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ルイーズの順番が回ってきた。恐る恐る水晶玉に手を翳してみると、……キラキラと水晶玉が光り出し、ルイーズは興味津々でその様子を眺めていると、突然ピッカーン!と金色に光り出す。
ビックリして、後退ると、教皇様がニコニコ顔で頷いていらっしゃる。
「珍しい!小さな聖女様の誕生だな。おめでとうございます」
「え!聖女様って、何をするの?」
素朴な疑問を口にしてみた。
「国家の安寧と平和を祈り、空気を清浄化し、病を治し、人々に幸福をもたらす存在でございます」
「……」
「アハハ。それにありとあらゆる魔法が使えるようになりますよ」
「空を飛べるようになる?」
「もちろんでございます。水の上にでも歩け、雨除けの魔法を遣えば、傘いらず。しかも行きたいところを念ずるだけで、その場に行けるという転移魔法や透明人間になることだって、可能でございますよ」
「ふうん」
何も実感がわかないので、適当に聞き流しておくことにする。
ルイーズが聖女様に覚醒したことは、すぐに両親にもたらされ、婚約者である王族も知るところになったのだが、気になるのがやはりフレッドの反応で、ルイーズが聖女様と聞いても「???」
ルイーズと同じ感想しかできない。要するに、わかっていないのだ。
帰宅してから、ルイーズの誕生日パーティと聖女覚醒パーティを同時に行われることになったが、そこに教皇様や司祭様も駆けつけてくださることになった。
ルイーズへの誕生日プレゼントは水晶のネックレスと聖女様用のローブ、それと教典とあまり欲しいと思うものがない。
フレッドの誕生日プレゼントの方が、よほどマシというのは、やはり同年代だからか。
何度も言うように、ルイーズの性格は基本オッサンで、見た目だけが可憐な美少女なのだ。
だからフレッドがくれたプレゼント。綺麗な細工を施した護身用のナイフは、とてもありがたかった。
おそらくフレッドの誕生日で、プレゼントが開けられる際、ルイーズがキラキラした目で見ていたことを覚えてくれていたのだろう。
こういう幼馴染的なところは好ましいのだが、あの浮気だけは許せない!思い出したら、つい、昨日のことのように感じられ、またもやムカムカしてくる。
「あれ?今日なんかルイーズ機嫌悪くない?」
そうよ!誰のせいで死んだと思っているのよ!
「別に」
「そうかな?やっぱり何か怒っているよね?」
「怒らすようなことをしたのは、誰よ!」
「???」
「僕、何もしてないよ」
そうだった。今の世はまだ、していない。
「これからするのよ」
「何を?」
「んっもう、どうだっていいでしょ?」
「そういうわけにはいかない。何を怒っているのか理由を聞かせてくれないか?」
「フレッドがわたくしのことをビスクドールとか、魔女の眼をしているって、言ったもん」
「そんなひどいこと決して言わないよ。これから先も」
「それが、言うようになるのよ」
「いや、絶対言わない!」
「嘘つき!」
「???」
もう、この年齢で、ほとんど痴話げんかの様相になっているが、本人たちはいたって真剣そのもの。
「とにかく機嫌直してくれよ。頼むからさ」
結局、パーティがお開きになるまで、延々と痴話げんかは続く。最後には、お決まりのルイーズのケリが入り、フレッドは半泣きのまま王城へ帰って行った。
でも次に会うときは、二人ともケロッとしていて、案外フレッドはMなのかもしれない。
だから女王様に対する憧れが、「魔女の眼」に繋がったのかもしれないとルイーズは思っている。
ビックリして、後退ると、教皇様がニコニコ顔で頷いていらっしゃる。
「珍しい!小さな聖女様の誕生だな。おめでとうございます」
「え!聖女様って、何をするの?」
素朴な疑問を口にしてみた。
「国家の安寧と平和を祈り、空気を清浄化し、病を治し、人々に幸福をもたらす存在でございます」
「……」
「アハハ。それにありとあらゆる魔法が使えるようになりますよ」
「空を飛べるようになる?」
「もちろんでございます。水の上にでも歩け、雨除けの魔法を遣えば、傘いらず。しかも行きたいところを念ずるだけで、その場に行けるという転移魔法や透明人間になることだって、可能でございますよ」
「ふうん」
何も実感がわかないので、適当に聞き流しておくことにする。
ルイーズが聖女様に覚醒したことは、すぐに両親にもたらされ、婚約者である王族も知るところになったのだが、気になるのがやはりフレッドの反応で、ルイーズが聖女様と聞いても「???」
ルイーズと同じ感想しかできない。要するに、わかっていないのだ。
帰宅してから、ルイーズの誕生日パーティと聖女覚醒パーティを同時に行われることになったが、そこに教皇様や司祭様も駆けつけてくださることになった。
ルイーズへの誕生日プレゼントは水晶のネックレスと聖女様用のローブ、それと教典とあまり欲しいと思うものがない。
フレッドの誕生日プレゼントの方が、よほどマシというのは、やはり同年代だからか。
何度も言うように、ルイーズの性格は基本オッサンで、見た目だけが可憐な美少女なのだ。
だからフレッドがくれたプレゼント。綺麗な細工を施した護身用のナイフは、とてもありがたかった。
おそらくフレッドの誕生日で、プレゼントが開けられる際、ルイーズがキラキラした目で見ていたことを覚えてくれていたのだろう。
こういう幼馴染的なところは好ましいのだが、あの浮気だけは許せない!思い出したら、つい、昨日のことのように感じられ、またもやムカムカしてくる。
「あれ?今日なんかルイーズ機嫌悪くない?」
そうよ!誰のせいで死んだと思っているのよ!
「別に」
「そうかな?やっぱり何か怒っているよね?」
「怒らすようなことをしたのは、誰よ!」
「???」
「僕、何もしてないよ」
そうだった。今の世はまだ、していない。
「これからするのよ」
「何を?」
「んっもう、どうだっていいでしょ?」
「そういうわけにはいかない。何を怒っているのか理由を聞かせてくれないか?」
「フレッドがわたくしのことをビスクドールとか、魔女の眼をしているって、言ったもん」
「そんなひどいこと決して言わないよ。これから先も」
「それが、言うようになるのよ」
「いや、絶対言わない!」
「嘘つき!」
「???」
もう、この年齢で、ほとんど痴話げんかの様相になっているが、本人たちはいたって真剣そのもの。
「とにかく機嫌直してくれよ。頼むからさ」
結局、パーティがお開きになるまで、延々と痴話げんかは続く。最後には、お決まりのルイーズのケリが入り、フレッドは半泣きのまま王城へ帰って行った。
でも次に会うときは、二人ともケロッとしていて、案外フレッドはMなのかもしれない。
だから女王様に対する憧れが、「魔女の眼」に繋がったのかもしれないとルイーズは思っている。
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