妖と見習い陰陽師

美月葵

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妖と見習い陰陽師

第4章

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 初恋と引っ越し!?

あのときのことを俺は10年くらいたった今でも忘れられない。あれからずっと探してもらっているが見つからず俺もたまに探しているけどやはり子供のときなので記憶が朧気になっている。
「はぁー。」
「なになに、どうした?モテすぎて困ってるのか?なんなら俺にも少し分けてくれたっていいんだぜ?」
そういって茶化してくるこいつは今同じクラスの遠藤佳正。
「違うって。少し考えていただけだって」
「なーんだ。つまんねのー」
佳正とは中学からの友達で俺が妖が見えることやじいちゃんが陰陽師だってことは知らない。
「はぁあー。彼女できねーかな」
と一つため息する佳正。
「いつかできんじゃねの」
「くぅー、モテるやつから聞いたら嫌味にしか聞こえないぜ」
このモテる、モテないの話はいつまでする気なんだか。
「ところで前に付き合っていた子とはどうなったんだよ隼人」
「あぁ、別れた」
「へぇ~、別れた」
「うん、別れた」
「わか‥‥別れた!?」
といきなり教室中に大きな声を出し立ち上がるため俺や周りにいるやつもびっくりしていた。
「シー、うるせよ。周りに迷惑だろ」
「おぉ‥悪い」
びっくりした、まだ心臓がドクドク言ってる。
「そんなにびっくりすることかよ」
「いやいやいや、おかしいだろ!お前と付き合っていたやつ学校の中で人気ナンバーワンのかわいいさと美人で勉強、スポーツなんでもこなし金持ちの本城絵美だぞ!」
と少し早口でいう佳正をみてやっぱりこういう反応するよなと思った。
「いやー、やっぱり相性っていうもんがあるからさぁ」
と言ったがこいつがそう簡単におさまるわけもなく
「相性だと!!相性よりかねもで美人優先だろ!」
「お前だから彼女できねんだよ」
とすかさずつっこんでおいた。
「えぇー、本城絵美と別れたなんてお前他の男子から恨まれるぞ」
と言っているが実際は違う。
「いや、それはない。逆に付き合いたてのほうがひどかった」
それを聞いた佳正もあぁ。って言い理解したようだ。その話で盛り上がったあとチャイムがなり昼休みが終わった。学校が終わり帰ろうとしたところ
「隼人帰ろぜ」
と佳正が話しかけてきた。俺はおう。といって帰ろうとしたが下駄箱に手紙が置かれているのをみた。
「おいおい、ラブレターじゃね?」
とまた茶化してくる
「そうだな」
「かぁー、モテる男はつらいねー。これで何回目だ

ずっと一緒にいた佳正だからわかるが中学2のときに激的な成長で告ってくるやつのあとが絶えなかった。高校になっても変わらない。高校に入って初めて付き合ったのはさっきの話の本城絵美だが中学で付き合つまていた子は大勢いる。まあ、モテる男の宿命だよな。ハハハーー。
「どうだ。羨ましいだろ?」
少し意地悪に言ってみる
「コノヤロー、お前ばかりモテやがって俺にも少しわけさせろー!」
と俺に絡んできて頭をグリグリする
「あ、イテテ、痛てよー」
と戯れている場合ではない。速くこのラブレターの主のところに行かなくては。そのとき、携帯のバイブがなって見てみると母さんからで
「学校終わったなら速く帰ってきて」
とスタンプも付きできた。なんだろうと思ってまだ悔しがっている佳正と帰ることにした。帰るとき佳正が「俺のことは気にせずにラブレターの子のところにいけよ」
とお前は俺の彼女かみたいなやり取りをして帰った。佳正と別れたあとすぐさま帰った。
「ただいま。母さん、一体何なんだ?あのメール」
といってリビングに行くとダンボールの山積みで俺は驚いた。今日二回目だ。
「なに!?これ」
「あぁ、おかえり」
「おかえり隼人」
と母さんと仕事に行っているはずのにいちゃんと父さんがいた。
「え?なんで二人いるの?会社は?」
と質問攻めに聞く俺に対してにいちゃんが答えた。
「実は今日の昼間じいちゃんから連絡があってな」
「じいちゃんから?」
じいちゃんとはたまに連絡をとっているがなぜじいちゃんとダンボール山積みのことが関係あるのか俺は全くわからない。
「じいちゃんが俺はもう年だから後継者を選びたいんだが真一郎は見えないから雅人か隼人を後継者として育てたいって言い出してね」
真一郎は俺の父の名で雅人は俺のにいちゃんの名前だ。なぜいきなりこんな話になるんだ?とその前にふと思った
「じゃあ、このダンボールは‥」
俺の考えは的中した。
「うん。引っ越しの準備だよ」
いや、ちょっとまて。いきなり引っ越し?!え?学校は。いやその前に後継者と言っても父さんもにいちゃんも会社があるんだぞ。父さんはサラリーマンでにいちゃんは弁護士だ。そうしたら必然的に俺が後継者になるんじゃないかー!?
「いやいや、ちょっと状況が読めないぞー。え?二人は会社どうすんの?にいちゃんは弁護士になったばっかりだし第一、引越し先はどうなってんの?俺の学校は?てか、じいちゃんの後継者ってことは陰陽師なれってこといやいや今時時代遅れな。だいたい陰陽師とかってはい、なりますー。って言ってなれるもんなのか」
パニックっていろいろ質問や言いたいことが丸出しな俺に対してにいちゃんは
「うん。隼人が戸惑うのはわかるんだが。父さんは向こうの転勤が決まってるからいいとして俺はここに残って仕事することになっている。引越し先も決めてるし学校の手続きもちゃんとするから大丈夫だよ。じいちゃんの後継者については必然的にお前になるけど大丈夫だよ。にいちゃんは隼人のこと応援してるぞ。」
と手を曲げて頑張れポーズで言われたが俺はえぇー。と茫然状態。そこからとりあえず佳正に状況を伝え、じいちゃんには逆らえなしもう進めてしまっているた目自分の部屋の引っ越し準備をすることにした。
 
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