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第1章 守護神石の導き
第7話 剣術大会での珍事(4)
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ライアンは二回戦も勝ち抜いた。一回戦のように難なくという訳にはいかなかったが、数分間粘った後何とか勝利をもぎ取った。
大会はどんどんと進行していき、第三戦に入ろうとしていた。今や候補者は半分にまで絞られていた。もう後二回程勝てば決勝戦にいけるだろう。
「次は、ライアン様とドムニク様の試合です!」
審判がそう叫ぶと、歓声が巻き起こった。
ドムニクが、太い首と指を小気味よく鳴らしながら前に出てくる。
一方ライアンは、跳躍して体をほぐしながら準備を整える。
二人は審判から木刀を受け取り、剣を構えた。
ライアンが言う。
「さっきの借りをこんな形で返すことができるとは思わなかったぜ」
ドムニクは汚い歯を見せてにたりと笑った。
「いかにも。貴様のようなウジ虫は初戦で消えているかと思った」
「フフフ・・・面白い冗談だ」
そして数秒の沈黙の後、審判は歯切れよく開始の合図を出した。
「おるああああああ!」
「ふぬああああああ!」
ライアンがこめかみに青筋をたてながら、ドムニクに斬りかかる。対するドムニクも力一杯木刀を振りかざす。木刀が強い力で合わさり、鋭い音が響いた。そのまま両者力で押し合う。
「うっく・・・!」
「ほぉぉ・・・!」
両者の口から息が漏れた。
すると先にドムニクが横に身をかわし、ライアンは少し前のめりの形になった。だがすぐに後ろに体の向きを変え、ドムニクの次の斬撃をかろうじて受け止める。そのままライアンは後ろに跳び退き、もう一度木刀を振るった。
ドムニクはもう次の攻撃に移っていた。もう一度木刀が激しくぶつかり合い、今度はすぐにドムニクが下がった。
しまった、とライアンが思った時にはもう遅かった。ライアンの体が泳いだその一瞬の隙を見逃さず、ドムニクはがら空きになったライアンの頭に木刀を振り下ろす。
審判が手を上げると同時に、鈍痛がライアンの脳天を揺れ動かした。
「勝負あり!勝者ドムニク!」
観衆から毎度のように歓声と拍手が聞こえてきた。
ライアンは指の力を失い、ぽろりと木刀を落とした。
「痛ってえええええ!」と叫び、そのまま頭を押さえてうずくまる。
「ふん、結局口だけのウジ虫だったな」
ドムニクはそう言い捨てると、くるり踵を返した。
しかし二三歩歩いた時、今度はドムニクの後頭部に重い衝撃が走った。咄嗟に振り向くと、うずくまっていたはずのライアンが顔を赤く煮えたぎらせて掴みかかってきている。観衆はここぞとばかりに野次を飛ばして、この騒動をはやし立て始めた。
ドムニクは殴られた頭を片手で押えながら、訳も分からずうろたえた。
「お前、この後に及んで何を・・・」
「痛かったじゃねえか!何しやがんだ!」
ライアンがドムニクの顔面に怒鳴り声を浴びせかける。
ドムニクはようやく状況を把握でき、怒りを露わにした。
「てめえ、まだやられ足りねえんだったら、これからみっちりと・・・」
「俺の千ルーン返しやがれ!」
「そんなもん知るか!なめてんのかコラァ!」
そこでようやく審判と周囲にいた参加者の何人かが、止めに入る。
数人に押さえつけられながらも、激高したライアンは我を忘れて叫んだ。
「千ルウウウウーン!」
大会はどんどんと進行していき、第三戦に入ろうとしていた。今や候補者は半分にまで絞られていた。もう後二回程勝てば決勝戦にいけるだろう。
「次は、ライアン様とドムニク様の試合です!」
審判がそう叫ぶと、歓声が巻き起こった。
ドムニクが、太い首と指を小気味よく鳴らしながら前に出てくる。
一方ライアンは、跳躍して体をほぐしながら準備を整える。
二人は審判から木刀を受け取り、剣を構えた。
ライアンが言う。
「さっきの借りをこんな形で返すことができるとは思わなかったぜ」
ドムニクは汚い歯を見せてにたりと笑った。
「いかにも。貴様のようなウジ虫は初戦で消えているかと思った」
「フフフ・・・面白い冗談だ」
そして数秒の沈黙の後、審判は歯切れよく開始の合図を出した。
「おるああああああ!」
「ふぬああああああ!」
ライアンがこめかみに青筋をたてながら、ドムニクに斬りかかる。対するドムニクも力一杯木刀を振りかざす。木刀が強い力で合わさり、鋭い音が響いた。そのまま両者力で押し合う。
「うっく・・・!」
「ほぉぉ・・・!」
両者の口から息が漏れた。
すると先にドムニクが横に身をかわし、ライアンは少し前のめりの形になった。だがすぐに後ろに体の向きを変え、ドムニクの次の斬撃をかろうじて受け止める。そのままライアンは後ろに跳び退き、もう一度木刀を振るった。
ドムニクはもう次の攻撃に移っていた。もう一度木刀が激しくぶつかり合い、今度はすぐにドムニクが下がった。
しまった、とライアンが思った時にはもう遅かった。ライアンの体が泳いだその一瞬の隙を見逃さず、ドムニクはがら空きになったライアンの頭に木刀を振り下ろす。
審判が手を上げると同時に、鈍痛がライアンの脳天を揺れ動かした。
「勝負あり!勝者ドムニク!」
観衆から毎度のように歓声と拍手が聞こえてきた。
ライアンは指の力を失い、ぽろりと木刀を落とした。
「痛ってえええええ!」と叫び、そのまま頭を押さえてうずくまる。
「ふん、結局口だけのウジ虫だったな」
ドムニクはそう言い捨てると、くるり踵を返した。
しかし二三歩歩いた時、今度はドムニクの後頭部に重い衝撃が走った。咄嗟に振り向くと、うずくまっていたはずのライアンが顔を赤く煮えたぎらせて掴みかかってきている。観衆はここぞとばかりに野次を飛ばして、この騒動をはやし立て始めた。
ドムニクは殴られた頭を片手で押えながら、訳も分からずうろたえた。
「お前、この後に及んで何を・・・」
「痛かったじゃねえか!何しやがんだ!」
ライアンがドムニクの顔面に怒鳴り声を浴びせかける。
ドムニクはようやく状況を把握でき、怒りを露わにした。
「てめえ、まだやられ足りねえんだったら、これからみっちりと・・・」
「俺の千ルーン返しやがれ!」
「そんなもん知るか!なめてんのかコラァ!」
そこでようやく審判と周囲にいた参加者の何人かが、止めに入る。
数人に押さえつけられながらも、激高したライアンは我を忘れて叫んだ。
「千ルウウウウーン!」
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