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10 モントオール
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クリスティーヌが6歳になった時、父アントワネット公爵が、急に隣国へ長期出張というべきか?単身赴任することになったのです。
前々世も前々々々世も、前は宰相の役職であったにもかかわらず、今世は外務大臣?大使?外交官?のような役目みたいです。
それでお父様、ひとりが隣国へ出向くことになったので、クリスティーヌも付いていくことになったのです。だって、簡単なお料理ぐらいならできるから、それに内緒の魔法が相当使えるから、何かあると便利でしょ?
クリスティーヌが、お父様に直訴してかなったものだから、それは、それは嬉しいし、喜んでいるが、屋敷の者がそれならば、「お嬢様のお世話をしに。」と同行志願者が一挙に増えてしまったのである。
お母様も行きたそうにしていらっしゃったけど、奥方として、王都を守らなければならない。それにクリスティーヌが一緒についていくならば、浮気の心配がまずない。海外赴任の一番の心配は、浮気だから。それがないとわかっていれば、安心して送り出せるし、留守を預かれるというもの。
結局、お父さまの海外赴任に、クリスティーヌ付きの侍女と護衛騎士、それにお父様の秘書兼書生さん、御者の全部で、6人で行くことになる
少し大きめの馬車なら、荷物と全員が載れる。クリスティーヌは、アイテムボックス持ちであることを父にだけ言うと、ほとんどの荷物がクリスティーヌ持ちになってしまった。その分、馬車が広く使えてよい。
「クリスいつの間に?アイテムボックスを?」
「公爵邸の蔵書の中に持ち方が載ってありましたのよ。」
「それで毎日、図書室に籠っていたのか?ほかにまだ何かできることがあるかい?」
「ええ。いろいろとございますが、それはおいおいと。」
父は半ば、呆れたような顔をしている。末恐ろしいとでも思っているのだろうか?
クリスティーヌは、公爵邸の食糧庫の中から、使えそうな食材を選び、異空間収納に放り込んでいき、ついで調理器具、タオル、消耗品、雑巾、モップなどの掃除用品、食器、着替えなどを無造作につっ込んでいく。足りなければ、転移魔法で取りに帰ればいいのだけど、そこまでできるとは、まだ言っていない。
公爵邸の庭の隅にある納屋も持っていくことにする。使っていなくても、中はしけ臭い。浄化魔法をかけて、掃除する。もし、どこも寝泊まりするところがなければ、この納屋の中で泊まるつもりでいる。雨露がしのげるだけで、十分だから。
出発の日の朝、クリスティーヌは、夜中から厨房に入りサンドイッチを大量に作る。それを異空間内に収納してから、出発する。飲み物も大量に持ち、出かけることにする。もしたりなくなっても、水魔法ですぐ出せるけど。
今迄大人になるまで生きてきた経験があるので、何かあると困るものは水、食料、泊まるところ、その他のものはなくても何とでもなるけど、これらのものはなければ命にかかわる場合もある。
出発してそろそろ夕刻に近づいたころ、御者がこれ以上、進めないと言ってきたのである。
「なぜですか?」
「がけ崩れが起こっていて、大きな岩の崩落があり、道をふさいでいる。遠回りして、隣国へ入るため、今日はこのあたりで野宿を余儀なくされるので、そのご辛抱をしていただかないと。」
ほらね。やっぱり、こういう時のために、納戸を持ってきて良かった。
「クリス、どこかで宿を探して来てもらうから、少し待っててくれ。」
「お父様、大丈夫でございますわ。家からこれを持参して来ましたのよ。」
クリスティーヌは、その場で納屋を出すと、皆驚いて、
「お嬢様!こんなものまでアイテムボックスに入るのでございますか?」
「ええ。とにかく雨露をしのげれば、と思い持ってきましたのよ。それに食べ物も作ってまいりましたから、みなさん、お座りになって。」
テーブルに椅子、お皿にサンドイッチを載せていく。一応、納屋の周りには結界を張って、侵入者が入れないようにしておく。
納屋と言っても二階建ての小屋ぐらいはある大きさ。日本の建売並みの広さはあるから、全員泊まれる。お風呂は外に土魔法で作り、火魔法と水魔法を駆使してお湯を沸かし、クリスティーヌと侍女が先に入り、その後、お父様……と順番に入っていく。
侍女は、旦那様より先にいただけないと渋っていたが、女風呂の後に男風呂にするからというと、渋々ながら入ってくれた。
「とても街道沿いでの野宿とは、思えませんな。」
「ったく、これぞ極楽。と言ったところですな。」
「それにサンドイッチがとても美味しかったですわ。お嬢様から今度、お料理を習わないといけませんわね。」
翌朝になり、外へ出ると同じような野宿組が公爵家の納屋の周りにいたが、無視することにした。
公爵家の人間が外へ出るとわずかでも、食べ物をもらおうとする者たちが列をなしたが護衛が蹴散らかせてくれたのである。
これがもし、アントワネット家の領民であれば、助けるが、どこの馬の骨ともわからない者たちを助け、後でトラブルになっても困るからである。
このあたりも前世かその前の知識である。とても6歳の女の子が考え付くようなことではない。
納屋を異空間に仕舞い、かわりに馬車を出し、馬につなげる。そして馬車に乗り込む前に、御者に耳打ちするクリスティーヌ、驚いたような顔をするも納得され、そのまま馬車に乗り込む。
街道沿いをまっすぐ進み、問題の大きな岩のところに来ると、突然、馬車ごと空に舞い上がる。そして、岩を飛び越えると、そのまま街道に戻る。クリスティーヌと御者以外、何が起こったのかさえ理解していないのである。
「気のせいかしら?今、ふわりとなったような気がするわ。」
ハイ、気のせいではありません。
馬も空を飛んでいながら、御者が落ち着いているからか、怖がりもしないでまた地上に戻っても平然と走り続ける。
無事、国境を超えその日のうちに隣国へ到達する。隣国の王都では、一応、サンドラ国の大使館?仕事場兼住居のようなところへ入ることになり、引っ越しで大わらわである。
家具は持ってくる必要がなかったのだ。前任者がまだいて、引継ぎと途中の崖が崩落していて、通行止めがあったことなどを告げる。
「アントワネット公爵は、いいですよ。お嬢さんがご一緒だから、女手があるが、儂の時はすべて外食と行っても、ここに女性を引き入れるわけにはいかないから、早くサンドラへ帰れる日が待ち遠しかったわい。」
「クリスはまだ6歳で子供ですよ。」
「何、言っている!もうこんなに、みるみるうちに大使館がきれいになったではないか?浄化魔法が使えるのだな、羨ましい。儂も時折、掃除はしていたのだが、仕事の合間にちょこちょこっとでは、ほとんど綺麗にならない。」
「ああ、これは我が家に伝わる秘伝の書を遊び半分に、小さいうちから読んでいたもので。大したものではありませんよ。私の祖父が魔法師団長をしていた時に集めた書物です。」
「なに?英才教育をしていたというのか?ウチの息子にも、もっと早くからやっとけば良かった。何分、もう手遅れじゃがな。がはは。」
前任の侯爵様は、笑顔でサンドラへ戻って行かれる。
ここモントオール国では、初等教育が盛んで、6歳から初等教育のための学園があり、貴族の子弟は、たいてい通っているのだが、サンドラ国では、その制度がなかったため、魔法の基礎ができるということは、有利かもしれないと思うようになったのである。
「クリス、ここモントオールで初等科の学園に通学してみる気はないかい?お父さんは、いつまでここに赴任しているかわからないが、こちらでもお友達ができるかもしれないから、行ってみないか?」
「え?本当でございますか。ぜひ、行ってみたいです。」
「では、早速入学手続きをしよう。」
お父様は、書生さんに頼み、初等科学園の入学書類を取り寄せる。簡単な魔法の試験と面接があるようだ。
入学試験の日、緊張した面持ちで学園に行くと、同じような貴族の子供たちがたくさん来ている。
試験は、魔法だけではなく、学科の試験もあったが、今まで前々々々世を含め、高等学園に4回も卒業しているクリスティーヌから見れば、超簡単な問題ばかりであったので、拍子抜けしてしまったぐらいである。
魔法の試験は、これまた簡単な生活魔法で指先から水や火を出すだけで良いもので、問題なくクリア。面接は父と一緒に受けるもので、本人の良しあしというより、父が面接されているようなものでした。
なんと!クリスティーヌはトップ合格してしまいました。父は、サンドラの公爵で、その令嬢は、超がつくほどの美幼女、大きく成長すれば間違いなくミスコン優勝できるレベル。内に秘めたる魔力量は相当なもので、聞けば曽祖父がサンドラの魔法師団長を務めていたから納得ものであるということで、首席合格になってしまったそうです。
首席合格者は、入学式で挨拶をしなければならないと聞いて、クリスティーヌはびっくりする。お妃教育で、公式行事の挨拶文を丸暗記した経験はあるが、何もひな形がないものを一から挨拶として組み立てるのは、なかなか大変であるので、あいさつ文を流用して適当に前後を入学の挨拶としよう。
モントオール諸島学園の入学式の日が来る。
クリスティーヌは、新しい制服に袖を通し、父公爵、侍女、護衛騎士、御者、それになぜか書生さんまで付いてくる。みんなでお祝いしてくださるという気持ちが嬉しい。
他の新入生もだいたい大所帯で来ている。
噂によると、モントオールの王子様が同級生にいらっしゃるらしいが、成績は一番下で、王子でなければ、入学できなかったレベルだそうです。本来は、普通なら王子様が新入生代表の挨拶をなさるものらしいですが、バカすぎて表舞台に出せないレベル。
クリスティーヌは、なんとなく嫌な予感がするが、気にせず演台に上がる。
「本日が、お日柄もよく、わたくし達、新入生のためにモントオール国王陛下を並びに、ご来賓の皆様ご臨席いただきまして、ありがとうございます。この日を迎えられたことは、誠に喜ばしく存じます。わたくしは、隣国サンドラで生まれ育ちましたが、父の赴任によりこのモントオールへ参った次第でございます。この地は初めて訪れた場所でございますれば……未熟者ではございますが、簡単に、新入生代表の挨拶とかえさせていただきます。新入生代表クリスティーヌ・アントワネット。」
終わった途端、一瞬、水を打ったかのような静けさの後、万雷の拍手の嵐である。とても6歳の子供ができるような挨拶ではなく、かといって誰か大人が原稿を書いたとしても覚えるにはあまりにも量が多い。
内心、あれ?やっちゃった?と思いつつも、静かに演台から降りる。
自分の席へ着こうとしていると、あのバカ王子様が
「おい、そこの女!僕の側女にしてやろう、隣へ座れ!」
やっぱり。嫌な予感は当たる。
クリスティームが困っていると、学園長が間に入ってくれて、学園長が王子様の隣に座られ、クリスティーヌは自分の席へ戻る。
「だれが お前のようなジジィに隣りへ座れと言った?僕は、あの娘が気に入ったのだ。あの娘と同じクラスにしろ!」
「恐れながら、ロバート殿下、クラス分けは成績順でございますから、あのお嬢さんとは、到底同じクラスにはなれません。」
「何を言っているのだ!僕は王子様だぞ、王子様にできないことはない!」
大声を出して、騒ぐ王子様、見かねた国王陛下の側近が、なだめて別室へ連れていく。
「なんだか、この学園に入学するのやめようかしら。」
「大丈夫だよ、クリスとは違うクラスみたいだから。ただ、サンドラからもう一人護衛を連れてくるべきだったかな?最初は、学園に入学するなど思っていなかったからね。」
「じゃぁ、これから行って、マークを連れて来ましょう。」
「ええ?明日は、オリエンテーションだろうけど、明後日からは授業が始まるよ。とても1日では行って戻ってこれない。初授業に遅れるのは、ちょっとマズイのでは?」
帰りの馬車に全員が乗り込んだことを確認すると、クリスティーヌは馬車ごと転移魔法をかけると、懐かしい公爵邸の前にいるのである。
クリスティーヌは、馬車から飛び降りて、玄関扉まで走っていく。
そして、扉を開けるなり、「お母様!見てください、これがモントオール初等学園の制服なのです。かわいいでしょ?」
クリスティーヌは、玄関ロビーでくるくると回る。
アントワネット公爵邸では、馬の鳴き声がしたので、だれか来客か?と中からぞろぞろ出てきたところに、クリスティーヌお嬢様と旦那様もいらっしゃるではないか!
「あ、あ、あ……の?お忘れ物でございましょうか?魔法鳥を飛ばしていただければ、持っていきましたものを。」
「今日、クリスティーヌの学園の入学式でな、モントオールのバカ王子が少々騒いだので、護衛の騎士を一人増やそうかと思って。クリスは、マークを指名しているのだが、マークはいるか?」
「はい。ここにいます。」
マークと呼ばれる少年が進み出る。マークは、まだ16歳ぐらいの捨て子だった少年である。孤児院出身者で、騎士志望だったのだが、まだ若いということで、アントワネットが引き取り、騎士見習いとして、置いているのである。
「そうか、急ですまんが、これからモントオールへ一緒に来てくれないか?学園で、クリスの護衛として、ついていてほしいのだ。」
「モントオールでお嬢様がもう学園に入られたのですか?」
「そうだぞ、それもトップの成績で入り、今日の入学式で挨拶までしたのだ。立派だったぞ。モントオールの奴ら、6歳の女の子が大人顔負けの挨拶をしたものだから、目を白黒させておったわ。」
父は、鼻の穴を膨らませながら自慢気に言う。
「バカ王子って、面倒ごとにならなければいいのだが……。」
「6歳のクソガキが、クリスを側女にしたいんだとほざいた。なに、面倒ごとが起きれば、学園を辞めればいいだけのことさ。」
「なんだって!(なんですって!)」
「ダメです。そんな学園にお嬢様を通わせることは、絶対にダメです!」
公爵邸の者から異論が出て、せっかく入学試験を通って、入学した学園を退学することにしたのである。
それではもう、マークは必要なくなったかというと、クリスティーヌがマークを指名したのには訳がある。クリスティーヌ付きの侍女メアリーとマークは、クリスティーヌが15歳になる前に二人は結婚するから、いつから付き合うようになったかは、子供だったから不明だけど将来、いい関係になるのだから今から一緒にいさせてあげようというクリスティーヌの配慮からである。
マークを連れて、再び転移魔法でモントオールの学園に行き、退学の手続きをするアントワネット公爵、屋敷の使用人のみならずお母様までもが反対したからには、退学せざるを得ない。
「王子様という権力をかさに着て、大事なウチの娘に何かあってからでは遅いから、このまま退学させていただきます。」
学園長としては、真っ青になり青天の霹靂とは、まさにこのことである。
「いやいや、何卒お考え直しを!優秀なお嬢様に退学などされたら、困ります。
特待生として、授業料全額免除にいたしますゆえ、何卒……。」
「お断りします。」
退学届けは留保される形になる。
学園長はもう頭を抱えて、確かにアントワネット公爵が言うように、あのまま在学していれば、あのバカ王子様のことだから、クリスティーヌ嬢に何かしなくても、他に問題を起こすことは眼に見えている。そうなってからでは遅いのである。
下手すれば、学園の経営危機に陥る可能性すらある。
とにかく王国へ相談せねばなるまい。学園長は着替えて、馬車に乗り王城へ着くと、今朝の入学式の模様がかっこうの噂になっていたのである。
そこそこ大きい子が言うなら、まだしもまだ6歳の王子が側女などと口にするとは、やはり母親が正妃でないから、こうなるのだと口さがない連中が噂している。
入学式には、国王陛下をはじめ王国の主要な役職についている重鎮的な貴族が多数出席していた。当然のことながら、ロバート王子のあの発言は看過できない。
しかも相手は隣国サンドラの公爵令嬢である。いくら6歳の王子とはいえ、廃嫡するか王籍を抜くべきかの議論がされている。
ロバート王子の母親は、元は男爵令嬢であるが、今のところ一番国王の寵愛を受けている。
国王陛下の寵愛という後ろ盾があったから、今まで偉そうにしてきたのだが、これを機に一挙に形勢が逆転しそうな勢いである。正妃の父親は宰相であるから、この際、目障りな勢力を追い落とそうとしている。
いっそのこと、この王城から母親もろとも追い出すべきだという声もある。下手をすれば、外交問題にもなりかねないから。当のアントワネット公爵は、そこまでのことは考えていないが、いずれにせよサンドラ国に報告が行くであろう。
あっけなくロバート王子殿下の退学が決まる。理由は、素行不良ということに加え、バカすぎて授業についていけないから、もう少し基礎学力をつけられてから、学園に入られたらいかがか?ということになる。
モントオール国では、ロバート王子の退学が決まってから、一挙に形勢が正妃側に傾くことになったのである。最近の研究によれば、息子の知能は母親から遺伝するということがわかってきている。母親がバカであればあるほど、息子がバカなのは仕方がない。
国王陛下もあれほど、重んじていた元男爵令嬢の王子の母親を遠ざけるようになったのである。
「ロバートのバカ息子のせいで、自分に恥をかかせてくれた。」ことに立腹され、ロバートともども王城を追われる羽目になったのである。
そんなこんなで、クリスティーヌは退学の取り消しをして、平穏な学園生活をスタートさせることになったのである。
前々世も前々々々世も、前は宰相の役職であったにもかかわらず、今世は外務大臣?大使?外交官?のような役目みたいです。
それでお父様、ひとりが隣国へ出向くことになったので、クリスティーヌも付いていくことになったのです。だって、簡単なお料理ぐらいならできるから、それに内緒の魔法が相当使えるから、何かあると便利でしょ?
クリスティーヌが、お父様に直訴してかなったものだから、それは、それは嬉しいし、喜んでいるが、屋敷の者がそれならば、「お嬢様のお世話をしに。」と同行志願者が一挙に増えてしまったのである。
お母様も行きたそうにしていらっしゃったけど、奥方として、王都を守らなければならない。それにクリスティーヌが一緒についていくならば、浮気の心配がまずない。海外赴任の一番の心配は、浮気だから。それがないとわかっていれば、安心して送り出せるし、留守を預かれるというもの。
結局、お父さまの海外赴任に、クリスティーヌ付きの侍女と護衛騎士、それにお父様の秘書兼書生さん、御者の全部で、6人で行くことになる
少し大きめの馬車なら、荷物と全員が載れる。クリスティーヌは、アイテムボックス持ちであることを父にだけ言うと、ほとんどの荷物がクリスティーヌ持ちになってしまった。その分、馬車が広く使えてよい。
「クリスいつの間に?アイテムボックスを?」
「公爵邸の蔵書の中に持ち方が載ってありましたのよ。」
「それで毎日、図書室に籠っていたのか?ほかにまだ何かできることがあるかい?」
「ええ。いろいろとございますが、それはおいおいと。」
父は半ば、呆れたような顔をしている。末恐ろしいとでも思っているのだろうか?
クリスティーヌは、公爵邸の食糧庫の中から、使えそうな食材を選び、異空間収納に放り込んでいき、ついで調理器具、タオル、消耗品、雑巾、モップなどの掃除用品、食器、着替えなどを無造作につっ込んでいく。足りなければ、転移魔法で取りに帰ればいいのだけど、そこまでできるとは、まだ言っていない。
公爵邸の庭の隅にある納屋も持っていくことにする。使っていなくても、中はしけ臭い。浄化魔法をかけて、掃除する。もし、どこも寝泊まりするところがなければ、この納屋の中で泊まるつもりでいる。雨露がしのげるだけで、十分だから。
出発の日の朝、クリスティーヌは、夜中から厨房に入りサンドイッチを大量に作る。それを異空間内に収納してから、出発する。飲み物も大量に持ち、出かけることにする。もしたりなくなっても、水魔法ですぐ出せるけど。
今迄大人になるまで生きてきた経験があるので、何かあると困るものは水、食料、泊まるところ、その他のものはなくても何とでもなるけど、これらのものはなければ命にかかわる場合もある。
出発してそろそろ夕刻に近づいたころ、御者がこれ以上、進めないと言ってきたのである。
「なぜですか?」
「がけ崩れが起こっていて、大きな岩の崩落があり、道をふさいでいる。遠回りして、隣国へ入るため、今日はこのあたりで野宿を余儀なくされるので、そのご辛抱をしていただかないと。」
ほらね。やっぱり、こういう時のために、納戸を持ってきて良かった。
「クリス、どこかで宿を探して来てもらうから、少し待っててくれ。」
「お父様、大丈夫でございますわ。家からこれを持参して来ましたのよ。」
クリスティーヌは、その場で納屋を出すと、皆驚いて、
「お嬢様!こんなものまでアイテムボックスに入るのでございますか?」
「ええ。とにかく雨露をしのげれば、と思い持ってきましたのよ。それに食べ物も作ってまいりましたから、みなさん、お座りになって。」
テーブルに椅子、お皿にサンドイッチを載せていく。一応、納屋の周りには結界を張って、侵入者が入れないようにしておく。
納屋と言っても二階建ての小屋ぐらいはある大きさ。日本の建売並みの広さはあるから、全員泊まれる。お風呂は外に土魔法で作り、火魔法と水魔法を駆使してお湯を沸かし、クリスティーヌと侍女が先に入り、その後、お父様……と順番に入っていく。
侍女は、旦那様より先にいただけないと渋っていたが、女風呂の後に男風呂にするからというと、渋々ながら入ってくれた。
「とても街道沿いでの野宿とは、思えませんな。」
「ったく、これぞ極楽。と言ったところですな。」
「それにサンドイッチがとても美味しかったですわ。お嬢様から今度、お料理を習わないといけませんわね。」
翌朝になり、外へ出ると同じような野宿組が公爵家の納屋の周りにいたが、無視することにした。
公爵家の人間が外へ出るとわずかでも、食べ物をもらおうとする者たちが列をなしたが護衛が蹴散らかせてくれたのである。
これがもし、アントワネット家の領民であれば、助けるが、どこの馬の骨ともわからない者たちを助け、後でトラブルになっても困るからである。
このあたりも前世かその前の知識である。とても6歳の女の子が考え付くようなことではない。
納屋を異空間に仕舞い、かわりに馬車を出し、馬につなげる。そして馬車に乗り込む前に、御者に耳打ちするクリスティーヌ、驚いたような顔をするも納得され、そのまま馬車に乗り込む。
街道沿いをまっすぐ進み、問題の大きな岩のところに来ると、突然、馬車ごと空に舞い上がる。そして、岩を飛び越えると、そのまま街道に戻る。クリスティーヌと御者以外、何が起こったのかさえ理解していないのである。
「気のせいかしら?今、ふわりとなったような気がするわ。」
ハイ、気のせいではありません。
馬も空を飛んでいながら、御者が落ち着いているからか、怖がりもしないでまた地上に戻っても平然と走り続ける。
無事、国境を超えその日のうちに隣国へ到達する。隣国の王都では、一応、サンドラ国の大使館?仕事場兼住居のようなところへ入ることになり、引っ越しで大わらわである。
家具は持ってくる必要がなかったのだ。前任者がまだいて、引継ぎと途中の崖が崩落していて、通行止めがあったことなどを告げる。
「アントワネット公爵は、いいですよ。お嬢さんがご一緒だから、女手があるが、儂の時はすべて外食と行っても、ここに女性を引き入れるわけにはいかないから、早くサンドラへ帰れる日が待ち遠しかったわい。」
「クリスはまだ6歳で子供ですよ。」
「何、言っている!もうこんなに、みるみるうちに大使館がきれいになったではないか?浄化魔法が使えるのだな、羨ましい。儂も時折、掃除はしていたのだが、仕事の合間にちょこちょこっとでは、ほとんど綺麗にならない。」
「ああ、これは我が家に伝わる秘伝の書を遊び半分に、小さいうちから読んでいたもので。大したものではありませんよ。私の祖父が魔法師団長をしていた時に集めた書物です。」
「なに?英才教育をしていたというのか?ウチの息子にも、もっと早くからやっとけば良かった。何分、もう手遅れじゃがな。がはは。」
前任の侯爵様は、笑顔でサンドラへ戻って行かれる。
ここモントオール国では、初等教育が盛んで、6歳から初等教育のための学園があり、貴族の子弟は、たいてい通っているのだが、サンドラ国では、その制度がなかったため、魔法の基礎ができるということは、有利かもしれないと思うようになったのである。
「クリス、ここモントオールで初等科の学園に通学してみる気はないかい?お父さんは、いつまでここに赴任しているかわからないが、こちらでもお友達ができるかもしれないから、行ってみないか?」
「え?本当でございますか。ぜひ、行ってみたいです。」
「では、早速入学手続きをしよう。」
お父様は、書生さんに頼み、初等科学園の入学書類を取り寄せる。簡単な魔法の試験と面接があるようだ。
入学試験の日、緊張した面持ちで学園に行くと、同じような貴族の子供たちがたくさん来ている。
試験は、魔法だけではなく、学科の試験もあったが、今まで前々々々世を含め、高等学園に4回も卒業しているクリスティーヌから見れば、超簡単な問題ばかりであったので、拍子抜けしてしまったぐらいである。
魔法の試験は、これまた簡単な生活魔法で指先から水や火を出すだけで良いもので、問題なくクリア。面接は父と一緒に受けるもので、本人の良しあしというより、父が面接されているようなものでした。
なんと!クリスティーヌはトップ合格してしまいました。父は、サンドラの公爵で、その令嬢は、超がつくほどの美幼女、大きく成長すれば間違いなくミスコン優勝できるレベル。内に秘めたる魔力量は相当なもので、聞けば曽祖父がサンドラの魔法師団長を務めていたから納得ものであるということで、首席合格になってしまったそうです。
首席合格者は、入学式で挨拶をしなければならないと聞いて、クリスティーヌはびっくりする。お妃教育で、公式行事の挨拶文を丸暗記した経験はあるが、何もひな形がないものを一から挨拶として組み立てるのは、なかなか大変であるので、あいさつ文を流用して適当に前後を入学の挨拶としよう。
モントオール諸島学園の入学式の日が来る。
クリスティーヌは、新しい制服に袖を通し、父公爵、侍女、護衛騎士、御者、それになぜか書生さんまで付いてくる。みんなでお祝いしてくださるという気持ちが嬉しい。
他の新入生もだいたい大所帯で来ている。
噂によると、モントオールの王子様が同級生にいらっしゃるらしいが、成績は一番下で、王子でなければ、入学できなかったレベルだそうです。本来は、普通なら王子様が新入生代表の挨拶をなさるものらしいですが、バカすぎて表舞台に出せないレベル。
クリスティーヌは、なんとなく嫌な予感がするが、気にせず演台に上がる。
「本日が、お日柄もよく、わたくし達、新入生のためにモントオール国王陛下を並びに、ご来賓の皆様ご臨席いただきまして、ありがとうございます。この日を迎えられたことは、誠に喜ばしく存じます。わたくしは、隣国サンドラで生まれ育ちましたが、父の赴任によりこのモントオールへ参った次第でございます。この地は初めて訪れた場所でございますれば……未熟者ではございますが、簡単に、新入生代表の挨拶とかえさせていただきます。新入生代表クリスティーヌ・アントワネット。」
終わった途端、一瞬、水を打ったかのような静けさの後、万雷の拍手の嵐である。とても6歳の子供ができるような挨拶ではなく、かといって誰か大人が原稿を書いたとしても覚えるにはあまりにも量が多い。
内心、あれ?やっちゃった?と思いつつも、静かに演台から降りる。
自分の席へ着こうとしていると、あのバカ王子様が
「おい、そこの女!僕の側女にしてやろう、隣へ座れ!」
やっぱり。嫌な予感は当たる。
クリスティームが困っていると、学園長が間に入ってくれて、学園長が王子様の隣に座られ、クリスティーヌは自分の席へ戻る。
「だれが お前のようなジジィに隣りへ座れと言った?僕は、あの娘が気に入ったのだ。あの娘と同じクラスにしろ!」
「恐れながら、ロバート殿下、クラス分けは成績順でございますから、あのお嬢さんとは、到底同じクラスにはなれません。」
「何を言っているのだ!僕は王子様だぞ、王子様にできないことはない!」
大声を出して、騒ぐ王子様、見かねた国王陛下の側近が、なだめて別室へ連れていく。
「なんだか、この学園に入学するのやめようかしら。」
「大丈夫だよ、クリスとは違うクラスみたいだから。ただ、サンドラからもう一人護衛を連れてくるべきだったかな?最初は、学園に入学するなど思っていなかったからね。」
「じゃぁ、これから行って、マークを連れて来ましょう。」
「ええ?明日は、オリエンテーションだろうけど、明後日からは授業が始まるよ。とても1日では行って戻ってこれない。初授業に遅れるのは、ちょっとマズイのでは?」
帰りの馬車に全員が乗り込んだことを確認すると、クリスティーヌは馬車ごと転移魔法をかけると、懐かしい公爵邸の前にいるのである。
クリスティーヌは、馬車から飛び降りて、玄関扉まで走っていく。
そして、扉を開けるなり、「お母様!見てください、これがモントオール初等学園の制服なのです。かわいいでしょ?」
クリスティーヌは、玄関ロビーでくるくると回る。
アントワネット公爵邸では、馬の鳴き声がしたので、だれか来客か?と中からぞろぞろ出てきたところに、クリスティーヌお嬢様と旦那様もいらっしゃるではないか!
「あ、あ、あ……の?お忘れ物でございましょうか?魔法鳥を飛ばしていただければ、持っていきましたものを。」
「今日、クリスティーヌの学園の入学式でな、モントオールのバカ王子が少々騒いだので、護衛の騎士を一人増やそうかと思って。クリスは、マークを指名しているのだが、マークはいるか?」
「はい。ここにいます。」
マークと呼ばれる少年が進み出る。マークは、まだ16歳ぐらいの捨て子だった少年である。孤児院出身者で、騎士志望だったのだが、まだ若いということで、アントワネットが引き取り、騎士見習いとして、置いているのである。
「そうか、急ですまんが、これからモントオールへ一緒に来てくれないか?学園で、クリスの護衛として、ついていてほしいのだ。」
「モントオールでお嬢様がもう学園に入られたのですか?」
「そうだぞ、それもトップの成績で入り、今日の入学式で挨拶までしたのだ。立派だったぞ。モントオールの奴ら、6歳の女の子が大人顔負けの挨拶をしたものだから、目を白黒させておったわ。」
父は、鼻の穴を膨らませながら自慢気に言う。
「バカ王子って、面倒ごとにならなければいいのだが……。」
「6歳のクソガキが、クリスを側女にしたいんだとほざいた。なに、面倒ごとが起きれば、学園を辞めればいいだけのことさ。」
「なんだって!(なんですって!)」
「ダメです。そんな学園にお嬢様を通わせることは、絶対にダメです!」
公爵邸の者から異論が出て、せっかく入学試験を通って、入学した学園を退学することにしたのである。
それではもう、マークは必要なくなったかというと、クリスティーヌがマークを指名したのには訳がある。クリスティーヌ付きの侍女メアリーとマークは、クリスティーヌが15歳になる前に二人は結婚するから、いつから付き合うようになったかは、子供だったから不明だけど将来、いい関係になるのだから今から一緒にいさせてあげようというクリスティーヌの配慮からである。
マークを連れて、再び転移魔法でモントオールの学園に行き、退学の手続きをするアントワネット公爵、屋敷の使用人のみならずお母様までもが反対したからには、退学せざるを得ない。
「王子様という権力をかさに着て、大事なウチの娘に何かあってからでは遅いから、このまま退学させていただきます。」
学園長としては、真っ青になり青天の霹靂とは、まさにこのことである。
「いやいや、何卒お考え直しを!優秀なお嬢様に退学などされたら、困ります。
特待生として、授業料全額免除にいたしますゆえ、何卒……。」
「お断りします。」
退学届けは留保される形になる。
学園長はもう頭を抱えて、確かにアントワネット公爵が言うように、あのまま在学していれば、あのバカ王子様のことだから、クリスティーヌ嬢に何かしなくても、他に問題を起こすことは眼に見えている。そうなってからでは遅いのである。
下手すれば、学園の経営危機に陥る可能性すらある。
とにかく王国へ相談せねばなるまい。学園長は着替えて、馬車に乗り王城へ着くと、今朝の入学式の模様がかっこうの噂になっていたのである。
そこそこ大きい子が言うなら、まだしもまだ6歳の王子が側女などと口にするとは、やはり母親が正妃でないから、こうなるのだと口さがない連中が噂している。
入学式には、国王陛下をはじめ王国の主要な役職についている重鎮的な貴族が多数出席していた。当然のことながら、ロバート王子のあの発言は看過できない。
しかも相手は隣国サンドラの公爵令嬢である。いくら6歳の王子とはいえ、廃嫡するか王籍を抜くべきかの議論がされている。
ロバート王子の母親は、元は男爵令嬢であるが、今のところ一番国王の寵愛を受けている。
国王陛下の寵愛という後ろ盾があったから、今まで偉そうにしてきたのだが、これを機に一挙に形勢が逆転しそうな勢いである。正妃の父親は宰相であるから、この際、目障りな勢力を追い落とそうとしている。
いっそのこと、この王城から母親もろとも追い出すべきだという声もある。下手をすれば、外交問題にもなりかねないから。当のアントワネット公爵は、そこまでのことは考えていないが、いずれにせよサンドラ国に報告が行くであろう。
あっけなくロバート王子殿下の退学が決まる。理由は、素行不良ということに加え、バカすぎて授業についていけないから、もう少し基礎学力をつけられてから、学園に入られたらいかがか?ということになる。
モントオール国では、ロバート王子の退学が決まってから、一挙に形勢が正妃側に傾くことになったのである。最近の研究によれば、息子の知能は母親から遺伝するということがわかってきている。母親がバカであればあるほど、息子がバカなのは仕方がない。
国王陛下もあれほど、重んじていた元男爵令嬢の王子の母親を遠ざけるようになったのである。
「ロバートのバカ息子のせいで、自分に恥をかかせてくれた。」ことに立腹され、ロバートともども王城を追われる羽目になったのである。
そんなこんなで、クリスティーヌは退学の取り消しをして、平穏な学園生活をスタートさせることになったのである。
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