醜姫(仮)

touma

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森の中

大男

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バタン。
激しい音ともに、光が目に入ってきました。
荷台の戸が開けられたのです。
眩しさに顔をしかめながら、こちらを見ている大男の顔を見ました。
まるで化け物でも見るような目をアフィーに向けてます。
今までアフィーはこんな目を向けられたことは一度もなかったし、こんな目を知らないはずなのに、大男の目が「化け物め」と語っているように思えてなりませんでした。
アフィーがぼんやりしていると、大男に背中を掴まれ、乱暴に馬車から降ろされました。
バランスを崩し、地面に倒れたアフィーは、その時はじめて「なぜ、こんな目に会わなきゃいけないの…」と悔しさと絶望を感じました。
倒れても、もう私には手を差し伸べてくれる人は誰もいない…
アフィーはやっと自分の状況を理解したのでした。
一人で立ち上がったアフィーは、ドレスのスカートに着いた土を払いのけ、大男に向き直りました。

「どういうことか説明していただけないかしら」
大男はチラッと侮蔑の目を向けただけで、アフィーの言葉を無視して、馬車から何かを取り出しました。
それは何代も前から我が王家に伝わる刀剣で、大切な父の形見でもありました。
それを、なぜ?
「お前はもう姫ではないんだよ。左大臣が王になられたんだ。」
大男ははじめて口を開きました。
左大臣はいつも父とともに国を良くしようと、一所懸命尽くしてくれたお方なのに、なぜ?
アフィーはショックで言葉も出ませんでした。
「俺は左大臣様に雇われて、お前をあそこの塔に連れて行くよう言われた。あそこには畑もあるらしいから餓死はせんだろう。俺はここまでという約束だから帰らせてもらう。せいぜい頑張るんだな。バァハハッ」
下品な笑い声を残して、大男は去って行きました。
落ち込む気持ちを無理やり振り払い、アフィーは形見の剣を掴みました。
大男の言った塔の方を向いて、歩き始めました。
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