婚約者に浮気された公爵令嬢は、死に戻り聖女となり女の敵を成敗する

青の雀

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 その後、ルイーズは、魔法の勉強が面白くて、たまらなくなり、だんだんフレッドと疎遠になっていく。

 フレッドも、ようやく聖女様が国にとって、どういう存在かを理解し始め、聖女様に相応しい王になろうと努力し始める。

 二人とも忙しく、以前のようなじゃれ合う付き合いはなくなり、週に一度のお茶会だけが強制されたものとなる。

 それにフレッド王子という婚約者がいても、お構いなしに縁談が持ち込まれるようになった。

 ルイーズのお妃教育は2度目ということもあり、スムーズこの上ない。もう死ぬ直前までの課題はすべてやり切ったので、ヒマでしょうがない。

 それにここの所、真面目なフレッドのことも気にかかる。侍女とイチャつくどころか、不愛想になることの方が多い。

 なんでも剣術に身を入れているとか?まさか!?男色に走るなんてことはないよね?騎士相手に朝早くから夜遅くまで、稽古に励んでいると聞く。

 このままでは計画が台無しになってしまう。でも、それならそれで嬉しいことだけど、せっかく死に戻ったのに、フレッドが真面目男に変身するなら、それはそれで構わないという気もするが……?

 どうも納得がいかない。人って、そんなに簡単に変われるものかしら?

 フレッドがダメなら、相手の侍女の素行調査をしてみよう。

 確か、あれは伯爵令嬢のシャルロットだったように記憶している。

 調べてみると、シャルロットは大物喰いで有名な女性で、婚約者のいる男性ばかりを狙っている。華やかな男性遍歴の持ち主だということが分かった。

 第2王子に第3王子は、もうシャルロットと寝ている。ああ、それで前世、フレッドが最後とばかりに狙ってきたのね。

 あの時は、ルイーズに悪いとか、申し訳ないとか言っていたわね?あれはすべて、シャルロットの演技だったということか。

 だって、第3王子なんて、まだ13歳よ!もう、ほとんど犯罪レベルじゃなくって?

 それでも誘われたら、据え膳食わぬは男の恥ってなもんで、股間を固くしてしまうのだろう。

 シャルロットの相手は、公爵令息、宰相の令息、騎士団長の令息と国家の重鎮の令息が軒並み揃っている。定期的にそれらの男たちとデートしているらしく、閨の場で、令息の婚約者をこき下ろしているのを聞くのが、楽しみで、その間だけでも優越感に浸っているらしい。という質が悪い令嬢だったのだ。

 これは、フレッドを嵌めるより、こっちの方が人助けにもなるし、面白いかも?



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-



 フレッドは、ルイーズの13歳の誕生日の夜から悪夢にうなされている。

 昼間、ルイーズが言っていたビスクドールや魔女の眼にまったくと言っていいほど心当たりはない。

 ルイーズは、聖女様に覚醒したから先見の明ができたのだろうかとも思うが、違う様にも思える。

 夢の内容は、決まって、フレッドが誰かを相手に情事に耽っていると、そこへルイーズが怒って現れ、尻を蹴飛ばされ、最後にバルコニーから転落するところで、目が覚める。

 転落する前、フレッドは声のあらん限りでルイーズに叫ぶが、ルイーズは、フレッドに向かって微笑み、落下していく夢。

 人が死ぬ夢は、吉夢とされることが多いが、起きた時は、汗びっしょりでとても嫌な感じがする。

 これが正夢になったらと思うと、ゾっとして、眠れなくなる。

 こんなにもルイーズのことを愛しているのに、どうして死を選んだのだろうと考える。

 きっとフレッドに裏切られたことが、よほどショックだったのか……?

 でも現実のフレッドは、絶対にルイーズを裏切らない自信がある。こんな悲しくて、後味の悪い夢は、もう見たくない!

 それとは別に、フレッドの尻のほっぺの左側にピンヒールで蹴られたような痕?あざのようなものが生まれた時からある。

 偶然かもしれないが、夢のことを考えると、あの夢はこれから起こりうる可能性を示唆しているものではないかと、身震いする。


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