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4.美少年剣士
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アンドレアが嬉々として、刃指定いると、その後ろを兄のカルバンや父のマーティが行きを切らしながら、懸命についてきている。
アンドレアは、若いカラダに戻り、嬉しくなって悦んで走っているだけなのだが、兄や父は、これもアンドレア流の鍛錬の一つと勘違いして、走っている。
まあ、鍛錬と言えば、鍛錬なわけだけど、かの黒沢監督もおっしゃっていたように、戦場で走れないものは、死を待つのみということだから、前世、俺は戦場を経験していないが、映画を観て不覚感銘を受けたので、今でもそのシーンが忘れられない。
グランドをまだ10週しか走っていないが、そろそろ腹時計が鳴り出したので、やめて、シャワーを浴び、着替えて、朝食の食堂に行くが、まだ父も兄も修練場から戻ってきていないみたい。
ひょっとしたら、まだ走っているとか?ってことはないよね?いくらなんでも、遅すぎる。
その頃、父と兄は、アンドレアの対策協議をしていた。
「我が家に取り、有益なことは間違いないが、いつの間に、あんなに強くなっていたのだ?」
「倒れて、記憶を失ったときに、何かに目覚めてしまったとしか言いようがありません。」
「ご先祖様の加護かもしれんな。とにかく、このことは他言無用で良いな?」
他の騎士たちも一様にコクコクと頷いている。
それからというものアンドレアの朝の修練は、日課となっていく。
最初に日傘をさしてのランニング20周、片腕の腕立て伏せ左右150回ずつの後、両腕で200回の腕立て伏せを行う。それが終わると素振り2000回を行い、時折、求めに応じて、騎士を相手に剣を構えることもある。
デカの時は、これに柔道の稽古もしていたから、朝5時から稽古ということもザラにあったのだ。
これだけの修練の成果があればこそ、怪我もせずに仕事に取り掛かれるということ。
クロフォード家騎士団は、アンドレアがしている修練と同じメニューをこなしているが、今までの修練よりも厳しくなったので、必死になって食らいついて言っている。
「お嬢様に負けてたまるか!」
意思高揚が激しい。
新たな目標として、アンドレアが立ちはだかった格好になっている。
騎士といえども紳士なわけなのに、令嬢に敵愾心を抱き、蔑ろにするというのは外聞が悪い、そこで父と兄は、アンドレアを男装させることにしたのだ。
修練の間だけ、アンドレアを騎士アンディとして、男性並みに扱い、昼間は令嬢に戻る。という二重生活を始めることになった。
長い髪をひとまとめにして帽子の中に入れ、胸のふくらみはさらしを巻いて隠す。
令嬢というより、美少年剣士のいでたちに侍女からは黄色い声があがる。
アンドレアは前世の防刃チョッキやプロテクターを参考に重い鎧から、動きやすく軽い鎧へと変えていく試みをしていく。
それと転んだ時の衝撃を和らげる「受け身」を教えていくことにする。
倒れた時に、とっさにできるまで何度も練習する。
「つい、この間まで転んで記憶喪失になった妹が教えるとは、あの時は、受け身をとらなかったんだな?」
いつまでも、兄が前世の記憶を取り戻す前のことをからかうので、つい意趣返しのつもりで背負い投げを決めた。
「ズテーン!」
「な、な、なんだ?今のは?アンディみたいな小さいカラダで俺を投げ飛ばすとは?一体、どうやったのだ?教えてくれ?」
「これは、柔(やわら)という格闘技です。道具を使わずに素手だけで、相手の力を利用して、投げる。」
「なるほど、カラダが小さくても相手の力を利用してなら、投げられるものかもしれないな。特にアンディは、小さくてかわいいから、相手も油断しているというわけだな。」
{可愛いは、関係ないと思うのだが?}
柔よく剛を制す
柔軟性のあるものが、そのしなやかさによって、剛強なものを押さえつけることができる。
アンドレアは、若いカラダに戻り、嬉しくなって悦んで走っているだけなのだが、兄や父は、これもアンドレア流の鍛錬の一つと勘違いして、走っている。
まあ、鍛錬と言えば、鍛錬なわけだけど、かの黒沢監督もおっしゃっていたように、戦場で走れないものは、死を待つのみということだから、前世、俺は戦場を経験していないが、映画を観て不覚感銘を受けたので、今でもそのシーンが忘れられない。
グランドをまだ10週しか走っていないが、そろそろ腹時計が鳴り出したので、やめて、シャワーを浴び、着替えて、朝食の食堂に行くが、まだ父も兄も修練場から戻ってきていないみたい。
ひょっとしたら、まだ走っているとか?ってことはないよね?いくらなんでも、遅すぎる。
その頃、父と兄は、アンドレアの対策協議をしていた。
「我が家に取り、有益なことは間違いないが、いつの間に、あんなに強くなっていたのだ?」
「倒れて、記憶を失ったときに、何かに目覚めてしまったとしか言いようがありません。」
「ご先祖様の加護かもしれんな。とにかく、このことは他言無用で良いな?」
他の騎士たちも一様にコクコクと頷いている。
それからというものアンドレアの朝の修練は、日課となっていく。
最初に日傘をさしてのランニング20周、片腕の腕立て伏せ左右150回ずつの後、両腕で200回の腕立て伏せを行う。それが終わると素振り2000回を行い、時折、求めに応じて、騎士を相手に剣を構えることもある。
デカの時は、これに柔道の稽古もしていたから、朝5時から稽古ということもザラにあったのだ。
これだけの修練の成果があればこそ、怪我もせずに仕事に取り掛かれるということ。
クロフォード家騎士団は、アンドレアがしている修練と同じメニューをこなしているが、今までの修練よりも厳しくなったので、必死になって食らいついて言っている。
「お嬢様に負けてたまるか!」
意思高揚が激しい。
新たな目標として、アンドレアが立ちはだかった格好になっている。
騎士といえども紳士なわけなのに、令嬢に敵愾心を抱き、蔑ろにするというのは外聞が悪い、そこで父と兄は、アンドレアを男装させることにしたのだ。
修練の間だけ、アンドレアを騎士アンディとして、男性並みに扱い、昼間は令嬢に戻る。という二重生活を始めることになった。
長い髪をひとまとめにして帽子の中に入れ、胸のふくらみはさらしを巻いて隠す。
令嬢というより、美少年剣士のいでたちに侍女からは黄色い声があがる。
アンドレアは前世の防刃チョッキやプロテクターを参考に重い鎧から、動きやすく軽い鎧へと変えていく試みをしていく。
それと転んだ時の衝撃を和らげる「受け身」を教えていくことにする。
倒れた時に、とっさにできるまで何度も練習する。
「つい、この間まで転んで記憶喪失になった妹が教えるとは、あの時は、受け身をとらなかったんだな?」
いつまでも、兄が前世の記憶を取り戻す前のことをからかうので、つい意趣返しのつもりで背負い投げを決めた。
「ズテーン!」
「な、な、なんだ?今のは?アンディみたいな小さいカラダで俺を投げ飛ばすとは?一体、どうやったのだ?教えてくれ?」
「これは、柔(やわら)という格闘技です。道具を使わずに素手だけで、相手の力を利用して、投げる。」
「なるほど、カラダが小さくても相手の力を利用してなら、投げられるものかもしれないな。特にアンディは、小さくてかわいいから、相手も油断しているというわけだな。」
{可愛いは、関係ないと思うのだが?}
柔よく剛を制す
柔軟性のあるものが、そのしなやかさによって、剛強なものを押さえつけることができる。
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