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19.哲学の道
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京都に戻り、ちらほら桜が咲きだす。しずくに聞くと円山公園が有名らしい。
でも、サイゴンはどうしても哲学の道へ行きたい。昔、何かの写真展で見た記憶が鮮明で、桜の哲学の道、新緑の哲学の道、蛍の哲学の道、モミジの哲学の道、冬はあいにく記憶がない。どれもこれも素晴らしく美しい。
だから、京都に住むなら、必ず行ってみたいところの一つになったのだ。
「そう?祇園新橋の方が絵になると思うけど?辰巳大明神から、白川沿いは、見事としか言いようがないよ。でも、そんなに哲学の道にこだわるなら行ってもいいけど……?」
また子供連れで行くことになった。一応石畳が敷いてあるが、ベビーカーを押していくには、少々無理がある。かといって、車道に出たら、危ない。
サイゴンは、前と後ろに一人ずつ抱っこし、しずくは、ベビーカーをたたんでの移動にすることにした。
もう銀閣寺道から若王子神社まで歩いただけで、ヘトヘトになり丸太町通りを渡って、南禅寺まで行く気力もない。子供たちはママに抱っこされたいらしく、ぐずるし、暴れるし。
でも、丸太町を渡ってしまえば、格段に道がよくなる。遊歩道として、京都市が整備している。いや、今出川からの哲学の道も整備しているのだが、歩く人が多く、まだボコボコな道が多い。
いいように言えば、自然が残っているというべきか。
あのモミジで有名な永観堂も桜が見ごろになっている。男子校を抜けたら、すぐ南禅寺が見える。一年前に行ったCMの撮影依頼に感無量となっている。
「ここまで来たから、おじいちゃんの店へ寄って、ご飯でもよばれよ。」
そういえば、お義母さんは、瓢亭の娘さんだった。ということは……あの美人の熟女お婆さんは、瓢亭の大女将?ということになるのか?いや、女将だとしても、十分通用する。
厚かましいとは、思ったけど、美味しいお料理をごちそうになった。それよりも何よりもおじいちゃん、おばあちゃんが本当にうれしそうで、お店の人もとっかえひっかえ来て、双子ちゃんたちの相手をしてくれる。
だから遠慮する必要はないのかもしれない。これだけ喜んでくれるのならいいかも?という気になってしまう。
双子ちゃんたちとベビーカーを瓢亭に置き、しずくと二人だけで、神宮道から青蓮院、知恩院、円山公園へと抜ける。
円山公園では、あちらこちらにブルーシートが目立つ。きっと、夜の花見のため、場所取りをしている企業だろう。
だいたい、場所取りに行かせられる社員は、昨年に入ったばかりの新入社員と相場が決まっている。それと入社5年目程度の若い社員をつけなければ、毎年、どこで場所取りをしているかわからないから。
それより若い社員は、飲み物や酒の肴の調達に回されるということ。
円山公園の祇園枝垂れ桜は確かに有名なだけあり、見事であった。あいにく初代の枝垂れ桜は、戦後まもなく樹齢220年で枯死したが、初代の趣旨から育てられた苗木を植樹され、15代目の桜守が自分の息子の誕生日の記念として、初代の種をまいたひとつになっている。
そしてその息子こそ、16代目の桜守が、現在もなお、祇園枝垂れ桜を守って育てているということです。
帰りはまた、知恩院まで戻り、三門の前の道をひたすら西へ行くと、祇園新橋辰巳大明神のところへ出る。
そこから白川沿いに川端までの道のりが、しずくが言ったようにまさしく桜のトンネルとなっていたのだ。
でも、このまま帰ってしまえるわけではない。双子ちゃんたちを迎えに、再び南禅寺を目指す。
ちょうど戻ってみると、双子ちゃんたちは、すやすやと寝息をたててお昼寝している。
それでまたまた厚かましくも、晩御飯を食べて帰路に着く。
花見が済めば、しずくの入社式が近づく。そうなれば、日曜日にしか京都散策には行けないから、今年、哲学の道に行けてよかったと思う。
でも、サイゴンはどうしても哲学の道へ行きたい。昔、何かの写真展で見た記憶が鮮明で、桜の哲学の道、新緑の哲学の道、蛍の哲学の道、モミジの哲学の道、冬はあいにく記憶がない。どれもこれも素晴らしく美しい。
だから、京都に住むなら、必ず行ってみたいところの一つになったのだ。
「そう?祇園新橋の方が絵になると思うけど?辰巳大明神から、白川沿いは、見事としか言いようがないよ。でも、そんなに哲学の道にこだわるなら行ってもいいけど……?」
また子供連れで行くことになった。一応石畳が敷いてあるが、ベビーカーを押していくには、少々無理がある。かといって、車道に出たら、危ない。
サイゴンは、前と後ろに一人ずつ抱っこし、しずくは、ベビーカーをたたんでの移動にすることにした。
もう銀閣寺道から若王子神社まで歩いただけで、ヘトヘトになり丸太町通りを渡って、南禅寺まで行く気力もない。子供たちはママに抱っこされたいらしく、ぐずるし、暴れるし。
でも、丸太町を渡ってしまえば、格段に道がよくなる。遊歩道として、京都市が整備している。いや、今出川からの哲学の道も整備しているのだが、歩く人が多く、まだボコボコな道が多い。
いいように言えば、自然が残っているというべきか。
あのモミジで有名な永観堂も桜が見ごろになっている。男子校を抜けたら、すぐ南禅寺が見える。一年前に行ったCMの撮影依頼に感無量となっている。
「ここまで来たから、おじいちゃんの店へ寄って、ご飯でもよばれよ。」
そういえば、お義母さんは、瓢亭の娘さんだった。ということは……あの美人の熟女お婆さんは、瓢亭の大女将?ということになるのか?いや、女将だとしても、十分通用する。
厚かましいとは、思ったけど、美味しいお料理をごちそうになった。それよりも何よりもおじいちゃん、おばあちゃんが本当にうれしそうで、お店の人もとっかえひっかえ来て、双子ちゃんたちの相手をしてくれる。
だから遠慮する必要はないのかもしれない。これだけ喜んでくれるのならいいかも?という気になってしまう。
双子ちゃんたちとベビーカーを瓢亭に置き、しずくと二人だけで、神宮道から青蓮院、知恩院、円山公園へと抜ける。
円山公園では、あちらこちらにブルーシートが目立つ。きっと、夜の花見のため、場所取りをしている企業だろう。
だいたい、場所取りに行かせられる社員は、昨年に入ったばかりの新入社員と相場が決まっている。それと入社5年目程度の若い社員をつけなければ、毎年、どこで場所取りをしているかわからないから。
それより若い社員は、飲み物や酒の肴の調達に回されるということ。
円山公園の祇園枝垂れ桜は確かに有名なだけあり、見事であった。あいにく初代の枝垂れ桜は、戦後まもなく樹齢220年で枯死したが、初代の趣旨から育てられた苗木を植樹され、15代目の桜守が自分の息子の誕生日の記念として、初代の種をまいたひとつになっている。
そしてその息子こそ、16代目の桜守が、現在もなお、祇園枝垂れ桜を守って育てているということです。
帰りはまた、知恩院まで戻り、三門の前の道をひたすら西へ行くと、祇園新橋辰巳大明神のところへ出る。
そこから白川沿いに川端までの道のりが、しずくが言ったようにまさしく桜のトンネルとなっていたのだ。
でも、このまま帰ってしまえるわけではない。双子ちゃんたちを迎えに、再び南禅寺を目指す。
ちょうど戻ってみると、双子ちゃんたちは、すやすやと寝息をたててお昼寝している。
それでまたまた厚かましくも、晩御飯を食べて帰路に着く。
花見が済めば、しずくの入社式が近づく。そうなれば、日曜日にしか京都散策には行けないから、今年、哲学の道に行けてよかったと思う。
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