7 / 13
7
最近、スサノオは羽根を広げることにご満悦である。羽根を広げるとおのずと姿勢がよくなり気持ちいいらしい。それに背中が風通しはよくなったらしく気持ちがいいらしい。
それを見て妹のヒミコは真似をする。二人して、飛び回る姿は、天使そのもので超カワイイのだが、
「危ないから、遠くへ行ってはダメ!もう降りなさい!」
口やかましいオカンそのものになっている。
そこへアマテラスが笑いながらやってくる。こいつか?スサノオを唆して、飛ばせるようにしたのは?
ギっと睨みつけると
「おぉ、コワっ!」と言って首をすくめるのである。
そんなある日のこと、アマテラスが来ていないのに、ちょっとゴールデニアが目を離したすきに二人して、どこかへ飛んで行ってしまう。
あの子たち二人は、普通の人間ではないから、乳母では世話が焼けない。ゴールデニアの時は、どうだったのだろうか?姑の養母に聞いてみると、ものすごく手のかからない子だったらしい。
そりゃそうだね、神界で大人になってから、人間界へ生まれたんだもんね。大人として女神としての自我をもって、この世界に生まれたのだから、さぞかし子供らしくはなかったであろう。
ただ、あの子たちは違う。生まれた時から半人半神として、生まれてきたのだ。それも自我があるのかないのか?スサノオはさすがにあるだろう。ヒミコはどうかわからない。父アマテラスに言わせると、あるみたいなことを言っているが、ゴールデニアとレオナルドの前では、普通の赤ちゃんである。
何かものすご~く嫌な予感がしてきたのである。それで屋敷の上空あたりを飛んで見ることにしたのである。
幼い二人は、案の定、飛竜に取り囲まれていたのだ。
スサノオは、妹のヒミコを庇うように飛竜に威嚇をしているが、全然利いていない。まだ2歳の半分神の子である。
二人と飛竜の間に、ゴールデニアが飛ぶ。
飛竜のボス、リオレウスは
「やっと女神様がおでましか、とっとと食ってやろうかと待ち構えていたんだぞ。そこの不味そうなガキをよこせ。」
「お断りいたしますわ。」
「儂の孫がまずそうだとか言ったな?」
父アマテラスも現れたことが、リオレウスを焦らせる。
「しゃらくせぇ、ものどもやっちまえ!」
ジリジリと子供たちと飛竜の間が狭まる。
そこへ、ゴールデニアが放射線状にアイスランス氷の槍を放つ。相手は、火の龍であるから、効き目がないことはもちろん承知している。単なる時間稼ぎのためである。
なんの時間稼ぎかというと、それはゴールデニアと子供たちの周りに結界を張り、それを領地の上全体、および領空全域にまで広げるためである。
「小賢しい女よのぉ。すんなりガキをわたしさえすれば、俺様の愛人にしてやってもいいんだぜ。」
「はは。そんなことさせるか!」
「老いぼれはだまってろ!」
アマテラスもゴールデニアの結界づくりに加勢をしてくれている。本来なら、子供たちがいなければ、こんな飛竜なんぞ一握りで蹴散らせてくれるものなのだが、子供たちに危害が加えるわけにはいかない。
領空全域にすべて結界を張り終えたゴールデニアは、父とともに反撃に出る。飛竜が少しでも結界に触れたら、たちまち凍り付いてしまうのである。
形勢が替わったことに気づかない飛竜たちリオレウスは、子供たちめがけて、攫おうと低空飛行した途端!
「熱っ!」
決して熱いわけではない。冷たすぎるものを触った時、なぜか熱く感じるアレだ。
翼の一部が凍り付いて、たちまち飛べなくなる。中には、足から順番に凍っていくものもいる。
火を噴いて、仲間の氷を溶かそうにも、とかしたらただの水になって再生できない。バタバタと結界のところに落ち、次々と凍っていく飛竜たち。
ついに!リオレウスも片側の翼を凍らせ、命乞いに必死である。
「た、た、たすけてくれ!ほんの出来心だったんだよぉ。チビが二匹、上空を気持ちよさそうに飛んでやがるから、ちょいとイタズラしてやろうと思っただけだ。」
「ほう、リオレウスが幼女好きの変態、変質者だったとはなぁ。儂の孫は、可愛いだろう?あんなに小さくても飛べるんだぜぇ。」
「は、はい、それはもう食べたくなりました。」
「なにぃ!儂の孫を食べるなど許さん!」
リオレウスはアマテラスの誘導尋問にひっかかり、翼をもぎ取られ、ポセイドンがいる海へ投げ込まれます。あとは、弱肉強食の世界で、魚たちの餌食に。
子供たちは、というとオネムタイムです。空中で浮きながら、ウトウトしています。母と祖父にこんな死闘をさせておきながら、呑気なものだと呆れます。
「なんだぁ、せっかくスサノオとヒミコの前でいい恰好してやろうと思ってたのに、お昼寝で見ていないのか?」
「だいたいお父さんが飛ぶことを教えるからよ。でも助けてくれて、ありがとう。」
「それよりカラダはいいのか?大丈夫か?」
「ええ、少し悪阻があるだけで、大丈夫です。この子には、余計なこと、教えないでよ!」
お腹をさすりながら応えるゴールデニア、そう今、妊娠9週目なのである。
「いや、もしも男なら、今度こそ神界へ連れて帰り、儂の後継ぎとする。」
「何、勝手なことをまた……。」
クスクスと笑い合う父娘が上空で、さまよい飛んでいる。
それを見て妹のヒミコは真似をする。二人して、飛び回る姿は、天使そのもので超カワイイのだが、
「危ないから、遠くへ行ってはダメ!もう降りなさい!」
口やかましいオカンそのものになっている。
そこへアマテラスが笑いながらやってくる。こいつか?スサノオを唆して、飛ばせるようにしたのは?
ギっと睨みつけると
「おぉ、コワっ!」と言って首をすくめるのである。
そんなある日のこと、アマテラスが来ていないのに、ちょっとゴールデニアが目を離したすきに二人して、どこかへ飛んで行ってしまう。
あの子たち二人は、普通の人間ではないから、乳母では世話が焼けない。ゴールデニアの時は、どうだったのだろうか?姑の養母に聞いてみると、ものすごく手のかからない子だったらしい。
そりゃそうだね、神界で大人になってから、人間界へ生まれたんだもんね。大人として女神としての自我をもって、この世界に生まれたのだから、さぞかし子供らしくはなかったであろう。
ただ、あの子たちは違う。生まれた時から半人半神として、生まれてきたのだ。それも自我があるのかないのか?スサノオはさすがにあるだろう。ヒミコはどうかわからない。父アマテラスに言わせると、あるみたいなことを言っているが、ゴールデニアとレオナルドの前では、普通の赤ちゃんである。
何かものすご~く嫌な予感がしてきたのである。それで屋敷の上空あたりを飛んで見ることにしたのである。
幼い二人は、案の定、飛竜に取り囲まれていたのだ。
スサノオは、妹のヒミコを庇うように飛竜に威嚇をしているが、全然利いていない。まだ2歳の半分神の子である。
二人と飛竜の間に、ゴールデニアが飛ぶ。
飛竜のボス、リオレウスは
「やっと女神様がおでましか、とっとと食ってやろうかと待ち構えていたんだぞ。そこの不味そうなガキをよこせ。」
「お断りいたしますわ。」
「儂の孫がまずそうだとか言ったな?」
父アマテラスも現れたことが、リオレウスを焦らせる。
「しゃらくせぇ、ものどもやっちまえ!」
ジリジリと子供たちと飛竜の間が狭まる。
そこへ、ゴールデニアが放射線状にアイスランス氷の槍を放つ。相手は、火の龍であるから、効き目がないことはもちろん承知している。単なる時間稼ぎのためである。
なんの時間稼ぎかというと、それはゴールデニアと子供たちの周りに結界を張り、それを領地の上全体、および領空全域にまで広げるためである。
「小賢しい女よのぉ。すんなりガキをわたしさえすれば、俺様の愛人にしてやってもいいんだぜ。」
「はは。そんなことさせるか!」
「老いぼれはだまってろ!」
アマテラスもゴールデニアの結界づくりに加勢をしてくれている。本来なら、子供たちがいなければ、こんな飛竜なんぞ一握りで蹴散らせてくれるものなのだが、子供たちに危害が加えるわけにはいかない。
領空全域にすべて結界を張り終えたゴールデニアは、父とともに反撃に出る。飛竜が少しでも結界に触れたら、たちまち凍り付いてしまうのである。
形勢が替わったことに気づかない飛竜たちリオレウスは、子供たちめがけて、攫おうと低空飛行した途端!
「熱っ!」
決して熱いわけではない。冷たすぎるものを触った時、なぜか熱く感じるアレだ。
翼の一部が凍り付いて、たちまち飛べなくなる。中には、足から順番に凍っていくものもいる。
火を噴いて、仲間の氷を溶かそうにも、とかしたらただの水になって再生できない。バタバタと結界のところに落ち、次々と凍っていく飛竜たち。
ついに!リオレウスも片側の翼を凍らせ、命乞いに必死である。
「た、た、たすけてくれ!ほんの出来心だったんだよぉ。チビが二匹、上空を気持ちよさそうに飛んでやがるから、ちょいとイタズラしてやろうと思っただけだ。」
「ほう、リオレウスが幼女好きの変態、変質者だったとはなぁ。儂の孫は、可愛いだろう?あんなに小さくても飛べるんだぜぇ。」
「は、はい、それはもう食べたくなりました。」
「なにぃ!儂の孫を食べるなど許さん!」
リオレウスはアマテラスの誘導尋問にひっかかり、翼をもぎ取られ、ポセイドンがいる海へ投げ込まれます。あとは、弱肉強食の世界で、魚たちの餌食に。
子供たちは、というとオネムタイムです。空中で浮きながら、ウトウトしています。母と祖父にこんな死闘をさせておきながら、呑気なものだと呆れます。
「なんだぁ、せっかくスサノオとヒミコの前でいい恰好してやろうと思ってたのに、お昼寝で見ていないのか?」
「だいたいお父さんが飛ぶことを教えるからよ。でも助けてくれて、ありがとう。」
「それよりカラダはいいのか?大丈夫か?」
「ええ、少し悪阻があるだけで、大丈夫です。この子には、余計なこと、教えないでよ!」
お腹をさすりながら応えるゴールデニア、そう今、妊娠9週目なのである。
「いや、もしも男なら、今度こそ神界へ連れて帰り、儂の後継ぎとする。」
「何、勝手なことをまた……。」
クスクスと笑い合う父娘が上空で、さまよい飛んでいる。
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
追放令嬢のスローライフ。辺境で美食レストランを開いたら、元婚約者が「戻ってきてくれ」と泣きついてきましたが、寡黙な騎士様と幸せなのでお断り!
緋村ルナ
ファンタジー
「リナ・アーシェット公爵令嬢!貴様との婚約を破棄し、辺境への追放を命じる!」
聖女をいじめたという濡れ衣を着せられ、全てを奪われた悪役令嬢リナ。しかし、絶望の淵で彼女は思い出す。――自分が日本のOLで、家庭菜園をこよなく愛していた前世の記憶を!
『悪役令嬢?上等じゃない!これからは大地を耕し、自分の手で幸せを掴んでみせるわ!』
痩せた土地を蘇らせ、極上のオーガニック野菜で人々の胃袋を掴み、やがては小さなレストランから国をも動かす伝説を築いていく。
これは、失うことから始まった、一人の女性の美味しくて最高に爽快な逆転成り上がり物語。元婚約者が土下座しに来た頃には、もう手遅れです!
偽りの断罪で追放された悪役令嬢ですが、実は「豊穣の聖女」でした。辺境を開拓していたら、氷の辺境伯様からの溺愛が止まりません!
黒崎隼人
ファンタジー
「お前のような女が聖女であるはずがない!」
婚約者の王子に、身に覚えのない罪で断罪され、婚約破棄を言い渡された公爵令嬢セレスティナ。
罰として与えられたのは、冷酷非情と噂される「氷の辺境伯」への降嫁だった。
それは事実上の追放。実家にも見放され、全てを失った――はずだった。
しかし、窮屈な王宮から解放された彼女は、前世で培った知識を武器に、雪と氷に閉ざされた大地で新たな一歩を踏み出す。
「どんな場所でも、私は生きていける」
打ち捨てられた温室で土に触れた時、彼女の中に眠る「豊穣の聖女」の力が目覚め始める。
これは、不遇の令嬢が自らの力で運命を切り開き、不器用な辺境伯の凍てついた心を溶かし、やがて世界一の愛を手に入れるまでの、奇跡と感動の逆転ラブストーリー。
国を捨てた王子と偽りの聖女への、最高のざまぁをあなたに。
「毒が効かない体になるまで毒を盛られた令嬢は、復讐なんて望まない——ただ、助けもしないだけ」
歩人
ファンタジー
侯爵令嬢エレーナは、義母と義妹に3年間毒を盛られ続けた。「病弱な姉」として
社交界から消し、財産と婚約者を奪う計画——しかしエレーナには、前世の記憶から
来る毒物の知識があった。毒の種類を特定し、密かに解毒しながら「弱った姉」を
演じ続け、証拠が積み上がるのを待つ。卒業の夜会で義妹が勝ち誇るその場で、
エレーナは3年分の診断書を差し出す。「復讐? いいえ。ただ、もう助けないだけ」
【完結】悪役令嬢ですが、元官僚スキルで断罪も陰謀も処理します。
かおり
ファンタジー
異世界で悪役令嬢に転生した元官僚。婚約破棄? 断罪? 全部ルールと書類で処理します。
謝罪してないのに謝ったことになる“限定謝罪”で、婚約者も貴族も黙らせる――バリキャリ令嬢の逆転劇!
※読んでいただき、ありがとうございます。ささやかな物語ですが、どこか少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
『魔力ゼロの欠陥品』と蔑まれた伯爵令嬢、卒業パーティーで婚約破棄された瞬間に古代魔法が覚醒する ~虐げられ続けた三年間、倍返しでは足りない~
スカッと文庫
恋愛
「貴様のような無能、我が国の王妃には相応しくない。婚約を破棄し、学園から追放する!」
王立魔道学園の卒業パーティー。きらびやかなシャンデリアの下、王太子エドワードの声が冷酷に響いた。彼の隣には、愛くるしい表情で私を嵌めた男爵令嬢、ミナが勝ち誇ったように寄り添っている。
伯爵令嬢のリリアーヌは、入学以来三年間、「魔力ゼロの欠陥品」として学園中の嘲笑を浴び続けてきた。
婚約者であるエドワードからは一度も顧みられず、同級生からはゴミのように扱われ、ミナの自作自演による「いじめ」の濡れ衣まで着せられ……。
それでも、父との「力を隠せ」という約束を守るため、泥を啜るような屈辱に耐え抜いてきた。
――だが、国からも学園からも捨てられた今、もうその約束を守る必要はない。
「さようなら、皆様。……私が消えた後、この国がどうなろうと知ったことではありませんわ」
リリアーヌが身につけていた「魔力封印の首飾り」を自ら引き千切った瞬間、会場は漆黒の魔力に包まれた。
彼女は無能などではない。失われた「古代魔法」をその身に宿す、真の魔道の主だったのだ。
絶望する王太子たちを余目に、隣国の伝説の魔術師アルベルトに拾われたリリアーヌ。
彼女の、残酷で、甘美な復讐劇が今、幕を開ける――。