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江戸時代編
17.ハイエースワゴン
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門弟3人を江戸へ派遣するため、凛太朗は、電動自転車とバッテリーを買うことにした。
歩いていくよりは、早いし、楽だし、電動アシストなら峠の道も楽々だろう。
ヘルメットも好きな色を選ばせた。
サイクリングスーツも好きな色、形を買ってやったら、他の門弟も欲しがったので、それぞれに買ってやった。
かばんはリュックサック形式がいいだろう。
丈夫な革製のドイツのリュックを選んだ。もちろん雨用のビニールカバーも合わせて買った。
京都所司代の役人の一人が、江戸まで同行してくれることになった。
それは、安心だから、と歓迎していたのだが、門弟たちの装備を見て、自分も同じものが欲しいと言い出した。同行者一人だったのが、噂を聞きつけて二人になった。
いやいや、自転車乗れないでしょ?
練習する、という。
江戸時代の人間は、なぜこうも好奇心が旺盛なんだろう。
珍しいもの、新しいものが大好きで、すぐに取り入れてしまおうとする。
そういえば、現代の京都人に通じているところがある、と凛太朗は感じた。
京都人も新しいもの、珍しいものが大好きだ。景観が…、とか、言っている奴は、あとから京都に入ってきた似非京都人だ。
京都駅ができた時も、アベノハルカスができた時も、京都人は自ら行列をものともせず見に行く。江戸時代から、今も昔も本質的には、何ら変わらないというところか。
結局5人で行くことになったのだが、電動アシストマウンテンバイクではなく、四駆のほうがいいのでは?と妻が言い出した。
「いやいや裏口が壊れるって、四駆を裏口から出せないよ。」
「裏口なんて広げればいいじゃない!」妻がキレた。
「はい。そうします。とか、それならワンボックスカーのほうがよくないか?」
「それより、免許はどうするんだ?」
「江戸時代に免許なんてないから、あなた(凛太朗)が運転すればいいじゃない?」
「ええ!俺も行くのか?」
「そうよ。子供たちだけで行かせる気!」
「クリニックはどうする?」
「どうせ、開店休業でしょ。」
「簡単に言ってくれるな。」
夫婦げんかに発展してしまった俺たちを見て、門弟たちも役人たちも唖然としている。
例によって例のごとく、いつものように完全に言い負かされてしまった凛太朗は、門弟6人と役人2人、それと俺たち夫婦、合わせて10人で行くことになった。
運転は、妻にもできるから途中で疲れたら交替してもらえる…はず。
まず、裏口を格納庫のような入り口に変えた。
京都の家は、表から裏口まで、三和土(通り庭)になっているから、裏口さえ広げれば、問題なくワゴン車ぐらい入れる。
ガソリンと大量の医療器械、薬剤をもって、江戸へ出発した。
歩いていくよりは、早いし、楽だし、電動アシストなら峠の道も楽々だろう。
ヘルメットも好きな色を選ばせた。
サイクリングスーツも好きな色、形を買ってやったら、他の門弟も欲しがったので、それぞれに買ってやった。
かばんはリュックサック形式がいいだろう。
丈夫な革製のドイツのリュックを選んだ。もちろん雨用のビニールカバーも合わせて買った。
京都所司代の役人の一人が、江戸まで同行してくれることになった。
それは、安心だから、と歓迎していたのだが、門弟たちの装備を見て、自分も同じものが欲しいと言い出した。同行者一人だったのが、噂を聞きつけて二人になった。
いやいや、自転車乗れないでしょ?
練習する、という。
江戸時代の人間は、なぜこうも好奇心が旺盛なんだろう。
珍しいもの、新しいものが大好きで、すぐに取り入れてしまおうとする。
そういえば、現代の京都人に通じているところがある、と凛太朗は感じた。
京都人も新しいもの、珍しいものが大好きだ。景観が…、とか、言っている奴は、あとから京都に入ってきた似非京都人だ。
京都駅ができた時も、アベノハルカスができた時も、京都人は自ら行列をものともせず見に行く。江戸時代から、今も昔も本質的には、何ら変わらないというところか。
結局5人で行くことになったのだが、電動アシストマウンテンバイクではなく、四駆のほうがいいのでは?と妻が言い出した。
「いやいや裏口が壊れるって、四駆を裏口から出せないよ。」
「裏口なんて広げればいいじゃない!」妻がキレた。
「はい。そうします。とか、それならワンボックスカーのほうがよくないか?」
「それより、免許はどうするんだ?」
「江戸時代に免許なんてないから、あなた(凛太朗)が運転すればいいじゃない?」
「ええ!俺も行くのか?」
「そうよ。子供たちだけで行かせる気!」
「クリニックはどうする?」
「どうせ、開店休業でしょ。」
「簡単に言ってくれるな。」
夫婦げんかに発展してしまった俺たちを見て、門弟たちも役人たちも唖然としている。
例によって例のごとく、いつものように完全に言い負かされてしまった凛太朗は、門弟6人と役人2人、それと俺たち夫婦、合わせて10人で行くことになった。
運転は、妻にもできるから途中で疲れたら交替してもらえる…はず。
まず、裏口を格納庫のような入り口に変えた。
京都の家は、表から裏口まで、三和土(通り庭)になっているから、裏口さえ広げれば、問題なくワゴン車ぐらい入れる。
ガソリンと大量の医療器械、薬剤をもって、江戸へ出発した。
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