前世調理師の婚約破棄された公爵令嬢料理人録 B級グルメで王太子殿下の胃袋を掴めるように頑張ります!

青の雀

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16 キャベツ鍋

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 ある時、ミルフィーユは知ってしまったのである。
 それは、アントン様がどうやら、浮気をしているということに。相手の女は小国の王女らしい。人身御供ではなく、押しかけ女房的なものだったらしい。据え膳食わぬは、男の恥だと思ったかどうかは、わからないが、その女を離宮に住まわせているらしい。

 ミルフィーユは、まだ20歳代の若さであるが、厳密にいえば29歳。10人も子供を産んで少々緩んでいる。どこが?とは秘密です。お肌の張りもない。だからといって、糟糠の妻を蔑ろにしていいってことはない。

 王城で執務が終わったお昼時を見計らって、押しかけてやった。

 「アントン様、お昼ご飯をお持ちいたしましたわ。ご一緒にいかがでございますか?」

 それは、ウナギにマムシ、すっぽん、筍、山芋、オクラという男性が元気になるものばかりである。

 「え……と、これは!?」

 「アントン様に少し伺いたき儀がございまして、もし仰ってくださらなければ、カラダに聞いた方が早いかと思いまして。」

 いまだかつて、ミルフィーユから迫ったことなど一度もない。アントンはついに!俺の女になってくれたのか?と嬉しそうに完食して、ここではアレだからと私室に案内して、そそくさと脱ぎだす。いや、ミルフィーユが自分で脱ぐまで待った方がいいか?正直なところ、もう我慢ができない!

 全裸になったが、よく見るとミルフィーユは怖い顔して仁王立ちしているではないか?

 「私に内緒にして、小国の王女を離宮に住まわせておいでとは、いったいどういうことでございますか?」

 「へ?」

 「しらばっくれるおつもりでございますか?」

 いつの間にか、ミルフィーユの手には、鞭が握られている。SMの趣味はないが、前世から一度こういうものをやってみたかったのである。当然、Sのほうで。自分が痛くなるのは嫌だから、Mなんて考えられない!

 ところがアントン様は、意外にもMだったらしく、らんらんと眼を輝かせている。

 「女王様♡お許しくだされ♡もっと♡あはん♡」

 気持ち悪いけど、面白い。鞭で床をピシャリと叩く。

 「では、女を囲っていたことは、認めるのだな?」

 「とんでもございません。アレは、弟の女です。」

 「ウソを言うな!」

 また、ミルフィーユは、鞭で床を叩いた。

 「ウソなど言ってはおりません!ぁは♡いい♡もっとやって♡」

 「では、弟后のところへ案内いたせ。自ら詮議してつかわす。」

 「その前に、ご褒美を♡」

 こういう場合のご褒美って、なに?そこまで詳しくは知らない。

 「では、一人でやれ!見ててやる。」

 「ありがたき幸せに存じます。」

 恍惚な表情を浮かべ、ひとりでやりはじめたアントン、わたくしとの時もこんな顔していたかしら?

 それにしても虐められて悦ぶなんて、意外な性癖があったとは知らなかった。

 でも、もうこれで子供を産む必要がなくなったかもね。今度、跨ってこられたら、この手を使えば、ひとりで処理してくれるかもしれないから。

 でも、それからというものの、毎夜、女王様を求められて、違う意味で辟易するのであった。

 こんなこと、誰にも言えないし、相談できない。



 浮気騒ぎがおさまった時、季節は春。
 春キャベツを使ったお料理をしようかと思います。
 キャベツのお料理と言えば、とんかつの付け合わせか、ロールキャベツ、せいぜいサラダぐらいしか思いつかない。

 今日は、キャベツ鍋にします。
 暖かくなったとはいえ、まだまだ夜はけっこう寒い。

 キャベツは、良く洗って一枚ずつ外しくし形に切る。よくキャベツ丸ごと切る人がいますが、中に青虫がいることもあり、ミルフィーユは一枚ずつめくって洗い、使います。

 玉ねぎは、一口大に櫛型に切る。

 豚肉は一口大に適当に切る。

 アスパラガスは根元の固い部分を切り、斜め切りにします。

 あさりはあらかじめ砂出しをしておいて(ボウルに包丁か鉄卵を入れ、一晩放置する。)殻同志をこすり合わせて洗う。

 鍋に昆布を一枚置く。昆布は羅臼でも利尻でも何でもよいが、めんどくさかったら、世界の調味料(出汁パックを2袋)投入。

 キャベツ、豚肉、玉ねぎの順に入れ、最後にアスパラガス、アサリを投入。この時、最後に白豆腐1丁を賽の目に切って、入れてもいい。ウチはお豆腐をいつも買い置きしているから、なんにでも入れるのよ。

 お好みで薄口しょうゆを入れ、ポン酢で食べてください。
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