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第1章 守護神石の導き
第10話 生き延びる策略(3)
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「何だぁ?」
ティムたちのすぐ目の前に来ていたオズワルドが足を止める。
ティムはソニアを腕で拘束しながら、冷めた表情で男たちの顔を見渡した。
「何だ、とはこっちの台詞だ。俺の仕事の邪魔でもしたいのか?」
「何を言ってやがる。邪魔してるのはお前らの方だろう!」
オズワルドは目を吊り上げる。
「お前ら?」
ティムは怪訝そうな顔をしたが、やがて悟ったように言った。
「ああ、この女のことか。俺はただ、この女が魔法を使っているところを見かけたから、これはいい見世物になると思って捕えただけだ」
ティムの言葉に、ソニアは目を大きく見開いた。
もしかしたら、ティムはオズワルドたちを騙しこの場から逃れようとしているのかもしれない。そうだ、きっとそうに違いない。
確かにうまくいけば逃げおおせるかもしれないが、そんなあからさまな嘘が本当に通用するだろうか。
オズワルドが眉を寄せる。
「んー?ってことは貴様、同業か?」
ティムが顎を上に持ち上げる。
「お前らは何だ?」
「盗賊だ」
ティムは首を横に振った。
「じゃあ違うな。俺は大道芸人だ」
「大道芸人だと?」
オズワルドは口元を歪めて笑みを作った。ティムのことを信用していない顔だ。
「最近は、大道芸人自ら見世物を捕まえにいくのが流行っているのか?」
「面白いものは自分の力で手に入れた方が遣り甲斐があるんだ。無駄な金も使わずに済む」
「かっかっか。なるほど」
オズワルドは喉を鳴らして笑ったが、目は笑っていない。
「そんな腕白な大道芸人さんには悪いんだが、その女はお前に渡す訳にはいかねえな。その女はついさっき、その魔法とやらで俺の子分に随分なご挨拶をくれていやがるんだ。その落とし前をつけてもらわにゃならんのよ」
「そんなこと俺の知ったことじゃないね」
ティムは素っ気ない態度を取る。しかしその後、何かに気づいて目を瞬かせた。
「ん?そこにいるのは・・・」
ティムの視線の先には、依然として拘束されたままになっていたエルフの少女が横たわっている。
「へえ、耳が尖ってる。エルフか」
オズワルドは、目つきを更に険しくさせた。
「何だあ?今度は俺たちが捕まえたエルフまで自分の物だって言い出す気か?」
「さすがにそこまで理不尽なことは言わないよ」
オズワルドは表情を緩めた。
「それを聞いて少し安心したぜ。俺たちも無駄なコロシはしたくねえからよ」
続いてティムはこう言った。
「じゃあこうしよう。この女はお前たちにやるよ。好きなようにしろ。ただその代わり、そのエルフをこっちに引き渡せ」
ティムの腕の中でソニアは表情を曇らせた。
私とエルフを交換する?一体何を・・・?
一方オズワルドは、ティムの勝手な申し出に苛立ちを露わにした。
「はあ?何をぬけぬけと言っていやがる。折角捕まえたエルフを、何でお前なんぞに渡さねえといけねえんだ!」
それをティムは手でさっと制す。
「勿論ただ交換するだけとは言わない。女を引き渡すだけじゃなくて、ちゃんとエルフに見合うだけの金を払おう」
「いくら出すんだ?」
ティムは指を三本突き出した。
「三千ルーン」
「な、何ぃ?」
オズワルドは、驚嘆の声を上げた。三千ルーンは相当の大金である。
「そ、そんなに出してくれるのか?」
「何でわざわざ大道芸人がこんな森の中を歩いているんだと思う?俺も丁度エルフを探す旅の途中だったんだ。しっかし森をずっと歩いていれば見つかるかと思ったのに、全然いないのな。だからもう自分で見つけるのは諦めた。お前たちから買う」
「・・・」
オズワルドは、黙ってティムの顔を見据えている。
「ただ悪いが今は持ち合わせが無い。今日はもう日が暮れるから、明日一緒に見世物小屋まで来てもらうことになる」
子分たちがざわつき始める。三千ルーンの条件に当惑を隠せないようだ。
一方オズワルドは腑に落ちないといった顔だ。
「どうも、しっくりいかねえな」
「何が?」
「だってよ、明らかに俺たちの方に有利な条件だ。その女はもういらねえのか?」
「エルフが手に入るんなら、女はもうどうでもいい。勿論、お前らさえ良ければこの女も持っていくが」
「待て、待て。分かった。だが本当にそんな大金あるんだろうな?」
「ある。心配は要らない。何なら金を渡すまで、エルフも魔法使いの女もお前らにやってもいい」
オズワルトは片足で地面を叩きながら考え込んでいるようだったが、やがて頷いた。
「よし。分かった。交渉成立だ」
「じゃあ約束通り、こいつはお前らにやるよ」
ティムは抱えていたソニアを、オズワルドの方へ突き飛ばした。オズワルドはソニアを受け止めると、背後から両手を掴み拘束する。
「おっと、口も塞いでおいた方がいいぜ。呪文を唱えられたら厄介になる」
ティムが忠告すると、オズワルドはすぐさま口を無骨な手で押さえこんだ。
「おい、誰か縄でこの女を縛れ!」
子分たちが数人がかりでソニアを縄で縛る。ティムの助言を受けて、口にも縄が掛けられた。これでは魔法を唱えることができない。
ティム・・・!一体何を考えているの!?
ソニアは焦燥してティムを見つめたが、ティムは視線に気付いているのか気付いていないのか、表情一つ変えない。
ティムが口を開く。
「ちなみにそこで寝ている金髪の男は何だ?」
「ああ、こいつか。こいつはさっき俺たちがエルフを確保した時に、俺たちに喧嘩を売ってきた奴でな。恐らくその女の仲間だ」
「へえ」
オズワルドはくるりと踵を返し、子分たちの方を向いた。
「野郎ども!よく聞け!エルフも高く売り飛ばせたし、魔法を使った女も確保した。今日は宴会だ!」
子分たちから大きな歓声が上がる。
オズワルドは続ける。
「まず宴会の前に、なめた真似をしてくれた金髪野郎と魔法使いの女を処刑したいと思う!」
「おおぉ!」「殺せ!殺せ!」
子分たちが掛け声を上げ、口笛を鳴らす。
オズワルドは持っていた剣を、縛られて座り込んでいるソニアの首筋に当てた。ソニアの首に冷たい剣の感触が走る。
ソニアは思わず目を瞑った。
「ハッハッハ・・・」
その時、突然ティムが渇いた笑い声を上げ始めた。
オズワルドが、じろりとティムを睨む。
「何だ、大道芸人。何が可笑しい?」
「いやあ、別に」
ティムはまだ喉を鳴らして笑っている。
「ただ、盗賊ってのはもっと派手なことをやってるもんだと思ってたから」
「何だと」
「職業柄そう感じてしまうのかもしれんが、剣で首を斬って殺すだなんてありきたり過ぎじゃないか?もっと絵になる殺し方がいくらでもあるだろう」
ソニアは冷や汗が全身から噴き出すのを感じた。胸の奥に抑え込んでいた恐怖心と懐疑心が沸々と込みあがってくる。
そもそもティムは味方ではなかったのではないか。もしかするとずっと守護神石を奪う機会を狙っていたのかもしれない。今のこの顔が本当の顔、狡猾で残酷なティムの本性なのだとしたら――。
オズワルドはふむふむと頷いた。
「絵になる殺し方か。例えばどんなのだ?」
「例えば、そうだな」
ティムは顎に手を当てて、考える素振りをした。
「こいつらを、生きたままゴブリンたちの餌にするとかな」
それを聞いて、子分たちが騒ぎ始める。
「それは面白ぇ!」「超ゾクゾクするぜ!」
オズワルドは興奮している自分の子分たちを尻目に、顎を撫でた。
「確かに面白いやり方ではある。だが、わざわざゴブリンが来るまで待てと?しかも、こいつらだけが襲われるとは限らない。見物するなら俺たちにだって襲ってくるだろう。それじゃあ興がさめる」
オズワルドの発言を聞いて、今度は子分たちが水を打ったように押し黙る。単純な集団である。
「なあに。そんなことは心配無い」
ティムはにやりと笑った。
「俺たち大道芸人は、見世物のゴブリンを飼ってるんだ。檻に閉じ込めてな。どうせ明日見世物小屋に来るんだろう。こいつらも連れていこう。それで一緒に檻に詰め込めばいい」
オズワルドは唸った。
「それはなかなかいい考えじゃねえか。貴様、面白いことを考えるな」
「伊達に見世物の商売はやってないよ。まああのゴブリンどもも、いい加減死んだ馬の肉には飽き飽きしている頃だしな。丁度いい」
「よし、じゃあそうするとするか!」
オズワルドがもう一度、子分たちの方へ振り返る。
「よし、野郎ども!そういうことだ!明日になれば三千ルーンだぞ!今日は宴だ!」
「おおぉ!」
子分たちからは大歓声が上がった。
ティムたちのすぐ目の前に来ていたオズワルドが足を止める。
ティムはソニアを腕で拘束しながら、冷めた表情で男たちの顔を見渡した。
「何だ、とはこっちの台詞だ。俺の仕事の邪魔でもしたいのか?」
「何を言ってやがる。邪魔してるのはお前らの方だろう!」
オズワルドは目を吊り上げる。
「お前ら?」
ティムは怪訝そうな顔をしたが、やがて悟ったように言った。
「ああ、この女のことか。俺はただ、この女が魔法を使っているところを見かけたから、これはいい見世物になると思って捕えただけだ」
ティムの言葉に、ソニアは目を大きく見開いた。
もしかしたら、ティムはオズワルドたちを騙しこの場から逃れようとしているのかもしれない。そうだ、きっとそうに違いない。
確かにうまくいけば逃げおおせるかもしれないが、そんなあからさまな嘘が本当に通用するだろうか。
オズワルドが眉を寄せる。
「んー?ってことは貴様、同業か?」
ティムが顎を上に持ち上げる。
「お前らは何だ?」
「盗賊だ」
ティムは首を横に振った。
「じゃあ違うな。俺は大道芸人だ」
「大道芸人だと?」
オズワルドは口元を歪めて笑みを作った。ティムのことを信用していない顔だ。
「最近は、大道芸人自ら見世物を捕まえにいくのが流行っているのか?」
「面白いものは自分の力で手に入れた方が遣り甲斐があるんだ。無駄な金も使わずに済む」
「かっかっか。なるほど」
オズワルドは喉を鳴らして笑ったが、目は笑っていない。
「そんな腕白な大道芸人さんには悪いんだが、その女はお前に渡す訳にはいかねえな。その女はついさっき、その魔法とやらで俺の子分に随分なご挨拶をくれていやがるんだ。その落とし前をつけてもらわにゃならんのよ」
「そんなこと俺の知ったことじゃないね」
ティムは素っ気ない態度を取る。しかしその後、何かに気づいて目を瞬かせた。
「ん?そこにいるのは・・・」
ティムの視線の先には、依然として拘束されたままになっていたエルフの少女が横たわっている。
「へえ、耳が尖ってる。エルフか」
オズワルドは、目つきを更に険しくさせた。
「何だあ?今度は俺たちが捕まえたエルフまで自分の物だって言い出す気か?」
「さすがにそこまで理不尽なことは言わないよ」
オズワルドは表情を緩めた。
「それを聞いて少し安心したぜ。俺たちも無駄なコロシはしたくねえからよ」
続いてティムはこう言った。
「じゃあこうしよう。この女はお前たちにやるよ。好きなようにしろ。ただその代わり、そのエルフをこっちに引き渡せ」
ティムの腕の中でソニアは表情を曇らせた。
私とエルフを交換する?一体何を・・・?
一方オズワルドは、ティムの勝手な申し出に苛立ちを露わにした。
「はあ?何をぬけぬけと言っていやがる。折角捕まえたエルフを、何でお前なんぞに渡さねえといけねえんだ!」
それをティムは手でさっと制す。
「勿論ただ交換するだけとは言わない。女を引き渡すだけじゃなくて、ちゃんとエルフに見合うだけの金を払おう」
「いくら出すんだ?」
ティムは指を三本突き出した。
「三千ルーン」
「な、何ぃ?」
オズワルドは、驚嘆の声を上げた。三千ルーンは相当の大金である。
「そ、そんなに出してくれるのか?」
「何でわざわざ大道芸人がこんな森の中を歩いているんだと思う?俺も丁度エルフを探す旅の途中だったんだ。しっかし森をずっと歩いていれば見つかるかと思ったのに、全然いないのな。だからもう自分で見つけるのは諦めた。お前たちから買う」
「・・・」
オズワルドは、黙ってティムの顔を見据えている。
「ただ悪いが今は持ち合わせが無い。今日はもう日が暮れるから、明日一緒に見世物小屋まで来てもらうことになる」
子分たちがざわつき始める。三千ルーンの条件に当惑を隠せないようだ。
一方オズワルドは腑に落ちないといった顔だ。
「どうも、しっくりいかねえな」
「何が?」
「だってよ、明らかに俺たちの方に有利な条件だ。その女はもういらねえのか?」
「エルフが手に入るんなら、女はもうどうでもいい。勿論、お前らさえ良ければこの女も持っていくが」
「待て、待て。分かった。だが本当にそんな大金あるんだろうな?」
「ある。心配は要らない。何なら金を渡すまで、エルフも魔法使いの女もお前らにやってもいい」
オズワルトは片足で地面を叩きながら考え込んでいるようだったが、やがて頷いた。
「よし。分かった。交渉成立だ」
「じゃあ約束通り、こいつはお前らにやるよ」
ティムは抱えていたソニアを、オズワルドの方へ突き飛ばした。オズワルドはソニアを受け止めると、背後から両手を掴み拘束する。
「おっと、口も塞いでおいた方がいいぜ。呪文を唱えられたら厄介になる」
ティムが忠告すると、オズワルドはすぐさま口を無骨な手で押さえこんだ。
「おい、誰か縄でこの女を縛れ!」
子分たちが数人がかりでソニアを縄で縛る。ティムの助言を受けて、口にも縄が掛けられた。これでは魔法を唱えることができない。
ティム・・・!一体何を考えているの!?
ソニアは焦燥してティムを見つめたが、ティムは視線に気付いているのか気付いていないのか、表情一つ変えない。
ティムが口を開く。
「ちなみにそこで寝ている金髪の男は何だ?」
「ああ、こいつか。こいつはさっき俺たちがエルフを確保した時に、俺たちに喧嘩を売ってきた奴でな。恐らくその女の仲間だ」
「へえ」
オズワルドはくるりと踵を返し、子分たちの方を向いた。
「野郎ども!よく聞け!エルフも高く売り飛ばせたし、魔法を使った女も確保した。今日は宴会だ!」
子分たちから大きな歓声が上がる。
オズワルドは続ける。
「まず宴会の前に、なめた真似をしてくれた金髪野郎と魔法使いの女を処刑したいと思う!」
「おおぉ!」「殺せ!殺せ!」
子分たちが掛け声を上げ、口笛を鳴らす。
オズワルドは持っていた剣を、縛られて座り込んでいるソニアの首筋に当てた。ソニアの首に冷たい剣の感触が走る。
ソニアは思わず目を瞑った。
「ハッハッハ・・・」
その時、突然ティムが渇いた笑い声を上げ始めた。
オズワルドが、じろりとティムを睨む。
「何だ、大道芸人。何が可笑しい?」
「いやあ、別に」
ティムはまだ喉を鳴らして笑っている。
「ただ、盗賊ってのはもっと派手なことをやってるもんだと思ってたから」
「何だと」
「職業柄そう感じてしまうのかもしれんが、剣で首を斬って殺すだなんてありきたり過ぎじゃないか?もっと絵になる殺し方がいくらでもあるだろう」
ソニアは冷や汗が全身から噴き出すのを感じた。胸の奥に抑え込んでいた恐怖心と懐疑心が沸々と込みあがってくる。
そもそもティムは味方ではなかったのではないか。もしかするとずっと守護神石を奪う機会を狙っていたのかもしれない。今のこの顔が本当の顔、狡猾で残酷なティムの本性なのだとしたら――。
オズワルドはふむふむと頷いた。
「絵になる殺し方か。例えばどんなのだ?」
「例えば、そうだな」
ティムは顎に手を当てて、考える素振りをした。
「こいつらを、生きたままゴブリンたちの餌にするとかな」
それを聞いて、子分たちが騒ぎ始める。
「それは面白ぇ!」「超ゾクゾクするぜ!」
オズワルドは興奮している自分の子分たちを尻目に、顎を撫でた。
「確かに面白いやり方ではある。だが、わざわざゴブリンが来るまで待てと?しかも、こいつらだけが襲われるとは限らない。見物するなら俺たちにだって襲ってくるだろう。それじゃあ興がさめる」
オズワルドの発言を聞いて、今度は子分たちが水を打ったように押し黙る。単純な集団である。
「なあに。そんなことは心配無い」
ティムはにやりと笑った。
「俺たち大道芸人は、見世物のゴブリンを飼ってるんだ。檻に閉じ込めてな。どうせ明日見世物小屋に来るんだろう。こいつらも連れていこう。それで一緒に檻に詰め込めばいい」
オズワルドは唸った。
「それはなかなかいい考えじゃねえか。貴様、面白いことを考えるな」
「伊達に見世物の商売はやってないよ。まああのゴブリンどもも、いい加減死んだ馬の肉には飽き飽きしている頃だしな。丁度いい」
「よし、じゃあそうするとするか!」
オズワルドがもう一度、子分たちの方へ振り返る。
「よし、野郎ども!そういうことだ!明日になれば三千ルーンだぞ!今日は宴だ!」
「おおぉ!」
子分たちからは大歓声が上がった。
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