触手生物に溺愛されていたら、氷の騎士様(天然)の心を掴んでしまいました?

雪 いつき

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*最後の手段

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「あの馬鹿っ……」

 最初からそう言えば、自分の意思で神聖力を使った。パキュも頼めばきっと聞いてくれた。

「パキュ……大丈夫か? さっき、何を注射されて……」

 パキュが小刻みに震え始める。表面の粘液が増え、触手の口がパクパクと開き始めた。

『キィ、キ……!』

『ピィ……ピッ、ピィッ!!』

「おいっ、パキュっ!」

 子供のパキュが懐から飛び出し、檻の隙間からするりと抜け出す。一度だけ俺の方を振り返って、開け放たれた扉から走り去って行った。

「無事に逃げろよっ」

 親がいるならその親の元まで、必ず逃げ切ってくれ……。


『キ……キィ……』

「パキュ、苦しいのか? この力はパキュには効かない?」

 神聖力の光を当てても、パキュは苦しそうに呻くだけ。光を強くしても一緒だ。

「どうすればいいっ?」

 注射された触手にも、毬藻のような胴体にも光を当て続ける。いつも懐いてくれたパキュを救えないなんて、こんな力、無力だ。

『キュィ……、ッ……キィィ!』

 俺の頬を優しく撫でた触手が、突然ブルブルと震え出した。

「パキュ!?」

 ガパァッと口が開き、他の触手が俺の服を無理矢理取り去る。そして晒された俺のモノに、むしゃぶりつくように噛みついた。

「ひぃッ! ッあ、あぁっ!」

 柔らかい歯が下肢を締め付け、触手が激しく上下する。他の触手がシャツを破り、乳首に吸い付いた。

「んやぁッ、っ……んぐッ」

 口に太いものが押し込まれ、喉奥を突く。甘い液体が注がれ、体の奥が熱くなった。
 まさか……パキュに注射されたのは、興奮剤か催淫剤……?
 それならこの行動も理解出来る。震えていたのも、俺を傷付けないように我慢してたからだ。


「んっ、ぅッ……」

 体を触手で締め付けられて身動きが取れない代わりに、咥内の触手を舌で撫でる。悲しげに鳴くパキュに、大丈夫だと伝えるように。
 これで苦しみが治まるなら、何だってしてやりたいから……いいよ。

『キ……ッ、キ……』

 パキュは震えながら堪えようとして、口から触手を抜いた。

「パキュ……。楽になるまで、俺といっぱいしような」

『キ、ィッ……』

「下からも注いでくれたら、きっと早く回復するから。な?」

 目の前で揺れる触手にキスをして、口に含む。舌で優しく舐めると、ビクリと震えて甘い液を零しながら咥内を動き始めた。
 別の触手が脚の間に触れ、震えながらゆっくりと突き挿れられていく。だが限界が来たのか、突然勢い良く突き上げられた。

「んぐっ!? んうッ、ンッ――!」

 ゴリゴリと奥を突かれ、自身を締め上げられて、絶頂を迎える。達したばかりの鈴口に細い触手が触れ、奥へと潜り込んだ。

「ンッ、んぐぅッ」

 腸と尿道の両側から責められ、また達する感覚。精液の代わりに吹き出した透明の液体は、口を開けた触手に飲み込まれていった。

 薬のせいで、パキュは震えながら俺を激しく責め立てる。感じる場所全てを刺激されてボロボロと零れる涙も、パキュの口に吸い込まれていった。
 大量に注がれるパキュの体液から力が増幅され、意識が飛ぶ前に引き戻される。王都へ戻るまでに蓄えてきた神聖力に上乗せされて、もう、溢れそうだ。


「こっちだ! 早くしろ!」
「っ……」

 遠くから声が聞こえ、ハッと我に返る。
 ジンが言っていたカーテンも風の石もない。周囲の炎も、人が通れるくらいには隙間がある。扉は開け放たれ、パキュと繋がっているところも丸見えだ。
 恥ずかしいとか言ってる状況じゃない。でも、こんな姿を見られるのは……。

「わっ」

 相手の姿が見える前に、俺の体から光が、彼らに向かって放たれた。

「傷が……消えた……?」

 何が起こったのかと、彼らがざわつく。

「立てる……立てるぞ!」
「これでまた戦えるっ……」
「シオン殿下のためにっ!」
「我らの未来のためにっ!」

 兵たちは声を上げ、戦場へと戻って行った。

「まさか、術って……」

 開け放たれた扉から、光が彼らを追って流れていく。増幅した力が絞り出され、兵士たちに与えられていく感覚がした。

 俺の力が、傷を治してる……見えないのに、分かる……。
 たくさん傷ついた人がいる。傷が治り、また戦い、傷付いている。死なない軍隊が作れると言ったのはジンだった。あの時のことで、この作戦を思いついたのだろうか。
 傷が治っても、傷付く時の痛みはある。それでも兵たちは何度でも立ち上がる。


「死なせたくない……でも、こんなのは酷いだろっ……」

 無理矢理体液を絞り出された触手が、一つ、萎びて地面に落ちた。咥内の触手もずるりと抜けてぐったりする。増幅された力が兵たちに流れて、パキュの回復が追いつかない。

「お前たち、俺のせいで、こんな……ごめんなっ……」

 パキュロスの属性を持ってしまったばかりに、無邪気に懐いてくれたパキュたちを傷付けている。このままだと胴体も、全てが枯れてしまう。

『キ……ィ……』

 弱々しく鳴いたパキュが、そっと俺の頬を撫でる。

「ごめんっ……俺に……俺に、力がないばかりにっ……」

 締め付けが緩み、手を伸ばして枯れた触手を持ち上げる。零れ落ちる涙が、萎びた触手を濡らした。

「パキュ……」

 力なく震える触手に、そっと口付ける。他の触手も纏めて抱き締め、キスをした。


 その瞬間――


「っ……!」

 パキュの姿も見えないほどの目映い光が溢れ、辺りを包み込んだ。



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