16 / 82
16
しおりを挟む
その日は、各自射撃の練習はサイレンサーをつけておこなうことになった。単純に銃声がうるさいのと瓦礫の山の方に聞こえてしまうと居場所を教えているようだからだ。
「ヨーちゃん、なんかストレス発散になるな」
「そ、そうだな」
最近、ストレスが知らず知らずに溜まっていたのもあったのか、スッキリしたような表情をしていた。
周りを見ると最初は撃った時の反動や空のペットボトルが吹き飛んだりし、驚いたりしたが、慣れていくとなんとか何回に一度は当たるようになったりした。実際に使い方を銃を持つと知っていて、撃てたりするが、身体がうまく動かせていないのか、的にうまく当たらないのだ。
僕は実際に銃を撃ってみて、感触を確かめることができてよかったと思った。
あと、弾が無くなると、銃弾が入っているマガジンが消え撃てなくなった。だが、一呼吸すると地面に落ちた薬莢が消え、銃弾が入ってるマガジンが差し込まれた状態で復活するのだった。実質使い放題。
撃ち尽くしたら終わりじゃなくてよかったと思った。
銃器を手に持ち、使用を体感することで僕たちは満足し、何かあっても大丈夫だろうという余裕を持つことができたと思う。撃った相手がどうなるのか、という想像はペットボトルの吹き飛び方や壊れ具合で想像はできないけど、練習で銃を撃った後、銃の重さや反動を知ることが出来たのは収穫だったと思う。
体験練習が終わり、夕食時に、改めて今後どうするかという話し合いをすることにした。
「あ、あ、ああ、あの」
ツバサがどもりながらも、手を肩より低い位置で上げていた。
「どうした、ツバサ」
ムッツーがツバサが何か言いたそうにしているのを見逃さないでいた。僕も見逃さなかったけれど、怖がらせてしまったのもあって声をかけずにいた。
「あ、あの、じ、実はですね。その、あの、自衛の銃器のアビリティ・スキルで気づいたことがあって……」
やはり、ツバサは何か気づいていた。ツバサとジュリはオタク系だから僕にはわからない事に気づいていた。
「多分なんですけれど、自衛の銃器とか防具もなんですけれど、それぞれ自分にあった物が……その、同じじゃないと思って、表示されてるのが多分同じじゃなくて違くて、大きなジャンルとかは一緒だけど中身が違うというか……その、ごめんなさい」
「え、えと、つまりどういうことだ?」
ムッツーや僕らはピンとこなかった。ジュリはわかっていそうだ。
「……同じアビリティ・スキルを共有できるけれど、自分のアビリティ・スキルは見えているものが違うから、召喚した時にみんな違う……違う……なんで違うんだ……うーん?」
僕は考えながら言葉に出し、考えた。
「そ、その自分が、生き残るために一番向いてるのが表示されるのかな、って思います」
ジュリはツバサが言った後に、フォローするように発言した。
「生き残るために……一番向いてるもの……」
僕はその言葉を聞いて、ムッツーの方を向き、質問したのだった。
「ムッツー、私が持っているクリスベクターカスタムていうのは銃器の中にある?」
「……いや、ない……ないぞ……」
どうやらムッツーの銃器の中には、僕の銃はないみたいだ。そういえば、僕の所もクリスベクターカスタムしかない。
「カテゴリーは共有されるけど、中のものは個人に合った物になる。じゃあ、合ってないものは、表示されないってこと?」
タッツーはムッツーと同じく、ステータスウィンドウで確かめていた。
「一人一人に役割があるってこと……?」
ハルミンもステータスウィンドウを開き、つぶやいたのだった。
一人一人の役割、という言葉を聞いてそれぞれのテントや食料と飲料などは想像して召喚されたものじゃなくて、合ったものや役割に応じたものが召喚されたという事だと思った。
そうなると僕が持つクリスベクターカスタムやこの防具はどういった役割があるんだろうと思った。アビリティ・スキルを見てもこれが何かという説明が抽象的にしか書いておらずよくわからなかった。もしかしたらツバサとジュリならわかるのかもしれないが、どうにもあの二人にはグイグイいってしまう。
「むむむ~」
「どうしたのヨーちゃん?」
「銃に詳しくないっていうか、こういうミリタリーな事を知らないから知っておけばよかったなぁと思ったんだ」
「そうえいば、銃といえば、銃撃乱舞って知ってる?」
マナチが言った銃撃乱舞というは、銃を擬人化して指揮官の命令に従って、戦争根絶をしていく大人気ゲームだ。ミュージカルや演劇なども盛んに行われていたりしているやつだ。
「知ってるけれど、遊んだり見たりはしてなかったなぁ」
「実は私も、だから遊んでおけばよかったなぁって思った」
えへへ、と笑ったマナチは僕はこのために銃撃乱舞をやっていなかったんだなと確信した。やっていなくてよかった! いややっていたら、詳しく手取り足取り教えれていたかもしれないか?
「これから知っていこう、なんとかなるさ」
「そ、そうだよね!」
僕はふと、ツバサとジュリなら銃撃乱舞で遊んだりしていたかもしれないと思った。
「ヨーちゃん、なんかストレス発散になるな」
「そ、そうだな」
最近、ストレスが知らず知らずに溜まっていたのもあったのか、スッキリしたような表情をしていた。
周りを見ると最初は撃った時の反動や空のペットボトルが吹き飛んだりし、驚いたりしたが、慣れていくとなんとか何回に一度は当たるようになったりした。実際に使い方を銃を持つと知っていて、撃てたりするが、身体がうまく動かせていないのか、的にうまく当たらないのだ。
僕は実際に銃を撃ってみて、感触を確かめることができてよかったと思った。
あと、弾が無くなると、銃弾が入っているマガジンが消え撃てなくなった。だが、一呼吸すると地面に落ちた薬莢が消え、銃弾が入ってるマガジンが差し込まれた状態で復活するのだった。実質使い放題。
撃ち尽くしたら終わりじゃなくてよかったと思った。
銃器を手に持ち、使用を体感することで僕たちは満足し、何かあっても大丈夫だろうという余裕を持つことができたと思う。撃った相手がどうなるのか、という想像はペットボトルの吹き飛び方や壊れ具合で想像はできないけど、練習で銃を撃った後、銃の重さや反動を知ることが出来たのは収穫だったと思う。
体験練習が終わり、夕食時に、改めて今後どうするかという話し合いをすることにした。
「あ、あ、ああ、あの」
ツバサがどもりながらも、手を肩より低い位置で上げていた。
「どうした、ツバサ」
ムッツーがツバサが何か言いたそうにしているのを見逃さないでいた。僕も見逃さなかったけれど、怖がらせてしまったのもあって声をかけずにいた。
「あ、あの、じ、実はですね。その、あの、自衛の銃器のアビリティ・スキルで気づいたことがあって……」
やはり、ツバサは何か気づいていた。ツバサとジュリはオタク系だから僕にはわからない事に気づいていた。
「多分なんですけれど、自衛の銃器とか防具もなんですけれど、それぞれ自分にあった物が……その、同じじゃないと思って、表示されてるのが多分同じじゃなくて違くて、大きなジャンルとかは一緒だけど中身が違うというか……その、ごめんなさい」
「え、えと、つまりどういうことだ?」
ムッツーや僕らはピンとこなかった。ジュリはわかっていそうだ。
「……同じアビリティ・スキルを共有できるけれど、自分のアビリティ・スキルは見えているものが違うから、召喚した時にみんな違う……違う……なんで違うんだ……うーん?」
僕は考えながら言葉に出し、考えた。
「そ、その自分が、生き残るために一番向いてるのが表示されるのかな、って思います」
ジュリはツバサが言った後に、フォローするように発言した。
「生き残るために……一番向いてるもの……」
僕はその言葉を聞いて、ムッツーの方を向き、質問したのだった。
「ムッツー、私が持っているクリスベクターカスタムていうのは銃器の中にある?」
「……いや、ない……ないぞ……」
どうやらムッツーの銃器の中には、僕の銃はないみたいだ。そういえば、僕の所もクリスベクターカスタムしかない。
「カテゴリーは共有されるけど、中のものは個人に合った物になる。じゃあ、合ってないものは、表示されないってこと?」
タッツーはムッツーと同じく、ステータスウィンドウで確かめていた。
「一人一人に役割があるってこと……?」
ハルミンもステータスウィンドウを開き、つぶやいたのだった。
一人一人の役割、という言葉を聞いてそれぞれのテントや食料と飲料などは想像して召喚されたものじゃなくて、合ったものや役割に応じたものが召喚されたという事だと思った。
そうなると僕が持つクリスベクターカスタムやこの防具はどういった役割があるんだろうと思った。アビリティ・スキルを見てもこれが何かという説明が抽象的にしか書いておらずよくわからなかった。もしかしたらツバサとジュリならわかるのかもしれないが、どうにもあの二人にはグイグイいってしまう。
「むむむ~」
「どうしたのヨーちゃん?」
「銃に詳しくないっていうか、こういうミリタリーな事を知らないから知っておけばよかったなぁと思ったんだ」
「そうえいば、銃といえば、銃撃乱舞って知ってる?」
マナチが言った銃撃乱舞というは、銃を擬人化して指揮官の命令に従って、戦争根絶をしていく大人気ゲームだ。ミュージカルや演劇なども盛んに行われていたりしているやつだ。
「知ってるけれど、遊んだり見たりはしてなかったなぁ」
「実は私も、だから遊んでおけばよかったなぁって思った」
えへへ、と笑ったマナチは僕はこのために銃撃乱舞をやっていなかったんだなと確信した。やっていなくてよかった! いややっていたら、詳しく手取り足取り教えれていたかもしれないか?
「これから知っていこう、なんとかなるさ」
「そ、そうだよね!」
僕はふと、ツバサとジュリなら銃撃乱舞で遊んだりしていたかもしれないと思った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる