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浮気され婚約破棄された公爵令嬢は、王女殿下となる
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前世クリスティーヌのセレスティーヌの中身は、相変わらずリチャードが自分勝手で独りよがりであることを知り、懐かしく思わない。呆れかえっているのだ。リチャードは反省することを知らない。
でもあの水晶玉のおかげで、中身がクリスティーヌであることがバレず、聖女様であることになったのは好都合である。
いや、本当に聖女様になれたのかもしれない。一度死んだからこそ神様に近づけたのかもしれないが、それもこれもあの肉体ブティックの店長のおかげなのかもしれないとあらためて感謝する。
いよいよ結婚式である。大聖堂の周りには、一般の国民が大勢集まってきて、祝福してくれるが、実は、皆、王女殿下が聖女様になったから、逆に祝福をもらえるのでは?と集まってきているのである。
場合によれば、ライスシャワーが祝福代わりになるかもしれないので。拾いがてらもらいに来ているのである。ちゃっかりしてるね。
転んでもタダでは起きない精神。
聖女様からの祝福は、軽い病気や怪我ならば、たちどころに治るという優れもので、どんなに重病人でも3日もかければ、命の別状がなくなるというものなのだ。
だから前の晩から王都へ集まってきて、朝早くから一番いい場所を取り、並んでいる。
セレスティーヌもその期待に応えるべく、式の前から大聖堂の前に出てきて、並んでいる人たちの頭上に祝福を授けていく。
総入れ替え制にして、一回祝福を受けたものはその場を去らなければならない。護衛の騎士が交通整理よろしくやってくれるので、助かる。
一通り祝福が終われば、式の用意があるので、中へ引っ込むことにする。とめどなく、来られるがようやく一段落がつき、中に入る。
もう、スティーヴは準備を終えていた。かっこいい。
ベールを頭からスッポリかぶり、父とともにウエディングマーチではなく、合唱で賛美歌を歌われる中、ヴァージンロードをセンターまで進む。
式は無事終わり、また大聖堂の前へスティーヴとともに出ると、大勢の人だかり。一人一人に丁寧に、祝福を授け、王城へ戻る。王城では、門のところにも祝福が欲しい人が集まっている。
その中に、あれ、この人、式の前に大聖堂の前にもいた人が再び来ている。戸板に乗せられた男性である。
聞けば、医師から余命二日を告げられ、今日がその二日目にあたるという。一日でも長生きしたいという理由から、昨夜王都入りして、今日2回目を並んだという。
「それならば、中へお入りください。」
城の者に施術するための部屋を用意してもらい、その間に大急ぎでウエディングドレスを脱ぐ。本当は、スティーヴに脱がせてほしかったけど、そんな猶予はない。
質素な私服に着替え、施術部屋へ行くと、朝よりかは、呼吸が落ち着いている様子だが、余命二日というのは、余程のことでなければ言われないから心配である。
男性の全身に手をかざしていく。悪そうなところがあれば、掌がちりちりと痺れる。なんとなく、膵臓のあたりがちりちりするような?
それと肝臓もちりちりする。入念に手をかざすと腎臓もちりちりする。要するにお腹全部の臓器が悪いということ。
「うーん。どこから手をつけましょうかね?」
「聖女様、悪いところがわかったのですか?」
「ええ、お腹の中のほとんどが……。」
深呼吸して精神を集中させていくセレスティーヌ、そしておもむろにお腹の中に手を突っ込む感覚で聖魔法を注ぎ込んでいく。
本当は、治癒魔法なんだろうけど、まだ聖女になってから日が浅いセレスティーヌは、聖魔法しか知らないので、あるもので対処する。
数分後、もうどこをどう触っても、あのちりちりとした痺れる感覚はなくなっていたのだ。
「たぶん、これで完治したと思います。」
「ありがとうございます。王女殿下、いえ聖女様!せっかくの初夜を台無しにしてしまい、申し訳ありません。これからは王国のため身を粉にして働きたいと存じます。私は少々計数管理ができますので、このお城でタダ働きして、この御恩に報いたく存じます。」
「ありがたい申し出でございますが、タダ働きはいけません。今は助かった喜びに打ちひしがられていても、時が経てば、タダ働きしていることに不満が出てくるものです。ですから、きちんと給金は支払います。」
命拾いした男性も「私は、法に詳しいので、そのあたりでお役に立てるかと思います。どうか、私もこのお城で働かせてください。」
セレスティーヌは、係の者を呼び、二人に仕事を手配するように頼み、私室へ戻る。
もうすっかり夜のとばりがおりている。本当にせっかくの初夜が台無しになったと思えるぐらいグッタリしている。
スティーヴは、そんなセレスティーヌの様子を見て優しくキスをして、抱きしめる。
「お疲れ様、また明日という日もあるから、今日はぐっすりおやすみ。」
その日は本当に何もなく、朝までぐっすり寝たら、昨日の疲れは消えていたのである。若いから疲れても回復が早い。
そして次の夜、思い存分に……もう、セレスティーヌは痛みに耐えきれず、「やめて、やめて。」を連発するも、スティーヴは止めてくれず、意地悪ね。と思いながら自分に聖魔法をかけつつ乗り切るのである。
そして、ご懐妊しました。当然です。健康な若い男女がやりまくっていたわけですから。それからは、スティーヴは、ひたすら王配としての仕事をこなし、セレスティーヌはカラダを労わりながら、出産までの幸せな時を刻む。
そして見事に男児を出産して、王女の仕事に復帰します。仕事の傍ら、聖女の仕事もこなし、大忙しだけど、幸せな人生を送ります。
スーザンは、セレスティーヌのご学友の地位を存分に生かし、アントワネット公爵家へ嫁に行きました。卒業時のゴールドカードは、結局、使われないまま時が過ぎる。
王家に誕生した王子が5歳を迎えたころ、再びお妃選定会が行われ、アントワネット家の令嬢に一目惚れをしてしまい、どうしても婚約したいと駄々を捏ねられるものの、セレスティーヌは頑として反対する。
アントワネット家の令嬢は、前世のクリスティーヌそのものの美貌の持ち主だったから。
「あの令嬢には、あの令嬢の人生があるのです。王子があの令嬢の未来を奪ってはいけません。もし、学園を卒業する頃まで、あの令嬢に婚約者がいなく、お互いに心憎からず思っていたら、その時、婚約すればよろしいでしょう。」
「では、先日のお妃選定会は、何のための選定会だったのでございますか?」
「あれは、内覧会のようなもの。年齢が釣り合う女性を認識するためのものでございますわよ。いくらなんでも5歳から婚約など、早すぎましてよ。先日の内覧会で王子を気に入った令嬢がいらっしゃったら、その令嬢は将来のお妃となるべく、頑張って、お勉強なさるでしょう。そのための啓蒙の機会なのです。」
「はぁ、わかりました。アントワネット家の令嬢に嫌われないように頑張りたいと思います。」
「せいぜい逃げられないように、ご精進なさいませ。」
「はい!」
それから13年後、お互いに意識し合う間柄になったのである。そして、学園を卒業する前の日に第1王子のマークは、ソアラ・アントワネット公爵令嬢にプロポーズをして、見事承諾を得たのです。
翌日の卒業式と卒業記念祝賀パーティが王城の大ホールで行われる。卒業生の女性のほとんどがウエディングドレス姿で参加している。
この卒業パーティが済めば、その足でパーティ会場の奥のチャペルに移動して、そこで挙式するためである。
昨日、プロポーズがあったばかりのソアラは、ドレスを着ていない。間に合わなかったからだ。パーティが始まる前に、セレスティーヌは、ソアラを私室に呼び、そこで
「わたくしのお古だけど、よかったら着てくれないかしら?」
「ええ?よろしいのですか?こんな思い出深いものを着させていただいても?」
「もちろんよ。あなたはわたくしそのものですもの。」
「……?……。」
セレスティーヌのお古のドレスに着替えたソアラは、会場へ行き、司祭様の前でマークの妻となったのである。
結婚式を見届けたセレスティーヌとスーザンは、
「もう、これでお役御免ね。ねぇ、スーザン、学園の卒業式の時にもらったゴールドカードまだ持ってる?」
「ええ、肌身離さず、持ってるわよ。」
そう言って、ゴールドカードを見せるスーザン。
「だったら、これから4人でモントオールへ行き、打ち上げしましょうよ。」
「4人って?親同士の夫婦単位で?」
「そうよ。もう彼氏がいないわけではないからね。」
ウィンクするセレスティーヌにいたずらっぽく微笑みかけるスーザン、4人は馬車を仕立てて、モントオールへ遊びに行く。
「子供が巣立ったら、これからちょくちょく遊びに行こうね。」
「また学園のときみたいにね。」
「コワイ寮長もいないしね。」
クスクスと笑い合うオバサン?二人、それをそれぞれの連れ合いが追いかけるように付いていく。
モントオールへお忍びで遊びに行ったつもりが、モントオールでは、公式行事となってしまって、どこがお忍びだ?という騒ぎになってしまう。
事前に、騎士がモントオールへ連絡してしまったから、万全の体制を敷いて、待ち構えられていたので、面白くもなんともない。
学園の同級生だった人たちも駆けつけてくれて、盛り上がったのだが、どうも堅苦しくて仕方がない。
サンドラの聖女様で女王陛下と王配、王太子妃の両親がそろってきたのだから、モントオールもそれなりのもてなしをしないと外交問題に発展しては困るから。
「これなら、サンドラの王都で仮装してパーティしたほうが面白かったね。」と言い合うご婦人?二人。
「この行事が終わったら、取って返して、仮装する?」
「スーザンは何に化ける?」
「そうね、ライオンがいいかな?」
「ライオン!人間ではないのね。だったら、わたくしはシンデレラのかぼちゃの馬車になろうかしらね。」
「みんな乗りたがってきて乗ったら、重いよ。」
「だったら、ネズミの馬にしようかしら。」
「魔法使いのお婆さんなんて、ノーメイクでできるのでは?」
スティーヴが余計なことを言い、頭を掻いている。それをキっと睨みつけ、足を思いっきり踏んづけるセレスティーヌ。
アントワネット公爵は大笑いをしている。前世の弟である。
約22年前に不幸な出来事があったけど、今はみんな幸せ。
肉体ブティックの店長様、ありがとうございます。
でもあの水晶玉のおかげで、中身がクリスティーヌであることがバレず、聖女様であることになったのは好都合である。
いや、本当に聖女様になれたのかもしれない。一度死んだからこそ神様に近づけたのかもしれないが、それもこれもあの肉体ブティックの店長のおかげなのかもしれないとあらためて感謝する。
いよいよ結婚式である。大聖堂の周りには、一般の国民が大勢集まってきて、祝福してくれるが、実は、皆、王女殿下が聖女様になったから、逆に祝福をもらえるのでは?と集まってきているのである。
場合によれば、ライスシャワーが祝福代わりになるかもしれないので。拾いがてらもらいに来ているのである。ちゃっかりしてるね。
転んでもタダでは起きない精神。
聖女様からの祝福は、軽い病気や怪我ならば、たちどころに治るという優れもので、どんなに重病人でも3日もかければ、命の別状がなくなるというものなのだ。
だから前の晩から王都へ集まってきて、朝早くから一番いい場所を取り、並んでいる。
セレスティーヌもその期待に応えるべく、式の前から大聖堂の前に出てきて、並んでいる人たちの頭上に祝福を授けていく。
総入れ替え制にして、一回祝福を受けたものはその場を去らなければならない。護衛の騎士が交通整理よろしくやってくれるので、助かる。
一通り祝福が終われば、式の用意があるので、中へ引っ込むことにする。とめどなく、来られるがようやく一段落がつき、中に入る。
もう、スティーヴは準備を終えていた。かっこいい。
ベールを頭からスッポリかぶり、父とともにウエディングマーチではなく、合唱で賛美歌を歌われる中、ヴァージンロードをセンターまで進む。
式は無事終わり、また大聖堂の前へスティーヴとともに出ると、大勢の人だかり。一人一人に丁寧に、祝福を授け、王城へ戻る。王城では、門のところにも祝福が欲しい人が集まっている。
その中に、あれ、この人、式の前に大聖堂の前にもいた人が再び来ている。戸板に乗せられた男性である。
聞けば、医師から余命二日を告げられ、今日がその二日目にあたるという。一日でも長生きしたいという理由から、昨夜王都入りして、今日2回目を並んだという。
「それならば、中へお入りください。」
城の者に施術するための部屋を用意してもらい、その間に大急ぎでウエディングドレスを脱ぐ。本当は、スティーヴに脱がせてほしかったけど、そんな猶予はない。
質素な私服に着替え、施術部屋へ行くと、朝よりかは、呼吸が落ち着いている様子だが、余命二日というのは、余程のことでなければ言われないから心配である。
男性の全身に手をかざしていく。悪そうなところがあれば、掌がちりちりと痺れる。なんとなく、膵臓のあたりがちりちりするような?
それと肝臓もちりちりする。入念に手をかざすと腎臓もちりちりする。要するにお腹全部の臓器が悪いということ。
「うーん。どこから手をつけましょうかね?」
「聖女様、悪いところがわかったのですか?」
「ええ、お腹の中のほとんどが……。」
深呼吸して精神を集中させていくセレスティーヌ、そしておもむろにお腹の中に手を突っ込む感覚で聖魔法を注ぎ込んでいく。
本当は、治癒魔法なんだろうけど、まだ聖女になってから日が浅いセレスティーヌは、聖魔法しか知らないので、あるもので対処する。
数分後、もうどこをどう触っても、あのちりちりとした痺れる感覚はなくなっていたのだ。
「たぶん、これで完治したと思います。」
「ありがとうございます。王女殿下、いえ聖女様!せっかくの初夜を台無しにしてしまい、申し訳ありません。これからは王国のため身を粉にして働きたいと存じます。私は少々計数管理ができますので、このお城でタダ働きして、この御恩に報いたく存じます。」
「ありがたい申し出でございますが、タダ働きはいけません。今は助かった喜びに打ちひしがられていても、時が経てば、タダ働きしていることに不満が出てくるものです。ですから、きちんと給金は支払います。」
命拾いした男性も「私は、法に詳しいので、そのあたりでお役に立てるかと思います。どうか、私もこのお城で働かせてください。」
セレスティーヌは、係の者を呼び、二人に仕事を手配するように頼み、私室へ戻る。
もうすっかり夜のとばりがおりている。本当にせっかくの初夜が台無しになったと思えるぐらいグッタリしている。
スティーヴは、そんなセレスティーヌの様子を見て優しくキスをして、抱きしめる。
「お疲れ様、また明日という日もあるから、今日はぐっすりおやすみ。」
その日は本当に何もなく、朝までぐっすり寝たら、昨日の疲れは消えていたのである。若いから疲れても回復が早い。
そして次の夜、思い存分に……もう、セレスティーヌは痛みに耐えきれず、「やめて、やめて。」を連発するも、スティーヴは止めてくれず、意地悪ね。と思いながら自分に聖魔法をかけつつ乗り切るのである。
そして、ご懐妊しました。当然です。健康な若い男女がやりまくっていたわけですから。それからは、スティーヴは、ひたすら王配としての仕事をこなし、セレスティーヌはカラダを労わりながら、出産までの幸せな時を刻む。
そして見事に男児を出産して、王女の仕事に復帰します。仕事の傍ら、聖女の仕事もこなし、大忙しだけど、幸せな人生を送ります。
スーザンは、セレスティーヌのご学友の地位を存分に生かし、アントワネット公爵家へ嫁に行きました。卒業時のゴールドカードは、結局、使われないまま時が過ぎる。
王家に誕生した王子が5歳を迎えたころ、再びお妃選定会が行われ、アントワネット家の令嬢に一目惚れをしてしまい、どうしても婚約したいと駄々を捏ねられるものの、セレスティーヌは頑として反対する。
アントワネット家の令嬢は、前世のクリスティーヌそのものの美貌の持ち主だったから。
「あの令嬢には、あの令嬢の人生があるのです。王子があの令嬢の未来を奪ってはいけません。もし、学園を卒業する頃まで、あの令嬢に婚約者がいなく、お互いに心憎からず思っていたら、その時、婚約すればよろしいでしょう。」
「では、先日のお妃選定会は、何のための選定会だったのでございますか?」
「あれは、内覧会のようなもの。年齢が釣り合う女性を認識するためのものでございますわよ。いくらなんでも5歳から婚約など、早すぎましてよ。先日の内覧会で王子を気に入った令嬢がいらっしゃったら、その令嬢は将来のお妃となるべく、頑張って、お勉強なさるでしょう。そのための啓蒙の機会なのです。」
「はぁ、わかりました。アントワネット家の令嬢に嫌われないように頑張りたいと思います。」
「せいぜい逃げられないように、ご精進なさいませ。」
「はい!」
それから13年後、お互いに意識し合う間柄になったのである。そして、学園を卒業する前の日に第1王子のマークは、ソアラ・アントワネット公爵令嬢にプロポーズをして、見事承諾を得たのです。
翌日の卒業式と卒業記念祝賀パーティが王城の大ホールで行われる。卒業生の女性のほとんどがウエディングドレス姿で参加している。
この卒業パーティが済めば、その足でパーティ会場の奥のチャペルに移動して、そこで挙式するためである。
昨日、プロポーズがあったばかりのソアラは、ドレスを着ていない。間に合わなかったからだ。パーティが始まる前に、セレスティーヌは、ソアラを私室に呼び、そこで
「わたくしのお古だけど、よかったら着てくれないかしら?」
「ええ?よろしいのですか?こんな思い出深いものを着させていただいても?」
「もちろんよ。あなたはわたくしそのものですもの。」
「……?……。」
セレスティーヌのお古のドレスに着替えたソアラは、会場へ行き、司祭様の前でマークの妻となったのである。
結婚式を見届けたセレスティーヌとスーザンは、
「もう、これでお役御免ね。ねぇ、スーザン、学園の卒業式の時にもらったゴールドカードまだ持ってる?」
「ええ、肌身離さず、持ってるわよ。」
そう言って、ゴールドカードを見せるスーザン。
「だったら、これから4人でモントオールへ行き、打ち上げしましょうよ。」
「4人って?親同士の夫婦単位で?」
「そうよ。もう彼氏がいないわけではないからね。」
ウィンクするセレスティーヌにいたずらっぽく微笑みかけるスーザン、4人は馬車を仕立てて、モントオールへ遊びに行く。
「子供が巣立ったら、これからちょくちょく遊びに行こうね。」
「また学園のときみたいにね。」
「コワイ寮長もいないしね。」
クスクスと笑い合うオバサン?二人、それをそれぞれの連れ合いが追いかけるように付いていく。
モントオールへお忍びで遊びに行ったつもりが、モントオールでは、公式行事となってしまって、どこがお忍びだ?という騒ぎになってしまう。
事前に、騎士がモントオールへ連絡してしまったから、万全の体制を敷いて、待ち構えられていたので、面白くもなんともない。
学園の同級生だった人たちも駆けつけてくれて、盛り上がったのだが、どうも堅苦しくて仕方がない。
サンドラの聖女様で女王陛下と王配、王太子妃の両親がそろってきたのだから、モントオールもそれなりのもてなしをしないと外交問題に発展しては困るから。
「これなら、サンドラの王都で仮装してパーティしたほうが面白かったね。」と言い合うご婦人?二人。
「この行事が終わったら、取って返して、仮装する?」
「スーザンは何に化ける?」
「そうね、ライオンがいいかな?」
「ライオン!人間ではないのね。だったら、わたくしはシンデレラのかぼちゃの馬車になろうかしらね。」
「みんな乗りたがってきて乗ったら、重いよ。」
「だったら、ネズミの馬にしようかしら。」
「魔法使いのお婆さんなんて、ノーメイクでできるのでは?」
スティーヴが余計なことを言い、頭を掻いている。それをキっと睨みつけ、足を思いっきり踏んづけるセレスティーヌ。
アントワネット公爵は大笑いをしている。前世の弟である。
約22年前に不幸な出来事があったけど、今はみんな幸せ。
肉体ブティックの店長様、ありがとうございます。
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