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第15話 サムハラ③
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松野、目的地に到着ーー。
その場所の名は「食事処 サムハラ」
一流料理人 立向居尚人氏が営む小料理屋だ。
「いらっしゃい、松野さん。今日は仕事帰りで肩が疲れてらっしゃるのでは?特に
左側・・・」
立向居氏の第一声、ずばり図星である。
拳銃を肩から吊り下げているため、左肩が下がってしまっているのだ。
「ええ・・・まぁそうですね。流石、鋭いなぁ~」
松野はひとまず”とぼけて”見せた。
「突出しです。試しにつくってみたんですが、お口に合うかどうか・・・」
食前の肴”突出し”現代においては廃れてしまった文化伝統の一つである。
頼んでもいないものが出るのであるが、此処サムハラのものは非常に美味で工夫を凝らしたものが多い。
そのため、松野は”偉丈夫”立向居の料理は何であれ食してみることにしていた。
彼にとって、この料理人は”料理の師匠”と仰いでさえいたのである。
本日の昼食に登場した鶏と根菜の煮物も師から学んだものを実践してみた”成果”であった。
コトリ、 皿がゆっくりと置かれる。
なんと目の前に出てきたのは青菜や根菜・魚介類・・・ではなく、拳大の滑らかな白い塊であった。
(なんだこれは・・・薄い汁の中に団子が浮いている・・・?)
「いただきます・・・」
松野は恐る恐るソレを口に含んだ。
もっちりとした皮、その中から溢れる肉汁ー。
「これは包子でしょうか、なんとも・・・美味しゅうございます・・・!」
彼は思わず目前の料理人に賛辞を贈った。
「ありがとうございます・・・そう、それは包子の一種です。羊朒と数種の香味野菜を、馬鈴薯の澱粉を練ったもので包みました。あとは洋風出汁で軽く煮込んで仕上げました。」
「なるほど・・・皮のとろみは馬鈴薯によるものでしたか・・・」
松野は感嘆し、残った包子と汁を一匙ずつ噛みしめながら嚥下した。
その場所の名は「食事処 サムハラ」
一流料理人 立向居尚人氏が営む小料理屋だ。
「いらっしゃい、松野さん。今日は仕事帰りで肩が疲れてらっしゃるのでは?特に
左側・・・」
立向居氏の第一声、ずばり図星である。
拳銃を肩から吊り下げているため、左肩が下がってしまっているのだ。
「ええ・・・まぁそうですね。流石、鋭いなぁ~」
松野はひとまず”とぼけて”見せた。
「突出しです。試しにつくってみたんですが、お口に合うかどうか・・・」
食前の肴”突出し”現代においては廃れてしまった文化伝統の一つである。
頼んでもいないものが出るのであるが、此処サムハラのものは非常に美味で工夫を凝らしたものが多い。
そのため、松野は”偉丈夫”立向居の料理は何であれ食してみることにしていた。
彼にとって、この料理人は”料理の師匠”と仰いでさえいたのである。
本日の昼食に登場した鶏と根菜の煮物も師から学んだものを実践してみた”成果”であった。
コトリ、 皿がゆっくりと置かれる。
なんと目の前に出てきたのは青菜や根菜・魚介類・・・ではなく、拳大の滑らかな白い塊であった。
(なんだこれは・・・薄い汁の中に団子が浮いている・・・?)
「いただきます・・・」
松野は恐る恐るソレを口に含んだ。
もっちりとした皮、その中から溢れる肉汁ー。
「これは包子でしょうか、なんとも・・・美味しゅうございます・・・!」
彼は思わず目前の料理人に賛辞を贈った。
「ありがとうございます・・・そう、それは包子の一種です。羊朒と数種の香味野菜を、馬鈴薯の澱粉を練ったもので包みました。あとは洋風出汁で軽く煮込んで仕上げました。」
「なるほど・・・皮のとろみは馬鈴薯によるものでしたか・・・」
松野は感嘆し、残った包子と汁を一匙ずつ噛みしめながら嚥下した。
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