聖女召喚された科捜研の女~異世界科学捜査で玉の輿を狙う

青の雀

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まりあは、しばらく京都の機械で押収物の分析をする。純度の高いコカイン原末で市場価格はざっと時価3億円に上る。

世界の国では、たばこやアルコールの類と同じで規制されていない国もある。でも、ここは法治国家ニッポンであり、異世界へ逃亡したとしても、谷本はニッポン国籍を持った犯罪者だったので、見逃すわけにはいかない。

麻薬には性的興奮を高めるなどの効果があり、異世界では、ひょっとすれば禁止されていないのかもしれない。

それを調べるためにも、明日にでも王弟殿下に聞き込みに行く必要がある。捜査員ではないが、これぐらいなら異世界召喚者として許されるのではないかと判断している。

それをクーパーさんから止められるまりあは、不服そうに唇を尖らせるも、その唇を突然、奪われてしまう。

まりあは、学生時代にキスの経験はあるが、その経験にはるかに及ばない長く深いキスに戸惑いを隠せない。

キスだけでなく、服の上からカラダをまさぐられる感覚も初めての経験で、どう表現していいやら、理解が追い付かない。

いつも冷静なクーパーさんの瞳が獰猛な獣のようにギラついているので、その瞳からも、目が離せなくなってしまう。

ICPOからの要請とはいえ、いつもはヨーロッパにいるクーパーさんが遠く本国を離れて、ニッポンに来たかと思えば、すぐ異世界へ行き、またニッポンへ帰ってきて、それからすぐに異世界へ行くというストレスはいかばかりなものか。

少しは甘い雰囲気に浸りたいだけなのか?

「僕と付き合ってくれる?」

「へ?どこに?」

コンビニにでも行きたいのかしら?
まりあが放ったその一言で、興が覚めたのか、クーパーさんはまりあを解放した。深く大きなため息をして、部屋に戻っていく。その後ろ姿を見つめ、何だったんだろうと首をかしげる。

翌日、まりあは、いつものボロマンションから出勤し、科捜研へ向かう。部長は、ニッポン勤務となり、異世界へは本部長が同行されることになった。異世界で責任者が必要となるので、警視総監と警察庁長官も同行組に入り、張り込みをしていた警官2人が交代して、別の警察官が行くことになった。

本部長が行くので、もう総監と長官は、別にいいのかも?と思っていた。オジサンはオジサンの付き合いがあるみたいで、すっかり仲良くなられたご様子だから、一緒に行かれるのはいいかも?と思い直した。

結局、交代になったのは、張り込み番の警官2人と科捜研の部長だけとなり、いつものようにオジサントリオとクーパーさん、それにまりあの5人で行動することになる。

まりあは捜査員でもないのに、同行するのは言葉の問題だけ。だから、もっと気楽にやってもいいと思うのだが、半ば好奇心で、つい事件に首を突っ込んでしまう。

途中、八重洲口に寄ることになる。まりあは行ったところでないと転移できないので、実家は首都圏にあるが、長官のお宅も、総監のお宅も知らないので、奥様に着替えを届けてもらうにも、わかりやすい場所として、八重洲口しか思い当たらなかったのだ。

ハチ公前でもよかったかもしれないと後から思うけど、警備が大変だから八重洲口の方がいいみたい。

どちらの奥様か存じ上げませんが、まりあを訝しげな顔でご覧になる。

私は通訳よ!父親程年齢の離れたオジサンには興味がありません!と言いたいところだけど、何か話声が聞こえてきた。

「ダメだ。遊びに行くわけではないんだ。異世界は危険なところだから」

浮氣旅行だと間違えているんだな。きっと。旦那様が出世すると、奥様もいろいろあるみたいで、大変だなぁと他人事ながら考え込む。

奥様とも、話が付いたみたいで、お二方とも戻ってこられ、「お待たせしてスミマセン」と謝ってくださいました。

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