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第3章
第117話 新たな依頼
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京都に戻った清志とアイナは、波多野に黒木の話を伝えて一旦解散。色々とあったので翌日は清志単独で行動しアイナは丸1日の休養を取った。
それからはコンビで行動する日々に戻り、執行者としての活動に復帰。支部長である波多野からの依頼や、新たな取材依頼などに対応を続けた。
毎日とまでは言わないが、2人で過ごす時間が大きく増えた。合間に清志がオススメするラーメン屋を紹介するなど、学生らしい行動も挟んではいる。
それでもやはり、普通の学生ほど気楽で楽しい期間では無かった。
『ごめんなさい2人とも、便利屋みたいに使って』
「気にしないで下さい安達さん。俺達が一番近かったのは間違いないので」
「それに大した事じゃ無かったしね」
オペレーターの安達奈緒子と通信で会話する清志とアイナ。今回起きた事件は、若い魔術師同士の喧嘩だ。
清志達とそう変わらない年齢の、違う学校に所属する者同士が起こした事件。些細な事から始まって、次第に大きな事態へと発展してしまった様だ。
魔術師同士の私闘は周辺に出る被害が大きく、危険性が高いので基本的に禁止されている。
魔術を教えている学校施設や魔導協会でのみ、模擬戦闘が許されているに過ぎない。
また学校の場合は、原則教師の監視下でなければならない。それでもこうして、街中で私闘を始めてしまう者も居るのが現状である。
『私闘を始めた2人には、厳しく言っておくから』
「彼らの気持ちは分からなくもありませんが、規則ですからね」
「どこの国でも似た様な事が起きると知れて興味深いけどね」
早ければ10歳前後から魔術を行使出来る様になる為、若者同士で喧嘩に発展する事は少なくない。
清志達が通う嵯峨学園は名門校であり、その様な生徒は先ず在籍出来ない。
そもそも生まれた家庭が名門である生徒が多く、幼い頃から人格的にも厳しい教えの下で育つ。
一般的な家庭の出身であったとしても、成績が優秀な生徒に限られるのでやはり割合としては物凄く低い。
しかし中堅以下の学校であれば、その限りではない。今回の様な喧嘩沙汰が発生する事もある。
魔術師であれば全員が品行方正とは言えず、残念ながら悪事に走る者も当たり前に存在する。
「今回の件は悪意があっての話ではないので、罰則は軽めで良いと思いますけどね俺は」
「まあねぇ~意見の相違ってだけだものね」
『それはそうだけど、駄目なものは駄目よ』
私闘を行った魔術師には、それ相応の罰則が与えられる。力ある者としての自覚が足りないと判断されれば再教育で、悪質性が高いと見做された場合は資格の剥奪だ。
それぞれ程度によって内容は変わり、1日間の拘留と謹慎で済む場合もある。
器物の損壊があれば当然ながら弁償の義務が発生するし、負傷をさせれば慰謝料等も発生するのは言うまでもない。
その辺りは魔術師ではない人々と殆ど同じ対応となる。ただし魔術師である以上は一般人より重い処分となるが、未成年者という点がある程度は加味されるが。
『それより支部長の頼まれ事の最中よね?』
「ええまあ、そうですね」
「もう大丈夫そうだし、私達は行きましょうよ」
喧嘩をした2人は魔導協会から来た職員達に回収を任せ、清志とアイナは本来の任務に戻る。
波多野からの依頼で、北区に住むとある魔道具職人の所へお使いを頼まれていた。腕は確かだが偏屈な老人で、支部長の代理として2人が選ばれたのだ。
良い品を作る代わりに売る相手を選び、半端な魔術師だと相手にすらしない人物。よってランクの低い魔術師では務まらず、逆に清志とアイナは適任と言える。
魔術師としては最高位である2人を、邪険にはしないだろうとの判断だ。それに清志は何度か会った事のある相手だ。
「それで、そのお爺さんはどんな人なの?」
「うーん……職人気質というか、頑固というか」
「何となくイメージは出来そうね」
どの様な業種であっても、職人気質な人間は居る。拘りが強く誰にでも平等に接する事はなく、取引をする相手を選びがちだ。
特に今回の老人は、日本で最高峰の腕を持つ実力者だ。戦闘能力はそう高くはないけれど、作り出す魔道具はどれも超のつく一品。
買おうと思えば最低額でも数百万、普通なら数千万はする様な最高級の魔道具だ。人間が生み出せる物としては、これを超えて行くのは難しい。
恐らく彼の死後には、億の領域まで跳ね上がると言われている。
「悪い人じゃないんだけどね」
「厄介で有能な人に使う表現は、世界共通なのかしらね?」
「まあ……そういう事だね」
2人は京都市北区を目指し、タクシーに乗って移動を開始する。真夏の焼ける様な日差しの下を、2人を乗せたタクシーが進んでいく。
京都市の北区には高級住宅街があり、衣笠と呼ばれている地域がある。昔から京都に住んでいる富裕層も多く、件の老人もその中の1人であった。
歴史ある血筋で偏屈な職人ともあれば、どの様な人物かは大体想像がつく。
会話をする上で注意する必要がある点など、清志からアイナへとレクチャーが入る。
さてどんな老人なのかと、アイナは少し楽しみにしていた。
それからはコンビで行動する日々に戻り、執行者としての活動に復帰。支部長である波多野からの依頼や、新たな取材依頼などに対応を続けた。
毎日とまでは言わないが、2人で過ごす時間が大きく増えた。合間に清志がオススメするラーメン屋を紹介するなど、学生らしい行動も挟んではいる。
それでもやはり、普通の学生ほど気楽で楽しい期間では無かった。
『ごめんなさい2人とも、便利屋みたいに使って』
「気にしないで下さい安達さん。俺達が一番近かったのは間違いないので」
「それに大した事じゃ無かったしね」
オペレーターの安達奈緒子と通信で会話する清志とアイナ。今回起きた事件は、若い魔術師同士の喧嘩だ。
清志達とそう変わらない年齢の、違う学校に所属する者同士が起こした事件。些細な事から始まって、次第に大きな事態へと発展してしまった様だ。
魔術師同士の私闘は周辺に出る被害が大きく、危険性が高いので基本的に禁止されている。
魔術を教えている学校施設や魔導協会でのみ、模擬戦闘が許されているに過ぎない。
また学校の場合は、原則教師の監視下でなければならない。それでもこうして、街中で私闘を始めてしまう者も居るのが現状である。
『私闘を始めた2人には、厳しく言っておくから』
「彼らの気持ちは分からなくもありませんが、規則ですからね」
「どこの国でも似た様な事が起きると知れて興味深いけどね」
早ければ10歳前後から魔術を行使出来る様になる為、若者同士で喧嘩に発展する事は少なくない。
清志達が通う嵯峨学園は名門校であり、その様な生徒は先ず在籍出来ない。
そもそも生まれた家庭が名門である生徒が多く、幼い頃から人格的にも厳しい教えの下で育つ。
一般的な家庭の出身であったとしても、成績が優秀な生徒に限られるのでやはり割合としては物凄く低い。
しかし中堅以下の学校であれば、その限りではない。今回の様な喧嘩沙汰が発生する事もある。
魔術師であれば全員が品行方正とは言えず、残念ながら悪事に走る者も当たり前に存在する。
「今回の件は悪意があっての話ではないので、罰則は軽めで良いと思いますけどね俺は」
「まあねぇ~意見の相違ってだけだものね」
『それはそうだけど、駄目なものは駄目よ』
私闘を行った魔術師には、それ相応の罰則が与えられる。力ある者としての自覚が足りないと判断されれば再教育で、悪質性が高いと見做された場合は資格の剥奪だ。
それぞれ程度によって内容は変わり、1日間の拘留と謹慎で済む場合もある。
器物の損壊があれば当然ながら弁償の義務が発生するし、負傷をさせれば慰謝料等も発生するのは言うまでもない。
その辺りは魔術師ではない人々と殆ど同じ対応となる。ただし魔術師である以上は一般人より重い処分となるが、未成年者という点がある程度は加味されるが。
『それより支部長の頼まれ事の最中よね?』
「ええまあ、そうですね」
「もう大丈夫そうだし、私達は行きましょうよ」
喧嘩をした2人は魔導協会から来た職員達に回収を任せ、清志とアイナは本来の任務に戻る。
波多野からの依頼で、北区に住むとある魔道具職人の所へお使いを頼まれていた。腕は確かだが偏屈な老人で、支部長の代理として2人が選ばれたのだ。
良い品を作る代わりに売る相手を選び、半端な魔術師だと相手にすらしない人物。よってランクの低い魔術師では務まらず、逆に清志とアイナは適任と言える。
魔術師としては最高位である2人を、邪険にはしないだろうとの判断だ。それに清志は何度か会った事のある相手だ。
「それで、そのお爺さんはどんな人なの?」
「うーん……職人気質というか、頑固というか」
「何となくイメージは出来そうね」
どの様な業種であっても、職人気質な人間は居る。拘りが強く誰にでも平等に接する事はなく、取引をする相手を選びがちだ。
特に今回の老人は、日本で最高峰の腕を持つ実力者だ。戦闘能力はそう高くはないけれど、作り出す魔道具はどれも超のつく一品。
買おうと思えば最低額でも数百万、普通なら数千万はする様な最高級の魔道具だ。人間が生み出せる物としては、これを超えて行くのは難しい。
恐らく彼の死後には、億の領域まで跳ね上がると言われている。
「悪い人じゃないんだけどね」
「厄介で有能な人に使う表現は、世界共通なのかしらね?」
「まあ……そういう事だね」
2人は京都市北区を目指し、タクシーに乗って移動を開始する。真夏の焼ける様な日差しの下を、2人を乗せたタクシーが進んでいく。
京都市の北区には高級住宅街があり、衣笠と呼ばれている地域がある。昔から京都に住んでいる富裕層も多く、件の老人もその中の1人であった。
歴史ある血筋で偏屈な職人ともあれば、どの様な人物かは大体想像がつく。
会話をする上で注意する必要がある点など、清志からアイナへとレクチャーが入る。
さてどんな老人なのかと、アイナは少し楽しみにしていた。
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