聖女召喚された科捜研の女~異世界科学捜査で玉の輿を狙う

青の雀

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店内に陳列してある商品は、まりあの眼からすればコンビニとかわらない商品ばかり、カップラーメンも置いてあって、ビックリしたけど、ニッポンでよく目にしていたおなじみのパッケージに違和感を覚える。

ん?

ラベルをひっくり返して読むと、それは紛れもなくメイドインニッポンだと読めた。

え!?

なぜ、異世界でニッポン製の商品が売られているの?

まりあは今まで召喚されてニッポンから強制連行されてきた人間は自分一人だけだと思っていたが、ひょっとしたら……、この店主も?

どこかにニッポンと異世界を結ぶ魔方陣があるのかもしれない。

疑念は、まりあの心の中をどんどん侵食していく。でも、今日は買い物に来たわけだから、気持ちを切り替え、熱心にコンビニのカゴに欲しい商品を一つずつ入れていき、最後のお会計のところで、それぞれ1000個ずつ自宅に届けてくれるように注文票を書いていく。

店を出て行こうとすると、玄関わきにトイレットペーパーにティッシュペーパー、それにマスクにコンドームまで売っていたことは驚き以外の何物でもない。

こんなもの売れるのかしらね?でもコンドームなんて、良さそうな気もする。望まない妊娠を避けることができるし、何より性病の危険性が半減することはいいこと。

まりあは職業柄そんなことを考えるも、ここは異世界でもう科捜研の女ではないことを実感する。

その日から度々この店で定期的に配達してもらえるように手配した。最初は1000個単位の注文で、在庫が少なくなると追加で注文を出し、届けてもらえるようになり、仕入れの心配がなくなったせいでレストランも複数メニューの調理が可能となっていく。

パンも雑穀パンではなくニッポン製の精製した小麦粉を使って、焼く。もちろん焼くのは使用人の中から選んだ料理長に焼いてもらうことになったけど、柔らかく美味しいパンは、お客様だけでなく使用人の中でも好評で、この白いパンは焼いた尻から飛ぶように売り切れる。

精製した小麦粉は、調理でも大活躍して、フライパンにバターを溶かし魚の切り身を小麦粉にまぶし焼くだけで、ムニエルという料理に早変わりする。

ムニエルは、異世界でも一番人気の料理に成りあがったことは言うまでもない。

王宮からの料理人の見学も、日を追うごとにどんどん増えていき、レモンの輪切りを添えるなどアレンジもされ、王宮晩餐会での定番の料理に成りつつある。

まりあの魔法の成果は、順調過ぎるぐらい順調そのもの。要するに非科学的な魔力は、この世界の空気の中に潜んでいる魔力を自分の体の中に呼吸するように取り入れ、それをイメージで膨らませ、発射ボタンを押す如く魔力を放出すると可能になるということが分かった。

それに司祭様には、まだ内緒にしているのだけど、まりあはどうやら時空を操れる魔法もできるようになったみたい。

ただニッポンへ還れるかどうかは、別問題だけど、だからまだ試していない。イメージさえきちんと持てば、どんな魔法でも発動できることになったのは喜ばしい。

まりあのレストランの名前は「乙女の祈り」本名の早乙女から名づけた。いつかニッポンへ還れる日まで、ここで頑張るという決意表明のつもりである。

まりあが召喚されてから1か月。たぶん、おそらく科捜研はクビになっているだろうと推測されるが、あのヤクザっぽい店主から何も聞けていない。

もし、ニッポンへ戻る魔方陣があるのなら……、考えたことはあるが、弱みを見せて、逆に強請られることもあるかもしれないと考えると怖くて聞けない。

だから一生懸命魔法を勉強して、習得した。

それに案外、イメージさえ、きちんとすれば合コンのあったあの日に戻れるかもしれない。

あの日のことは、1か月も時間が経ったのに、今でもはっきりと覚えている。それは、とある病院で呼吸器が脱落して患者さんが死亡してしまい、院長と担当看護士が殺人容疑で逮捕されたことから始まる。

科捜研では、そもそも呼吸器が自然と脱落するかが焦点となったのだ。誰かが意図的に脱落させたのであれば、殺人罪が成立する。もし、自然に脱落すれば、医療事故とみなされる。

それで朝から、病院で使われていた外国製の呼吸器を取り寄せ、何度も自然と脱落するのかを検証していたのだ。

結果は100回やっても、呼吸器は自然に脱落することがなく、検察に報告し合コン会場へ向かったところで、足元に光る魔方陣が現れ、召喚されてしまうに至ったのだ。

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