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第1章 守護神石の導き
第6話 繁華街の甘い罠(4)
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いよいよライアンが二杯目のビールを飲み干すというところで、おもむろにボニーとジードが立ち上がった。
「ごめんなさい。私たちもうお仕事終わりの時間なの。今日はありがとう。また遊びに来てね」
もう二度と来るか、とライアンは心で吐き捨てた。
しかし、何はともこれは良い展開である。ライアンにとって店を出やすい状況が転がり込んできた。
「そうか、じゃあ俺もそろそろ…」
「あら、もう行っちゃうの。ブランカ、寂しい」
すかさず残ったオカマがライアンの腕に抱きつく。同時に強烈な加齢臭がライアンの鼻孔を突き上げる。
「ちょっと!俺これから用事があるんだって!」
「そんな用事と私どっちが大切なわけえ?」
俺にとってお前の存在ほど価値の無いものは無いんだよ、とライアンは教えてあげるべきか真剣に悩んだ。
「ちなみに、私は今日は朝までコースよ!」
そう言ってブランカは上目づかいでライアンを見つめる。いい加減吐き気だけではなく、怒りまで込み上げてきた。
「黙ってたらいい気になりやがって、いい加減にしろよ!もう俺は行くからな!」
「こんばんは」
近くから女の声が聞こえた。
振り向くと、そこにはデブと刺青の代わりにやって来たと思われる女がいた。しかし、前の二人とは比べることすらおこがましい美少女だった。
ライアンは呆気にとられ、目を点にしてその女の顔を見つめる。
そんなライアンの様子に、女は不思議そうに首を傾げた。
「あら、どうかされましたか?」
「え、いや・・・」とライアンが言うが早いか、ブランカが口を開く。
「わざわざ来てくれたのにごめんなさいね。この方これから用事があって、もう帰らないといけないらしいわ。だから、出口までご案内してあげて」
たちまちライアンの顔色が変わる。
「いや、でも待てよ。その用事は今日じゃなくて明日だったような気が。いや、そうだ。確かに明日だった」
「まあ、ほんとに?だったら、まだ一緒にいれるのね。うれしい!」
抱きつき、頬にキスしようと迫ってくるブランカを、ライアンは死に物狂いで押し返す。
「あたし、ケイティーです。よろしくお願いします」
「あ、どうも。ライアンです。よろしくお願いしまあす」
ブランカを押し返しながらも、ライアンはケイティーにでれでれと笑って応じた。
ケイティーがライアンの右隣に座る。
美少女の登場に、ライアンの下がりきっていたテンションは急上昇を始めた。
近くにいた店員を高々に呼ぶ。
「マスター、ビール追加!」
ライアンが注文をし終えると、ケイティーが口を開いた。
「ライアンさんは、その身なりからすると旅のお方なの?」
「まあ、とりあえずはそんな所だな。でも、ただの旅人ってわけじゃない。俺には明確な目標があるからな」
ライアンは呟くように言うと、もっともらしく宙を見つめる。
「へえ。どんな目標なの?」
「ヘーゼルガルド王国の兵士となり、エルゼリアにはこびる魔族を殲滅し、エルゼリアの民に平穏と安泰をもたらすことさ。親父がヘーゼルガルド軍の兵士長を務めているおかげで、俺も物心ついた時から兵士になるのに憧れててね」
話している途中でビールが来た。ライアンはそれをがぶがぶと喉に流し込む。
「正義感が強いのね。立派だわ」
逆方向から、生暖かいブランカの声が聞こえてくる。こいつまだいたのか。
ライアンは聞こえないふりをする。これ以上こいつの相手をするわけにはいかない。
こいつは放っといて、ケイティーと話していかないと、せっかくのカルディーマの夜が台無しになってしまう。
「へえ。今十八歳なんだ」
ケイティーは、無邪気な笑みをたたえながらライアンの顔を見つめた。
「ああ。ケイティーはいくつ?」
「十七」
「いいねいいね。やっぱ若い娘じゃないとね、オッサンじゃなくて」
ライアンが豪快に笑うと、ケイティーも笑った。横目でブランカを見たところから、ブランカのことを意味していることは伝わっているようだ。
「当たり前じゃなあい。オッサンとあたしたちじゃ比べ物になんないわ」
ブランカはいかにも呆れたという感じでげらげら笑った。
どうやら、自分のことだということに全く気付いていないようだ。
ケイティーが思い出したように言う。
「そういえば、さっき魔族を倒すって言ってたけど、魔族に恨みでもあるの?」
「いや、個人的な恨みは無い。しいていうなら奴らが存在している事実により俺が不愉快な気分になることだね。エルゼリアに奴等が存在しているというだけで虫酢が走るぜ。昔から曲ったことが大嫌いでね。悪と名のつくものは心底憎んでいるのさ。魔族なんてもう問題外だぜ。エルゼリアの民の為にも、魔族は俺がこの手で絶対に叩きのめす」
一気にビールを飲み干す。酔いが回ってきたせいだろうか、普段よりも饒舌になる。ビールがなくなると、すかさずブランカがビールを新しく注文した。
ケイティーは大きく魅力的な目でライアンをしっかりと見据えながら、ライアンの熱弁にうんうんと頷きながら聞き入っていた。
「そうなんだ。あなた、すごいな。すごく偉いと思う。魔族なんてろくなもんじゃないもの」
言ったケイティーの瞳に僅かに陰りが見えた。
ライアンはジョッキを口に運ぶ。
「君は、魔族に恨みでもあるのかい?」
ケイティ―は少し黙った後、言った。
「あたしね、昔、両親を魔族に殺されたの」
ライアンは思わずケイティーの顔を見ると、口に溜まったビールをごくりと飲み干した。
そしてライアンが何か言う前に、ケイティーは低く、しかしはっきりとした声で話し始めた。
「あれは、あたしが十歳のころだったわ。あたしとパパとママは、隣町まで馬車で買い物に行ったの。隣町にはよく遊びにいくから慣れてるし、あたしたちは何の心配をしてなかったわ。でもその日は、いつもと様子が違ったの」
ケイティーは眉根を寄せ、きゅっと唇を噛んだ。
「帰り道だったわ。急に天候が崩れたかと思ったら、辺りがどんどん暗くなっていって。気が付いた時には、どこを進んでいるのかも分からなくなってた。その時、突然馬が高く嘶いて止まって、そのまま地面に崩れ落ちたの。その瞬間に前の方からゴブリンの群れが襲ってきて」
ライアンはちっと舌打ちをし、歯を食いしばった。
「パパとママは護身用のナイフでゴブリンたちと対峙しながら、あたしに早く遠くへ逃げろって言ったわ。でも二人を置いて逃げるなんて、あたしにはできなかった。かといって戦うことなんてできないから、ただ泣き喚いてたわ。そうしている間に、ママはあたしの目の前でゴブリンにかじられて、力尽きて倒れたの。それをゴブリンの群れが囲んで」
そこでケイティーは声を詰まらせて、床を睨みつけた。
ライアンの体は怒りで震えていた。
腐れ外道が。こんな可愛い子ちゃんをそんな酷い目に合わせやがって。
ケイティーは淡々と続けた。
「すぐにパパも力つきて倒れちゃったわ。全身血塗れになって倒れていたパパが、逃げろって、すごい剣幕で怒鳴ったの。あたしはもう言うことに従うことしかできなくて・・・。どれくらい歩き続けたかな。あたしは偶然通りすがった旅人に救出されて、近くにあった村で育てられたの」
話し終えたケイティーは、おもむろに葡萄酒の入ったグラスを手に取り、一口飲んだ。
「すまん。嫌なことを思い出させちゃったな」
「ううん、そんな。あたしの方こそごめん。こんな辛気臭い話しちゃって」
ケイティーは両手で口を抑えて、本当に申し訳なさそうな表情をする。まだあどけなさの抜けきらない彼女のその仕草は、とても愛らしかった。
「まあまあ。野暮な話はその辺にしといて、お酒飲みましょうよ、お・さ・け」
横からブランカが口を挟んできた。手にはビールのピッチャーが握られている。
ライアンがすかさず鬼の形相で睨みつけた。
「てめえ!可愛い子猫ちゃんが悲しみに耽っている時に誰が呑気に酒なんか…」
「いいよ、私のことは気にしないで!楽しく飲みましょう」
「オーケーイ!! 楽しく飲もうぜえ!!」
ライアンは打って変わって陽気な声を上げると、ジョッキを高々と持ち上げた。
待ってましたとばかりにブランカがライアンのジョッキにビールを注ぐ。
「ケイティーちゃん、安心してくれよ。君の無念は俺がこの剣でいつかしっかりと晴らしてみせるぜ」
「ほんと。あたし、信じてるからね」
ケイティーは嬉しそうに無邪気な笑みを見せた。
「はあい、じゃあお兄さん、どんどん飲んでね!」
ブランカは手拍子を叩き始めた。
目の前にはたっぷりに注がれたビール。
ライアンはそれを乱暴に掴み、一気に飲み干した。
ケイティーがわあっと感嘆の声を上げる。
その声を聞きながら、ライアンの胸の鼓動は急激に速まっていく。
しかし同時に、強い眩暈を覚えて、ライアンはぎゅっと目を瞑った。
「ごめんなさい。私たちもうお仕事終わりの時間なの。今日はありがとう。また遊びに来てね」
もう二度と来るか、とライアンは心で吐き捨てた。
しかし、何はともこれは良い展開である。ライアンにとって店を出やすい状況が転がり込んできた。
「そうか、じゃあ俺もそろそろ…」
「あら、もう行っちゃうの。ブランカ、寂しい」
すかさず残ったオカマがライアンの腕に抱きつく。同時に強烈な加齢臭がライアンの鼻孔を突き上げる。
「ちょっと!俺これから用事があるんだって!」
「そんな用事と私どっちが大切なわけえ?」
俺にとってお前の存在ほど価値の無いものは無いんだよ、とライアンは教えてあげるべきか真剣に悩んだ。
「ちなみに、私は今日は朝までコースよ!」
そう言ってブランカは上目づかいでライアンを見つめる。いい加減吐き気だけではなく、怒りまで込み上げてきた。
「黙ってたらいい気になりやがって、いい加減にしろよ!もう俺は行くからな!」
「こんばんは」
近くから女の声が聞こえた。
振り向くと、そこにはデブと刺青の代わりにやって来たと思われる女がいた。しかし、前の二人とは比べることすらおこがましい美少女だった。
ライアンは呆気にとられ、目を点にしてその女の顔を見つめる。
そんなライアンの様子に、女は不思議そうに首を傾げた。
「あら、どうかされましたか?」
「え、いや・・・」とライアンが言うが早いか、ブランカが口を開く。
「わざわざ来てくれたのにごめんなさいね。この方これから用事があって、もう帰らないといけないらしいわ。だから、出口までご案内してあげて」
たちまちライアンの顔色が変わる。
「いや、でも待てよ。その用事は今日じゃなくて明日だったような気が。いや、そうだ。確かに明日だった」
「まあ、ほんとに?だったら、まだ一緒にいれるのね。うれしい!」
抱きつき、頬にキスしようと迫ってくるブランカを、ライアンは死に物狂いで押し返す。
「あたし、ケイティーです。よろしくお願いします」
「あ、どうも。ライアンです。よろしくお願いしまあす」
ブランカを押し返しながらも、ライアンはケイティーにでれでれと笑って応じた。
ケイティーがライアンの右隣に座る。
美少女の登場に、ライアンの下がりきっていたテンションは急上昇を始めた。
近くにいた店員を高々に呼ぶ。
「マスター、ビール追加!」
ライアンが注文をし終えると、ケイティーが口を開いた。
「ライアンさんは、その身なりからすると旅のお方なの?」
「まあ、とりあえずはそんな所だな。でも、ただの旅人ってわけじゃない。俺には明確な目標があるからな」
ライアンは呟くように言うと、もっともらしく宙を見つめる。
「へえ。どんな目標なの?」
「ヘーゼルガルド王国の兵士となり、エルゼリアにはこびる魔族を殲滅し、エルゼリアの民に平穏と安泰をもたらすことさ。親父がヘーゼルガルド軍の兵士長を務めているおかげで、俺も物心ついた時から兵士になるのに憧れててね」
話している途中でビールが来た。ライアンはそれをがぶがぶと喉に流し込む。
「正義感が強いのね。立派だわ」
逆方向から、生暖かいブランカの声が聞こえてくる。こいつまだいたのか。
ライアンは聞こえないふりをする。これ以上こいつの相手をするわけにはいかない。
こいつは放っといて、ケイティーと話していかないと、せっかくのカルディーマの夜が台無しになってしまう。
「へえ。今十八歳なんだ」
ケイティーは、無邪気な笑みをたたえながらライアンの顔を見つめた。
「ああ。ケイティーはいくつ?」
「十七」
「いいねいいね。やっぱ若い娘じゃないとね、オッサンじゃなくて」
ライアンが豪快に笑うと、ケイティーも笑った。横目でブランカを見たところから、ブランカのことを意味していることは伝わっているようだ。
「当たり前じゃなあい。オッサンとあたしたちじゃ比べ物になんないわ」
ブランカはいかにも呆れたという感じでげらげら笑った。
どうやら、自分のことだということに全く気付いていないようだ。
ケイティーが思い出したように言う。
「そういえば、さっき魔族を倒すって言ってたけど、魔族に恨みでもあるの?」
「いや、個人的な恨みは無い。しいていうなら奴らが存在している事実により俺が不愉快な気分になることだね。エルゼリアに奴等が存在しているというだけで虫酢が走るぜ。昔から曲ったことが大嫌いでね。悪と名のつくものは心底憎んでいるのさ。魔族なんてもう問題外だぜ。エルゼリアの民の為にも、魔族は俺がこの手で絶対に叩きのめす」
一気にビールを飲み干す。酔いが回ってきたせいだろうか、普段よりも饒舌になる。ビールがなくなると、すかさずブランカがビールを新しく注文した。
ケイティーは大きく魅力的な目でライアンをしっかりと見据えながら、ライアンの熱弁にうんうんと頷きながら聞き入っていた。
「そうなんだ。あなた、すごいな。すごく偉いと思う。魔族なんてろくなもんじゃないもの」
言ったケイティーの瞳に僅かに陰りが見えた。
ライアンはジョッキを口に運ぶ。
「君は、魔族に恨みでもあるのかい?」
ケイティ―は少し黙った後、言った。
「あたしね、昔、両親を魔族に殺されたの」
ライアンは思わずケイティーの顔を見ると、口に溜まったビールをごくりと飲み干した。
そしてライアンが何か言う前に、ケイティーは低く、しかしはっきりとした声で話し始めた。
「あれは、あたしが十歳のころだったわ。あたしとパパとママは、隣町まで馬車で買い物に行ったの。隣町にはよく遊びにいくから慣れてるし、あたしたちは何の心配をしてなかったわ。でもその日は、いつもと様子が違ったの」
ケイティーは眉根を寄せ、きゅっと唇を噛んだ。
「帰り道だったわ。急に天候が崩れたかと思ったら、辺りがどんどん暗くなっていって。気が付いた時には、どこを進んでいるのかも分からなくなってた。その時、突然馬が高く嘶いて止まって、そのまま地面に崩れ落ちたの。その瞬間に前の方からゴブリンの群れが襲ってきて」
ライアンはちっと舌打ちをし、歯を食いしばった。
「パパとママは護身用のナイフでゴブリンたちと対峙しながら、あたしに早く遠くへ逃げろって言ったわ。でも二人を置いて逃げるなんて、あたしにはできなかった。かといって戦うことなんてできないから、ただ泣き喚いてたわ。そうしている間に、ママはあたしの目の前でゴブリンにかじられて、力尽きて倒れたの。それをゴブリンの群れが囲んで」
そこでケイティーは声を詰まらせて、床を睨みつけた。
ライアンの体は怒りで震えていた。
腐れ外道が。こんな可愛い子ちゃんをそんな酷い目に合わせやがって。
ケイティーは淡々と続けた。
「すぐにパパも力つきて倒れちゃったわ。全身血塗れになって倒れていたパパが、逃げろって、すごい剣幕で怒鳴ったの。あたしはもう言うことに従うことしかできなくて・・・。どれくらい歩き続けたかな。あたしは偶然通りすがった旅人に救出されて、近くにあった村で育てられたの」
話し終えたケイティーは、おもむろに葡萄酒の入ったグラスを手に取り、一口飲んだ。
「すまん。嫌なことを思い出させちゃったな」
「ううん、そんな。あたしの方こそごめん。こんな辛気臭い話しちゃって」
ケイティーは両手で口を抑えて、本当に申し訳なさそうな表情をする。まだあどけなさの抜けきらない彼女のその仕草は、とても愛らしかった。
「まあまあ。野暮な話はその辺にしといて、お酒飲みましょうよ、お・さ・け」
横からブランカが口を挟んできた。手にはビールのピッチャーが握られている。
ライアンがすかさず鬼の形相で睨みつけた。
「てめえ!可愛い子猫ちゃんが悲しみに耽っている時に誰が呑気に酒なんか…」
「いいよ、私のことは気にしないで!楽しく飲みましょう」
「オーケーイ!! 楽しく飲もうぜえ!!」
ライアンは打って変わって陽気な声を上げると、ジョッキを高々と持ち上げた。
待ってましたとばかりにブランカがライアンのジョッキにビールを注ぐ。
「ケイティーちゃん、安心してくれよ。君の無念は俺がこの剣でいつかしっかりと晴らしてみせるぜ」
「ほんと。あたし、信じてるからね」
ケイティーは嬉しそうに無邪気な笑みを見せた。
「はあい、じゃあお兄さん、どんどん飲んでね!」
ブランカは手拍子を叩き始めた。
目の前にはたっぷりに注がれたビール。
ライアンはそれを乱暴に掴み、一気に飲み干した。
ケイティーがわあっと感嘆の声を上げる。
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しかし同時に、強い眩暈を覚えて、ライアンはぎゅっと目を瞑った。
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