう言う品々は大体が国宝として国が管理している。
あれらはSランク魔術師と言えども、簡単に見せて貰えるものではない。せいぜい移送の護衛に着くぐらいだ。
「私にも挨拶させてよ神様に」
「ん? ああ、別に構わないよ……って、アレ?」
「どうしたの?」
「いや、どっかに行っているみたいだ」
いつもなら放っておいても出て来る所だが、今日は珍しくお出掛け中らしい。念話で呼び掛けても一切反応がないし、魂の繋がりが希薄になっている。
また勝手に食べ歩きでもしているのかも知れない。黄泉の国の責任者が、随分とまあ俗な事を好むものだ。それで良いのか黄泉の国。
「まあ、それは今度にしよう」
「残念だなぁ、見て見たかったよ日本の死神」
「そんな大層なものでもないよ? 勝手に現界して昼寝しているし、趣味悪いし」
「何それ面白い。そんな神様も居るんだ」
ぶっちゃけ神様って感じがしない。働かない厄介な姉みたいな感じだ。いちいち口煩いし、アイスとか買いに行かされるし。
全然神様らしい威厳がない。好き勝手やりたい放題しているだけだ。仕事に着いて来たかと思えば早く寝たいとか言い出すし。……本当に良いのか黄泉の国。トップがバリバリニートしているぞ。
「おっと、俺はこの駅だから」
「私もだよ?」
「え、そうなの。住んでいる所、近いのかもな」
半ば強制とは言え、パートナーが出来た以上は一緒に動き易い方が良い。最寄り駅が近いと言うのは悪い事ではない。
いちいちどこかで待ち合わせをする必要が無くなるし。魔導犯罪を相手にする以上は、迅速な行動が求められる。
若干気が引けるものの、住んでいる地域ぐらいは知っておいた方が良い。変わった女の子だけど、女性は女性だ。個人情報で申し訳ないけど、知っておく必要がある。
「どこに住んでいるの? あ、大体で良いから」
「確か花園公園、だっけ? 大きい公園がある」
「え、ウチの近所だ。結構近いな」
そう言えば、最近引っ越しのトラックを近所で良く見掛けたな。あの中のどれかが彼女だったのかも知れない。
俺は最近忙しかったから、近所に誰が引っ越して来たかは知らないんだけど。どうであれ、引っ越しの挨拶とかは義姉さんが対応しているだろう。
「あ、じゃあ俺はここだから」
「私もここだよ?」
「………………え?」
ハハハハハ……まさかそんな。2度ある事は3度あるって? いやいやいや、そんな筈ないよな。たまたま、たまたま同じマンションなだけだよ。
うちのマンションは防犯関係もしっかりしているから、女性の人気が高いんだよな。うん、だからだよな。そんな漫画みたいな事が起きるわけがないじゃないか。
「おとなりぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「え、そこ清志の家だったんだ」
「変人扱いは嫌だなー個性的と言って欲しいね!」
「もう良いよ、それで……」
随分と変わった錬金術師とコンビを組む事になってしまった。女の子だからどうしようとか、もう良いやどうでも。
確かに可愛い女の子だけど、何か疲れるな。もっとこう、気を遣わないといけない相手かと思っていたのに。この子が軍人で特殊部隊所属?
見えない見えない。アニメグッズを買いに来た米軍のオタクみたいな、そう言うタイプの人だよ。まあ、フレンドリーなのは助かったけど。クソ真面目な女将校みたいな人を想像してたよ。
「あ、清志の事は大体知ってるから説明不要だよ」
「え、何で知られてるの? 怖いんだけど」
「いや、貴方は有名でしょう。知らない人の方が珍しいぐらい」
「…………え? そうなの?」
他人からの自分への認識とか興味がないから、全然知らない。ていうか逆に嫌でしょ、自分の事をエゴサしてるSランク魔術師とか。ちょっと気持ち悪いってそんな奴。
学園内にクラスメイトや友人達が居ればそれで十分だ。それ以上の人々に好かれようとか、そう言った事は特に考えた事がない。
魔術師としての責任感はあるけど、知名度なんて知った事ではない。最高位の魔術師として、恥ずかしくない様にしていればそれで十分だろう。
実際、一部のSランク魔術師には顔も性別も不明と言う人だって居る。偏屈で有名な人も居るし、奇人変人も珍しくはない。
「貴方も結構個性的だね! お似合いじゃん私達」
「えぇ……同類判定なのそこ……」
「もっと喜びなよ!」
「痛い痛い、バシバシしないで」
テンション高いなぁ~この子。絶対シャーロットと同類だよ。付き合うと疲れるタイプだ。欧米人って皆こうなの? もう少し暗くても全然大丈夫ですよ日本人的には。
「あ、そうそう。相棒も紹介しておくね」
「相棒?」
「ヘンリーだよ」
「……古い銃?」
何だろうこれ。彼女が懐から取り出したのは、古めかしい昔の銃。火縄銃を凄く小さくしたみたいな形をしている。
大部分が木製で、部分的に金属が使われている。それなりの経年劣化は見られるものの、十分美品と言って差し支えない。オークションとかでそれなりの値段が付きそうだ。
「自分の作った銃に、死後魂が宿った精霊銃なんだ」
「ヘンリー・デリンジャーじゃよ。宜しく若き魔術師」
「うわ喋った!? ……人の意思が宿った代物は初めてだな」
八百万の神が居る日本では、何らかの魂が物に宿って精霊化や神格化するパターンがある。話には聞いていたし、動物の魂が宿った物品なら何度か目にした。
あとは妖刀の類か。あれは人と言うより呪詛が宿っているから、こんな風に会話なんて成立しない。もっとこう、ただ怨念を撒き散らし続けるだけだ。狂った悪霊が、もっと斬れと訴え続けるだけ。
だからこのパターンは意外と珍しい。作り手の魂が宿るなんて言うけど、そう言う品々は大体が国宝として国が管理している。
あれらはSランク魔術師と言えども、簡単に見せて貰えるものではない。せいぜい移送の護衛に着くぐらいだ。
「私にも挨拶させてよ神様に」
「ん? ああ、別に構わないよ……って、アレ?」
「どうしたの?」
「いや、どっかに行っているみたいだ」
いつもなら放っておいても出て来る所だが、今日は珍しくお出掛け中らしい。念話で呼び掛けても一切反応がないし、魂の繋がりが希薄になっている。
また勝手に食べ歩きでもしているのかも知れない。黄泉の国の責任者が、随分とまあ俗な事を好むものだ。それで良いのか黄泉の国。
「まあ、それは今度にしよう」
「残念だなぁ、見て見たかったよ日本の死神」
「そんな大層なものでもないよ? 勝手に現界して昼寝しているし、趣味悪いし」
「何それ面白い。そんな神様も居るんだ」
ぶっちゃけ神様って感じがしない。働かない厄介な姉みたいな感じだ。いちいち口煩いし、アイスとか買いに行かされるし。
全然神様らしい威厳がない。好き勝手やりたい放題しているだけだ。仕事に着いて来たかと思えば早く寝たいとか言い出すし。……本当に良いのか黄泉の国。トップがバリバリニートしているぞ。
「おっと、俺はこの駅だから」
「私もだよ?」
「え、そうなの。住んでいる所、近いのかもな」
半ば強制とは言え、パートナーが出来た以上は一緒に動き易い方が良い。最寄り駅が近いと言うのは悪い事ではない。
いちいちどこかで待ち合わせをする必要が無くなるし。魔導犯罪を相手にする以上は、迅速な行動が求められる。
若干気が引けるものの、住んでいる地域ぐらいは知っておいた方が良い。変わった女の子だけど、女性は女性だ。個人情報で申し訳ないけど、知っておく必要がある。
「どこに住んでいるの? あ、大体で良いから」
「確か花園公園、だっけ? 大きい公園がある」
「え、ウチの近所だ。結構近いな」
そう言えば、最近引っ越しのトラックを近所で良く見掛けたな。あの中のどれかが彼女だったのかも知れない。
俺は最近忙しかったから、近所に誰が引っ越して来たかは知らないんだけど。どうであれ、引っ越しの挨拶とかは義姉さんが対応しているだろう。
「あ、じゃあ俺はここだから」
「私もここだよ?」
「………………え?」
ハハハハハ……まさかそんな。2度ある事は3度あるって? いやいやいや、そんな筈ないよな。たまたま、たまたま同じマンションなだけだよ。
うちのマンションは防犯関係もしっかりしているから、女性の人気が高いんだよな。うん、だからだよな。そんな漫画みたいな事が起きるわけがないじゃないか。
「おとなりぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「え、そこ清志の家だったんだ」
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