ブスを粗末にするな!~顔だけ美人のイジメ主犯格に旦那を寝取られ、復讐に燃える元妻

青の雀

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1学生結婚

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 佐倉桜27歳は、1歳年上の旦那佐倉裕介とは学生結婚で結ばれ、同棲3年を経て結婚5年目。ここのところ旦那の帰宅が遅い。

 帝国大学では、新入生の時にサークルの勧誘をしてくれたのが、旦那だった。サークルはワンダーフォーゲル部でともにカラダを鍛え、毎週のように山登りをしていた。

 佐倉も旦那も共に高校生の頃までは、イジメられっ子で、桜はブスでがり勉とよく虐められ、旦那も地味でパシリをよくさせられていたがり勉と罵られていたことがわかり、「そんなイジメていた奴のことなど気にするな。今度からは俺が守ってやる。」と急接近して、一緒に暮らすようになったのだ。

 そのうち、旦那が就職したことで4年生になった時に、入籍し、いつまで経ってもラブラブな新婚生活を送っていたと思っていたら。

 「好きな人ができたんだ。頼む。別れてくれ。」

 「え?私のことを好きだって言っていたくせに?何それ?信じられないわ!」

 真面目だけが取り柄の夫だと思っていたのに、相手は美人OLで同じ会社の受付嬢をしていたのだ。

 その時は、相手のOLのことをよく知らずにいたのだが、旦那が浮気ではなく相手に本気になっていることを知り、離婚してもいいかな?と思った矢先、旦那の携帯に相手の女から着信が!

 ちょうど旦那がお風呂に入っている最中だったので、ついうっかり見てしまった。相手の女の名前を見て、ビックリしてしまう。

 相手の女は、涼森鈴、赤薔薇女子学園では、女王様のようにふるまっていた美人。でもお金の力で、学歴は買えず、普通なら赤薔薇女子大へエスカレーター式で行けるところを学園では推薦状ももらえず、結局高卒が最終学歴となったのだ。

 鈴は、桜の天敵で、高校生の頃、桜のことを「ブス」呼ばわりして、さんざんイジメられていた性格ブスの女。それがこともあろうに旦那の浮気相手になろうとは、夢にも思っていなかったのだ。

 偶然ではなく、鈴は、エリートサラリーマンの妻が桜だと言うことを知って、旦那に近づいたのだ。

 「あんなブスが、イケメンエリートと結婚してるなんて、許せない。もったいないわ。彼の隣は私のほうがふさわしいわよ。」

 同窓会で、桜に(旧姓佐藤)とあったことに不審に思い、珍しい桜の苗字から旦那をつきとめたら、なんと自分の派遣先の会社のエリートコースに乗っているサラリーマンだということがわかったのだ。

 そりゃね。一応世界に名だたる最高学府の帝国大学を卒業しているわけだから。民間企業に入れば、エリートコースに乗れる。誰でも。

 それからは、鈴が猛アタックを繰り返し、ついに裕介を落としたのだ。

 裕介は、恋愛慣れしていないから、鈴にコロっと騙されてしまう。見かけだけの中身のない女に。

 鈴は美人だけあって、セレブな雰囲気を持っている。

 一緒に食事をすると、裕介までもが、特別の人間になったような錯覚を覚える。桜と一緒にいたら、絶対に味わえないような優越感を経験することで、次第に鈴に惹かれていく。

 裕介は別に桜のことが嫌いになったわけではない。一緒にいると安心感があり、一番気を使わなくてもいい安心できる存在なのだ。

 心地よい距離感は大学時代からで、それで部屋代がもったいないからと、二人で一緒に住むようになったのだ。

 桜は日常でも山でもお料理担当で、桜のお料理の腕前はなかなかのものだ。

 堅実で優しく気配りができる桜と永遠の愛を誓ったのは、博衛堂に入社したときに社長から、「好きな人がいるのなら、早めに身を固めたまえ」とアドバイスをもらったから、暗に変な女に引っかかるなよ。という意味だったことを桜と離婚してから知る。

 変な女とは、まさしく鈴のことで、鈴と結婚したことにより、裕介は会社内での評価が下がり、降格処分が待っていたのだ。

 それでもクビにならなかったのは、帝国大学卒業の学歴があったため。

 最初、学生時代は、眼鏡をかけていたのだが、なかなか内定をもらえない裕介に、桜が「コンタクトにしてみたら?印象が変わるかもしれないよ。」とアドバイスをくれ、言われた通りにしてみたら、それからバンバン内定がもらえるようになったのだ。
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