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8.お見合い
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それからというもの世界樹とベルリオーズ家、ジェニファー詣での列は絶えなくなった。
もともと全世界の信仰を集めていた世界樹だが、あくまでもおとぎ話にすぎなかったものが、女神ジェニファーのおかげで一躍世界一有名な木に変貌を遂げた。
世界の国の中では、「世界樹探訪ツアー」なるものが企画され、世界樹はすっかり観光名所となっていく。
観光名所につきものは、お土産で「世界樹クッキー」に「世界樹パイ」、「世界樹キーホルダー」が人気を博している。
ジェニファーはというと、相変わらずお見合い三昧の日々で、ベルリオーズ公爵の勧めもあり、渋々参加している。
女神さまの化身といえども、公爵からすれば、実の娘と何ら変わりがない。早く片付けて楽をしたいという本音が見え隠れする。
ジェニファーは、最初のうちこそ日替わりでお見合いをしてきたけれど、数が多いのでめんどくさくなってくる。
何もお見合い相手は、王族だけと決まっているわけではない。
旧シューベルト所縁のある貴族、商人の息子や、天気によって収穫が左右されかねない農民の息子まで、様々な職業の人たちからお見合いが申し込まれている。
女神だから、公女や聖女よりも上であることは間違いない。ただし、条件がある。その条件とは、聖女を婚約者としていないこと。
ジェニファーからすれば、偽聖女以外の聖女様は娘同然の愛し子。聖女を蔑ろにするような婚約者様はいらない。
また、その国にすでに聖女がいる場合も同じ理由で、お見合いには参加できないことにしている。
あまりのめんどくさに、ジェニファーVS国ごとの団体戦で行くことにした。
身分は関係ない。顔立ちも関係ない。獣人であろうがなかろうが、肌の色も関係ない。
だいたい女神の存在は、人ならざるものだから。ジェニファーのことを真に愛し、敬う気持ちを持っていることが一番大事。
次に条件を付けるとするならば、身体健全であること、肉体は魂の容れ物だから健康なカラダには、健康な心を持っているというもの。
病人さんは、残念ながら受け入れがたい。
お見合い相手を国ごとに設定したのは、各国であらかじめ選別ができているから。それぞれを互いに競わせ、残ったものは必然的に質がいい。
残ったものは、各国代表となり、選ばれるだけで名誉となるので、皆、真剣そのもの。その国の精鋭が残るはずなのに。どういうわけかエジンバラ国は、違うようだった。
エジンバラ国は、考えがまとまらず、エレファントマン、ウルフマン、リザードマン、ドワーフ、エルフからなぜかドラゴンまでそろっている。そして自分たちこそが最適なお見合い相手だと主張している。
この中にゴブリンが入っていないことが、せめてもの救いというもの。
お見合い相手の中のドラゴンがかなりの厄介者で、ジェニファーに対し、番を連発してくる。
いやいや過去にさかのぼってもドラゴンと番になったことは一度たりともない。勝手に勘違いされるわ。ストーカー騒ぎを起こすわで、本当っ、迷惑ったらありゃしない。
エジンバラ国はお出入り禁止国としよう。
他の獣人の気立てが良くても、ドラゴンの妻にはなりたくないので、すべてを却下とする。
このあたり連帯責任とするには無理があるけど、でも団体戦というものは、そういうものなので仕方がない。
今後のお見合い予定は、エジンバラ抜きで進められることが決まり、他の諸国も全員賛同した。
もともと全世界の信仰を集めていた世界樹だが、あくまでもおとぎ話にすぎなかったものが、女神ジェニファーのおかげで一躍世界一有名な木に変貌を遂げた。
世界の国の中では、「世界樹探訪ツアー」なるものが企画され、世界樹はすっかり観光名所となっていく。
観光名所につきものは、お土産で「世界樹クッキー」に「世界樹パイ」、「世界樹キーホルダー」が人気を博している。
ジェニファーはというと、相変わらずお見合い三昧の日々で、ベルリオーズ公爵の勧めもあり、渋々参加している。
女神さまの化身といえども、公爵からすれば、実の娘と何ら変わりがない。早く片付けて楽をしたいという本音が見え隠れする。
ジェニファーは、最初のうちこそ日替わりでお見合いをしてきたけれど、数が多いのでめんどくさくなってくる。
何もお見合い相手は、王族だけと決まっているわけではない。
旧シューベルト所縁のある貴族、商人の息子や、天気によって収穫が左右されかねない農民の息子まで、様々な職業の人たちからお見合いが申し込まれている。
女神だから、公女や聖女よりも上であることは間違いない。ただし、条件がある。その条件とは、聖女を婚約者としていないこと。
ジェニファーからすれば、偽聖女以外の聖女様は娘同然の愛し子。聖女を蔑ろにするような婚約者様はいらない。
また、その国にすでに聖女がいる場合も同じ理由で、お見合いには参加できないことにしている。
あまりのめんどくさに、ジェニファーVS国ごとの団体戦で行くことにした。
身分は関係ない。顔立ちも関係ない。獣人であろうがなかろうが、肌の色も関係ない。
だいたい女神の存在は、人ならざるものだから。ジェニファーのことを真に愛し、敬う気持ちを持っていることが一番大事。
次に条件を付けるとするならば、身体健全であること、肉体は魂の容れ物だから健康なカラダには、健康な心を持っているというもの。
病人さんは、残念ながら受け入れがたい。
お見合い相手を国ごとに設定したのは、各国であらかじめ選別ができているから。それぞれを互いに競わせ、残ったものは必然的に質がいい。
残ったものは、各国代表となり、選ばれるだけで名誉となるので、皆、真剣そのもの。その国の精鋭が残るはずなのに。どういうわけかエジンバラ国は、違うようだった。
エジンバラ国は、考えがまとまらず、エレファントマン、ウルフマン、リザードマン、ドワーフ、エルフからなぜかドラゴンまでそろっている。そして自分たちこそが最適なお見合い相手だと主張している。
この中にゴブリンが入っていないことが、せめてもの救いというもの。
お見合い相手の中のドラゴンがかなりの厄介者で、ジェニファーに対し、番を連発してくる。
いやいや過去にさかのぼってもドラゴンと番になったことは一度たりともない。勝手に勘違いされるわ。ストーカー騒ぎを起こすわで、本当っ、迷惑ったらありゃしない。
エジンバラ国はお出入り禁止国としよう。
他の獣人の気立てが良くても、ドラゴンの妻にはなりたくないので、すべてを却下とする。
このあたり連帯責任とするには無理があるけど、でも団体戦というものは、そういうものなので仕方がない。
今後のお見合い予定は、エジンバラ抜きで進められることが決まり、他の諸国も全員賛同した。
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