私、エリート極道さんに娶られました

美月葵

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第一章

私と言う人間

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初めまして、皆さん!私の名前は泉麗奈と言います。どこにでもいる女子高生です。容姿端麗、頭脳明晰で、素敵な彼氏がいる······すみません。嘘です。私は、容姿はそこそこのアニメ、ゲームオタクの彼氏いない歴14年デス。やっぱり最初は綺麗ないい印象の方がいいと思ったけどやっぱりダメだな。こっちの方が楽だー。あー、敬語は使わないから。めんどくさいでしょ。まあ、友達とか家族の前ではこんな感じじゃないけどな。
「ねぇ、麗奈。さっきから黙ってどうしたの?」
「え!?」
「具合でも悪いの?」
「あ、大丈夫だよー。」
実は今、学校が終わって帰っている途中だ。どこか寄り道しよと話してるだったのだ。私と話している2人は同級生であり、アニメオタクの仲間の弥生咲と千草望実だ。最初に声をかけたのが咲で具合を聞いてきたのが望実だ。2人は私がこんな性格であることは全く知らない。
「寄り道って言ってもどこに行こうかなと思って」
「あー、そうだね。じゃあ、最近できたカフェはどう?この近くに出来たの見つけたんだ。しかも今ならあのアニメとコラボしてるんだよ」
「あのアニメってまさかハツレン!?」
2人が言っているハツレンとは絶賛人気上昇中の恋愛小説のことだ。今年の春からアニメ化されてもううなぎ登りの人気作。子供から大人まで楽しまれていて、ハツレンのグッズや小説は売れきれが続出している。2人はこの小説が好きで私も好きなのだが、2人ほどではないんだ。アニメ化されてから知ったし。私たちオタクの中でも原作から知っている人やアニメから好きになる人など様々だ。
「行きたい!ねぇ、麗奈も行くでしょ?」
「うん、そうだね。」
「よし、そうと決まれば早く行こう」
この2人といるととても心が穏やかになる。明るくて楽しくて、好きなことについても話合うし、わかってくれる。だから、絶対に私の本性だけは知られたくない。もし、私の本性を知ってしまったら、2人が離れていってしまうような傷つけてしまうような気がして怖い。

   そんなことを私が思っている時、横から黒に高級車が走っていった。その車にはスーツ姿の1人の男性が乗っていた。運転している人が男性に声をかけた。「もうすぐ本家に到着致します。」
スーツの男性は
「あぁ」
と返事をしただけであった。
「何年ぶりでしょうか。貴方様が帰るのは。さぞかしお父上がお喜びになるでしょう。」
「どうかな?俺はあの家が嫌で出ていったんだけどね。今はこうして自分の会社を持ってるし、忙しいのに呼び出されて迷惑してるんだけど」
と少し不機嫌ぎみに言葉をはなつ。
「そんなことおっしゃらず、少しはお父上の話を聞いてみてはいかがですか。久しぶりに会うのですから、積もる話もあるのでしょう」
「積もる話ね·····」
と運転手はやれやれと言う顔で運転し、男性は窓の外を見ながら私が歩いている所を見ていた。
「あんな子達みたいに楽しい暮らしだったらな」
と運転手の聞こえない声でぼやいた男性の乗った車は私の横を走り去ったのだった。

  あの後、カフェに行った私たちはまさかの行列で並んでいたが、残念ながら売りきれてしまったので、断念して帰っていったのであった。咲と望実は凄くがっかりしていてその2人を慰めるのに大変だった。後日、朝一で行くことにしてなんとか元気を取り戻させた。そして、2人と別れた後、私は家に帰り、自分のベッドに寝転がった。
「はぁー、疲れた」
1日この外モーションを維持するのにかなり疲れる。帰ってきて1人になった時が1番の至福のときー。
「はぁー、ゲームでもしよ」
とさっきの疲れはどこにいったのかと素早い動きでゲームを立ち上げつつ、着替える私であった。今、私が絶賛ハマっているRPGゲームがあってその攻略に徹夜するくらいだ。このゲームは世界中の人と繋がることもでき、そこで私は本性を出しているのだ。中でも、1番仲がいい人は「ピョント」さん。私より上手くて話していて面白いんだ。しかも、「ピョント」さんもオタクでアニメやゲームとか好きなんだって。どんな人なのか1度会ってみたい。
「ピョントさん今日はログインしてるかな。」
ゲーム内のチャットで私はピョントさんにログインしているかチェックしてみた。
「ピョントさん、来てますか?」
と打ってしばらくすると
「いますよー!ライチさん、今日は遅かったですね」
「ライチ」とは私のゲーム内の名前だ。なぜ、この名前にしたのか、聞きたいか。聞きたいのか。ふふふふ、そこまで言うなら答えてやろう。ライチとは私が前からハマっている乙女ゲーにでてくる私の推しの名前なのだ。もう、推しが尊くてかっこいいし、可愛いし文句のつけ所がない男なのだ。私が落ち込んでいる時は
「どうしたの?元気ないね。そうだ、僕と散歩しない?ほら、手を繋いで。気分転換になるかもしれないよ。ねぇ、ほら。」
と優しいすぎてもうこっちが昇天してしまうー。あ、話がそれすぎたな。ゴホン。えぇー、というわけでそのキャラが好きなのでゲーム内でも使っているわけだ。長々とした説明をしたところでピョントさんに返信をしよう
「今日は友達とハツレンのコラボしているカフェに行ってたからな。行列で結局食べれなかったが。」
と泣き顔ものせておこう。(´;ω;`)
「そうだったんですか。それは残念でしたね。」
と返ってきてよしよしと顔文字も返ってきた。
「(。´・ω・)ノ゙」
それを見て少し笑ってしまった。
「でも、また次の機会に行こうと約束した。友達は凄く残念がっていたけど」
と私が返した。
「友達はよほどハツレンがすきなのですね。私も好きですが、ライチさんの友達には適わないような気がします。」
とピョントさんが返ってくる。ピョントさんって一人称私だけど、女性なのか。
こういうゲーム内では分からない。
「そうなんだよな。あ、そう言えば、新しいイベントが来てるから行かないか、今回のイベント参加で貰える武器が欲しいんだ。」と返す。
「いいですよ。招待お願いします」
と返ってきた。
「了解!」
と私たちはイベントのためゲームに戻った。それから2時間ほどずっとやっていて、私が両親に呼ばれたため中断になってしまった。あと、ちょっとで50体目だったのにー!ピョントさんに謝って私はゲームを閉じた。

   両親に呼ばれたため、リビングに行くと、2人とも帰ってきたばかりなので、スーツ姿で椅子に座っている。私がきたのが見えると父が座りなさいと私に言った。なんだか物々しい雰囲気だが、私何かしたのか。家族の前でも自分の本性を出てないから大丈夫だし、勉強もそこそこ頑張っているため赤点ではない。じゃあ、なんのために呼び出されたのだろう。
「どうしたの?改まちゃて。何かあったの?」と恐る恐る聞いてみた。
「実はね、如月グループのパーティに招待されてね。」
「如月グループ?」
如月グループとは父さんと母さんが務めている会社の取り引き先のはず。そこのパーティに招待ってすごいことじゃないの。
「うん。で、御家族の方も出席してくださいと言われてね。」
「うん。」
別におかしくない話だよな。2人が行くなら御家族もってことで何を重く話す必要があるんだ。
「そこのパーティの終わりに父さんたちの会社全員が集まってリストラ発表があるんだ。」
「え?!パーティなのに?」
そんな話あるのか。てか、そんな話をするってことは
「そうなの。で、事前に聞いたんだけど、私たち2人ともリストラ候補だったのよ」
言葉も出なかった。そんないきなり暗い展開、ついていけないよ。
「じゃあ、これからの生活どうするの?」
と不安ぎみに言ってみる。
「母さんはパートで働く先を見つけるわ。父さんもなんとか別の小会社に入れるようにする」
少しほっとした。これから、路頭に迷うのではないかと思ったがそうではなかったらしい。
「だけど、今までみたいには暮らせないかもしれないから、麗奈にもアルバイトしてもらうかもしれない」
と父さんは申し訳なさそうに下を向いてから私の目をみて言った。
「そのくらいするよ。だって生活がかかってるんだもん」
と私は迷わず言った。
「大丈夫?前みたいに友達とあまり遊べなくなるけど」
と母さんは心配そうに言うけど
「大丈夫だよ、咲と望実ならわかってくれるし」
「すまないな。俺たちが力なくて」
と父さんは私に謝る。
「大丈夫だよ。頑張って乗り切ろう」
「ありがとう。麗奈」
と話が終わったところで私は部屋に戻った。戻った瞬間、ため息と不安がつのってきた。
「はぁー、大丈夫か。この先」
と思うが、考えても仕方がない。今は前を向いていよう。とりあえず、今日は寝よう。色々ありすぎて、疲れたし。明日にはこの悪い夢から覚めると思って眠りについた。
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