不良が異世界に行ったら騎士達に溺愛され波乱万丈な日々を過ごしてます

2 まさかの？！

カツアゲした金額は4320円……しけてんな……。まぁこれなら1週間はもつな。

手に持ったお金を数えながら、空き家を後にした。
この時1人逃していた事を桃太は後で後悔する事になる。





学校裏のフェンスに辿り着いた時にはもう辺りは真っ暗だった。
フェンスに手をかけると鍵が閉まっていた。

「げ……。しまった、下校時間過ぎて先公が鍵閉めやがったな」

当たり前の事だが、苛立ちながら遠回りになるが裏道を戻ろうとした。
桃太は実は鳥目で、真っ暗になるとほぼ何も見えていない状態だった。

「暗ぇな……まぁぼちぼち帰るか……」

暗い中、さっきカツアゲした場所の横を通ろうとした。
すると奥から発狂しながら俺に飛びかかってきた。

「キェエエエェ！！！この世に邪悪な存在よ、無くなりたまえ！！そしてこの者に裁きを！！！邪悪な存在、この世から立ち去れぇええぃいーーーー！！！！」

なんかよくわからない呪文(？)を唱えながら、何かで殴りかかろうとする、それを避けるが。
こいつ……なんなんだ動きが馬鹿みたいに速い？！

ブンッと何かを投げられたが、鳥目の俺は何も見えず額にそれをモロに受けてしまった。

「いっ……て……」

コロンっと下に転がった物を霞む目で見ると。

「十字架……」

そちらに気を取られているとまたも発狂した男が次は後ろから攻撃してきた。

「お前は悪魔だ！！！しねぇえ！！！！」


ガンッ！！！！

「うっ……」


鈍器……で殴られたのか。
生温かい血が額から顔全体に流れてくる。

俺が何したって言うんだ…………あ。カツアゲか。

そう考えた後意識がなくなった。