前世調理師の婚約破棄された公爵令嬢料理人録 B級グルメで王太子殿下の胃袋を掴めるように頑張ります!

青の雀

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8 炊飯器で作るケーキ コーヒーゼリー すき焼き

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 あれから順調に料理屋は営業している。
 今日は、ホットケーキミックスを使ってのお菓子作りをしています。

 姉のお茶会のお菓子を作るのは、苦痛だけど、趣味で作るお菓子作りは心が和んで楽しいです。

 普通に焼くホットケーキ、炊飯器を使ってのいろいろなケーキにチャレンジしています。あまり甘くないので、騎士のおやつや賄い代わりになって、便利ですよ。ホイップクリームや果物をトッピングしてアレンジも楽しいです。

 では、お待たせしました。炊飯器で作る簡単ケーキのレシピです。

 まず炊飯器の底?まわりにバターかサラダ油を塗り、バナナを輪切りしたものを並べます。

 ホットケーキミックス200gをボウルにあけ、水でも牛乳でもジュースでもなんでもいいのよ100㏄と一緒に入れたいフルーツ(リンゴ、ブルーベリー)でもチョコレートでもクルミでもサツマイモでも適量加えてください。卵、ヨーグルト(プレーン)100gを泡だて器で良くかき混ぜる。

 炊飯器の中に流し込み、2,3回トントンと底を叩く。炊飯ボタンを押せば、後は炊き上がるまで待つだけです。

 ふちを竹串で一蹴させると簡単にはがせ落ちます。この時生焼き部分があれば、もう一度炊く。お皿をかぶせて、ひっくり返せば出来上がり。窯が熱いから気を付けて少し冷ましてからのほうが安全です。

 中のフルーツを色々変えるといくらでもアレンジできますよ。

 前世でも子供と一緒によく作りましたわ。

 ルンルンして、待っていたら珍しい顔があった。それは、ディヴィッド様でしたわ。アントン様がご一緒でなかったので、ちょっぴりガッカリしてしまいましたけどね。

 「やあ!久しぶりに、こちらへ来たものだから、寄らせてもらったよ。元気にしていたかい?」

 「ええ。おかげさまで。」

 コーヒーと炊飯器で焼きあがったばかりのケーキをカットして出す。

 「これこれ、ここでしかこのコーヒーが飲めないから、楽しみにしていたんだよ。」

 「アントン様は、ご一緒ではないのですか?」

 ミルフィーユは、聞こうか聞くまいか迷ったが、聞いてみることに。

 聞いた途端、一瞬、ディヴィッド様はムスっとされたので、やっぱりマズかったかと肩をすくめる。

 「なんだ。ミルフィーユ嬢は、アントニオのことが気になるのか?」

 「いえいえ、そういうわけではないのですが、またお手伝いいただけたらと思っただけですわ。」

 「うむ。あいつの料理はうまいからな。手先が器用なのだろう。」

 「本日の料理」は、すき焼き定食とサーロインステーキです。だから、ほとんど仕込み要らずで、ゆっくりホットケーキミックスを楽しんでいる。

 ディヴィッド様がいらっしゃったので、コーヒーでゼリーを作ることにする。

 ゼラチンを水でふやかします。ゼラチンって、コラーゲンのことですよ。お肌ぷるぷるになるあれです。なければ寒天でもいいですけど、ちなみに寒天は海藻です。でも、ミルフィーユは、お肌の衰えがまだ気にならない18歳だから、いいようなものの前世記憶では、お肌の曲がり角を曲がりくねってしまったので、コラーゲン、いやゼラチンを使います。

 サイフォンで沸かした(なければインスタントでOK)コーヒーを砂糖とゼラチンを入れ、粗熱を取ります。冷蔵庫で冷やしたら完成です。お好みで生クリームを加えます。

 美味しくできたので、ディヴィッド様にお出ししたら、お土産用として、作った分だけ全部、お持ち帰りになられましたわ。きっと、国元でコーヒーが飲めないから、代用品としてされるのだろうと思いましたわ。

 そしたら、その日の夕方、いわゆる自分時になったら、お姉ちゃんが来る!邪魔なのよ!とつい、喧嘩腰になってしまう。

 今日はなぜか、おやつにディヴィッド様に渡したはずのコーヒーゼリー持参できたのである。

 まさか!ディヴィッド様から分捕った?まさか?姉なら、やりそう。どうしよう、もしも明日来られることがあったら、謝らなければならない。

 「ちょっとぉ、ミルフィーユちゃん、こんな美味しいものができるのなら、お茶会に出したいから紅茶のゼリーを作ってみてよ。」

 「ええ!めんどくさい!おやつで少し作るのならいいけど、また1000個も邪魔くさすぎるわ。」

 「だれが、1000個もいるって言った?一人一個で30個もあれば、事足るわよ。」

 「ああ、そうか。でも紅茶のゼリーは難しいのよ。透明色がなかなか出ないのよ。茶葉の種類にもよるんだけど。」

 「試行錯誤して、作りなさいよ。アンタには、それだけしか取り柄がないでしょう。」

 「お姉さまったら、ひどいことおっしゃるのね。それより、そのコーヒーゼリーは、ある人に差し上げたものだけど、どうしてお姉さまが持っているの?」

 「ディヴィッド様から、いただいたのよ。」

 「え?分捕ったんじゃないでしょうね。」

 「人聞き悪いこと言わないでよ。それよりミルフィーユちゃんはどうなの?」

 「どうって何が?」

 「ううーん。鈍感。ディヴィッド様よ。どう思ってるかを聞きに来たのよ。」

 「なんとも思っていないけど。」

 「え?相手は、隣国の王太子殿下よ。」

 「ええええええ~!嘘っ!」

 「ディヴィッド様は、すっかりミルフィーユちゃんにほの字なのに、可愛そうね。まあ、ディヴィッド様が夢中になっているのは、ミルフィーユちゃんが作る料理なんだろうけどね。これは、いうなればチャンスよ!ウィリアム様のことなど、どうでもよかったのでしょう?ディヴィッド様の胃袋をガシっとわしづかみして、惚れさせるのよ。そうすれば我がマドレーヌ家も安泰というものよ。」

 「確かにね、ウィリアム様のことは、どうでもよかったけど。どうせなら、アントン様のほうがいいわ。」

 「あんとん?誰よそれ?」

 「アントニオ様と言われる方よ。よくディヴィッド様と一緒にいられる。」

 「ミルフィーユちゃん、可愛い顔して、凄いわね!アントニオ様と言えば、大国ジャマルダ国の若き国王陛下よ。つい先ごろ、御父上が崩御されて、即位されたばかりの方よ。」

 そうか。お父様が亡くなられたから、お別れも言わずに帰って行かれたのか、身分違いで叶わぬ恋だったということか。

 結局、姉は、またすき焼きを食べて帰ることに。自分時に来るのは、そういう狙いもあってのことね。宮廷料理は、豪華で美味しいけど、毎日では、飽きてくる。箸休めの意味合いもありで、ウチに来るのね。護衛の騎士は、全員食べるからいいけど。

 失恋記念でやけくそで、紅茶ゼリーを作ってみた。やっぱり、ダージリンでは、タンニンが多すぎてゼラチンたんぱく質と化学反応を起こして、濁る。寒天で固めようか?

 基本的には、コーヒーゼリーと同じ要領なんだけど

タンニンの少ない茶葉を選び、時間を加減して、タンニンが出ないうちに茶葉を取り出して、グラニュー糖を突っ込む。グラニュー糖のほうが白く濁るのを抑えるからである。そして、急速に冷やして、透明度を保つ。

 姉に一個渡して食べてもらったら、合格点をもらいました。
 「さすが!」と褒めちぎられたことには、妙に疑念があったけど、まあいいや。
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