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翌朝、マリアベルーナが目覚めた時は、宿の前にすでに人だかりができていた。
身支度を済ませ朝食を摂りに階下へ行く。
「聖女様、昨夜はよく眠れましたか?」
「はい。おかげさまで、朝までぐっすりと休むことができました」
「それは、よかったです。今朝は、急いでおりましたゆえに、宿の者に申し伝え、ささやかな聖女様歓迎の宴を催しましたので、どうぞ、こちらへ。ああ!それと、間もなく王家より使者が参りますので、ご留意の程を」
さっきからやけに「聖女様」を連発され、マリアベルーナは困惑するも、実際、サンピエトロス修道院にて、聖女様に覚醒してしまったのだから仕方がない。
やっぱり昨夜の光魔法がヤバかったか?あれで、いっぺんにバレたのかもしれない。でも、昨夜の村長様って、もっとお爺さんだったような印象がある。
「申し遅れました。私はこの村を所管する領主のセルジュ・ヘミングウエイと申すもので、辺境伯でもあります」
「ここは、ブランシェのお隣のサンフランシスコ国でございますよね?」
「左様でございます。ようこそサンフランシスコへ」
「ブランシェの公爵令嬢マリアベルーナでございます。ブランシェの辺境にあるサンピエトロス修道院にて、聖女様として覚醒しました」
「3日ほど前のことでしたね?あの光は、こちらにも届いておりまして。それが、もうこんなに早く聖女様にお目にかかれるとは、これも神のお導きなのでしょう」
マリアベルーナは、そうかもしれないと思った。昨夜、サンピエトロス修道院を抜け出し、国境線まで来た時、サンフランシスコで灯かりがチラチラ見えたことなんて、奇跡としか言いようがない。結果、その灯かりに導かれるかのように、国境線を超えてしまったのだから、これはもはや運命という言葉でしか片付けられないとも、思ったのだ。
そんなことを考えながら朝食を摂っていたので、あっという間に食べ終わっていた。
ヘミングウエイが必死に話を続けようとするが、もう話題は尽きてしまっている。きっと、王家からの使者が来られるまで、この村に足止めを命じられているのだろう。
おそらく王都へ出向かなければならないのかしら?知らない土地へ来て、ただただ不安はぬぐい切れない。
でも、もうブランシェ国に未練はない。ブランシェ国に帰国するぐらいなら、……いや、王妃様だけは、マリアベルーナのことを心配してくださっている。母と友人関係にあった王妃陛下だけは、例外中の例外というところ。
いつか落ち着く場所ができたら、その時にお手紙を書こうと思っている。その時が来るまで、ごめんなさい。
ヘミングウエイ様は、すっかり眉尻を下げられ困っていらっしゃる。仕方なく、話のタネを振ってあげることにした。
「そういえば、サンフランシスコの名物とは、なんでしょうか?甘味系でぜひ、お願いします」
「アハハ。聖女様も若いご令嬢に変わりがないのですね。今一番人気のスイーツと言えば、フルーツをふんだんに使ったプリン・ア・ラ・モードやパフェが人気です。私どもの屋敷の料理人も、これらスイーツが得意でございますから、よろしければ、ご案内させていただけますでしょうか?」
「まあ!本当に?嬉しいですわ」
「あっああ、それがその馬車の用意が……」
「大丈夫ですわ。愛馬に乗っていきますわ」
「おお!それなら、すぐにでも出立致そう」
二人はスイーツの話に盛り上がり、王家の使者のことをすっかり失念している。
宿賃を精算するときも、宿屋の主人がオロオロしていることなど、お構いなしに急いで、出発する。
途中、立派な馬車とすれ違いざまに、さすがにヘミングウエイ様は気づかれた様子で、慌てて下馬したところが、もう馬車は村に向かって一目散に行ってしまわれた後のこと。
しばらく呆然と村の方を見ていらしたが、気を取り直して、領主の館に向かわれたのだ。
その光景から、朝食前に王家の使者が来ると言っていたことを思い出したが、もう後の祭り。
マリアベルーナは、「何かあればわたくしのせいになさればいいわ」と言い、笑顔で領主の館に向かう。
身支度を済ませ朝食を摂りに階下へ行く。
「聖女様、昨夜はよく眠れましたか?」
「はい。おかげさまで、朝までぐっすりと休むことができました」
「それは、よかったです。今朝は、急いでおりましたゆえに、宿の者に申し伝え、ささやかな聖女様歓迎の宴を催しましたので、どうぞ、こちらへ。ああ!それと、間もなく王家より使者が参りますので、ご留意の程を」
さっきからやけに「聖女様」を連発され、マリアベルーナは困惑するも、実際、サンピエトロス修道院にて、聖女様に覚醒してしまったのだから仕方がない。
やっぱり昨夜の光魔法がヤバかったか?あれで、いっぺんにバレたのかもしれない。でも、昨夜の村長様って、もっとお爺さんだったような印象がある。
「申し遅れました。私はこの村を所管する領主のセルジュ・ヘミングウエイと申すもので、辺境伯でもあります」
「ここは、ブランシェのお隣のサンフランシスコ国でございますよね?」
「左様でございます。ようこそサンフランシスコへ」
「ブランシェの公爵令嬢マリアベルーナでございます。ブランシェの辺境にあるサンピエトロス修道院にて、聖女様として覚醒しました」
「3日ほど前のことでしたね?あの光は、こちらにも届いておりまして。それが、もうこんなに早く聖女様にお目にかかれるとは、これも神のお導きなのでしょう」
マリアベルーナは、そうかもしれないと思った。昨夜、サンピエトロス修道院を抜け出し、国境線まで来た時、サンフランシスコで灯かりがチラチラ見えたことなんて、奇跡としか言いようがない。結果、その灯かりに導かれるかのように、国境線を超えてしまったのだから、これはもはや運命という言葉でしか片付けられないとも、思ったのだ。
そんなことを考えながら朝食を摂っていたので、あっという間に食べ終わっていた。
ヘミングウエイが必死に話を続けようとするが、もう話題は尽きてしまっている。きっと、王家からの使者が来られるまで、この村に足止めを命じられているのだろう。
おそらく王都へ出向かなければならないのかしら?知らない土地へ来て、ただただ不安はぬぐい切れない。
でも、もうブランシェ国に未練はない。ブランシェ国に帰国するぐらいなら、……いや、王妃様だけは、マリアベルーナのことを心配してくださっている。母と友人関係にあった王妃陛下だけは、例外中の例外というところ。
いつか落ち着く場所ができたら、その時にお手紙を書こうと思っている。その時が来るまで、ごめんなさい。
ヘミングウエイ様は、すっかり眉尻を下げられ困っていらっしゃる。仕方なく、話のタネを振ってあげることにした。
「そういえば、サンフランシスコの名物とは、なんでしょうか?甘味系でぜひ、お願いします」
「アハハ。聖女様も若いご令嬢に変わりがないのですね。今一番人気のスイーツと言えば、フルーツをふんだんに使ったプリン・ア・ラ・モードやパフェが人気です。私どもの屋敷の料理人も、これらスイーツが得意でございますから、よろしければ、ご案内させていただけますでしょうか?」
「まあ!本当に?嬉しいですわ」
「あっああ、それがその馬車の用意が……」
「大丈夫ですわ。愛馬に乗っていきますわ」
「おお!それなら、すぐにでも出立致そう」
二人はスイーツの話に盛り上がり、王家の使者のことをすっかり失念している。
宿賃を精算するときも、宿屋の主人がオロオロしていることなど、お構いなしに急いで、出発する。
途中、立派な馬車とすれ違いざまに、さすがにヘミングウエイ様は気づかれた様子で、慌てて下馬したところが、もう馬車は村に向かって一目散に行ってしまわれた後のこと。
しばらく呆然と村の方を見ていらしたが、気を取り直して、領主の館に向かわれたのだ。
その光景から、朝食前に王家の使者が来ると言っていたことを思い出したが、もう後の祭り。
マリアベルーナは、「何かあればわたくしのせいになさればいいわ」と言い、笑顔で領主の館に向かう。
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