5 / 7
5.
しおりを挟む
その頃、ブランシェ国王城では、マリアベルーナが聖女様に覚醒したとの知らせを受け、喜びに揮えている。
「これで王家も安泰だ。しかし、なぜマリアベルーナは辺境の地にいたのか?それも修道院などに?」
レオンハルトは、父の上機嫌をよそに、まだマリアベルーナとの婚約破棄の許しをもらっていないどころか、話題にもしていないので、内心焦っている。
折を見て、話そうと思っていたが、その前にマリアベルーナが家出をしてしまい、修道院に行き、聖女様に覚醒したという知らせを受け取ってからというもの、気が気でない。
「実は……父上、マリアベルーナについて、話したいことがございます」
「おお!聖女様とは、うまくやっているか?」
いずれ、コトが露見した暁には、とんでもなく大目玉を食らうことがわかっているため、今、話しておいた方がいいと判断したのだが……この調子では、話し辛い。
「私は、マリアベルーナと婚約破棄し、その妹のリリアーヌ・アマリリスと結婚したいと思っております」
「は……?……、お、お前、自分が何を言っているのかわかっているのか!?マリアベルーナは某国の王女の血を引くのだぞ!聖女様を捨て、平民と結婚したいとはっ!この大馬鹿者めが!」
「ですが、リリアーヌも公爵令嬢ではありませんかっ!」
「あんなもの、どこの馬の骨かもわからん娼婦のような女から生まれてきた娘だ。実際、アマリリスのタネかも疑わしい。それで婚約破棄を申したのはいつのことだ?」
「3日前のことでございます。ですが、まさか家出されるとは、思ってもみませんでしたし、まして修道女になるつもりだったとは……」
「ふーん。そうか、ならば、レオンハルトのことは、もう親でも子でもない!廃嫡の上、廃籍といたす。平民になり第2王子の政に協力するため、身を粉にして働け。マリアベルーナは、第2王子の妃といたすゆえ、そのつもりでいろ」
「そ、そんな……俺は、リリアーヌに騙されていたというだけなのに」
「王族たるもの、常に身辺に気を配らなければならない。騙されるレオンハルトに落ち度があるのだ、衛兵!この元・王子を城からつまみ出せ!もう王子でも何でもない平民だ!」
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
アマリリス家にも、王家から騎士団が指し向かわれ、公爵、夫人、リリアーヌと次々捕縛されていく。
「罪状は、マリアベルーナ聖女様を苛め、ないがしろにした咎と、婚約者レオンハルトを誑かした罪で、家財、領地没収の上、死罪とする!引っ立てえ」
使用人も公爵一家と一緒になり、マリアベルーナを苛めていたとして、投獄されることになった。
侍女の中には、結婚まで秒読みの者もいたが、これがきっかけで破談に追い込まれる。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
ここまで徹底的にしても、もうマリアベルーナは二度とブランシェ国の地は踏まない。
当初の目論見では、聖女様が戻ってこられた時のために、身辺を綺麗に片付けるつもりで、レオンハルトやアマリリス公爵、愛人、異母妹のリリアーヌ、それに同調した屋敷の使用人を断罪したに過ぎなかった。
しかし、コトここに至っては、聖女様がそもそも戻る気がないということが分かったので、頭を抱えているという事態にまで及んでいる。
報告によれば、サンピエトロス修道院を脱走して、現在の所在は不明。
それなのに、世界各国は、ブランシェ国が聖女様を隠匿しているという噂まで流れ、困り果てている。それというのも、教会がいち早くブランシェ国の聖女様として、マリアベルーナの名前を広めてしまったせい。
実際には、マリアベルーナは隣国のサンフランシスコ国にいるのだが、そのことはまだ伏せられている。
「これで王家も安泰だ。しかし、なぜマリアベルーナは辺境の地にいたのか?それも修道院などに?」
レオンハルトは、父の上機嫌をよそに、まだマリアベルーナとの婚約破棄の許しをもらっていないどころか、話題にもしていないので、内心焦っている。
折を見て、話そうと思っていたが、その前にマリアベルーナが家出をしてしまい、修道院に行き、聖女様に覚醒したという知らせを受け取ってからというもの、気が気でない。
「実は……父上、マリアベルーナについて、話したいことがございます」
「おお!聖女様とは、うまくやっているか?」
いずれ、コトが露見した暁には、とんでもなく大目玉を食らうことがわかっているため、今、話しておいた方がいいと判断したのだが……この調子では、話し辛い。
「私は、マリアベルーナと婚約破棄し、その妹のリリアーヌ・アマリリスと結婚したいと思っております」
「は……?……、お、お前、自分が何を言っているのかわかっているのか!?マリアベルーナは某国の王女の血を引くのだぞ!聖女様を捨て、平民と結婚したいとはっ!この大馬鹿者めが!」
「ですが、リリアーヌも公爵令嬢ではありませんかっ!」
「あんなもの、どこの馬の骨かもわからん娼婦のような女から生まれてきた娘だ。実際、アマリリスのタネかも疑わしい。それで婚約破棄を申したのはいつのことだ?」
「3日前のことでございます。ですが、まさか家出されるとは、思ってもみませんでしたし、まして修道女になるつもりだったとは……」
「ふーん。そうか、ならば、レオンハルトのことは、もう親でも子でもない!廃嫡の上、廃籍といたす。平民になり第2王子の政に協力するため、身を粉にして働け。マリアベルーナは、第2王子の妃といたすゆえ、そのつもりでいろ」
「そ、そんな……俺は、リリアーヌに騙されていたというだけなのに」
「王族たるもの、常に身辺に気を配らなければならない。騙されるレオンハルトに落ち度があるのだ、衛兵!この元・王子を城からつまみ出せ!もう王子でも何でもない平民だ!」
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
アマリリス家にも、王家から騎士団が指し向かわれ、公爵、夫人、リリアーヌと次々捕縛されていく。
「罪状は、マリアベルーナ聖女様を苛め、ないがしろにした咎と、婚約者レオンハルトを誑かした罪で、家財、領地没収の上、死罪とする!引っ立てえ」
使用人も公爵一家と一緒になり、マリアベルーナを苛めていたとして、投獄されることになった。
侍女の中には、結婚まで秒読みの者もいたが、これがきっかけで破談に追い込まれる。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
ここまで徹底的にしても、もうマリアベルーナは二度とブランシェ国の地は踏まない。
当初の目論見では、聖女様が戻ってこられた時のために、身辺を綺麗に片付けるつもりで、レオンハルトやアマリリス公爵、愛人、異母妹のリリアーヌ、それに同調した屋敷の使用人を断罪したに過ぎなかった。
しかし、コトここに至っては、聖女様がそもそも戻る気がないということが分かったので、頭を抱えているという事態にまで及んでいる。
報告によれば、サンピエトロス修道院を脱走して、現在の所在は不明。
それなのに、世界各国は、ブランシェ国が聖女様を隠匿しているという噂まで流れ、困り果てている。それというのも、教会がいち早くブランシェ国の聖女様として、マリアベルーナの名前を広めてしまったせい。
実際には、マリアベルーナは隣国のサンフランシスコ国にいるのだが、そのことはまだ伏せられている。
279
あなたにおすすめの小説
9時から5時まで悪役令嬢
西野和歌
恋愛
「お前は動くとロクな事をしない、だからお前は悪役令嬢なのだ」
婚約者である第二王子リカルド殿下にそう言われた私は決意した。
ならば私は願い通りに動くのをやめよう。
学園に登校した朝九時から下校の夕方五時まで
昼休憩の一時間を除いて私は椅子から動く事を一切禁止した。
さあ望むとおりにして差し上げました。あとは王子の自由です。
どうぞ自らがヒロインだと名乗る彼女たちと仲良くして下さい。
卒業パーティーもご自身でおっしゃった通りに、彼女たちから選ぶといいですよ?
なのにどうして私を部屋から出そうとするんですか?
嫌です、私は初めて自分のためだけの自由の時間を手に入れたんです。
今まで通り、全てあなたの願い通りなのに何が不満なのか私は知りません。
冷めた伯爵令嬢と逆襲された王子の話。
☆別サイトにも掲載しています。
※感想より続編リクエストがありましたので、突貫工事並みですが、留学編を追加しました。
これにて完結です。沢山の皆さまに感謝致します。
心を病んでいるという嘘をつかれ追放された私、調香の才能で見返したら調香が社交界追放されました
er
恋愛
心を病んだと濡れ衣を着せられ、夫アンドレに離縁されたセリーヌ。愛人と結婚したかった夫の陰謀だったが、誰も信じてくれない。失意の中、亡き母から受け継いだ調香の才能に目覚めた彼女は、東の別邸で香水作りに没頭する。やがて「春風の工房」として王都で評判になり、冷酷な北方公爵マグナスの目に留まる。マグナスの支援で宮廷調香師に推薦された矢先、元夫が妨害工作を仕掛けてきたのだが?
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
絞首刑まっしぐらの『醜い悪役令嬢』が『美しい聖女』と呼ばれるようになるまでの24時間
夕景あき
ファンタジー
ガリガリに痩せて肌も髪もボロボロの『醜い悪役令嬢』と呼ばれたオリビアは、ある日婚約者であるトムス王子と義妹のアイラの会話を聞いてしまう。義妹はオリビアが放火犯だとトムス王子に訴え、トムス王子はそれを信じオリビアを明日の卒業パーティーで断罪して婚約破棄するという。
卒業パーティーまで、残り時間は24時間!!
果たしてオリビアは放火犯の冤罪で断罪され絞首刑となる運命から、逃れることが出来るのか!?
わたくしが悪役令嬢だった理由
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、マリアンナ=ラ・トゥール公爵令嬢。悪役令嬢に転生しました。
どうやら前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生したようだけど、知識を使っても死亡フラグは折れたり、折れなかったり……。
だから令嬢として真面目に真摯に生きていきますわ。
シリアスです。コメディーではありません。
悪役令嬢の私、計画通り追放されました ~無能な婚約者と傾国の未来を捨てて、隣国で大商人になります~
希羽
恋愛
「ええ、喜んで国を去りましょう。――全て、私の計算通りですわ」
才色兼備と謳われた公爵令嬢セラフィーナは、卒業パーティーの場で、婚約者である王子から婚約破棄を突きつけられる。聖女を虐げた「悪役令嬢」として、満座の中で断罪される彼女。
しかし、その顔に悲壮感はない。むしろ、彼女は内心でほくそ笑んでいた――『計画通り』と。
無能な婚約者と、沈みゆく国の未来をとうに見限っていた彼女にとって、自ら悪役の汚名を着て国を追われることこそが、完璧なシナリオだったのだ。
莫大な手切れ金を手に、自由都市で商人『セーラ』として第二の人生を歩み始めた彼女。その類まれなる才覚は、やがて大陸の経済を揺るがすほどの渦を巻き起こしていく。
一方、有能な彼女を失った祖国は坂道を転がるように没落。愚かな元婚約者たちが、彼女の真価に気づき後悔した時、物語は最高のカタルシスを迎える――。
醜い私を救ってくれたのはモフモフでした ~聖女の結界が消えたと、婚約破棄した公爵が後悔してももう遅い。私は他国で王子から溺愛されます~
上下左右
恋愛
聖女クレアは泣きボクロのせいで、婚約者の公爵から醜女扱いされていた。だが彼女には唯一の心の支えがいた。愛犬のハクである。
だがある日、ハクが公爵に殺されてしまう。そんな彼女に追い打ちをかけるように、「醜い貴様との婚約を破棄する」と宣言され、新しい婚約者としてサーシャを紹介される。
サーシャはクレアと同じく異世界からの転生者で、この世界が乙女ゲームだと知っていた。ゲームの知識を利用して、悪役令嬢となるはずだったクレアから聖女の立場を奪いに来たのである。
絶望するクレアだったが、彼女の前にハクの生まれ変わりを名乗る他国の王子が現れる。そこからハクに溺愛される日々を過ごすのだった。
一方、クレアを失った王国は結界の力を失い、魔物の被害にあう。その責任を追求され、公爵はクレアを失ったことを後悔するのだった。
本物語は、不幸な聖女が、前世の知識で逆転劇を果たし、モフモフ王子から溺愛されながらハッピーエンドを迎えるまでの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる