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私の名は、藤堂加奈子。クリスティーヌちゃんに出会えて、嬉しいかと言えば、ちょっと複雑。
でもなぜか、最初に半透明状態の彼女を見た時、直感的に、この子は私だって思ってしまったのよ。
相手はブロンドヘアの外人の子供だったけど、なぜかね。すぐ子供用のモデルに起用されるほどの美形だったわ。
同じ日本人の子供として、転生できなかったのは、なぜかしらね。でも、あんなカワイコちゃんに転生できて、嬉しいわ。
だって、今の私と言えば、小さい頃からお世辞にも美人とかかわいいですね、と言われなかった。大病院の娘がブサイクなんて、悲劇よ。母親は美人なのに、母親に似なかった。それでも大学の同級生だった旦那と知り合えたのは、やはり家が大病院を経営しているから。医者の世界は、血の繋がりを重視するのよ。
医者は医者同士結婚するものなの、余程、美人か大金持ちの娘なら別として、たいていは上司である大学病院の教授の娘か、医学部で同級生、先輩後輩と言った関係者と結婚するものよ。
だから大学時代は、それなりにモテたわ。生まれて初めてモテたから、最初は舞い上がったものよ。
高校生のころまでは、いくら成績優秀者でも、ブスは誰も相手にしてくれない。それが大学の医学部に入った途端、状況は一変する。女医は希少な存在。それに家が財団法人クラスの大病院で跡取り娘とくれば、めっちゃモテる。
私に言い寄ってきた医者の数は、30名以上。中には、講師クラス、準教授クラスの医者までいたわ。
美人でなくても、家が大病院であれば、私でも結婚できたのである。ウチの元旦那は、サラリーマンの息子で、正直言って、貧乏人の倅だったのよ。
大講堂で講義があった時、席がなくて、困っていたら、ウチの旦那が席を詰めて作ってくれたの。それが出会い。
ハーフかと思うほど、色が白く鼻が高く、おめめパッチリの顔に一目ぼれしたわ。なんて、綺麗な顔をしているのかしらってね。それから気が付けば、いつも一緒にいてくれたわ。その時は嬉しかったけど、今から思えば、あれは狙われていたのね。たぶん。入学したての頃から、大病院の跡取り娘だということは知れ渡っていたみたい。
旦那はたまたま賢いというだけで、偏差値の高い医学部に合格できたから、将来食いはぐれがないと思って、医者を志したような人。別に悪口ってわけじゃないのよ。そんな調子で職業を選択してしまったことに問題がある。
医者の世界では、人脈が何より大切。まぁ、医者の世界に限らないけどね。どの職業でも大なり小なりはあるね。
大学病院に勤務している間は、人脈なくてもいいのよ。学歴さえあれば。いやいや、助教、講師、準教授、教授と出世していくのも、学歴だけではなれないから、やっぱり人脈が必要かもしれない。
それらがなんにもないサラリーマンの倅では、出世も出来ないし、お金もない。医師試験を通って、専門医になるまで、研修を重ねて、さて、開業医でもなろうかとすると莫大なお金がかかる。
サラリーマンのお父ちゃんの退職金をはたいても、到底払えないような金額、医療器械に何億円もかかるのだ。自分の実家で医院を開ければまだいいが、どこかを賃貸するとなれば、敷金礼金に家賃が必要となる。
頼みの診療報酬収入は、3か月後の月末にしか支払われない。
それに看護師、薬剤師、受付の女の子の給料を無収入のうちから、約3か月間支払わなければならない。受付の女の子でも、最低20万円ぐらいはかかる。看護師で30万円、薬剤師で25万円、それに自分の生活費にローンの支払い。プラス賃貸なら、家賃が重くのしかかる。
医師夫婦で開業するなら、まだしも嫁さんが薬剤師ならまだいいが看護師や医療事務者であった場合、医師会からバカにされ相手にされなくなるのだ。まして、相手が普通のOLになれば、もうバカにされるということを通り越し村八分的な存在になる。
だから女医と結婚できないような医師は、芸能人を相手にしたがるのである。芸能人ならお金持ちだから、開業費用ぐらい出せる。たまにブスの芸能人もいるが、たいていはテレビに出られるぐらいの顔をしている。一般人よりは、きれい。
それをウチの旦那は、私との結婚という形ですべてをクリアしてしまったのよ。
私と結婚さえしてしまえば、大病院の院長の座が手に入り、高給がもらえる。医師会もウチの病院相手なら、何も言えないし、手出しも出来ない。
人脈は、父が築いてきたすべてが必然的に手に入る。
なぜ、こんな話をしているかと言うと、前の旦那が看護婦と浮気しやがった。その看護婦は約2年前、看護の専門学校を卒業してすぐ、新卒でウチの病院に来たのだけど、面接をしたのは、私なのよ。
その女、笹崎麗華というのだけど、面接官である私の顔を見てせせら笑ったのよ。
{女としては、私のほうが上よ。アンタなんか医者でなかったら誰も相手にしない。}
なぜか、その時、その女の心の声が聞き取れたのよ。それで、父に猛反対して、あの子の採用を見送ろうとしたわ。
でも父も旦那も、あの女の美貌にノックアウトしてしまい、強硬に採用になったのよ。
あーあ、やっぱり美人は得よね。どんなに性格が悪くても、どんなに仕事上のミスが多くても、美人が泣きまねをしたら、みんな許してしまう。
ついには、旦那まで盗られてしまうなんてね。
あれは北海道で学会があった時、
「1週間留守するから、お土産何がいい?」
「何もいらないよ。加奈子の元気な顔だけでいいよ。」
なんて、言っていたくせに(怒)
学会から戻ってみたら、何やら笹崎麗華の勝ち誇ったような顔に、不吉を覚える。
それから、3か月したとき、旦那が急に私の部屋を訪ねてきて
「すまない。子供ができてしまったみたいだ。来年の春には生まれる。」
青天の霹靂って、まさにこんな感じ?
「浮気したの?相手は誰よ?」
「浮気ではない!本気で麗華を愛してしまったのだ。加奈子にはすまないと思っている。だから、別れてくれ。頼む。」
「わかったわ、いいわ。別れてあげる。そのかわりこの病院からは出て行ってね。せいぜい生まれてくる子と3人でお幸せに。……あなたの代わりなんて私にはいくらでもいることを忘れてしまったのかしらね?私は、藤堂加奈子。財団法人藤堂病院の跡取り娘よ。」
「加奈子のそういうところが我慢できないんだ。何かといえば、藤堂の跡取り。加奈子には可愛げがないんだよ!」
「言いたいことはそれだけ?あなたが開業できないように医師会に手を回してあげるわ。もっとも、藤堂の名前が消えたあなたを相手にするところは何処もなくてよ。さっさと、出ていけ!」
「チっ!」
旦那は、そうやって出て行ったのが1週間前。でも、すぐに現実を思い知らされたのか?戻ってきて、詫びを入れるが、許さない!まだ離婚届は出していない。出す矢先に救急患者が運び込まれ、クリスティーヌちゃんと出会ってしまったから、ここのところ忙しくて。
藤堂の名前を失ってしまった旦那は、勤務先が見つからず、医師会を頼ってもどこも誰も相手にしてもらえず、笹崎麗華は、心労から流産してしまったらしい。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
私の名前は笹崎麗華。自分で言うのもなんだけど、容姿端麗です。〇塚歌劇団を目指していたのだけど、高校生の時に父が死んでしまい、バレエのレッスンも続けられなくなって、高校卒業したら、看護の専門学校に入ることにしました。
私の美貌で、将来、医者を誑かして、玉の輿に乗るのが夢です。今から、医師を目指しても、私の頭では医学部無理だから、少々年寄りでも、医者との結婚を目指すわ。
せっかく美人に生まれてきたのだから、それぐらいの野望を持って、当然の権利だと思うわ。
看護学校にいたころはよくお医者さんの卵と合コンがあったのだけど、卒業したらピタリとなくなった。
みんな、それぞれ忙しいからか?看護学校時代の友達とも会えなくなっちゃったわ。
藤堂病院へは、支度金付きで望まれて入社したのに、うっとうしいブスがいた。藤堂加奈子、面接のときに偉そうにしていたブス。
ブスを見た時に、勝ったと思ったわ。この女の旦那がなんと院長先生だとは思わなかった。よく院長先生も、あんなブスを抱く気になったと思って呆れたわ。女医なら、何でもいいというのが医者では常識らしいけど、限度ってものがあるでしょ?
最初はね、院長先生狙いではなく、理事長先生を狙っていたのよ。だって、ブスから奪うなんて、簡単すぎて面白くもなんともないから。
だけど、理事長は年寄り過ぎて、勃たない。で、諦めて、若い方の院長先生を狙ったのよ。その日から1週間、ブスが北海道へ出張らしい。この日を狙わなきゃ、いつ狙うのってばかりに3か月前から、ピルを飲んで、ちょうどその時に排卵日になるように仕向けたのよ。
その日のために有給休暇を全部使って、休むことにしたわよ。夜勤でもないのに、夜になるまで、病院内に潜んで、院長先生のお部屋に行ったわよ。白衣の下は何もつけず、生まれたままの格好で。
目を潤ませて、「ご相談したいことがあります。」と言って、部屋に入り込んだ。
部屋には、ベッドがあったわ。ここであのブスといやらしいことをしているのかと思えば、ゾッとしたけど、今日は必ず仕留めてやる!
「相談したいこととは、なんだい?確か、君は今日から1週間休みだったはずだけど?」
「実は、私……前から院長先生のことが好きで、どうか一晩だけでもいいから、私を慰めていただけませんか?」
そう言って、白衣を脱ぎ捨て、カラダを院長先生に押し付ける。
「いや、でもそれは……。」
「大丈夫です。今日は安全日ですから。」
院長先生の股間に手をやり、まさぐると先生のも、硬くなっていて……あとは、本能のままに、1週間やりっぱなし、さすがに若いだけあって、すぐに回復するわ。院長先生って、見た感じよりも逞しくって、体力がおありだったわ。
いよいよブスが明日、帰ってくるという前の晩、ついに院長先生から本音を聞けた。
「加奈子はブサイクだけでなく、可愛げがないんだ。理事長の娘だからと偉そうにしていて、俺のことを僕か何かだと勘違いしている。」
「え?加奈子先生って、家付き娘だったのですか?」
知らなかったのである。これでは、たとえ妊娠しても、院長先生が追い出されてしまうだけ。こうなれば、慰みものにされた代償と慰謝料だけをふんだくってやる。22歳という若いカラダを弄んだのは、まぎれもなく院長先生なのだから。
私は男運が悪いのかもしれない。最初の男は、バレエの先生だった。高校の帰りバレエ教室で犯されたのだ。いつもは、レオタードの着脱をしないのに、その日に限って、学校でプールの授業があったから、水着からレオタードはめんどくさくなって、バレエ教室で着替えているところを襲われたのである。
それから父が死んで、もうバレエ教室に行くこともなくなり、その先生との関係はおわったのだが。
「愛している。麗華、もう一度いいかい?加奈子が帰ってきたらしばらくは会えない。だからもう一度、麗華が欲しい。」
げ!しつこいオッサン、でも慰謝料を取るためには、と思って我慢する。
3か月後、見事に妊娠が判明するが、院長先生に言うと、離婚して結婚してくださるという。いやいや、いいから、そんなことより、お金を頂戴。
院長先生は、加奈子先生に話をつけると言って出て行かれ、その後、離婚できると嬉しそうに戻ってこられる。これでは、慰謝料が取れない!院長先生って、本当にバカ。苦労したことがないのか?ちょっと顔がいいぐらいで、チヤホヤされてきたのだろう。
案の定、院長先生は無一文で藤堂家を放り出される。加奈子先生が慰謝料を要求されなかったのは、プライドからでしょう。
「なに、医師免許があれば、どこかの病院が拾ってくれるさ。親子3人でゆっくり暮らそう。」
世の中、そんな甘いものではありません。藤堂の名前がいかに大きかったということを何も理解されていません。
それから1週間、だんだんやつれていく元院長先生、どこも雇ってくれる病院が見つからないらしい。
家へ帰ると、私の顔を見ては、私に暴言を吐くようになってきた。
「麗華のせいだ。俺が苦労して、せっかく逆玉に乗ったのに、麗華のせいで、何もかも失ってしまったのだ。学生時代、加奈子にちょっかいを掛ける医者は30名を下らなかったというのに。離婚するとき、あいつは高笑いをしてやがった。『あなたの代わりなどいくらでもいますわ。』俺と離婚して、今頃、喜んでいる医者がいるかと思えば、腹が立つ!バシーン。」
「きゃぁっ~!」
最初は悪口だけだったのに、ついに手が飛んできたのだ。それだけ元院長先生が苛立っているということだろう。
「やめて!お腹の赤ちゃんが!」
「あの日、麗華が安全日です。なんて、嘘を吐くからだろう?どこが安全日だ。すぐに妊娠しやがって。この嘘つき女!お前のせいで俺は破滅したんだぞ!苦労して、医学部へ行き、やっと加奈子と仲良くなれたと喜び、結婚したというのに!」
怒りながら、殴る。泣きながら、蹴る。ついにお腹が強烈痛み出して。気づけば救急病院の産科で流産していた。
私だって、何もかも失ったわよ。夢も仕事も赤ちゃんも……、美人になど、生まれてこなければよかった。
それから1年後のことだった。看護師の資格があるので、私は仕事に復帰した。もう医者の玉の輿狙いなんて、していない。貧しくてもいいから、誠実な男性と付き合っている。彼と結婚話が出るが、一度、流産しているので、出産が難しいだろう。だから、結婚話は保留しているのだ。
ウチの病院の患者さんが、藤堂病院に転院されることが決まり、付き添ってほしいと依頼があったのだ。断りたいけど、断われば「なぜ?」と質問攻めにあうから、仕方なく、すぐ帰るつもりで藤堂病院への付き添いをOKした。
藤堂病院には煮え湯を飲まされた、というか元は自分が蒔いた種が原因なのだけど、あの後、加奈子先生が再婚されたかどうかは、知らない。興味がなかったので、調べることもしなかったのだ。
藤堂病院の中は相変わらず、賑わっていた。待合室もいっぱいで、受付待ちの行列までできていた。一人の女性が、ベビーカーを押しながら、他の患者さんと楽し気に喋っている。その女性はけっこうな、おブス。ん?と見返してみると、なんと!その女性は加奈子先生だった。3か月検診に来ていらしたようだ。計算すると、あの子は、元院長先生の子としか考えられないのである。
それに患者さんのおばさんは「院長先生」と加奈子先生を呼んでいる。
私は、ベビーカーに近づいて、赤ちゃんの顔を見に行くと、やはりまぎれもなく元院長先生の種であることは間違いない顔をしていらした。
{許せない!私の赤ちゃんは、元院長先生のDVで流れてしまったけど、加奈子先生はのうのうとあんなかわいい子を産んでいるなんて!}
急に沸き上がった殺意は、どうしようもない。私は、加奈子先生がいつも利用している駐車場まで行き、そこでマンホールのふたを開けておく。
そして何食わぬ顔をしてロビーへ戻り、加奈子先生が駐車場へ向かわれたときに、声をかける。
「加奈子先生!」
「え?……と、どなたでした?私の患者さん?」
「いいえ、1年前まで藤堂病院にいました笹崎麗華です。お子さん、お生まれになったのですね。おめでとうございます。」
名前を言うと、明らかに加奈子先生は動揺され、後ずさりされたが、赤ちゃんのことを褒めると笑顔になられる。
そう母親は、本能で子供のことを言われると自然に顔がほころぶのである。
「そういえば、流産されたとか?その後、お身体大丈夫でございますか?」
「ええ、もう元院長先生とは別れ、今は別の人と結婚しています。」
ちょっとした嘘を吐く。
「そうなの。今度こそ幸せになってね。」
「赤ちゃんの顔を見せていただいてもいいですか?お名前は?」
マンホールの近くまで、加奈子先生を誘導することに成功する、そしてベビーカーに近づき、加奈子先生をマンホールの穴に向かって、思いっきり突き飛ばしたのである。
「え?え?えーっ!」
悲鳴とともに、マンホールの中へ落ちていく加奈子先生。
ざまぁみろ!すっとしたわ。慌てて、マンホールのふたを閉めようとしたら、赤ちゃんが異変に気付き、泣き叫ぶ。尋常な泣き方でないことから、周囲の人が集まってくる。
「大変です!加奈子先生がマンホールの中へ落ちられました。」
自分で突き落としていながら、咄嗟に嘘を吐く。
「誰だ!こんなところにマンホールのふたを開けっぱなしにしている奴は!レスキュー隊を呼べ!早く!」
急に駐車場が騒然としてきた。誰かが110番をしたのだろうか?気がつけば、私は警察署の留置場の中にいた。防犯カメラにマンホールのふたを開け、加奈子先生を突き飛ばしている様子が映っていたらしい。
悪いことは、できない。
でもなぜか、最初に半透明状態の彼女を見た時、直感的に、この子は私だって思ってしまったのよ。
相手はブロンドヘアの外人の子供だったけど、なぜかね。すぐ子供用のモデルに起用されるほどの美形だったわ。
同じ日本人の子供として、転生できなかったのは、なぜかしらね。でも、あんなカワイコちゃんに転生できて、嬉しいわ。
だって、今の私と言えば、小さい頃からお世辞にも美人とかかわいいですね、と言われなかった。大病院の娘がブサイクなんて、悲劇よ。母親は美人なのに、母親に似なかった。それでも大学の同級生だった旦那と知り合えたのは、やはり家が大病院を経営しているから。医者の世界は、血の繋がりを重視するのよ。
医者は医者同士結婚するものなの、余程、美人か大金持ちの娘なら別として、たいていは上司である大学病院の教授の娘か、医学部で同級生、先輩後輩と言った関係者と結婚するものよ。
だから大学時代は、それなりにモテたわ。生まれて初めてモテたから、最初は舞い上がったものよ。
高校生のころまでは、いくら成績優秀者でも、ブスは誰も相手にしてくれない。それが大学の医学部に入った途端、状況は一変する。女医は希少な存在。それに家が財団法人クラスの大病院で跡取り娘とくれば、めっちゃモテる。
私に言い寄ってきた医者の数は、30名以上。中には、講師クラス、準教授クラスの医者までいたわ。
美人でなくても、家が大病院であれば、私でも結婚できたのである。ウチの元旦那は、サラリーマンの息子で、正直言って、貧乏人の倅だったのよ。
大講堂で講義があった時、席がなくて、困っていたら、ウチの旦那が席を詰めて作ってくれたの。それが出会い。
ハーフかと思うほど、色が白く鼻が高く、おめめパッチリの顔に一目ぼれしたわ。なんて、綺麗な顔をしているのかしらってね。それから気が付けば、いつも一緒にいてくれたわ。その時は嬉しかったけど、今から思えば、あれは狙われていたのね。たぶん。入学したての頃から、大病院の跡取り娘だということは知れ渡っていたみたい。
旦那はたまたま賢いというだけで、偏差値の高い医学部に合格できたから、将来食いはぐれがないと思って、医者を志したような人。別に悪口ってわけじゃないのよ。そんな調子で職業を選択してしまったことに問題がある。
医者の世界では、人脈が何より大切。まぁ、医者の世界に限らないけどね。どの職業でも大なり小なりはあるね。
大学病院に勤務している間は、人脈なくてもいいのよ。学歴さえあれば。いやいや、助教、講師、準教授、教授と出世していくのも、学歴だけではなれないから、やっぱり人脈が必要かもしれない。
それらがなんにもないサラリーマンの倅では、出世も出来ないし、お金もない。医師試験を通って、専門医になるまで、研修を重ねて、さて、開業医でもなろうかとすると莫大なお金がかかる。
サラリーマンのお父ちゃんの退職金をはたいても、到底払えないような金額、医療器械に何億円もかかるのだ。自分の実家で医院を開ければまだいいが、どこかを賃貸するとなれば、敷金礼金に家賃が必要となる。
頼みの診療報酬収入は、3か月後の月末にしか支払われない。
それに看護師、薬剤師、受付の女の子の給料を無収入のうちから、約3か月間支払わなければならない。受付の女の子でも、最低20万円ぐらいはかかる。看護師で30万円、薬剤師で25万円、それに自分の生活費にローンの支払い。プラス賃貸なら、家賃が重くのしかかる。
医師夫婦で開業するなら、まだしも嫁さんが薬剤師ならまだいいが看護師や医療事務者であった場合、医師会からバカにされ相手にされなくなるのだ。まして、相手が普通のOLになれば、もうバカにされるということを通り越し村八分的な存在になる。
だから女医と結婚できないような医師は、芸能人を相手にしたがるのである。芸能人ならお金持ちだから、開業費用ぐらい出せる。たまにブスの芸能人もいるが、たいていはテレビに出られるぐらいの顔をしている。一般人よりは、きれい。
それをウチの旦那は、私との結婚という形ですべてをクリアしてしまったのよ。
私と結婚さえしてしまえば、大病院の院長の座が手に入り、高給がもらえる。医師会もウチの病院相手なら、何も言えないし、手出しも出来ない。
人脈は、父が築いてきたすべてが必然的に手に入る。
なぜ、こんな話をしているかと言うと、前の旦那が看護婦と浮気しやがった。その看護婦は約2年前、看護の専門学校を卒業してすぐ、新卒でウチの病院に来たのだけど、面接をしたのは、私なのよ。
その女、笹崎麗華というのだけど、面接官である私の顔を見てせせら笑ったのよ。
{女としては、私のほうが上よ。アンタなんか医者でなかったら誰も相手にしない。}
なぜか、その時、その女の心の声が聞き取れたのよ。それで、父に猛反対して、あの子の採用を見送ろうとしたわ。
でも父も旦那も、あの女の美貌にノックアウトしてしまい、強硬に採用になったのよ。
あーあ、やっぱり美人は得よね。どんなに性格が悪くても、どんなに仕事上のミスが多くても、美人が泣きまねをしたら、みんな許してしまう。
ついには、旦那まで盗られてしまうなんてね。
あれは北海道で学会があった時、
「1週間留守するから、お土産何がいい?」
「何もいらないよ。加奈子の元気な顔だけでいいよ。」
なんて、言っていたくせに(怒)
学会から戻ってみたら、何やら笹崎麗華の勝ち誇ったような顔に、不吉を覚える。
それから、3か月したとき、旦那が急に私の部屋を訪ねてきて
「すまない。子供ができてしまったみたいだ。来年の春には生まれる。」
青天の霹靂って、まさにこんな感じ?
「浮気したの?相手は誰よ?」
「浮気ではない!本気で麗華を愛してしまったのだ。加奈子にはすまないと思っている。だから、別れてくれ。頼む。」
「わかったわ、いいわ。別れてあげる。そのかわりこの病院からは出て行ってね。せいぜい生まれてくる子と3人でお幸せに。……あなたの代わりなんて私にはいくらでもいることを忘れてしまったのかしらね?私は、藤堂加奈子。財団法人藤堂病院の跡取り娘よ。」
「加奈子のそういうところが我慢できないんだ。何かといえば、藤堂の跡取り。加奈子には可愛げがないんだよ!」
「言いたいことはそれだけ?あなたが開業できないように医師会に手を回してあげるわ。もっとも、藤堂の名前が消えたあなたを相手にするところは何処もなくてよ。さっさと、出ていけ!」
「チっ!」
旦那は、そうやって出て行ったのが1週間前。でも、すぐに現実を思い知らされたのか?戻ってきて、詫びを入れるが、許さない!まだ離婚届は出していない。出す矢先に救急患者が運び込まれ、クリスティーヌちゃんと出会ってしまったから、ここのところ忙しくて。
藤堂の名前を失ってしまった旦那は、勤務先が見つからず、医師会を頼ってもどこも誰も相手にしてもらえず、笹崎麗華は、心労から流産してしまったらしい。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
私の名前は笹崎麗華。自分で言うのもなんだけど、容姿端麗です。〇塚歌劇団を目指していたのだけど、高校生の時に父が死んでしまい、バレエのレッスンも続けられなくなって、高校卒業したら、看護の専門学校に入ることにしました。
私の美貌で、将来、医者を誑かして、玉の輿に乗るのが夢です。今から、医師を目指しても、私の頭では医学部無理だから、少々年寄りでも、医者との結婚を目指すわ。
せっかく美人に生まれてきたのだから、それぐらいの野望を持って、当然の権利だと思うわ。
看護学校にいたころはよくお医者さんの卵と合コンがあったのだけど、卒業したらピタリとなくなった。
みんな、それぞれ忙しいからか?看護学校時代の友達とも会えなくなっちゃったわ。
藤堂病院へは、支度金付きで望まれて入社したのに、うっとうしいブスがいた。藤堂加奈子、面接のときに偉そうにしていたブス。
ブスを見た時に、勝ったと思ったわ。この女の旦那がなんと院長先生だとは思わなかった。よく院長先生も、あんなブスを抱く気になったと思って呆れたわ。女医なら、何でもいいというのが医者では常識らしいけど、限度ってものがあるでしょ?
最初はね、院長先生狙いではなく、理事長先生を狙っていたのよ。だって、ブスから奪うなんて、簡単すぎて面白くもなんともないから。
だけど、理事長は年寄り過ぎて、勃たない。で、諦めて、若い方の院長先生を狙ったのよ。その日から1週間、ブスが北海道へ出張らしい。この日を狙わなきゃ、いつ狙うのってばかりに3か月前から、ピルを飲んで、ちょうどその時に排卵日になるように仕向けたのよ。
その日のために有給休暇を全部使って、休むことにしたわよ。夜勤でもないのに、夜になるまで、病院内に潜んで、院長先生のお部屋に行ったわよ。白衣の下は何もつけず、生まれたままの格好で。
目を潤ませて、「ご相談したいことがあります。」と言って、部屋に入り込んだ。
部屋には、ベッドがあったわ。ここであのブスといやらしいことをしているのかと思えば、ゾッとしたけど、今日は必ず仕留めてやる!
「相談したいこととは、なんだい?確か、君は今日から1週間休みだったはずだけど?」
「実は、私……前から院長先生のことが好きで、どうか一晩だけでもいいから、私を慰めていただけませんか?」
そう言って、白衣を脱ぎ捨て、カラダを院長先生に押し付ける。
「いや、でもそれは……。」
「大丈夫です。今日は安全日ですから。」
院長先生の股間に手をやり、まさぐると先生のも、硬くなっていて……あとは、本能のままに、1週間やりっぱなし、さすがに若いだけあって、すぐに回復するわ。院長先生って、見た感じよりも逞しくって、体力がおありだったわ。
いよいよブスが明日、帰ってくるという前の晩、ついに院長先生から本音を聞けた。
「加奈子はブサイクだけでなく、可愛げがないんだ。理事長の娘だからと偉そうにしていて、俺のことを僕か何かだと勘違いしている。」
「え?加奈子先生って、家付き娘だったのですか?」
知らなかったのである。これでは、たとえ妊娠しても、院長先生が追い出されてしまうだけ。こうなれば、慰みものにされた代償と慰謝料だけをふんだくってやる。22歳という若いカラダを弄んだのは、まぎれもなく院長先生なのだから。
私は男運が悪いのかもしれない。最初の男は、バレエの先生だった。高校の帰りバレエ教室で犯されたのだ。いつもは、レオタードの着脱をしないのに、その日に限って、学校でプールの授業があったから、水着からレオタードはめんどくさくなって、バレエ教室で着替えているところを襲われたのである。
それから父が死んで、もうバレエ教室に行くこともなくなり、その先生との関係はおわったのだが。
「愛している。麗華、もう一度いいかい?加奈子が帰ってきたらしばらくは会えない。だからもう一度、麗華が欲しい。」
げ!しつこいオッサン、でも慰謝料を取るためには、と思って我慢する。
3か月後、見事に妊娠が判明するが、院長先生に言うと、離婚して結婚してくださるという。いやいや、いいから、そんなことより、お金を頂戴。
院長先生は、加奈子先生に話をつけると言って出て行かれ、その後、離婚できると嬉しそうに戻ってこられる。これでは、慰謝料が取れない!院長先生って、本当にバカ。苦労したことがないのか?ちょっと顔がいいぐらいで、チヤホヤされてきたのだろう。
案の定、院長先生は無一文で藤堂家を放り出される。加奈子先生が慰謝料を要求されなかったのは、プライドからでしょう。
「なに、医師免許があれば、どこかの病院が拾ってくれるさ。親子3人でゆっくり暮らそう。」
世の中、そんな甘いものではありません。藤堂の名前がいかに大きかったということを何も理解されていません。
それから1週間、だんだんやつれていく元院長先生、どこも雇ってくれる病院が見つからないらしい。
家へ帰ると、私の顔を見ては、私に暴言を吐くようになってきた。
「麗華のせいだ。俺が苦労して、せっかく逆玉に乗ったのに、麗華のせいで、何もかも失ってしまったのだ。学生時代、加奈子にちょっかいを掛ける医者は30名を下らなかったというのに。離婚するとき、あいつは高笑いをしてやがった。『あなたの代わりなどいくらでもいますわ。』俺と離婚して、今頃、喜んでいる医者がいるかと思えば、腹が立つ!バシーン。」
「きゃぁっ~!」
最初は悪口だけだったのに、ついに手が飛んできたのだ。それだけ元院長先生が苛立っているということだろう。
「やめて!お腹の赤ちゃんが!」
「あの日、麗華が安全日です。なんて、嘘を吐くからだろう?どこが安全日だ。すぐに妊娠しやがって。この嘘つき女!お前のせいで俺は破滅したんだぞ!苦労して、医学部へ行き、やっと加奈子と仲良くなれたと喜び、結婚したというのに!」
怒りながら、殴る。泣きながら、蹴る。ついにお腹が強烈痛み出して。気づけば救急病院の産科で流産していた。
私だって、何もかも失ったわよ。夢も仕事も赤ちゃんも……、美人になど、生まれてこなければよかった。
それから1年後のことだった。看護師の資格があるので、私は仕事に復帰した。もう医者の玉の輿狙いなんて、していない。貧しくてもいいから、誠実な男性と付き合っている。彼と結婚話が出るが、一度、流産しているので、出産が難しいだろう。だから、結婚話は保留しているのだ。
ウチの病院の患者さんが、藤堂病院に転院されることが決まり、付き添ってほしいと依頼があったのだ。断りたいけど、断われば「なぜ?」と質問攻めにあうから、仕方なく、すぐ帰るつもりで藤堂病院への付き添いをOKした。
藤堂病院には煮え湯を飲まされた、というか元は自分が蒔いた種が原因なのだけど、あの後、加奈子先生が再婚されたかどうかは、知らない。興味がなかったので、調べることもしなかったのだ。
藤堂病院の中は相変わらず、賑わっていた。待合室もいっぱいで、受付待ちの行列までできていた。一人の女性が、ベビーカーを押しながら、他の患者さんと楽し気に喋っている。その女性はけっこうな、おブス。ん?と見返してみると、なんと!その女性は加奈子先生だった。3か月検診に来ていらしたようだ。計算すると、あの子は、元院長先生の子としか考えられないのである。
それに患者さんのおばさんは「院長先生」と加奈子先生を呼んでいる。
私は、ベビーカーに近づいて、赤ちゃんの顔を見に行くと、やはりまぎれもなく元院長先生の種であることは間違いない顔をしていらした。
{許せない!私の赤ちゃんは、元院長先生のDVで流れてしまったけど、加奈子先生はのうのうとあんなかわいい子を産んでいるなんて!}
急に沸き上がった殺意は、どうしようもない。私は、加奈子先生がいつも利用している駐車場まで行き、そこでマンホールのふたを開けておく。
そして何食わぬ顔をしてロビーへ戻り、加奈子先生が駐車場へ向かわれたときに、声をかける。
「加奈子先生!」
「え?……と、どなたでした?私の患者さん?」
「いいえ、1年前まで藤堂病院にいました笹崎麗華です。お子さん、お生まれになったのですね。おめでとうございます。」
名前を言うと、明らかに加奈子先生は動揺され、後ずさりされたが、赤ちゃんのことを褒めると笑顔になられる。
そう母親は、本能で子供のことを言われると自然に顔がほころぶのである。
「そういえば、流産されたとか?その後、お身体大丈夫でございますか?」
「ええ、もう元院長先生とは別れ、今は別の人と結婚しています。」
ちょっとした嘘を吐く。
「そうなの。今度こそ幸せになってね。」
「赤ちゃんの顔を見せていただいてもいいですか?お名前は?」
マンホールの近くまで、加奈子先生を誘導することに成功する、そしてベビーカーに近づき、加奈子先生をマンホールの穴に向かって、思いっきり突き飛ばしたのである。
「え?え?えーっ!」
悲鳴とともに、マンホールの中へ落ちていく加奈子先生。
ざまぁみろ!すっとしたわ。慌てて、マンホールのふたを閉めようとしたら、赤ちゃんが異変に気付き、泣き叫ぶ。尋常な泣き方でないことから、周囲の人が集まってくる。
「大変です!加奈子先生がマンホールの中へ落ちられました。」
自分で突き落としていながら、咄嗟に嘘を吐く。
「誰だ!こんなところにマンホールのふたを開けっぱなしにしている奴は!レスキュー隊を呼べ!早く!」
急に駐車場が騒然としてきた。誰かが110番をしたのだろうか?気がつけば、私は警察署の留置場の中にいた。防犯カメラにマンホールのふたを開け、加奈子先生を突き飛ばしている様子が映っていたらしい。
悪いことは、できない。
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